前から何の気なしに言っていることだが,暴力団は人によっては法律をよく知っていて比較的知的水準が高い人間もいて,かつテロリストで,国外の工作活動にも関与しているスパイ組織でもある不正行為全般を生業とする組織である.
彼らはこれだけやばいと言えるのは,
「
詐欺が出来る
法律が理解できる
政治活動の支援が出来る
薬物を製造できる
資金源が有る
武器が有る
人が集まるときが有る
」
といったことになっているからである.
これだけ確信犯的な要素が有れば非正規のゲリラ軍と看做して警察や自衛隊が殺傷しても良いように法律を変えても文句は言われない可能性が高い.
倉庫の“ロケット砲”はロシア製か
6月29日 21時59分
28日、北九州市戸畑区の住宅街にある倉庫で、拳銃や実弾のほか、軍事用のロケット砲とみられる武器が見つかった事件で、ロケット砲とみられる武器は、形状などから戦争で使われるロシア製のものだとみられていて、警察が詳しい鑑定を進めています。
28日午後2時ごろ、北九州市戸畑区浅生の倉庫で、拳銃5丁と実弾50発余り、それに、軍事用のロケット砲とその砲弾とみられる武器が隠されているのが見つかりました。
警察は、28日に続いて29日も銃刀法違反などの疑いで倉庫を捜索しました。
警察によりますと、倉庫は木造2階建てで、建物の中はごみや工具が散乱していて、拳銃や実弾は1階で、ロケット砲とみられる武器は2階に置かれたバッグの中に入っていたということです。
ロケット砲とみられる武器は、金属製の筒の表面にロシア語が書かれていることや形状から戦争で使われるロシア製のものだとみられるということです。
警察は、実際に砲弾を発射できるのかなど詳しい性能の鑑定を進めることにしています。
また、警察は、この倉庫が暴力団の武器庫として使われていた疑いもあるとみていて、これらの武器が隠されていた経緯を詳しく捜査しています。
これだと,暴力団で出動するのが警察でなく自衛隊も一緒になる.
対戦車ロケット砲なので,本当の政治家の暗殺でも何でもできるゲリラ部隊そのものである.
武器のレベルとしては北朝鮮の青瓦台事件を上回るものなので,もっと強烈に怖がって良いように思う.
手榴弾もあるらしいので必ず警察も装甲車が欲しくなると思う.
武器としてライフルグレネードが無いのはイメージによるものかもしれないが,自動小銃が嫌いなことも一因だと思う.
武器も地面に埋めると言う事を一つも考え付いてくれていない.
自動小銃を持つと本当の戦闘員と看做されるという理由だが,本当にハーグ陸戦協定のことを知っているらしい.
<メキシコ>「麻薬戦争」激化…掃討5年半、死者5万人
毎日新聞 毎日新聞:記事一覧 2012年6月30日(土)2時32分配信
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麻薬犯罪組織と戦うため、軍のような重装備で出動するエリート警察部隊=メキシコ北西部シナロア州クリアカンで6月12日、國枝すみれ撮影
麻薬犯罪組織と戦うため、軍のような重装備で出動するエリート警察部隊=メキシコ北西部シナロア州クリアカンで6月12日、國枝すみれ撮影
毎日新聞
「麻薬戦争」が激化するメキシコ。7月1日に投開票される大統領選の最大争点は治安回復だ。カルデロン大統領がカルテルと呼ばれる麻薬犯罪組織の掃討作戦に着手して5年半。死者は約5万人に達したが、出口は見えない。世界最大の麻薬犯罪組織シナロア・カルテルの本拠地に飛んだ。【シナロア州クリアカン(メキシコ北西部)國枝すみれ】
12日午前7時半。迷彩服に防弾服、30口径のライフルと拳銃を装備した特殊警察隊110人が20台の車両に分乗し、シナロア州都クリアカンの本部から近郊のナボラト市に向けて出撃した。シナロア・カルテルと敵対する組織の掃討が目的。身元が割れて標的にならないよう全員が目だし帽で顔を隠す。生死をかけた戦いだ。
麻薬組織を排除したという同市の漁村アルタタに向かうフランシスコ・コルドバ州検察長官に同行した。4台の車列に分乗した18人に警護されて移動する長官は車中で「1年前まで麻薬組織が通行車両を止めて車を奪っていたが、96人を逮捕して安全になった」と成果を強調した。特殊警察隊は600人。州警察、海軍、陸軍からリクルートされた精鋭で、「エリート警察隊」と呼ばれる。州全体の殺人はこの1年で2割近く減ったという。
カルデロン大統領が06年12月に着手した「麻薬との戦い」。米国と連携し麻薬組織を武力で壊滅させる計画だったが、これを機に密売ルートを奪い合う組織同士の抗争に発展。掃討に従事する警官や軍人、買収に応じない政治家も標的となった。シナロア州では07年に747人だった死者が10年には2238人に急増。11年も1905人に上った。
「安全になったというのは幻想だ」。クリアカンの地元紙リオドセ編集者のハビエル・バルデス氏(45)は言う。5日にはクリアカン近郊で7人の切断遺体が見つかった。殺人請負料は1人当たり3000~5000ペソ(約2万~3万4000円)。9割超の犯罪が検挙されない「無法地帯」。就任からこれまでの1年半で長官の警護官は11人が殺害された。
アルタタで雑貨屋を営む女店主は「15日前にも強盗に冷蔵庫を奪われた。あなたと話していることでまた襲われるかもしれない」とおびえる。シナロア自治大学のアルトロ・サンタマリア教授(58)は冷めた口調で指摘する。「祖父も父もケシや大麻を育てた。麻薬組織は若者や女性にも根を張る。(掃討作戦は)家族や社会全体を相手に戦うようなものだ」
◇貧困が結ぶ組織と住民
「我々は(国際テロ組織アルカイダの元最高指導者)ウサマ・ビンラディンを捕まえた。ホアキン・グスマンも同じ運命をたどる。捕まえるまで絶対あきらめない」
2月、メキシコ市を訪れたナポリターノ米国土安全保障長官は記者会見で強調した。メキシコから大量の麻薬が流入する米国が、昨年殺害した同時多発テロの主導者ビンラディン容疑者に続く最大の「標的」としているのが世界最大の麻薬犯罪組織シナロア・カルテルのドンで、「エルチャポ」(チビ)と呼ばれるグスマン容疑者(55)だ。
メキシコ海軍は21日、エルチャポの息子を逮捕したと発表。麻薬戦争での「大勝利」としていたが、翌日に誤認逮捕と判明。米メキシコ両政府の大失態につながった。ナポリターノ長官は「なぜ捕まらない」といら立ちを隠さない。
麻薬戦争が泥沼化する背景には、麻薬組織が政官界や市民社会に浸透している実態がある。メキシコ当局はカルテル側から流れる賄賂は年10億ドル(約800億円)超に達するとみている。なかでもクリアカンを拠点とするシナロア・カルテルの影響力は国会議員、軍、警察に及ぶ。
昨年7月に発足したシナロア州の「エリート警察隊」。隊員になるには連邦警察学校での訓練後、最終テストとしてウソ発見器を装着し質問に答える。(1)罪を犯したことがあるか(2)麻薬を使ったことがあるか(3)権力を乱用したことがあるか(4)麻薬組織と関係したことがあるか(5)以上四つの質問に正直に答えたか--。
「6割が落ちる」。同州のコルドバ検察長官は顔色も変えずに言う。地元警察官の多くが麻薬組織に買収されていることは周知の事実だ。エリート警察隊の給与・手当を州警察官の約3倍とし麻薬組織より高い給与を払う。麻薬組織が愛用するAK47ライフルに対抗できる装備もそろえた。
カルテルは人的情報網も張り巡らす。取材中、背後の車道を遮光フィルムを張った四輪駆動車がゆっくりと2度通過し、物ごいが寄ってきて「何をしているのか」と聞いてきた。ホークス(タカ)と呼ばれる麻薬組織の目と耳になる情報屋だ。地元記者ユーディス・バレンスエラさんは「ホークスや資金洗浄など州民の4割は麻薬犯罪組織のために働き、残り6割も友人、知人、親族の中に関係者がいる。無関係な人間などいない」という。
メキシコ西部を南北に貫き、シナロア州に連なる西シエラマドレ山脈は大麻の巨大栽培地だ。1ヘクタールから8キロ、約20万ペソ(約135万円)分の大麻が育つ。3~5ヘクタールの土地があれば暮らしていける。カルテルは山奥に家、学校、教会を整備し、住民が収穫した大麻を回収する。住民にとって、政府に代わってインフラを整備する麻薬組織は「命綱」だ。コルドバ長官は「麻薬組織は住民の世話をしているのではない。利用している」と指摘するが、麻薬組織のカネが地方経済を左右するのも事実だ。
麻薬組織は推計年660億ドルの利益を上げ、シナロア・カルテルは300億ドルを手にするといわれる。州の域内総生産の2割弱を占める。だが、取り締まり強化で羽振りも以前ほどではない。クリアカンではカルテル関係者が好んで乗る高級車BMWの売り上げが08年に比べて半減した。
カルテルとの「共存」を望み、沈静化を願う人は少なくない。「稼ぎは半分に減った。麻薬戦争のせいだ」。港町マサトランのタクシー運転手、ラファエル・サンチェスさん(37)は嘆く。抗争のあおりで観光業がふるわないというのだ。コーヒー店を営むラウラ・カステニエダさん(61)は「州民と麻薬組織は母親と胎児のように一体。切り離すことはできない」と言い切った。
◇「合法経済」橋に託す
バババ--。13日、ヘリコプターで同山脈の「悪魔の背骨」と呼ばれる高低差の激しい峰を飛ぶ。眼前に、谷底から陸橋まで約402.52メートルある世界一高い斜張橋バルアルテ橋(全長1124メートル)が迫る。
残り24キロが完成すれば太平洋に面するマサトラン港から隣のドゥランゴ州をつなぐ高速道路が開通。ドゥランゴまでの輸送時間は6時間から2時間半に短縮され、米テキサス州に接するマタモロスに12時間で到達。太平洋から米国東部への輸送はパナマ運河を通すよりも早くなる。
「麻薬組織の輸送ルートになるだけだ」との懸念もある。だが、「シナロア州への投資は倍になり、観光客も増える」と通信運輸省のアルフレド・ルビオ州代表は期待を寄せる。
シナロア自治大学のギジェルモ・イバラ教授は「橋に希望を託す。投資が増え、金融機関の透明性が確保されれば合法な経済が成長し始める。麻薬組織を駆逐するには、雇用を増やし、腐敗をなくすことが重要だ」と強調する。
この規模にはならないが数千人単位の死者が出る掃討活動を日本も行う可能性は0でないといえる.
彼らはこれだけやばいと言えるのは,
「
詐欺が出来る
法律が理解できる
政治活動の支援が出来る
薬物を製造できる
資金源が有る
武器が有る
人が集まるときが有る
」
といったことになっているからである.
これだけ確信犯的な要素が有れば非正規のゲリラ軍と看做して警察や自衛隊が殺傷しても良いように法律を変えても文句は言われない可能性が高い.
倉庫の“ロケット砲”はロシア製か
6月29日 21時59分
28日、北九州市戸畑区の住宅街にある倉庫で、拳銃や実弾のほか、軍事用のロケット砲とみられる武器が見つかった事件で、ロケット砲とみられる武器は、形状などから戦争で使われるロシア製のものだとみられていて、警察が詳しい鑑定を進めています。
28日午後2時ごろ、北九州市戸畑区浅生の倉庫で、拳銃5丁と実弾50発余り、それに、軍事用のロケット砲とその砲弾とみられる武器が隠されているのが見つかりました。
警察は、28日に続いて29日も銃刀法違反などの疑いで倉庫を捜索しました。
警察によりますと、倉庫は木造2階建てで、建物の中はごみや工具が散乱していて、拳銃や実弾は1階で、ロケット砲とみられる武器は2階に置かれたバッグの中に入っていたということです。
ロケット砲とみられる武器は、金属製の筒の表面にロシア語が書かれていることや形状から戦争で使われるロシア製のものだとみられるということです。
警察は、実際に砲弾を発射できるのかなど詳しい性能の鑑定を進めることにしています。
また、警察は、この倉庫が暴力団の武器庫として使われていた疑いもあるとみていて、これらの武器が隠されていた経緯を詳しく捜査しています。
“暴力団の武器庫”に自動小銃など 6人目逮捕者は兵庫・姫路の土木作業員
2012.2.16 17:51
福岡市のマンションに多数の拳銃や自動小銃が隠されていた事件で、福岡、三重、佐賀、鹿児島の4県警は16日、銃刀法違反(加重所持)などの疑いで、兵庫県姫路市広畑区西夢前台、土木作業員菅村義信容疑者(42)を逮捕した。この事件の逮捕は6人目。
福岡県警は、マンションが指定暴力団工藤会(北九州市)の武器庫だったとみて、銃器の入手先などを調べている。
逮捕容疑は、昨年6月22日午後、福岡市西区のマンションの一室に自動小銃など14丁、実弾431発を所持した疑い。
県警によると、菅村容疑者は大阪府東大阪市の雑貨販売業中馬大樹容疑者(38)=同容疑で逮捕=の知人。「私は全く知りません」と容疑を否認しているという。
これだと,暴力団で出動するのが警察でなく自衛隊も一緒になる.
対戦車ロケット砲なので,本当の政治家の暗殺でも何でもできるゲリラ部隊そのものである.
武器のレベルとしては北朝鮮の青瓦台事件を上回るものなので,もっと強烈に怖がって良いように思う.
手榴弾もあるらしいので必ず警察も装甲車が欲しくなると思う.
武器としてライフルグレネードが無いのはイメージによるものかもしれないが,自動小銃が嫌いなことも一因だと思う.
武器も地面に埋めると言う事を一つも考え付いてくれていない.
自動小銃を持つと本当の戦闘員と看做されるという理由だが,本当にハーグ陸戦協定のことを知っているらしい.
<メキシコ>「麻薬戦争」激化…掃討5年半、死者5万人
毎日新聞 毎日新聞:記事一覧 2012年6月30日(土)2時32分配信
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麻薬犯罪組織と戦うため、軍のような重装備で出動するエリート警察部隊=メキシコ北西部シナロア州クリアカンで6月12日、國枝すみれ撮影
麻薬犯罪組織と戦うため、軍のような重装備で出動するエリート警察部隊=メキシコ北西部シナロア州クリアカンで6月12日、國枝すみれ撮影
毎日新聞
「麻薬戦争」が激化するメキシコ。7月1日に投開票される大統領選の最大争点は治安回復だ。カルデロン大統領がカルテルと呼ばれる麻薬犯罪組織の掃討作戦に着手して5年半。死者は約5万人に達したが、出口は見えない。世界最大の麻薬犯罪組織シナロア・カルテルの本拠地に飛んだ。【シナロア州クリアカン(メキシコ北西部)國枝すみれ】
12日午前7時半。迷彩服に防弾服、30口径のライフルと拳銃を装備した特殊警察隊110人が20台の車両に分乗し、シナロア州都クリアカンの本部から近郊のナボラト市に向けて出撃した。シナロア・カルテルと敵対する組織の掃討が目的。身元が割れて標的にならないよう全員が目だし帽で顔を隠す。生死をかけた戦いだ。
麻薬組織を排除したという同市の漁村アルタタに向かうフランシスコ・コルドバ州検察長官に同行した。4台の車列に分乗した18人に警護されて移動する長官は車中で「1年前まで麻薬組織が通行車両を止めて車を奪っていたが、96人を逮捕して安全になった」と成果を強調した。特殊警察隊は600人。州警察、海軍、陸軍からリクルートされた精鋭で、「エリート警察隊」と呼ばれる。州全体の殺人はこの1年で2割近く減ったという。
カルデロン大統領が06年12月に着手した「麻薬との戦い」。米国と連携し麻薬組織を武力で壊滅させる計画だったが、これを機に密売ルートを奪い合う組織同士の抗争に発展。掃討に従事する警官や軍人、買収に応じない政治家も標的となった。シナロア州では07年に747人だった死者が10年には2238人に急増。11年も1905人に上った。
「安全になったというのは幻想だ」。クリアカンの地元紙リオドセ編集者のハビエル・バルデス氏(45)は言う。5日にはクリアカン近郊で7人の切断遺体が見つかった。殺人請負料は1人当たり3000~5000ペソ(約2万~3万4000円)。9割超の犯罪が検挙されない「無法地帯」。就任からこれまでの1年半で長官の警護官は11人が殺害された。
アルタタで雑貨屋を営む女店主は「15日前にも強盗に冷蔵庫を奪われた。あなたと話していることでまた襲われるかもしれない」とおびえる。シナロア自治大学のアルトロ・サンタマリア教授(58)は冷めた口調で指摘する。「祖父も父もケシや大麻を育てた。麻薬組織は若者や女性にも根を張る。(掃討作戦は)家族や社会全体を相手に戦うようなものだ」
◇貧困が結ぶ組織と住民
「我々は(国際テロ組織アルカイダの元最高指導者)ウサマ・ビンラディンを捕まえた。ホアキン・グスマンも同じ運命をたどる。捕まえるまで絶対あきらめない」
2月、メキシコ市を訪れたナポリターノ米国土安全保障長官は記者会見で強調した。メキシコから大量の麻薬が流入する米国が、昨年殺害した同時多発テロの主導者ビンラディン容疑者に続く最大の「標的」としているのが世界最大の麻薬犯罪組織シナロア・カルテルのドンで、「エルチャポ」(チビ)と呼ばれるグスマン容疑者(55)だ。
メキシコ海軍は21日、エルチャポの息子を逮捕したと発表。麻薬戦争での「大勝利」としていたが、翌日に誤認逮捕と判明。米メキシコ両政府の大失態につながった。ナポリターノ長官は「なぜ捕まらない」といら立ちを隠さない。
麻薬戦争が泥沼化する背景には、麻薬組織が政官界や市民社会に浸透している実態がある。メキシコ当局はカルテル側から流れる賄賂は年10億ドル(約800億円)超に達するとみている。なかでもクリアカンを拠点とするシナロア・カルテルの影響力は国会議員、軍、警察に及ぶ。
昨年7月に発足したシナロア州の「エリート警察隊」。隊員になるには連邦警察学校での訓練後、最終テストとしてウソ発見器を装着し質問に答える。(1)罪を犯したことがあるか(2)麻薬を使ったことがあるか(3)権力を乱用したことがあるか(4)麻薬組織と関係したことがあるか(5)以上四つの質問に正直に答えたか--。
「6割が落ちる」。同州のコルドバ検察長官は顔色も変えずに言う。地元警察官の多くが麻薬組織に買収されていることは周知の事実だ。エリート警察隊の給与・手当を州警察官の約3倍とし麻薬組織より高い給与を払う。麻薬組織が愛用するAK47ライフルに対抗できる装備もそろえた。
カルテルは人的情報網も張り巡らす。取材中、背後の車道を遮光フィルムを張った四輪駆動車がゆっくりと2度通過し、物ごいが寄ってきて「何をしているのか」と聞いてきた。ホークス(タカ)と呼ばれる麻薬組織の目と耳になる情報屋だ。地元記者ユーディス・バレンスエラさんは「ホークスや資金洗浄など州民の4割は麻薬犯罪組織のために働き、残り6割も友人、知人、親族の中に関係者がいる。無関係な人間などいない」という。
メキシコ西部を南北に貫き、シナロア州に連なる西シエラマドレ山脈は大麻の巨大栽培地だ。1ヘクタールから8キロ、約20万ペソ(約135万円)分の大麻が育つ。3~5ヘクタールの土地があれば暮らしていける。カルテルは山奥に家、学校、教会を整備し、住民が収穫した大麻を回収する。住民にとって、政府に代わってインフラを整備する麻薬組織は「命綱」だ。コルドバ長官は「麻薬組織は住民の世話をしているのではない。利用している」と指摘するが、麻薬組織のカネが地方経済を左右するのも事実だ。
麻薬組織は推計年660億ドルの利益を上げ、シナロア・カルテルは300億ドルを手にするといわれる。州の域内総生産の2割弱を占める。だが、取り締まり強化で羽振りも以前ほどではない。クリアカンではカルテル関係者が好んで乗る高級車BMWの売り上げが08年に比べて半減した。
カルテルとの「共存」を望み、沈静化を願う人は少なくない。「稼ぎは半分に減った。麻薬戦争のせいだ」。港町マサトランのタクシー運転手、ラファエル・サンチェスさん(37)は嘆く。抗争のあおりで観光業がふるわないというのだ。コーヒー店を営むラウラ・カステニエダさん(61)は「州民と麻薬組織は母親と胎児のように一体。切り離すことはできない」と言い切った。
◇「合法経済」橋に託す
バババ--。13日、ヘリコプターで同山脈の「悪魔の背骨」と呼ばれる高低差の激しい峰を飛ぶ。眼前に、谷底から陸橋まで約402.52メートルある世界一高い斜張橋バルアルテ橋(全長1124メートル)が迫る。
残り24キロが完成すれば太平洋に面するマサトラン港から隣のドゥランゴ州をつなぐ高速道路が開通。ドゥランゴまでの輸送時間は6時間から2時間半に短縮され、米テキサス州に接するマタモロスに12時間で到達。太平洋から米国東部への輸送はパナマ運河を通すよりも早くなる。
「麻薬組織の輸送ルートになるだけだ」との懸念もある。だが、「シナロア州への投資は倍になり、観光客も増える」と通信運輸省のアルフレド・ルビオ州代表は期待を寄せる。
シナロア自治大学のギジェルモ・イバラ教授は「橋に希望を託す。投資が増え、金融機関の透明性が確保されれば合法な経済が成長し始める。麻薬組織を駆逐するには、雇用を増やし、腐敗をなくすことが重要だ」と強調する。
この規模にはならないが数千人単位の死者が出る掃討活動を日本も行う可能性は0でないといえる.