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2025年10月1日に投稿終了、11月18日に閉鎖予定。
この交換日記ブログも、別のブログサービスに移行を考えております。
『僕は天使じゃないよ』 130cm
2005年4月発売。
パッケージ版はプレミアがついており、現在だいたい2万円前後。
私はFANZAのセールでDL版を購入しました。
・シナリオ 65~75点
大正末期~昭和初期の日本、名家の長男ながら出奔して貧乏暮らしの作家が主人公。
倒錯した性(というかSM)のショークラブ「マスカレヱド」に招待されて…
というあらすじ。
蠟をたらしたり鞭打ったり、と「SM」らしいプレイが一通り用意されています。
ただまあ、二次元の性行為としてはそう物珍しいものではなく、
超刺激的なエロを求めて読み始めると肩透かしをくらうかも。
なんというか、さっぱりしてますしね。作り手の偏執的なこだわりを感じるシーンはありません。
この作品の肝は、
どこか歪んだ人物たちの絡み、ほんの一瞬の心と心の邂逅、
そして「もうこれしかない」というような美しい帰結にあります。
最初は短いノーマルエンド(?)にしか辿り着けないため、消化不良に感じていましたが、
それぞれのトゥルーエンド、それぞれの終章(各ヒロインの事情を語るエピローグ)まで終えると
名状しがたくも充足した気持ちになれました。
アングラ作品でしか描けないキャラクターたちだったな、と…。
柘榴のマゾヒズム等、さすがに描写不足を感じる面もありつつ、
「個人的には好き」という着地ですね。
・グラフィック 60~70点
なんとあのさっぽろももこ先生が原画までやっておられます!
作曲できて歌を歌えて、原画まで描ける! ヒュー!!
…というかそもそも、さっぽろ先生がDL版セールを告知してくださったことで
購入に至ったわけです。はい。
シナリオが短いことを考えると、CG枚数は充分だったと思います。
ヒロイン5人もそれぞれ異なった魅力を感じるデザインで美しい。
シスター服やメイド服はちょっと…萌え用にカスタマイズされてますけども…
ただ、ノーマルエンドについて、最後の一枚絵のみで理解させようとするので…
なんとなーくの会話が挟まれ、詳細な状況を記載せずに
「ほーらこうなっちゃったよ」とばかりにCGを表示し、それでエンド。
そこで表示されるCGが、いまいち状況わからんのですよね。
そのへんもノーマルエンドの不満足につながってたというのが正直なところ。
・音声 70~80点
男性CVなし、主題歌なし。
翠子の演技がずば抜けて巧いな!と思ったら涼森ちさとさんでした。
そら巧いはずですな。(『さよならを教えて』のとなえ先生役の方)
特筆すべきはBGMの曲数で、29曲あります!
これ税抜6,800円でフルプライスじゃないのに29曲! 多っ!!
お気に入りが何曲もできました。どれも良質。
さっぽろももこ先生が力を入れて制作されたのが伝わってきます。
サントラ発売されてないのかよぉ…
・システム 50~60点
セーブスロットが32しかありません。
そして、選択肢が表示された画面でセーブができない。これはキツイ…
そのかわりにフローチャートが用意されており、これを駆使すればなんとかなるのですが、
それでもやっぱり選択肢の地点でセーブさせてほしい。
また、バックログ機能はあるものの、音声再生ができません。
つまり、一回喋ったらそれっきり。
もう一度聴きたけりゃセーブデータをロードしてもう一回戻ってこいという。
涼森さんの名演技がもったいないよ…
実はこの作品、あの『パルフェ』一ヶ月後の発売。
バックログで音声聞けないとか言ってる場合じゃないんですよまじで…
2000年ならともかく2005年ならもう少し頑張ってほしかった。
総評
ボリュームや起承転結の精度に難があり、万人に薦められる「傑作」とは言い難い。
しかしそのぶん、間違いなくこの作品にしかない暗い輝きがあります。
そういうのをエロゲに求めてるんだよ、というオタクはそれなりにいるはず。
さっぽろももこ先生いわく「当時は全然売れなかった」とのことですが、
素人の勝手な考えを言わせていただくと
タイトルの『僕は天使じゃないよ』というワードから受け取る雰囲気と
実際の作品内容が乖離しているのでは…?
どちらかというとコメディをイメージするタイトルですよね。
これ、一ミリもコメディパートないんで…。
「大正」「背徳」「マスカレヱド」あたりを組み込んだら良かったのに…。
あと公式HPの概要に「新しいアプsローチ。」とかざっと流しただけでわかる誤字が
そのまんま残っちゃってるし…。
なんかこう、天才だけじゃ駄目なんですねチームって。
雑務というか、世俗的な目線のスタッフも機能してないとうまくいかないんだなと…。
2025年10月1日に投稿終了、11月18日に閉鎖予定。
この交換日記ブログも、別のブログサービスに移行を考えております。
『僕は天使じゃないよ』 130cm
2005年4月発売。
パッケージ版はプレミアがついており、現在だいたい2万円前後。
私はFANZAのセールでDL版を購入しました。
・シナリオ 65~75点
大正末期~昭和初期の日本、名家の長男ながら出奔して貧乏暮らしの作家が主人公。
倒錯した性(というかSM)のショークラブ「マスカレヱド」に招待されて…
というあらすじ。
蠟をたらしたり鞭打ったり、と「SM」らしいプレイが一通り用意されています。
ただまあ、二次元の性行為としてはそう物珍しいものではなく、
超刺激的なエロを求めて読み始めると肩透かしをくらうかも。
なんというか、さっぱりしてますしね。作り手の偏執的なこだわりを感じるシーンはありません。
この作品の肝は、
どこか歪んだ人物たちの絡み、ほんの一瞬の心と心の邂逅、
そして「もうこれしかない」というような美しい帰結にあります。
最初は短いノーマルエンド(?)にしか辿り着けないため、消化不良に感じていましたが、
それぞれのトゥルーエンド、それぞれの終章(各ヒロインの事情を語るエピローグ)まで終えると
名状しがたくも充足した気持ちになれました。
アングラ作品でしか描けないキャラクターたちだったな、と…。
柘榴のマゾヒズム等、さすがに描写不足を感じる面もありつつ、
「個人的には好き」という着地ですね。
・グラフィック 60~70点
なんとあのさっぽろももこ先生が原画までやっておられます!
作曲できて歌を歌えて、原画まで描ける! ヒュー!!
…というかそもそも、さっぽろ先生がDL版セールを告知してくださったことで
購入に至ったわけです。はい。
シナリオが短いことを考えると、CG枚数は充分だったと思います。
ヒロイン5人もそれぞれ異なった魅力を感じるデザインで美しい。
シスター服やメイド服はちょっと…萌え用にカスタマイズされてますけども…
ただ、ノーマルエンドについて、最後の一枚絵のみで理解させようとするので…
なんとなーくの会話が挟まれ、詳細な状況を記載せずに
「ほーらこうなっちゃったよ」とばかりにCGを表示し、それでエンド。
そこで表示されるCGが、いまいち状況わからんのですよね。
そのへんもノーマルエンドの不満足につながってたというのが正直なところ。
・音声 70~80点
男性CVなし、主題歌なし。
翠子の演技がずば抜けて巧いな!と思ったら涼森ちさとさんでした。
そら巧いはずですな。(『さよならを教えて』のとなえ先生役の方)
特筆すべきはBGMの曲数で、29曲あります!
これ税抜6,800円でフルプライスじゃないのに29曲! 多っ!!
お気に入りが何曲もできました。どれも良質。
さっぽろももこ先生が力を入れて制作されたのが伝わってきます。
サントラ発売されてないのかよぉ…
・システム 50~60点
セーブスロットが32しかありません。
そして、選択肢が表示された画面でセーブができない。これはキツイ…
そのかわりにフローチャートが用意されており、これを駆使すればなんとかなるのですが、
それでもやっぱり選択肢の地点でセーブさせてほしい。
また、バックログ機能はあるものの、音声再生ができません。
つまり、一回喋ったらそれっきり。
もう一度聴きたけりゃセーブデータをロードしてもう一回戻ってこいという。
涼森さんの名演技がもったいないよ…
実はこの作品、あの『パルフェ』一ヶ月後の発売。
バックログで音声聞けないとか言ってる場合じゃないんですよまじで…
2000年ならともかく2005年ならもう少し頑張ってほしかった。
総評
ボリュームや起承転結の精度に難があり、万人に薦められる「傑作」とは言い難い。
しかしそのぶん、間違いなくこの作品にしかない暗い輝きがあります。
そういうのをエロゲに求めてるんだよ、というオタクはそれなりにいるはず。
さっぽろももこ先生いわく「当時は全然売れなかった」とのことですが、
素人の勝手な考えを言わせていただくと
タイトルの『僕は天使じゃないよ』というワードから受け取る雰囲気と
実際の作品内容が乖離しているのでは…?
どちらかというとコメディをイメージするタイトルですよね。
これ、一ミリもコメディパートないんで…。
「大正」「背徳」「マスカレヱド」あたりを組み込んだら良かったのに…。
あと公式HPの概要に「新しいアプsローチ。」とかざっと流しただけでわかる誤字が
そのまんま残っちゃってるし…。
なんかこう、天才だけじゃ駄目なんですねチームって。
雑務というか、世俗的な目線のスタッフも機能してないとうまくいかないんだなと…。