関門海峡があるから治安が悪くなるのかも

　前に西日本の方が治安が悪いというあまり好ましくない感じの発言をしていたが統計上は極端な差ではないながら事実である。西日本の方が治安良くないことを人間性の問題や制度の問題と考えることは私はしない。それよりももっと具体的に人間の行動を制約している地理的条件にその原因があると考えている。

　私が推測する犯罪を多くする西日本特有の地理的条件とは公海と陸地が極端に接近する関門海峡が存在することである。この関門海峡を日々多くの外国船舶が通過する。この船舶に紛れておそらくは密輸出入を行う船舶も存在している可能性は大きい。海上での受け渡しや投下などさまざまな方法で密輸が行えるのは確実である。

　事実、日本に居る在日朝鮮人は朝鮮戦争やそれ以前に日本に密入国して多数が京阪神や中国地方に居るが、彼らは大体が朝鮮半島から関門海峡を通過してその地にやってきたことが分かっている。また、密入国など検挙は西日本がかなり多く、かなり昔から西日本の港は密輸出入が頻繁であったようだ。

　韓国や中国などの外国と比較的近く、貿易に便利であるというのはプラスの側面でもあって、西日本で日本の文化吸収が生じていた理由であると言えなくもないわけだが、外部からの社会に攪乱を生じる要因が入り込みやすい。確かにそこに首都を置いておくのは江戸時代頃には元寇の経験から不安が持たれていたものと考えられる。

　今だにその地理的制約は有意なものであり、経済中心が京阪神移ることはあっても、東京からそちらに治安維持の観点や歴史的経緯から見れば首都機能が移ることはおそらくない。オーストラリアの首都はキャンベラだが、主要な経済都市はシドニーであるとか、アメリカの首都はニューヨークでなくワシントンDCであることと同じようなものだが、そういう日本の将来像もありえなくはないはずである。