アールグレイ日和

春畑 茜(短歌人+里俳句会)のつれづれ。
降っても晴れても、そこにサッカーはある。

ジダンの一件が子供に与える影響

2006年07月14日 20時55分02秒 | サッカー関連
今日買ってきた「Number」(657)に、ナンバー・ノンフィクション「オグに見た夢。」(近藤篤=文・写真)が掲載されている。
元日本代表・小倉隆史が現役を引退して、数ヶ月がたった。
若いころから将来を嘱望された「レフティー・モンスター(左利きの怪物)」の引退としてはあまりにも寂しくあっけないものだった。
今日たまたまアズーリの記事を読もうと買ってきた雑誌に、
そのオグの何年間かを追った文章が掲載されているのを見て、とてもうれしかった。
うれしくて、でも読み終えて、やっぱり寂しくなった。

小倉ほどの「夢を見せてくれるストライカー」が、それからの日本にはいない。
果たして、オグを超えるようなストライカーがこれから先出てくるだろうか。
それはいつなのか。
それとも永遠に出てこないのか。
今はまだわからないのだ。

その文章の最後にセルジオ越後さんの言葉が出てくる。
「(略) 怪我してもしなくても、最終的にね、選手の財産っていうのは残した思い出だから。それが永遠に生きてくわけだから」




*
ジダンの頭突き一発退場の場面が、毎日あちこちのニュースで流されている。
これが世界的に人々の関心をひくニュースであることは認めるとして、
しかし世界中の子供たちに与える影響は決してよくないことを思うと、
ニュースは仕方がないとしても、あの映像をこれ以上オンエアしないでほしいと思う。
うちのちび鯱(4歳)もサッカーが大好きで、W杯でのジダンのプレーもよく見ていた。
しかしニュースであの場面を見るたびに
「ジダン、頭突きしちゃダメなんだよー!」と泣きそうな顔で言う。
子供にはジダンがなぜ頭突きをしてしまったのか、その背景や理由がわからない。
映像の衝撃だけが子供の記憶に刻まれてしまうのだ。


昨日たまたま診察待ちでテレビを見ていたら、とある民放の夕方のニュースで
この一件の続報が流れていて、そこでもちび鯱が「頭突きしちゃダメだー」と反応していた。
ニュースはジダンのことばかり言うけれど、あのジダンの行為でほかのフランス代表選手たちの好プレーがあまり語られなってしまったことが、とても残念に思われる。

しかも、そのニュースではイタリアのマテラッツィのことを悪者としてとり上げたい(?)らしく、あのイタリア-豪州戦でマテラッツィが一発レッドカード退場になってしまったファウルを「とても悪質」というニュアンスで伝えていた。
しかし、あの試合でのマテラッツィのファウルに関しては、即刻レッドカーを与えた主審のほうに問題があると思っている。それほどに悪質ではなかった。
イエローカードで十分だったのだ。
それを悪質極まりないようなものだったと歪めて報道してしまうことのほうが、
よほどレッドカードに値するような悪質な行為だと思う。

W杯は終ったが、何だかいつまでも後味の悪い大会となってしまった。
「頭突き」で現役引退となってしまったジダンが残念でならない。










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