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本~母の遺産-新聞小説

2014-02-02 | --- 2.3 読書

芝刈りをしたあとの

日曜午後、一気に読み終わりました。

 

面白い小説に夢中になれる深い幸せを久しぶりに感じました。

 

自分が買うのはほとんど古本、、、しかも安くなったころのに買っているので

これもAmazonで古本を買ったのですが。。

Gmail、iPod、2011年の震災が出てきた小説ははじめてでした。

 

特定のウェブメールでなく、Eメールと書いてもらったほうが自分としてはしっくりときました。

Gメールは、本当にGメールを使っていらっしゃったようです。

Facebookはでてきませんが、FBのようにどのブラウザからアクセスがあったと

連絡がきていれば哲夫さんもメールを読まれている、と気付くことができたのではではとおもいました。

以上、本題からははずれた感想でした。

 

ストーリーはAmazonのコメント欄から引用すると

「主人公・美津紀は、若い女と同棲する夫のことに悩みながら重症の母の介護に翻弄される大学講師兼翻訳家の50代女性です。物語の前半は、祖母の時代からの家系をたどり、異常に身勝手な母に育てられた自分の屈折した精神状態を赤裸々に描きだします。「死んで欲しい」と願うのになかなか死なない母親の前に美津紀は疲労困憊し、憔悴し切るのです。母の死後にまとまった遺産が入ってきてからが後半の物語です。気分を晴らすために出かけた冬の箱根のホテルで過ごし、逗留客と交流するなかで、美津紀は重大な決心に至ります。中年女性の過去からの解放と自立の物語と読めますが、作者の意図はもう少し深いところにあるようです。。。」

 

同じ方のコメント

本作は、いま書店の店頭にあふれているおおかたの小説本とは一線を画する重厚で奥行きのある作品

 

母の遺産は読売新聞に連載された新聞小説だったのですが

タイトルの「新聞小説」は金色夜叉が新聞小説であったことも関連しています。

母の遺産―新聞小説
 
中央公論新社

 

私はP285とP455かな。(単行本第三版)

 

主人公の美津紀さんの母親はとてもわがままにとらえられていますが

娘の幸せを願っていたという点は

もう少し汲み取ってあげてもよかったのではないかとおもいました。

 

Amazonより、そのほかのコメントをコピペ

水村美苗氏は推敲に推敲を重ねた上で作品を発表すべき人であって、新聞小説には向かないのではなかろうか。(『続・明暗』『本格小説』の構成力を見よ。)氏のことだから、今回の失敗を繰り返すことはあるまい。多分二度と新聞に小説を発表することはなかろう。万が一発表する時でも、きっとあらかじめ書き上げた上で、さらに推敲を加えながら連載を進めて行くのではあるまいか。
 最後に(これは水村氏の責任ではないのかもしれないが)
 この小説の連載の最後は4月2日、あの3.11大震災の直後である。水村氏はこの未曾有の災禍に物書きとして何らかのかたちで対応しないではいられなかった、そして締切りまでには深く考える時間は残されていなかった。だから、最後の章があのように如何にも取って付けたようなものとなってしまったのだろう。私は終章を読んだ後、谷崎が太平洋戦争の最中に『細雪』を書き続けていたことを考えずにはおられなかった。

読後感はいいです。
多分、主人公の今後への展望が前向きであったからでしょう。
確かに、このような経済的な幸運は誰にでも許されるものではないので、
その点で鼻白らむ方もいるでしょう。
でも、そこに至るまでの主人公の悩みは
(それでも庶民からみたら恵まれてはいるものの)
やはり、子供もなく、夫にも去られて、定職についておらず、
体調も悪くなっていくなかで、自分の容色の衰えも自覚せざるを得ない
女性に特有のものであり、それは作者はリアリティを持って描いていると思う

 

ところで、当時の新聞小説の役割って、今ではNHKの朝のテレビドラマが担っているのではないか、とも思う』 

なるほど~(≧∀≦)

 

「この年になると、いくら新たな出発点に立たされようと、真に新たな出発点などはない」「自分の人生はこのままひたすら何もないままに下降線を辿るしかないのだろうか」と思うほどに落ち込んだ中年女が、お金の不思議な力によって浮上してくるのである。「五十代で、母親だけじゃなくって、夫までいなくなって、金貨ザクザク大金」という「シンデレラストーリー」を手に入れた主人公は、「私は幸せだ」と思わず口にするまでに残りの人生に前向きになる。その「幸せ」は決してフワフワしたおとぎ話のような甘いものではなく、「母が二度とみることはない桜の花」を、いずれ自身も「二度と見ることがなくなる」その日まで、しっかりと生ききろう決意した人間だけが味わえる乾いた諦めにも似た、幸せの境地である

 

小説の疑似体験をするための小道具一覧!?

ホテル :元箱根港-芦ノ湖に面している男爵の別邸跡にたったホテル 山のホテル

カフェ:和光別館はやめて並木館 紅茶一杯1000円

懐石料理:いまむら

 

kindle版はなく、単行本524ページ。

いや~でも、ほんと、 重かったです。

 

My関連ブログ~ 〔読書〕「嵐が丘」と「本格小説」


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