Secret Society

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エロゲーマーの、交換日記的ブログ

『妹と彼女 それぞれの選択』 感想

2024-05-14 22:31:26 | エロゲ感想@えむあい
『妹と彼女 それぞれの選択』 Waffle
2023年12月発売。
2023年ベストエロゲ等で話題に挙がっていたので購入。
実の兄妹ながら愛し合ってしまっている主人公と妹、
そしてそこに入り込んでくる「妹とまったく同じ顔」の女、
その三人がメインの近親相姦ストーリー。
ネタバレありの感想になりますので、ご注意ください。


・シナリオ 50~60点
主人公(兄)視点の章、妹視点の章、間女視点の章、の三章構成。
結末は2パターンあり、主人公→妹視点と間女章とで大きく変わります。
兄視点が鬱々として長ったらしく、読むのにも時間がかかりました。

物語開始時点で兄妹は濃厚な両想いですが、表立って伝え合うことはできない。
なんつっても実家暮らしの兄と妹です。血も100%繋がっている。
どうしたら妹を悲しませず生きていけるのか…と悩む兄を、男友達がキャバへ連れていく。
大学生だけどな!
なんとそのキャバには妹とまったく同じ顔・同じ声のホステスが…。
そして、そのホステスはいきなり兄をホテルに連れ込み(無料で)初体験。
…ここで「無理だろ」と思っていたらこの先やっていけません。

この後間女は妹に「入れ替わり」を提案。
自分が妹になるから、妹は「兄の恋人」になればいいという理屈。
少し前まで他人だった間女が、妹のふりをして実家で暮らしたりするわけです。
親の目はどんだけ節穴なのか…

間女同棲ルートは前二章に比べて新鮮に楽しめたものの、
後半になるにつれグダってきて最後はモヤッと終了。
あの結論自体はアリだと思うのですが、登場人物すべての始末が適当過ぎる。
最後のCGがラストシーンのかなり手前、
「三人で混浴しているのに、間女だけが映された一枚」なのも謎。
あそこの時点で「三人で喋ってるのになぜ兄妹は一枚絵に出ないのか」と
思いながら読んでいましたが、まさかあれがラストの絵になるとは…。
あの終盤あたり、もう締め切りが近いのか力尽きたのかなんなのか。

男友達が途中で出張ってきて「もう兄妹に近づくな」と間女を面罵していたため
その後何か動きを見せるのか…と警戒していたら彼の出番はそこで最後でした。

兄妹には「同じく兄妹で愛し合って駆け落ちしてしまった叔父と叔母」がいるのですが、
回想でしか登場せず。
父母も出番は多いけれど肝心の部分に踏み込んでくることはなく、
娘が他人と入れ替わっても怪訝に思うこともないまま終了。

兄視点終盤、妹が彼氏を連れ込んできて隣室でいざ初体験…
という時に聞き耳立てながらおっきしちゃって間女に手コキされるとこが
一番良かった。
なぜあそこで中断しちゃったんですかね。
間女同棲ルートでちゃんとした初体験があるんだから、あそこはNTRで良かったのに。

他、心に響くシーンもぽつぽつあったのですが、
どちらかというと、本来はインモラルエロが得意なライターさんなのではないかと。


・グラフィック 50~60点
ヒロインは二人、かつ同じ顔。
ほとんどが普通の和姦、更にだいたい全裸であるため、どれ見ても同じ印象。
衣服の状態を指定しているシチュは少ないのに、なんで全部全裸にしてしまうのか。
そういう指定だったのでしょうか…。

顔や体のデッサンがやや不安定なのも気になります。
HPにある描きおろし特典絵柄は整ってるし、衣装もバリエーションあって良いですね。

枚数が多いこと、塗りが非常に丁寧なことは素直に好感が持てます。

あとあの精液の量は金玉がテニスボールくらいデカくないと無理だと思います。


・システム 30~40点
バックログからジャンプ・音声保存等がありません。
税抜9,800円なんだからもうちょい頑張ってほしかった。

インストールにディスク2枚を要したのは久しぶりでした…。
長いからねえ…。


・音声 60~70点
主題歌なし。
主人公以外の男性CVあり。

ヒロインたちはいわゆる抜きゲー声優さんがCVを担当しています。
若干ぎこちなさは残りますが、まあ及第点。

特筆すべきはSEで、生活音がたいへん細やかです。


総評
気合が途中で尽きちゃった特殊近親相姦シリアスゲー。
三角関係ものとしては期待しない方が良いです。

長い、とにかく長い。
日常シーンがダラダラ続くうえに会話も面白くない。
サスペンス or 修羅場要素が見えてこないと眠くてたまらない。

このご時世、これだけのボリューム・重いテーマで
シナリオゲーを作り上げてくれていること自体が稀有であり、
良シナリオ読みたがり勢が期待して寄って集ってしまったのですが…。
荒い仕上がりだったと言わざるを得ません。

ただ、エロの回数の多さや尺の長さは相当なもので、
これを(おそらく)一人で書き上げられるというのはそれだけですごい。
今のエロゲ界にはそう何人もいないのではないでしょうか。

前述の通りキャラクターを管理できていなかったり、
似たような展開を繰り返してしまったりするようなので
ライター一人に投げっぱなしにせず、
誰かがきちんとディレクションしてあげてほしいですね。

いつか、もう少し練度の高いシナリオゲーを作ってくださったら
その時はまた購入させて頂きます。
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『月に寄りそう乙女の作法2.2 A×L+SA』 感想

2024-03-08 14:53:22 | エロゲ感想@えむあい
『月に寄りそう乙女の作法2.2 A×L+SA』 Navel
2017年12月発売。
2020年頃に購入し、積んでおりました。
魔法少女消耗戦線が名作ながらあまりに重かったため、
萌えゲーを摂取したくて掘り出してきました。


・シナリオ 40~50点
こちらももちろん、つり乙2のファンディスク。
朔莉&ルミネのアフター、妹アトレの個別ルート、
そしてタイムリープさせて1と2のキャラを集合させたパラレル「つり乙1.1」が付属。

朔莉&ルミネのアフターに期待して買ったのですが、なんとも短尺。
ルミネはまあ、今度はルミネ側が攻めてみるよ!というHが主眼かな。
朔莉のエピソードは、もう本編で美味しいところを出し切っちゃったという感じ。
この二人は服飾科ですらないので、そちらを柱に据えることもできず…。薄味でした。

りそなと違い、完全に100%血の繋がっている実妹を攻略するアトレルートは
好悪が分かれる出来。
前作主人公&ヒロインとの間にできた二人の子供、長男と長女が肉体関係に…
という事実が、もう前作を愛する身としてはキツくてたまらない。
二人で秘めておくこともせず、ラストで両親に許しを請う場面で終了。
実妹攻略はエロゲではそう珍しくない話ですが、「前作主人公の…」という前提条件だと
かなり珍しいのでは。抜きゲーでもないし。

ただ、才華の欲情できるビジュアルが「女装した父」(その娘だからアトレが一番近い)
であることにはルナ様&朝日が大きく関与しており…。
朝日たん可愛いから仕方ないよねという気持ちもあります…。

性別バレしたうえで学院に通い続けるために
「体は男だけど心は女なので女として通い続けたい」という嘘を通してしまうことにも
ヒヤッとしました。
これ、令和の世なら避けたでしょうね。

つり乙1.1、ルナ様と朝日を久々に見られて心が弾みました。
いやーやっぱりこの二人なんよね。2キャラも好きなんだけどどうしてもね!
みんながわちゃわちゃしているだけでただもう楽しい。

…んですが、1.1のラスト、ルナ自室にアトレがリープして迷い込んできたうえ
ルナを「自分の将来の母」と認識しつつ、正体を隠し
実の兄と姦淫してしまった…と唐突に懺悔をスタート。
どんだけ母親に話したいんだ近親相姦を。ルート最後で告白してたやん。
(あそこでは両親の反応は描かれませんでしたが)
当然ながらルナ様はまったく肯定的でなく、
「私なら、実の子同士の恋愛はどうあっても許せない」
「不安も、孤独も、二人の間で守り通せ。それが両親のためにできることだ」

と理性的に告げてエピソード終了。

…これおそらく、アトレルートが「僕たちの近親相姦を認めて下さい!」エンドだったから
ルナはそんなことにこやかに認めるキャラじゃありませんよ、という
フォローを入れた形なのだと思いますが…。
そして、そんなルナ様でいてくれてそこは良かったのですが…。
じゃあ、アトレエンドのあれは何? となりますね。


・グラフィック 60~70点
2.1と違い、立ち絵はおそらく描きおろしなし。

アトレルートに枚数が費やされています。
それもHシーンが多め。
なので、実妹Hが好きな方はいいんじゃないでしょうか…。

朔莉がルナ様衣装を2種着てくれるのは嬉しいサービスでした。


・音声 60~70点
新キャラがいないため、前作と同様の安定感。

アフターヒロイン二人用のエンディング曲がなく、
代わりにアトレルート導入の主題歌が1曲。
聴いていると眠くなってきます。


・システム 40~50点
朔莉&ルミネのアフター、妹アトレの個別ルート。
上記の3編をクリアすると、タイトル画面に「おまけ」が現れます。
が、これをプレイするためには『つり乙2.1 E×S×PAR』のディスクが必要。
な、なぜ…??
「だってファンディスク2本とも買ってほしいんだもん」以外の理由が不明。

おまけ以外の3編ではとても定価分のボリュームに釣り合わないのに…。

DL購入しても許されないらしく、とにかくディスクを要求されます。
この頃のNavel、ちょいちょいこういう忠誠心を求めてきてたなあ…と遠い目。
2024年現在はDL購入が主流だから、同じことはやらないと思いますが…。

ただ、「おまけ」を新規でスタートする際にのみ認証されるので、
「おまけ」に入ってからすぐセーブしておけば、
そこからロード、でディスクレスでもプレイできます。


総評
つり乙ならなんでも読んでおきたい! …という方にすら薦めるのが躊躇われる。
それくらいにアトレルートがキツい。
つり乙シリーズのエロゲとしてはこれが最新(最終?)作で、ラストエピソードとなるだけに
なんとも渋い味を口に残して終わり、となってしまいました。
実妹攻略はまだともかく、ルナ&遊星に告白しないでほしかった…。

それでもやはり、1.1は楽しかったです。
またルナ様&朝日に会える日がきますように。
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『月に寄りそう乙女の作法2.1 E×S×PAR!!』 感想

2024-03-08 12:00:29 | エロゲ感想@えむあい
『月に寄りそう乙女の作法2.1 E×S×PAR!!』 Navel
2017年発売。
実は2.2の方だけ購入して詰んでおり、ようやくプレイしたところ
一部コンテンツを開くためには2.1ディスクが必要と表示されたため、
こちらも購入。
なので、実際には2.1でなく2.2を先にプレイしています。


・シナリオ 55~65点
『月に寄りそう乙女の作法2』のファンディスク。
何故だかヒロイン4人を分散してファンディスクを2本出しています。
こちらはメインヒロインのエスト&ポップな天才パルコのアフター、
そして1の悪役だった衣遠の学生時代を描いた「つり乙0」の3本立て。

ヒロイン二人のエピソードは、それぞれのアフターと考えれば
順当なボリュームだったのではないかと思います。
これが4人分入っていれば、ファンディスクとしては満足のボリューム。

エストアフターに
伊瀬也&ジャス子の百合がゴリッと捻じ込まれてきていたのが印象的。
百合は好きですが、FDで急にどうした…?という困惑が残るというか。
Navelユーザーの反応を試してみたのかな?と。

つり乙0で株が上がったのは八千代とラフォーレ。
いや元々この二人は印象悪くないけども。
どうしてもゴリゴリに暴君やってた1の衣遠を忘れられないため、
そこまで感情移入できない派です。
新ヒロイン・アルはおもしろ可愛かった。
この時衣遠が思いを寄せていたのは遊星の母親であろう…と判明したのが一番衝撃。
ゲーム内では「心に秘めた女がいる」とだけ言及されますが、
ストーリー紹介の動画を見るとどうもそれっぽい様子。
だから…女体化した遊星と恋愛したい願望があるのか…。納得した…。


・グラフィック 65~75点
いつも通りの安定感。
つり乙0は全員立ち絵を描き起こしており、それだけで感嘆。
鈴平先生、イケメンいっぱい描けて楽しそう。

このシリーズ、一流デザイナーが製作した衣装を何着も描かなきゃいけないから
大変だよなあ…。
正直、
「シナリオで言われてるほどの感動は受けないデザインだな…」とは思ってるけども
もうしょうがないよ。

前述の通り、伊瀬也&ジャス子の謎ピックアップがお盛んだったため
百合CGが5枚入ってます。


・音声 70~80点
BGMを4曲、ヒロインアフターにそれぞれED曲を合計2曲追加。
どれも良曲です。
特にパルコエンディング曲がパルコらしくてかわいい。

女装主人公・才華に声がついてますので、
合うと思う方はそのまま、合わなければミュートすれば宜しいかと。

つり乙0での衣遠・ラフォーレの演じ分けが素晴らしかった。
同一人物なんだけど明らかに現在(40代?社会人)と学生時代とは違う、
というのが技量の高さを感じさせます。


・システム 70~80点
いつも通り快適です。

アフター2編のエンディングムービーに力が入っていて、
かつギャラリーでいつでも観返せるのも嬉しい。


総評
ものすんごい今更ですが、『つり乙2』がすごく好きならプレイしていいかと。
衣遠ジャン八千代以外の1キャラは登場しません。

確かこれ定価5.800円だったはずなんで…。
その値段分のボリュームはありませんね…。
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『魔法少女消耗戦線 another record -ちいさきものたちのゆめ-』 感想

2024-02-02 16:28:25 | エロゲ感想@えむあい
『魔法少女消耗戦線another record -ちいさきものたちのゆめ-』 metalogiq
2022年6月発売。
2021年に発売された『魔法少女消耗戦線』のFDです。
本編は税抜き7,800円、FDであるこちらは税抜き5,800円。
出来る限り頑張って価格を抑えようとしているのが伝わってきて、
そういう意味でも好感が持てるブランド。
…もう作品に惚れ込んじゃってるんで、欲目はありますけども。


・シナリオ 75~85点
イリューシャの入隊前エピソードや残雪の捕虜エピソードは
本編の世界線で現実に起きていた内容でしょうが、
おそらくほとんどがパラレル扱いの短編。
設定が根本から違う(軍隊すら出ない)コメディや
本編で脇役として散ったキャラの堀り下げ、
どれも完成度が高くてファン冥利に尽きます。

アリシャ・オラオンから見たみのりたちの描写も良い。
彼女のエピソードで作品にさらに厚みが出たかと。

そしてがっつり描かれた本編のIfエンディング。
あのキャラがあそこで死なないとそりゃ違いますねえ…!
正直、このエンドが一番好きだなあ。
光臣の存在は藻屑と消えましたけど…(たぶん描きようがない)


・グラフィック 80~90点
新しく書き下ろされたキャラのデザインがこれまた良い。
色んな人種の少女たちが集められているんだな、というのを改めて実感しました。

イリューシャが過激な枕営業をさせられるエピソードで
特殊戦技兵コスのようなそうでないような恰好をしていたのは謎。
無理あるし、どうせならアイドル時代の衣装が見たかったような。
まあ、本編で魔法少女コスHがほぼなかったので
その要望に応えようとした形なんでしょうね。


・システム 40~50点
残念ながら進化なし。

プレイ中のウィンドウメニューだけ変わっており、
ちょっと戸惑いました。
そこ変えられても特に…


・音声 50~60点
デンカレの主題歌が(ry
無印のものよりはスピード感のある良曲になっていたと思います。
こちらなら『魔法少女消耗戦線』の曲、として聴いていられる。

ただ今回、一番盛り上がるシナリオでこの主題歌が流れるんですよ。
いや……うーん……
個人的にはこの声嫌いじゃないんですが、独特の甘ったるい歌い方なので
生きるか死ぬかの決戦時にはどうしても合わない。
こういう「クライマックスだから主題歌!」で拒否反応出たの初めてです。

CVやBGMは本編でコメントした通りなので、省略。


総評
『魔法少女消耗戦線』を気に入ったら是非プレイすべき、大満足ファンディスク。
本編に比べてエロがものすんごい減りました。
作品の本筋やキャラクターの中身を愛する声が多かったんでしょうね。

本編に感動してからすぐにとりかかったんで、ものの数日でクリアしてしまった。
18禁ノベルゲームでなければ描けない物語、堪能させて頂きました。
もうエロゲ業界は少しずつ死んでいくしかないのかな、と思っているところだったので
推しブランドが増えて嬉しいです。
次回作も応援しております。
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『魔法少女消耗戦線DeadΩAegis』 感想

2024-02-01 23:17:55 | エロゲ感想@えむあい
『魔法少女消耗戦線DeadΩAegis』 metalogiq
2021年3月発売。新ブランドmetalogiqの処女作でした。
固定人気があるジャンル、「魔法少女凌辱もの」として発売されたものの、
市場が縮小していることもあって知名度はさほど伸びず。
…が、プレイしたオタクの多くがかなり熱い感想をぶち上げていたため、
少しずつ、口コミで人気がでてきたタイトルです。


・シナリオ 80~90点
「人類はきみたち(魔法少女)を消費する―」
この恐ろしい文句に惹かれました。
魔法少女ものは、結局のところ彼女らの自己犠牲・消耗の上に成り立っている、
というのは、虚淵脚本のあのアニメにより、すっかり浸透しきった概念だと思います。
それを可能な限りえげつなくしてエイリアンと戦わせたのがこの作品。
抜きゲーだと思ってプレイしたら逆に面食らうでしょう。
どらちかというとマブラヴに近いシリアスシナリオゲーです。

マブラヴと異なる点として、
主人公たちをより傷つけるのは、敵のエイリアンではなく人間の男である
というのが非常に大きい。
つまり、戦死者は出しつつも人間同士で結束し合って敵を打ち倒す…という熱さ、
いわば爽快感がなく、胸糞の悪いシーンが続くということです。
前線で戦えるのは女性だけ、という設定がある分、
安全圏から決して出ない男性士官が何故こんなに横暴なのか…と呆然とするほど。
こういう背景があるため、
魔法少女姿で触手にヌルヌルされる~みたいな平和な(とあえて言う)Hはありません。
基本的に、軍服or全裸で人間に性的虐待を受けるというシチュがほとんど。
ここもなんというか、シナリオ重視過ぎて美味しいエロが少なめというか…。

筆力が高すぎてユーザーが馬鹿でいることを許してくれないため、
エロをエロとして享受するには鈍感力のオンオフが必要かと。
某批評空間でも、発売当初は「サブキャラのエロが足りない」等のコメントがあったものの
どんどん「可哀そうでエロ使えない」という論調に変わっていったのが印象的。
口コミでシナリオ重視ユーザーが寄ってきたというのもあるでしょうが。

バッドエンド等を除くとルートは二つあり、
どちらがTrueエンドかということは公式から言及されていない様子。
基地残留ルート・地球送還ルート、後者の方がまだマイルドなので後者をあとにすべき…
と多くのレビューで書かれていますが、逆に…プレイしちゃったよ…。
ほんと、基地残留ルートを先にやった方がいいと思います…。
あとは地球送還ルートだけプレイして基地残留ルートをやらないとか…。

本当にドロドロドロドロと救いのない地獄が延々続く作品ですが、
主人公の正しさ心優しさ、そして親友たちとの友情には本当に何度も泣かされました。
折られては立ち上がり折られては立ち上がり折られては立ち上がる主人公、みのり。
光臣がみのりを仰ぎ見て言う
「うつくしいものは、僅かしかないからうつくしいんだよ」
がこのゲームの象徴的な台詞だと思います。


・グラフィック 80~90点
さすがはベテランの風格、素晴らしいの一言。
みな個性があり魅力的なデザイン。
画力も十分で不安になる箇所がありません。

魔法少女コスのエロCGはもっと欲しかったところですが、
シナリオにそういうシーンがないんだからしょうがない。

変な言い方ですが、一応抜きゲーなのにヒロインの私服が良い。
デザインに不自然なところがないし、かつ適度にオシャレ。
抜きゲーって変な服着せられてること多いからさ…。


・システム 40~50点
バックログからジャンプ・音声保存等がありません。
いったんコンフィグに入らないとスキップできないのも面倒。

ぶっちゃけ、ローコストの抜きゲーだったらこれで充分なんですよ。
ただこの作品は内容が素晴らしすぎるので、これじゃ困ります。
途中からできるだけ気が付いた時にセーブするようにしたけども、
どんどん先をと読み進めてしまうので、バックログからジャンプさせてほしい。
話がこう進んできたということは、さっきのキニスンの台詞はどういう表情で…とか、
見返したくなってしまうんですよ。

ミニゲームを6本も用意してくださったのは有難いのですが、プレイしてないです…。


・音声 50~60点
電気式華憐音楽集団、いわゆるデンカレによるOPが…
この作品には合っていないように感じました。
ぶっちゃけBLACK Cycっぽさを出そうとしたのでしょうが、
何度も言うようにこれマブラヴ系統というか、仮想戦記SFだからなあ…。
このためPVも誤解を招く仕上がりになっており、とにかくもったいない。
作品そのものが良かったので非常に(勝手に)歯がゆい。

CVは…やっぱり抜きゲー声優さんだなあという。
主人公・みのりは非常にキャラクターに合った声かつ技量も素晴らしかった。
ふだん優しいのに友達のためにキレると強い、主人公らしい迫力があって良き。

さんざん言われてるように、キルケのCVがあまりにも演技力不足。
複雑なキャラなのでもう少しなんとか…。
イリューシャももう一歩踏み込んだ演技が欲しかったところ。
平時の喋りは問題ないのですが、非常に良いシーンが多いため、
もったいなく感じてしまう。

BGMが格好良くて素晴らしい。
何度聴いても緊張感があって世界観に浸らせてくれます。


総評
今時珍しいくらいのガッツリ壮大バトルシナリオゲー。
令和になってもまだこんなエロゲ出るんですね。
実はこのあとに発売されたFDもクリア済で、それ込みで素晴らしかったのです。
いやあ…良かった。
エロゲ斜陽のこのご時世、こんな傑作を生み出してくださって有難いです。
FD感想も近いうちに書きに参ります。
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『Geminism ~げみにずむ~』 CRAFTWORK

2023-12-18 16:40:33 | エロゲ感想@えむあい
『Geminism ~げみにずむ~』 CRAFTWORK
2023年11月発売。
2022年1月、Twitterにてその製作告知が行われ、
CRAFTWORK再始動にエロゲオタク達は騒然としました。
『さよならを教えて』が有名なこのブランド、なんと22年ぶりの新作です。


・シナリオ 60~70点
以前のCRAFTWORKには所属していなかった、旭氏が執筆担当。
彼女は同ブランドの熱心なファンで、その働きかけにより
『さよならを教えて』のイベントが開催されるきっかけを作ったり、
今作についても長らく長岡氏に話をしていたとのこと。
さよ教ファンには知られた存在である、この方あっての企画のようです。

ということもあり、読み終わってみると、
けっこう女性向けの内容だったなというのが率直な感想。
2023年夏に公開された体験版では、双子による対決のみが描かれ、
特に暴力的なシーンだったので「リョナメインか?」と感じていたのですが…
実際は対決と対決の合間の日常パートの方がずっと長く、
対決の暴力描写も控えめ。体験版の場面が一番過激です。

しかしなかなかどうして、この日常パートが楽しかった。
双子姉妹、そしてそれぞれついているセコンド役の(怪しい)男との同棲生活。
この奇妙なカップル(?)の奇妙な日常を愉しむ、というのが主菜になります。

4人とも絶妙な個性を備えていて会話が楽しい。
そこがメインと思って進めてい…くと、急に救いのない結末に行きあたり、
説明もそこそこに終了。
ラストをもうちょっと…と思ったユーザーは少なくないようです。
まあ、「あの二人は何でそんなに長寿なのか」「何故人外の力を持っているのか」と詰めても、
「そういう設定で書きたかったから」なんだろうなあ、という気はします…。


・グラフィック 70~80点
当然ながら長岡建蔵氏が担当。
持ち味を活かしつつも現代風にチューニングされた絵柄で文句なし。
立ち絵の表情は変わらず、カットインで表現するやり方もこのブランドらしい。

ただもうちょっと一枚絵の枚数が欲しかったかも。
特に、肝心の(っていうのもなんですが)リョナ絵を使い回すのは勘弁してほしい。


・システム 40~50点
バックログからジャンプ・音声保存など、最新の機能が揃っています。
デザインもオシャレ。

しかし
・選択肢が多いが、すべて選択に意味がない
・選択肢後にスキップが止まる
これが非常に苦痛。
体験版のここでは「ああさよ教リスペクトなんだな」と微笑ましく見ていましたが、
その後もかなりの回数、似たような選択肢が出現します。
このゲーム、完全に一本道で分岐まったくないのに。
なおかつ、選択肢が現れたらスキップが止まる仕様。これはリプレイがキツい。


・音声 70~80点
ヒロインの双子姉妹は、なんと本物の双子姉妹声優さんが演じておられます。
よく見つけてきたなあ。全然ちがう声に聴こえるのもすごい。

そしてこの作品の特徴として、例の男二人に有名声優を起用。
わたくしは男性声優に疎いのでお声を聴いただけではわかりませんでしたが、
ベテランであるということは伝わってきます。
この点を加点要素と捉えるかどうか。

そして音楽はもちろん、さっぽろももこ氏担当。
今回は指定ジャンルが幅広くて大変だった御様子。
やっぱり怪しい音楽が特に素晴らしい。

主題歌は…ヒロイン二人verはヒロイン声優二人歌唱だとわかるのですが、
最後に流れる「歌唱:悠」と記載されている男性ボーカルはどなたなのやら…
割と独特の歌声。淡墨と月白ってこと??


総評
変なカップル二組の変な日常を愛でるのがメインだけどくっつかないゲー。
まあこれでくっつくとますますCRAFTWORKじゃなくなっちゃうし…。
『さよならを教えて』『for elise』と同じ味付けを期待すると肩透かしを食らうかも。

二人の境遇や結末等については、正直、体験版で予想した通りでした。
なかなか取り扱いにくい内容かと思います。アングラで正解。

DLでも5000円というミドルプライスながら、
これでも少し割高ではないかとやや思ってしまうほどに短尺。
男性CVにコスト掛け過ぎたんじゃ…

とにもかくにも、令和にまたCRAFTWORKの新作をプレイできるとは思っていませんでした。
それだけでも感謝すべきでしょう。
CRAFTWORK、まだ昔のHPが生きててびっくり。
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『それは舞い散る桜のように-Re:BIRTH-』 感想

2023-11-07 16:38:20 | エロゲ感想@えむあい
『それは舞い散る桜のように-Re:BIRTH-』 Navel
2023年9月発売。2002年に発表された有名作品のリメイクです。
実は未プレイだったのでこれ幸いと新しい方を予約し、購入。
CGは全て、声優陣は一部が一新されているようです。
旧声優担当のCVが新しく収録されたものなのか、
テキストは修正が入っているのか、などは判別ができませんでした。
ネタバレぎみなので閲覧注意。


・シナリオ 30~40点
2009年発売の『俺たちに翼はない』がめちゃくちゃ面白かったこと、
この『それ散る』もとにかくギャグ日常パートが良いと評判だったことで
ちょっと期待し過ぎてしまったようです。
主人公の喋りがくど過ぎて自己本位過ぎて、ほぼ笑えなかった。
2000年前後を生きるキモオタだけに許されるコンプラ。
逆に、それが2009年の俺つばではおおよそ改善されていたのはむしろすごい。

それ散るファンからすらも言われている通り、
「ギャグがハマらないと得られるものが少ない」
「シナリオのシリアスパートは評価に値しない」
という評価になってしまうかなと。

この作品の(ギャグ以外の)特徴として、
・主人公が恋愛に及び腰
・ある桜の木の下で、黒髪の少女・青年との謎の会話が全ルートで発生する
・勇気を出して個別ルートに入るも、間もなくヒロインが主人公との思い出を忘れる
・落ち込む主人公。EDテーマが流れて黒髪少女との会話が挿入されると
 直後、ヒロインが記憶を取り戻してそのまんまシナリオ終了
という流れがあります。

・黒髪少女と青年(と主人公)は何者なのか
・なぜヒロインは記憶を失うのか
・そしてなぜすごい勢いで記憶を取り戻すのか
このあたりがさっっぱりわかりません。
思わせぶりなセリフばかりで情報が少なく、考察したとしても憶測になってしまいます。

解決編シナリオを製作する時間がなかったため、と
オリジナル発売時点でも説明(釈明)があったようですが、
その後発売された『完全版』にもそのルートは収録されず。
2023年発売のこの『-Re:BIRTH-』にさえも書き下ろされていません。
な、なんのこっちゃ…。
明らかに足りない部分があるのにそれそのまんまにして何度も出すなよぉ…。

現在、続編のクラファンが行われているので
もしかしたらこちらで描かれるのかもしれませんが、
それにしたってあんまりでしょう、というのが率直な感想。


・グラフィック 65~75点
元も新も西又御大。
かの有名な「くいだおれ人形みたいな制服」もそのまま再現。
あのストライプジャケット、何時間プレイしても慣れません…。凄まじい個性。

可能な限り令和用にチューニングされており、充分に可愛かったです。
特に立ち絵がかわいい。
萌えゲーだから立ち絵が可愛けりゃそれでいいんですよ。
Hシーンの一枚絵は…昔の方がエロかったと思うけど…。

男性キャラのみ、明らかに別の方が描いておられます。
なんかこう、BL漫画風?の。
ありがちなことだし別にいいんですが、公式HPに名前載せてあげればいいのに。


・システム 75~85点
バックログからジャンプ機能、ボイス登録など
最新エロゲとしてのシステムは一通り揃っています。
スタート画面からアップデートを実行できるのも親切。

ウィンドウがピンク・文字がホワイト、という読みづらさがどうしても気になりました。
ずっと使用する箇所なので…。
ウィンドウの濃さはある程度調節できますが、テキストが白ってのは変わりませんしね。

あと、ショートver.でもいいから音楽鑑賞機能を置いてほしかった。


・音声 70~80点
BGM(のメロディライン)が古い。
これはオリジナルのBGMを活かしているせいでしょうね。
主題歌は印象に残る良曲だと思います。

CVは全体的にハマっていて高レベル。
特に雪村。あのややクセのある喋り方でこその魅力かと。


総評
2000年頃のオタクノリのギャグが合うかどうか。シナリオは未完成。
『俺つば』のファンであってもハマらなかったので、なんとも言えないところ。

明確に進化しているのはCG部門ですね。
パルフェリメイクが言うほど描き直していなかったことを考えると、
西又先生は本当に一から頑張ってくださったんだなあと。お疲れ様でした。
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『極限痴漢特異点3』 感想

2023-04-20 17:08:36 | エロゲ感想@えむあい
『極限痴漢特異点3』 アストロノーツ・シリウス
2023年2月発売。
このブログでも絶賛した『極限痴漢特異点』『極限痴漢特異点2』の続編です。
公式HPのキャラクター紹介に1と2の重大なネタバレがありますので、ご注意ください。

Bugbugで特集ページが公開された頃からめちゃくちゃ楽しみにしておりました。
 外来種痴漢から彼女たちを守るのはきめ細やかな日本の痴漢技術
この場合の「守る」って…何……


・シナリオ 70~80点
シナリオ担当からすまっしゅぱんだ氏が抜けたことで若干不安視はしていたのですが…
前作に比べると全体的にパワーダウンしているように感じます。

依桜里→蘭世→小霧→奏恵→りみか、の順で攻略したところ、
前半2人の√が面白くなくてガックリきてしまい、プレイを中断しておりました。
ヒロイン自身に魅力が感じられず、シリーズ特有のギャグも控えめ、
主人公・喜壱の主義もブレている。
特にパッケージヒロインである依桜里が変な女(おもしれー女ではない)で、
自分が痴漢に遭ったことがないから、女友達が痴漢に遭ったと言っても
「痴漢なんてすべて冤罪」「UMAとして認識し、興味本位で探す」というキャラ。
なんじゃそら。押し出しの強い喋りもあって、好感が持てません…。
ビジュアルは一番好みで、店舗特典も彼女のものをチョイスしたんですけどね…。

小霧√は及第点、奏恵とりみかの√は非常に良かったです。
特にりみか√では、1のヒロイン伊澄が関わってくるのが嬉しい要素でした。
伊澄、シナリオもキャラも良くて一番お気に入りなので。
りみかに伊澄ほどの魅力は感じませんでしたが、
アラサーの売れない声優&暴露系ネット配信者という設定はリアルでいいですね。
過去に枕営業も経験しており、伊澄のような若い人気声優に嫉妬して動画のネタにするも
喜壱とやり取りする中で反省し謝罪の弁を述べたり、
会う度に「なんとなく癖で」「喉に良さそうだから」とハーブティーを飲んでいる。
このハーブティーのくだりに声優職への未練が垣間見えて切ない。
極限痴漢特異点らしい方向性で新しい天職を見つけたことに、こちらも安堵しました。

喜壱のこういった「お悩み解決痴漢マン」的な部分がこのシリーズの旨味だと思うので、
けったいな女が自分からアプローチしてくる・レイプする、などに流れてしまうと
どこにでもある抜きゲーになってしまう。それはもったいない。

今回は新ヒロインにあまり魅力を感じることができず、どちらかというと
学生の頃に出会い意気投合し、
痴漢性の違いで殴り合いの喧嘩をしたこともある友人征志狼
無印では反目し合っていたのにいつの間にか仲間になっている
極限痴漢特異点界のドクターキリコ・
登場してからずっと紳士的な強キャラの格を保ち続ける触皇などが印象的。
この作品って前から謎に飲食描写に力を入れているのですが、
触皇が「スペシャルパンケーキセット、コーヒーはカフェインレス」を好むのはなんか納得。
(↑彼らの名台詞を切り取ったので是非見てください)
リーザ・アーンナの人気ヒロインが新規Hを見せてくれたのも嬉しい。
伊澄もなんとかHを入れてほしかった…。次の登場が難しいであろうだけに悔やまれる。

ハーレムコンテンツにて、しずくに「同じ遺伝子から作られているだけに体の相性がいい」と
狂ったことをのたまっていますが、二人に血の繋がりはないはずでは…。
というかキャラ紹介ページに「義理の妹」って書いてあるやんけ。


・グラフィック 80~90点
基本的には高品質なのですが、「ん?」と思うところが一部あったため
前作よりは低め。
摩由璃の痴漢CGとか。
ハーレムコンテンツの方が安定して丁寧なように感じました。
下着が手抜きになってしまったのも残念。

あとこのへん
なんというか、チェックがいつもより行き届いていないような。


・音声 60~70点
とにかくBGMがかっこいい。
3で追加された曲がどれも素晴らしいので、サントラ販売してほしい。
今作で一番安定していたのはこのBGMでしょうか。
このスタイリッシュ音楽があるから謎の緊張感が保たれるんですよね極限痴漢特異点は。

そしてCVは毎度のことながら微妙。
抜きゲーだから仕方ないんだけど、日常パートの喋りにあまり魅力が感じられない。
ずっと続投している妹・しずくだけは愛情が感じられる演技で有難い。


・システム 40~50点
元々期待できない部門ではあったけれども、今作は特に誤字脱字がひどい。
伊澄を一部「伊織」って書いていて呆然。

この前にプレイしたのがTHE全力エロゲカンパニー・Qruppo作品だっただけに、
あまりにそっけなく簡素なコンフィグ周りにもしょんぼり。
まああれと比べたら大体のエロゲはガッカリシステムだけどさ…。


総評
正直いって劣化。
2がハイレベルだった(評判も良かったそうな)のであれと比べると…というのはありますが。
Hもシナリオもボリュームがあり、フルプライス価格分の元は充分に取れます。

ただもう正統派シチュはネタ切れなのか、ヒロインからぐいぐい来る√がやたら多く、
前作までで評価されていた「特殊な技能・ポリシーを持つ主人公が、嫌がる美女を心も体も篭絡」
というカラーが弱まっているように感じます。
5人中4人(3人?)が積極的なヒロインとなると、さすがに多い。
1人ならアリだと思いますが。

Bugbug記事で「極限痴漢特異点は3で終わりではない」と明言してくださっているので、
次作も楽しみにしております。
できれば、すまっしゅぱんだ氏も交えてまた頑張ってほしい…。
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『ヘンタイ・プリズン』 感想

2023-02-13 14:12:33 | エロゲ感想@えむあい
『ヘンタイ・プリズン』 Qruppo
2022年1月発売。
2021年11月発売予定から一度延期、その際の細やかな対応も話題になりました。
もちろん予約購入していたけれども、
2022年は同人ゲーム『DemonsRoots』に魂を乗っ取られていたので
今年になってようやくクリア。


・シナリオ 85~95点
『ぬきたし』『ぬきたし2』で高評価を得たQruppoが作る完全新作、
ということで大きく期待されていた今作ですが…「さすが」としか言えない仕上がりです。
またしても特殊な舞台立てを用意してあるので、そこはもう公式HPを参照。

登場人物がほぼ「性犯罪者」か「看守」のいずれかである、ってどんなエロゲ。
個性が爆発したキャラしか歩いていないレベルですが、特に異彩を放つのは主人公の柊一郎です。

柊一郎は「公道で全裸になった」罪で逮捕された露出狂であり、自身の露出に誇りを持っている。
ASD気味でやや無感情ながら他人を思いやる心も持っており、
機会があればきちんと友達もできる。
彼が現実にいる「露出狂」と一線を画するのは、
「女性に男性器を見せて嫌がらせをしたい、その悲鳴によって昂奮する」タイプではないこと。
そのため、逮捕のきっかけとなった露出事件の被害者女性に
「傷つけてしまったのだろうか」と思いを馳せることもしています。
逆に言うと、それくらいに常識がなく、プリズン内でも飛びぬけて世間知らず。
ざっくり断じてしまえば「高IQのネグレクト児」。

更に特筆すべき点として「アマツくん」の存在があります。
アマツくんは柊一郎にのみその声が聞こえる、柊一郎の男性器に宿ったキャラクター。
……イマジナリーフレンドってことでいいですか?という理解で最初は読んでいましたが、
実はそうではないということがグランド√で明らかになります。
ある意味、主人公の次に重要なキャラクターではないでしょうか。

股間に人格があるってなんだよwと一読するとネタ要素のように思えるものの、
シナリオ序盤、仲間が誰もいない頃、
個人房で交わされるアマツくんとの会話はまさに救いです。
イマジナリーフレンドではない分、アマツくんは柊一郎より精神年齢が高く、
穏やかで理性的な、ユーモアも持ち合わせた「お兄さん」のような友人。
投獄前から孤独だった柊一郎の境遇を考えると、そりゃ大事な存在であろうと納得。

ぬきたしの主人公・淳之介は力強くチームを率いて「周囲を救う」男でしたが、
ヘンプリの柊一郎はどちらかというと「周囲に助けられ」自分が人間として生まれ直す、
という方向性。
柊一郎の幼さは逐一強調されており、ヒロインは全員年上、
グランド√アフターでようやく変声期を迎える描写まであります。

「なぜ露出をしていたのか」
「なぜもう露出はしなくていいと思うのか」
「アマツくんとはどういう結末を迎えるのか」
このあたりがグランド√でしっかりと描かれます。

大人との関りが非情に重要である、というのもぬきたしと異なる点。
(青藍島の大人、子や孫に乱交を強要する人ばっかりだったし…)
母代わり、父代わり、姉代わりのような人物とのやり取りも丁寧。

ぬきたしで荒かった点がきちんと改善され精度が上がっており、
1本の完成度で言えばヘンプリの方が上であるといえるでしょう。
あとは好みの問題かと…。
私はぬきたしの方が、そして淳之介の方が好きでした。
柊一郎は幼い分、敵対した相手を叩きすぎるんだよね…。
淳之介なら救えたんじゃないかと思えたシーンもあったり。

攻略ヒロイン三人の個別√を終えるとグランド√が出現するわけですが、
個別3√ごとに主人公の成長度合いが大きく異なっているのが若干気になるところ。
多くの感想サイトで 千咲都>妙花>ノア の順で攻略することを推奨してるのは
つまり主人公の成長度がこの逆、ノア>妙花>千咲都 だからですね。 

千咲都が攻略ヒロインの中では一番好きなので、
シナリオが一番いまいちだったのはシンプルに残念。
千咲都がわざわざ「正しい選択 VS 登場人物の望む選択」について語っているあたり、
正しくないってわかってるけどこういう√もまああっていいでしょ、ということでしょうか。
実際、グランド√ではハッキリ否定されてしまっている選択肢ではありますね。
あと、千咲都固有の「周囲の人間全員に嫌われるが、柊一郎には一切効かない」例の設定が
やっぱり無理あるなあと。

自分がやった√順ではありますが、個人的には 妙花>千咲都>ノア を推します。
鉄火場で流れるBGMが素晴らしいので、千咲都√で初めて聴いちゃうのはちょっともったいない。

ノア√が一番好きです。
同時攻略みたいな扱いであるソフりんが素晴らしいキャラでね…。
彼女とHするにはどういう口実を設けるんだろう、とノア√アフターを覗いたところ
こちらの予想斜め3000メートル上空に口実が出現しました。
まあQruppoだから。

気が付いたら恐ろしい長文になっていたのであと一つだけ。
『ショーシャンクの空に』のパクリ過ぎる、という問題?について。
わざわざ「監獄映画によるとポスターの裏に抜け穴が…」などの言及をしているあたり、
”ショーシャンクじゃん”と言われるとわかっていて書いている。
Qruppo新作が出ると聞いて
「ぬきたしみたいな強烈な名作のあとに、どんなん作るの? 作れるの?」と
ユーザーが抱いた不安と期待、これに対するアンサーでもあるのかなと感じました。
【既存作品の影響をまったく受けないなんて無理だよ!!】
【影響を受けたうえで、うちはうちなりのものを作っていきますよ】
と仰られているように、勝手に受け取りました。


・グラフィック 70~80点
ぬきたしよりガクッと彩度を下げてきました。売れセンに合わせるつもり一切なし。
画力はかなり向上したように思いますが、やはりおっぱい描くの苦手なんだなあと…。
前作時点でも丁寧な彩色とは感じていたものの、
ここもクオリティアップ+個性付与されて文句なし。

驚くべきは背景CGの多さ、細かさ。
これらが大きく作用することで、特殊な世界観にユーザーを引き込んでくれます。
背景がいい作品は名作。大体そう。


・音声 80~90点
全員うまいやん…。
ぬきたしは不慣れさを感じるキャラもいた(でもそれも味かな、と思える)のに
どしたん?話きこか?ってなるクオリティ。

前述の通り、今作は「重要な役割を占める大人キャラ」が多いため、
そのへんにはきっちりベテラン声優を用意できたってのもすごい。しほんのチカラ。
釘谷サン、一言二言喋っただけで「こいつ…重要キャラだぞ…!」って確信して慄然とする。
だって明らかにお値段が張りそうな声なんだもん。
(特別この方のファンなわけではないんですが、それくらい存在感がある声質)

夕顔葉月もうまいんだよなあ。
今のところ表名義は明らかになっていませんが、これが二作目なわけないやろ…。

BGMも主題歌ももちろん素晴らしい。
どうせ欲しくなるだろうから、プレイ前にサントラ買ってありましたよ。大正解。

グランドED曲のタイトルが『I can't be a superstar』というのもいいですね。
やはりヘンプリは「英雄の物語ではない」んだと思います。


・システム 85~95点
すっげーーー動くんですけどこのノベルゲーム…。
特別でもなんでもない日常会話のシーンでも何かしらが動いてるよ…。
いや…しつこくなるけど本当にどこからどこまで手抜きせず作ったんだ…。
ここまでやらんでいいよこんな不景気な時代のエロゲに! って思うくらい丁寧な仕事。

ぬきたしでもごく一部にあった演出?ですが、
ウィンドウに表示されず、裏で交わされている会話が多々あります。
主人公がAと喋ってると、同時に小声でBとCが喋ってるとか。
バックログで表示できるので、これ見てると本当にどんどん時間を吸われる。

充分面白い会話を裏でやってるのに、ウィンドウに出さないとか…
蛇口のしまってない水道のようにジャブジャブ垂れ流すなギャグを…
そこをもったいないとか思うマインドなどない、それがQruppo。

普通のシステムも非常に快適。
特に、「ボイス登録」で気に入った台詞を別途セーブできる機能も助かります。
おおむね千咲都とソフりんで埋まる。


総評
そりゃ高評価されるよこんなん…
ぬきたしで終わらないのか。まだ出せるのかこんなのを…

「Qruppoが作り続けるうちはまだエロゲオタク続ける」と表明している人も多いわけで。

Qruppoは毎度のことながら主義主張が実は激しい「社会派エロゲ」の使い手ですが、
主張が自分のポリシーと完全には嚙み合わなかったとしても、
ギャグ・キャラ・エンタメで充分元が取れちゃうのがあまりにも強いところ。
「主張が自分と違うからこの作品は駄作」な方でなければ美味しくいただけるはず。

「フルプライスで買って悔いなし」以上の出来ですので、あとは好みの問題かと。

次も予約して買うよ!
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『極限痴漢特異点2』 感想

2022-04-23 15:40:07 | エロゲ感想@えむあい
『極限痴漢特異点2』 アストロノーツ・シリウス
2021年2月発売。
タイトルの通り、『極限痴漢特異点』の続編です。
攻略ヒロインはみな新キャラですが、主人公やサブの男達は無印から引き継いでそのままの設定。
しつこく申しますが、2のキャラ紹介ページに無印の重大なネタバレがありますので、
ご注意ください。


・シナリオ 80~90点
あの「真顔でイカれてる」設定やキャラ達と再び出会えます。もうそれだけで楽しい。
無印は、主人公の喜壱が痴漢として「蛮痴漢」に認められる話で、
最後のアクションを起こすのは喜壱ではありませんでした。
最終3のような「痴漢の技で神を倒す!!」といった盛り上がりもなく、
若干寂しい部分もあったのですが、今作でそのあたりを挽回してくださいました。

今回も新しく「痴漢撲滅」という完全に正しい目標を掲げた組織が立ち塞がります。
相変わらず首領は美女、その両脇を固めるのが男の娘のくれは、ゲイ(?)のオズマ。
オズマをゲイと言っていいのか全く分からないので見てください彼のポリシーを
 痴漢は女を喰って生きる、自分はその痴漢を喰らうというポリシー。
 自称・頂点捕食者。
……………………???
………………?????
…………???????
なんべん試みても理解が頓挫する…
まず世界は「痴漢する男」「痴漢される女」だけで構成されてるわけじゃない…とか
そんな理屈もあえなく消えていく。それただ掘りたいだけちゃうん。
困ったことに彼は最後までこのポリシーを貫き通し、
これといってヘタレもしません。なんなんだ。
私の筆力ではこの魅力的に狂った世界を表現できませんので、
またしても名言名シーンを羅列。

 俺の『眼』には、紫の瞳だけでなく、
 眼前の相手がその身体に宿している膨大な痴漢願望が映っていた。
 喜壱(くっ、なんという痴漢願望……!
    触ってくれというより、無理矢理にでも触らせようという意志を感じる)
 喜壱(そこらの痴女とも違う……何者だ……!?)

 カメオ「今のが、触皇が最も得意とする掌技……
     界隈では『触(ショック)』と呼ばれる技らしい」
 喜壱 「『触(ショック)』……」
 カメオ「ああ。触皇は、このような手技を千以上も会得しているらしい。
     そこからついた異名が『千手痴漢』だ」
 カメオ「ほかにも、摩擦電気で相手を一時的に麻痺させる『電触(でんショック)』や、
     相手の皮膚に高熱を与える『熱触(ヒートショック)』」
 カメオ「掌から発したローション塗れにする『油触(オイルショック)』、
     生理中の女に絶大な威力を持つ『月触(ムーンショック)』あたりが有名な手技らしい」

 カメオ「マレスター・オブリージュ……。
     痴漢せし者は痴漢されし者に義務を負うって意味の言葉さ」

 喜壱「――痴漢は与えるものだ。
    奪うものでも、傷をつけるためにするものでもない」

今回も喜壱さんは絶好調です。
痴漢なんだからギターくらい弾ける」といってライブに飛び入り参加したり、
人妻ヒロインの夫に頼まれて痴漢を引き受け、
騒ぎになってビルの4階から飛び降りるもパルクールで着地
ヒロインが勤める遊園地が経営危機と聞けば痴漢で(痴漢で)救う。
大好きなラーメン屋では礼儀正しく振舞い、
「インコーズ」という痴漢道具専門店からグッズを贈られてニコニコ。
また、彼は年若い女性であっても意見を尊重することができ
コミュニケーション能力も低くありません。
これで顔が良くて25歳なら、まあモテて当然というば当然。
(↑ご面倒ですが、頑張ったし面白いので是非リンクをすべて見てみてください)

そして、今回はとうとう人外と戦うことになるわけですが、
そのラスボスの目的がこれ
深夜に声を殺して笑い転げてしまった。さすがです。


・グラフィック 85~95点
言うまでもなく最高。

ビジュアルだけで言うなら、今回は敵役のアーンナが一番好みでした。
無印に書いた通り文句のつけようがないので、とりあえずこんな感じで。


・音声 65~75点
CV部門は特に問題なし。
すごく上手い方もすごく下手な方もいない、というのが正直な感想。

追加されたBGMがたいへんに格好よく、
このサントラを無償でつけてくれているというのは非常に有難い。
Vtuberさんがこのサントラにて出演されているそうですが、聞いていません…。


・システム 50~60点
無印のシステムがやたら難易度が高かったため、ある程度修正されています。
ただ、必殺技の使いどころがわからないのは相変わらず。

エンディングですべてのCG・シーンを解放できますので、
ラーメン屋のポイント等は欲張らず進めていいとは思いますが…
主人公一人のシーン、面白いからテキスト読みたくなっちゃうんだよねえ…。


総評
無印と同時に買ってほしいくらいのお勧めエロゲ。
この世の憂さをスカッと晴らし、エロくて笑えてキャラを好きになれる良作です。

2021年度ベストエロゲ投票のキャラ部門にて、
ヒロインではなく主人公である喜壱に票が入っているのを見かけました。
フルプライスゲーなら主人公の魅力というのも大事な点かもしれません。
私はおそらくすまっしゅぱんだ氏のファンなので、
氏が育休から復活してフルプライズゲーを書いてくださったら、
また同ブランドのゲームを購入したいと思います。
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『極限痴漢特異点』 感想

2022-03-21 12:50:33 | エロゲ感想@えむあい
昨年9月に終えたエロゲの感想をようやく今…
腰が重くなっているのをド強く感じております。

『極限痴漢特異点』 アストロノーツ・シリウス
2020年8月発売。
2010年にアトリエかぐやより発売された『最終痴漢電車3』のスタッフが多く参加している本作。
あの作品の大ファンなので、この無印と続編の『極限痴漢特異点2』を同時に購入してしまいました。
『2』公式HPのキャラ紹介のページに今作(無印)の大きなネタバレがあるので、そこだけは注意。


・シナリオ 70~80点
今回も当然、硬派で顔のいい一流の痴漢が主人公。これは『最終痴漢電車3』と同じですね。
大きく変わったのは主人公・喜壱を取り巻く環境で、
痴漢や痴漢を鑑賞したい者たちが集まる闇の組織「蛮痴漢(ばちかん)」が物語を動かします。
痴漢と痴漢を撮影するカメラ担当がタッグを組んで「蛮痴漢」に所属し、
痴漢映像を「蛮痴漢」サイトで配信。それによっておひねり的な収入を得るわけです。
この「蛮痴漢」の上位会員たちの社会的地位がやたらめったら高いらしく、
とんでもない金額が振舞われたり、気に入った痴漢対象の女性が保護されたりする。
このへんはラストの伏線にもなっています。

いやいや最悪だろこの設定…と思うでしょうが、
逆にこのアホらしい設定が「シリアスな笑い」を大量生産することに成功しており、
数分やってると一回はスクショしたくなるようなパワーワードを連発。
喜壱が「痴漢願望」といういわゆるオーラを識別する"眼"を持ち、
痴漢されたい女性だけを狙っているというのもあって、
ほかの痴漢たちはともかく、主人公に不快感はあまり感じずに進められます。

 モブ「それでぇ…どんな看護師を痴漢するんだ?
     若い子か? 熟女か?」
 喜壱「どちらでもいい。痴漢に必要なのはそこじゃない。
    女が痴漢されたいかどうかだ」

 喜壱(蛮痴漢に会報なんてあるのか……)
 机の上に置かれた封筒を開けると分厚い会報誌が出てくる。
 中身はベテラン痴漢のインタビューや
 最新痴漢器具の特集記事が組まれている。
 パラパラとページをめくると
 注目の若手痴漢、と書かれた記事を見つける。
 確かに俺の事が書いてあるようだ。

 ふむふむ……都心の有名店が蔵部市内に支店を出すのか。
 痴漢の次にラーメンが好きな俺としてはこれは見逃せない。
 未知のラーメンとの新たな出会いに思いを馳せ、自然と頬が緩む。
 (フフフ……こいつは開店日が楽しみだ)
 忘れないよう、スマホのスケジュールにメモしておく。
 この日はオフ(痴漢休養日)にするか。

駄目だ…好きなシーンが多くて書ききれない。
伊澄との初体験、痴漢として当然(?)らしい手先の手入れ
相棒であるカメオに「何その必殺技」って聞かれた時のやり取り、
ここぞという大痴漢にはこれを着る」とのたまって家紋のついた着物を持ち出すシーン、
どれも是非リンク先で見てほしい。

とにかく楽しくてエロくて駆け抜けるようにプレイしましたが、気になる点もいくつか。

最終3にはあった、ヒロインごとのルート&エンディング。今回は一切なし。

最終痴漢電車に相当する「箱舟送り」というのがありますが、これがちょっとしっくりこない。
最終痴漢電車というのはざっくりいえば「一夜限りの乱交パーティを電車内で」というもので、
主人公がヒロインを立派な痴女に育て、
その成果を見る(その代わり純愛√へは行けなくなる)という目的がありましたが、
喜壱は箱舟送りの後を見届けることができないし、もう二度と彼女たちとは会えなくなる。
メリットというと金銭だけ。
散々「金が目的じゃない、痴漢したいからするだけ」と繰り返す喜壱だけに、
こっちを選択する意味がわかりません。

まあ、続編の『2』で無印ヒロインともセフレ関係が続いているような描写があるので、
全員箱舟送りにしないのが正史なんでしょうかね。

また、最終3と同様に
「全員箱舟に送らない」「全員箱舟に送る」でエンディングが変わるのかな?と
二周やってみたのですが、こちらも一切変化はなし。


・グラフィック 85~95点
わかっていたけど素晴らしい。
エロくて可愛くて美麗です。
ベテランのM&M氏だけに、つくづくわかっているなぁというキャラデザ。

今回は特に伊澄白亜が好みでした。
エロ強めのエロゲ(変な日本語)というと謎にダサい服を着せられていることも多いのですが、
この作品はさすがにハイセンス。
こういうヒロインならこういうの着てるだろうな、という私服と下着。
でも裸になるとしっかりエロいボディライン。
理想的なエロゲのCGです。まじで最高。

そして実は、男性キャラもきちんと描き分けられています。
すごく性格のいい痴漢・大堂と、ナビゲーター的役割のアキラ
CVなしでも個性を主張していて、いずれも好きです。


・音声 65~75点
男性はCVなし。最終3と異なり、主題歌もなし。

ヒロインのCVは概ね問題ないのですが、
強キャラとして存在感を放ち、『2』でも登場する蒼織の声が微妙。
声質も演技もちょっと…。

BGMがめちゃくちゃかっこいいのは相変わらず。
『2』を購入するとサントラがついてきます。ありがたい。


・システム 30~40点
もったいないほどに、この部門がだいぶ良くない。

「一人のターゲットに割ける期間は一か月」というルールがあるので、
30日以内にそのヒロインのイベントをすべて終わらせないとゲームオーバー。
ただ、俗に言う「レベル上げ」をまめに行っていかないと後半が苦しくなってくるので、
このへんの匙加減が難しい。
ヒロインとのイベントを進めつつ、レベル上げのモブ痴漢も行う。
カウントダウン等も行われないため、気が付いたら詰んでいるということになりかねない。
ゲームオーバーになっても「〇日前に戻る」などの救済措置はなし。
エロゲオタならいくつか分けてセーブしてるだろ、ということなのでしょうが…。

ここに関してはかなり苦情が寄せられたらしく、『2』で改善されています。


総評
スタイリッシュ痴漢異能バトル再び!
エロゲ業界の体力そのものが弱りつつあるので、
『最終3』に比べるとボリュームの面では物足りない。
しかしテキストや設定などが洗練され、キャラもエロも笑いも大満足の出来。
フルプライスゲーというのはこれからも本数が減っていくでしょうが、
また是非こういう作品を送り出していってほしいものです。
『2』も近いうちに感想を書きに参ります。
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『サノバウィッチ』 感想

2021-08-10 17:54:37 | エロゲ感想@えむあい
一年以上のご無沙汰です、エロゲ感想。
このフルプライスゲーを一年前に始めたものの遅々として進まず、
ロープラゲーや同人ゲーやソシャゲに寄り道していたらこんなことに。
面白い作品に出会ったらどんどん他作品をやりたくなるし、
終わらせなきゃいけない作品がつまんなければ以降も停滞するもんですね、はい…。


『サノバウィッチ』 ゆずソフト
今や萌えエロゲといったらここ、ゆずソフト。
とにかく出す度ヒットで大人気。どれかやらなきゃなと思っていました。
「ゆずで良いシナリオといったらサノバウィッチ」というのも有名だったため、こちらを購入。


・シナリオ 50~60点
魔女っ子が出てくる学園もの。
学園のマドンナ・寧々と(エロい)アクシデントで親しくなり、
彼女の所属する「オカ研」に入って美少女たちとあれこれしたりしなかったり。

この「オカ研」が萌えゲーにたまに出没する「何でも屋クラブ」に近い存在で、
なんだか知らないけれども学生達の悩み事を学生なのに解決していく、というお話。
この時点で「???」となり、感情移入しそびれたまま進行してしまいました。

特別に笑えるシーンはありませんが、過剰な時事ネタやパロディもなく、
嫌な思いをすることなく、ほのぼのと過ごすことができます。
男友達がチャラ過ぎずイケメン過ぎず、割とリアルで真っ当なアドバイスをくれたり、
主人公やヒロインのやりとりが思いやりに満ちていて安心感があるのもいい。

……ただ、その分、眠くなります……。
つまるかつまらないかと言われたら、つまらないと答えるしかありません。

白眉と言われる寧々ルートも、そ、そこまで…。
ただ寧々は可愛い。エロくて可愛い。
エロゲらしい設定を活かした、萌えエロゲに相応しい名ヒロインだと思います。


・グラフィック 60~70点
ゆずソフトはここがウリなんですよね、はい。
絵が大人気だからね…。

う、ううーん……。
可愛いけど画力は高くない、という萌えエロゲによくある絵だと思うんですが、
流行りに沿って丁寧に描かれているのがポイントなのかもしれません。
私服はヒロインそれぞれに合っていてお洒落だし。

しかし、ヒロイン達は頭部の幅と肩幅がほぼ同じなんですよ…。
男性キャラは別の絵師が手掛けているらしく、そちらの方が人体としてはまともなので、
並べるとこういう感じになります…。

ヒロイン達は文句なく可愛いし、塗りも非常に丁寧なので、
その辺が気になるかどうかというところでしょうか。


・音声 75~85点
キャスティングがいい。抜群。
上手くて人気のある声優さんをがっちり捕まえてきたな、という。

特に、桐谷華氏による寧々の演技が素晴らしい。
一言一言、コミカルな台詞も含めて「これしかない」というツボを突いてきます。
寧々の魅力はこのCVに寄るところも大きいのでは。

大袈裟な場面のあるシナリオではないので、BGMも控えめなラインナップとなっていますが、
上品で可愛らしい。


・システム 85~95点
ほぼ満点。
ウィンドウを閉じるのがやや遅い、くらいです。


総評
初心者向けの有名萌えゲー。
超有名ブランドであること(変な燃え方もほぼしない)、
有名作なのでプレイ後にオタク同士で共有し話題にしやすいこと、
シナリオが良すぎず悪すぎずなこと、がその理由です。

逆に、萌えゲーを数十本やってからプレイするもんじゃないようです。

「傑作」じゃなくて「良作」。
全体的に丁寧な作りで、ユーザーを嫌な気持ちにさせないよう配慮が行き届いているし、
エンディングムービーがヒロインごとにきちんと作られているのも好感が持てます。

そんなわけで……お疲れ様でした。
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『肢体を洗う』 感想

2020-05-19 17:05:27 | エロゲ感想@えむあい
直前の投稿が2月下旬。
あれから新型コロナの影響で生活スタイルも変則的になっております。
まあ一応、書いておこうかと。


『肢体を洗う』 シルキーズ
2002年発売。公式HPが消滅してしまっているので、Wikipediaにリンクしてみました。
シルキーズはエルフから派生したエロゲブランド。
セガサターン版『野々村病院の人々』が有名です。
なわけで、一応これもエルフ系列の作品と考えていいんでしょうかね。
そのせいか、超ニッチな内容の割にそこそこ知名度があり、昔から興味を持っていたタイトルです。


・シナリオ 60~70点
経済的に恵まれないながらも医師を目指す浪人生が主人公。
病院事務局でのバイトをクビにされ、代わりにと依頼されたのが「死体洗い」。
この時点で主人公は戸惑っており、ゲスい興味もなく、
死体に触れることに対して非常に及び腰です。

経済的な理由もあり期限も区切られているため、何とか研修に臨むわけですが…
この研修の緊張感がすごい。
ユーザーも一緒に遺体洗浄の仕事を教わっているような気分になります。
それもそのはず、シナリオライターは遺体洗浄のバイト経験者なのです。
おそらくこの点が最大のウリ。
先輩である鏑木さんからも
「死体洗いって言うな、ご遺体の洗浄って言え」「献体して下さった方に敬意を払え」
といった訓戒が折々に挟まれ、ライターから医療関係者への尊敬の念が感じられます。
死体をどうこうするエロゲ、というタイトルから得るエグそうなイメージからは程遠い真面目さ。

メインヒロインである御堂さんもいいですが、この先輩職員の鏑木さんが印象に残ります。
死体をホニャララしてしまった時には基本的にこの人がどうにかしてくれます。
ありがとう鏑木さんすみません鏑木さん、もういっそあなたが全部洗ってくれ鏑木さん。

死体にあんまり触りたくないからちょっと手を抜こう…としたらミスって死体を傷つけてしまう、
あの序盤のシーンが忘れられません。
泣きながら自室で「今後慣れてきても手抜きは絶対しない」と決意するあたりにちょっと感動。
なんのゲームなんだこれは。

後半はエロと狂乱のめくるめくサスペンスに突入するわけですが、正直これが微妙。
いくらなんでも無理がある展開が目白押しで、あまり感情移入できませんでした。
時代性か、どうにかして攻略ヒロインの人数を増やそうと頑張っており、
地味~な事務局のおねいさんといきなり恋人→結婚までいってしまった時には呆然としました。
その人、病院の謎と関係ないよね…。


・グラフィック 80~90点
さすがはエルフというか、2002年とは思えないほど丁寧なCG。
モブ男性の立ち絵まで目パチします。背景も時代を感じられていいですね。

枚数も多いです。
売れセンのゲームではないとわかっていただろうに、しっかりと手の込んだ誠実な仕事ぶり。

一つ気になったのが、陰毛がかなり多めに、しかも黒々と描かれてますね…。
こういうフェチシズムだったの…?


・音声 70~80点
脇役の男性キャラまで、きちんとマッチした声優さんが揃っています。
なかなか出来ないことですよ。

ヒロイン群も文句のないキャスティング。
そらまあ、今の声優さん達に比べるとぎこちなさはありますが、
エロゲ声優の技巧ってここ20年でとてつもない飛躍を遂げていますからね…。

BGMも不気味で素敵。
遺体洗浄の作業室に入った時の、何ともいえない憂鬱感。
あれがめいっぱい伝わってきます。


・システム 30~40点
FANZAのDL版をプレイしてのレビューとお考え下さい。
DMMGamePlayerで起動しているせいか、コンフィグを毎回忘れる仕様。
これが結構困ります。
既読スキップ・テキスト背景色・テキスト表示速度など、毎回毎回初期化されてしまうわけで、
地味にめんどくさい思いをさせられました。

また、グロCGにはデフォルトでモザイクが入っています。
モザイクを外すこともできるし、モザイクをもっと大きくすることもできる。
出る時は当然いきなり出ますので、
苦手な方は起動するたびにモザイクを大きくしないといけません。が…
そういう人はそもそもやらないでしょうから、いいのか。


総評
真面目な遺体洗浄体験、プラス、おまけでナースとH&サスペンス。

2020年の感覚で見て、可愛い! そそられる! というCGではないので、
そこはお勧めポイントにならないなと。
いかにもありそうな死姦もありません。

強い臨場感を演出することに成功しており、
一対一で遺体に触れて「さあ一人でこれを洗うぞ」となった時のリアルな恐ろしさを味わえます。
グロ耐性があってもキツい場面すらあるかもしれません。
逆に言えば、そんな特殊な体験をしたい方はFANZAセールの時にでも是非。
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『SWAN SONG』 感想

2020-02-24 17:57:29 | エロゲ感想@えむあい
『SWAN SONG』 Le.Chocolat meets FlyingShine
2005年発売。
カリスマ的な人気を誇る瀬戸口廉也氏の有名作で、
(おそらく)生産数が少ないこともあり一時期は入手困難でした。
DL販売がされるようになったのでようやくプレイ。


・シナリオ 80~90点
雪降る冬のある日、突然大地震が発生。
通信網が絶たれ救援も来ないまま、主人公達は集団生活を送ることになります。
序盤で一緒に生活する6人の若者、このうち5人の視点で物語は進行します。
パニック映画(?)を群像劇として丁寧に描いていく、というとイメージしやすいでしょうか。

6人で暮らしている間は割とほのぼのとして穏やかに観ていられましたが、
多くの被災者たちとコミュニティを築いてそれぞれの立ち位置を確立していくうちに、
だんだんと不穏な空気が漂い始めます。

多くのユーザーが序盤で感情移入することになるであろう鍬形が、ああも変貌するとは…。
モテないコミュ障コンプ持ちのオタク。
ユーザーが彼に肩入れすることは計算済みでしょうし、巧いというか恐ろしいというか…。

最初は「何だこいつ」と思ってしまった司が最後には一番好きになっていた。
某所の「名物キャラ」でも彼の名前が挙がっていたし、やはり彼が主人公なんでしょうね。

とにかく圧倒的な筆力でぐいぐい引き込まれますが、
1クリックで流れ出てくる文字量が多すぎて読みにくい。
小説1ページくらいのテキストがいきなり表示されて面食らいます。
こんなんですよ。
氏は後に引退宣言して小説を刊行しますが、確かにこれは小説向きかも…。
といいつつ、2019年にはあの1億円CFの『MUSICUS!』を製作なさってますね。


・グラフィック 75~85点
萌えに寄り過ぎずリアル過ぎない、作品にマッチした画風で素晴らしい。

画力も高いといって差し支えないのですが、ちょいちょい崩れる場面がありました。
女体にあまり関心がないのかな?と邪推。


・音声 40~50点
BGM、最高の一言です。
残酷で美しい、降りやまない雪の情景をありありと映し出してくれます。
特に「白鳥の唄」がお気に入り。サントラ欲しいくらいです。

しかし、CV部門がいまいち。
ヒロイン勢はベテランを揃えており文句ないのですが、男性陣がちょっと…。

また、この作品はモブもよく喋るので、
彼等の棒読みが気になって辟易するシーンが多くありました。
「快楽殺人を犯したが改心し、仲間のために命を投げ出すモブ」など、
明らかに演技力を必要とする名無しキャラがいるので、そもそも難しいですね…。


・システム 10~20点
見づらい!
コンフィグ画面がこうです。
オサレなのは認めるものの、コンフィグは機能的にしてほしいんだよなあ…
と思ったらシステムデザイン:長岡建蔵だそうで、まあそれなら仕方ないや…。

コンフィグ画面は設定したらそれ以降あまり開かないからいいのですが、
プレイ中のテキストが読みにくいのには困りました。
文字表示のウィンドウの色が薄く、単純に文字が判別しにくいのです。
雪の白い背景に、薄ーいグレーのウィンドウ、その上に白い文字。
やむを得ず、一旦流してからバックログで読む、という感じで読み進めていました。


総評
高品質の鬱群像劇。
とにかく、鍬形に感情移入してはいけません。しばらく落ち込むよ。
熱い、または楽しいゲームをやりたい時には向きません。

しかし、CV:北都南のキャラだけ凌辱されず、かつあざといシーンが満載なのは何なんだ…。
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『感覚の鋭い牙』 感想

2020-01-04 22:41:59 | エロゲ感想@えむあい
あけましておめでとうございます。
今年もエロゲ感想から参ります。

『感覚の鋭い牙』 WINTERS
いつか「真剣に頭のおかしいエロゲがやりたい!」と思ったらその時やろう、
と心に決めていた伝説の怪作。
タイトルを知らなくてもこの画像を見たことのあるエロゲオタは多いはず。
Wikipediaに「作中では、キスや髪あるいは北方領土(千島列島)へのこだわりが見られる
と書かれているブランド、WINTERSの6作目です。


・シナリオ 5点
いや…まあ…点数はそんなに気にしないでください。
0点か100点が正しい評価じゃないでしょうか、こういうぶっ飛びゲーは。

例の「地面とセックス」が有名なゲームですが、
他の箇所までこうも頭がおかしいとは思わなかった。
性に目覚めたばかりの小学生くらいの男の子がエロゲのシナリオを書いたらこんな感じかな、
という仕上がり。
三点リーダーでなく中黒(・)、全角の「!」「?」を多用するテキストと
異様な展開が絶妙に合わさって、ユーザーの思考力をどんどん奪い去っていきます。

義理の姉と二人暮らしの主人公の元に、宇宙人であるメインヒロイン・ルルシーがやってくる。
延々無反応のルルシーに焦れた主人公は
性行為を見せつければ何か反応するのでは?」と異次元の提案をし、
姉に無理矢理キス→無理矢理セックス、でなんだかんだ肉体関係を築いてしまう。
ルルシーが歌うと周りがみんな発情する、という都合のいい設定もあって、
とにかく隙あらば姉とHに及ぶ始末。

いわばずっと姉ルートなわけです。
あまりに「会った時からずっと姉ちゃんが好き」「姉ちゃん以外の女なんて」と言い続けるので、
こりゃ最初は姉エンドにしかいけないのかな? 
地面とセックスはルルシールートだろうから、二周目以降に持ち越しかな?
と思ってたら突然始まりました。
これが。

姉といちゃラブHしまくり

ルルシーの背中から別の宇宙人ヒロインが生えてくる

ルルシーにせがまれてキスしたりしたけど
「これからは絶対に、姉ちゃんだけだ」と姉に誓う

ルルシー達が自分の星に帰るというので主人公と姉も同行

星に着いて数日後、ルルシーの口に感覚の鋭い牙が生える

触ると痛いとか言う

ルルシーが感覚の鋭い牙を自分で抜こうとする

ルルシーが地面に溶ける

ルルシーを救うべく、主人公が男根を地面に挿入

泣きながらピストン運動

ルルシーが復活する

ルルシーを愛し守っていくことを誓った主人公、
また何かあったら今度はちゃんと勃起させて地面に挿入することを心に決める
画像参照

~HappyEnd~

…という流れです。相当丁寧に説明しました。これ以上聞かれても答えられません。
まず姉は?というのが普通の人類の反応かと思います。
途中かなりそれどころではなかったので流されがちですが、
散々ヤりまくり口説きまくりだった姉の存在はルルシーの星に着たとたん消え失せ、
エンディングにも姿を見せません。
例のこれの時点で姉はいません。後ろの女の子二人はルートのない宇宙人です。

これが…メインヒロインのトゥルーエンドか…。
何が恐ろしいかってこれ、
2003年にフルプライス(税抜8,800円)で堂々と販売していることですよ…。
1,300円でDL購入したから笑ってネタにできるけども、
約一万円払わされたらキレ散らかしてしまいそう。


・グラフィック 60~70点
意外と普通のCG。

今見ると特別きれいとは感じませんが、2003年あたりはもっと崩れた絵がたくさんあったので、
これなら十分に及第点。

立ち絵は少ないものの、一枚絵は必要なだけきちんと用意されています。
シナリオがえっらい短いので、それに救われている部分はありますが。


・音声 20~30点
声優さんの演技は可もなく不可もなく、という印象。(2003年としては)
テキストがテキストだからキャスト陣もさぞかし戸惑ったことでしょう。
そう迫真の演技ができるはずもなし。

BGMも謎のラインナップ。
Hシーンなのに不穏な音楽が流れていたり、
スタッフロールでも珍妙なボヨンボヨヨンとした音が響きっぱなしだったり。
な、何が言いたいんだ…何を感じさせたいんだ…と不安になります…。


・システム 30~40点
FANZAのDLページにはWinXPまでの動作保証と記載されていますが、Win10で起動できました。
後半、ポップアップが出て進めなくなった場合、
ゲームを閉じようとする→「終了しますか?」でキャンセルを押す、で直ります。

それはともかく、2003年と考えても作りが雑。
メッセージスピードは「標準」と「早い」の二択でしか選べず、
「早い」にするとたまに1クリックで2回分飛ばされ、毎回ログを見る羽目になります。


総評
変なエロゲをやりたい人向け。
わけのわからない悪夢に巻き込まれて論理的思考を失いたい!という方に最適なゲームです。
安いしあっという間に終わるので、数時間と経たずに(悪)夢から覚めます。

そして何がすごいかって、WINTERSは未だ存続しているのです!
こんなホームページなのに!!
これホームページビルダーで作ったHPですか? 一体十何年間このまんまなんですか?
…など疑問は尽きませんが、この御時世に生き残っているエロゲブランドというだけで貴重。
がんばれWINTERS! クラウドファンディングがコケてもまけるなWINTERS!
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