Secret Society

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『沙耶の唄』 感想

2014-03-09 23:19:32 | エロゲ感想@えむあい
感想INDEXを作ろうと思いながらも昔の文章が酷すぎて躊躇しているえむあいです、こんばんは。
2008年の感想文とか、痛ましすぎてしんどい…。6年前だもんなあ…。
いや、現在の記事も大概気持ち悪いのはわかっているんですが。


『沙耶の唄』 Nitro+
オリジナルは2003年発売。私は2009年発売のベスト版を購入しました。
デモンベインでニトロプラスを知って以来、気になってはいたんですが、
まどマギにハマったことで改めて興味が湧き入手。
(こういうオタが多くいたようで、かなりの売上があったとか)
…で、2年ほどしれっと放置してました。
マブラヴでエロゲ熱が上がったので勢いで一気にクリア。
完全なるネタバレですので、ご注意ください。


・シナリオ 70~80点
うーん…人を選びます。
さすがは奇才・虚淵氏というべきか、あっという間に独特の世界観でユーザーを包んでしまいます。
事故の後遺症で知覚障害を起こしている
(人間や建物がグロに見え、声もまともに聴こえない)主人公に、
ただ一人まっとうな美少女に【見える】沙耶が出会い、二人が周りをアレしていく物語。

主人公が女友達の死体の一部をヒョイパクした瞬間に感情移入の糸が切れました。
よくわかんない物を口に入れるのダメ! 絶対!・・・っていう教訓。

初めて自分を必要とし、優しくしてくれた主人公に沙耶は心を開き、
主人公もまた沙耶に溺れていく。
いや、まあそれはいいんですが、この二人、
ブルドーザーのような勢いで周りを巻き込んでゆきます。

エンディングテーマ『沙耶の唄』が流れる結末(おそらくトゥルーエンド)では、
「郁紀が苦しまずに生きられる世界にしてあげるね…」(うろ覚え)的なことを沙耶が言い、
世界の生物全てをぐっちょんべっちょんの化物に作り変えて
ほぉーらこれでみんな沙耶と一緒だぁー☆とまでやりきってしまい、
主人公は感動の涙を流しながら「これからはいつも一緒だね…」で終わり。
( ;∀;)イイメイワクダナー
「あの、ほんと、やめてください」としか言いようがないです。

逆に、離別エンドは哀切で美しく、非常に好きです。
正直、主人公も沙耶も好きになれませんでしたが、あのやりとりには胸を打たれました。
そんなわけで、お二人にはきれいさっぱり別れていただきたい。心よりお願い申し上げる。


・グラフィック 70~80点
テキスト量に比して、非常に枚数が多いです。
塗りも丁寧で好感が持てます。

ただ、元々萌え系のイラストレーターさんではないので、
グロや拳銃が巧いのに対し、美少女の顔や女体が微妙な出来。

できれば、沙耶だけでももう少し可愛く描いてほしかったな、というのが正直な感想です。
でもまあ、私が萌え絵に慣れすぎているんでしょうね…。


・音声 60~70点
肝心の沙耶の演技がいまいち…に感じました。特にエロに不満。
しかし、「このぎこちない感じがいい」という方も多くいらっしゃると思います。

で、よりによって何故かこの主人公にグリ○バ氏。
いやいやいや、名前変えてもわかるよあなたの声。
(バレバレ過ぎて現在は表名義でアダルトも活動している)
そんな美声で人間の内臓をモグモグされてもリアクションに困ります。

そして、音楽が世界観にマッチしていて美しい。
『沙耶の唄』も『ガラスのくつ』もすごく好きです。


・システム 50~60点
それほど問題ありません。

右クリックで呼び出したウィンドウを消すのが「キャンセル」クリックのみ、なのが少し面倒。
(普通は別箇所をクリックすることで消える)

また、Hシーンで男性ボイスをオフにできればよかったかなと。
シナリオが短い=Hシーンが少ないのであまり気になりませんでしたが。


総評
虚淵さんはこの世が嫌いなのかなあと思いました。

いや、でも真面目な話、「世界を作り変える」「神と戦う」「神になる」系統のストーリーって、
今は珍しくなりましたよね。
今じゃセカイ系(笑)、中二病(笑)、といわれる類の話ですから。
そこを真っ向から書き上げようというだけですごい。
ハマる人はハマるでしょう。

ゲームとしては非常に短く、全てのルート(結末は3パターン)を読んでも5時間以内で終わります。
しかし、今をときめく虚淵氏の初期作が2800円で楽しめるんだから、
とりあえず買ってみてもいいと思います。
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『マブラヴ オルタネイティヴ』 感想

2014-03-02 22:09:33 | エロゲ感想@えむあい
昨日はもちろん、藤花と連れ立って、「眠り姫設定資料集」をもらって参りました。
まあ、さすがにアイマス映画はこれで行き納めかなあ…。


『マブラヴ オルタネイティヴ』 Age
すごかった。ここまでのめりこんだのはWA2以来です。
時間を忘れて進めてしまいますね。


・シナリオ 85~95点
2006年発売の超有名作だけに、今更私がどう褒めたらいいのか悩みますが…。
「メカに乗ってBETA(という地球外生命体)を倒す」「グロがすごいらしい」「熱いらしい」
というぼんやりした情報から想像していたものとは、いい意味で内容が違っていました。

確かに、非常に印象に残るグロ絵が一枚ありますが、あれはどう考えても必要なシーンです。
あれはあえて「トラウマ」として、主人公と衝撃を共有すべきだと思うので。
不必要にエログロで煽り立てる箇所はありませんでした。全て必要な過程でしょう。

最も意外だったのが、BETAとの交戦があまり長く描かれなかったこと。
UNLIMITEDで完全カットしたぶん、オルタでは存分にバトルするものだと予想していました。
(長い短いはそれぞれの感じ方によりますが)
マブラヴオルタでの最大の敵は、BETAではなく、主人公自身の弱い心なのだと思います。

主人公が本当の意味で覚悟を決めるまで、シナリオの実に6割以上を要します。
UNLIMITEDで軍人として完成したかと思いきや、実戦を踏むたびに多くの人の覚悟に触れ、
自分の「立脚点」を問われ、心を揺るがされる。
初めてBETAに遭遇した時は錯乱して失禁までする。
テキスト自体はどこか古臭いのですが、心情描写がとても鋭いです。
主人公のささやかな傲慢、弱さ、
他の作品ならスルーするようなところも見逃さず暴き立ててしまいます。

そういう意味で、「18歳以上向け」だと感じました。
そんな格好悪いのやだ、
さっさと気持ちよくバトルで俺TUEEEEさせろ!と思うユーザーには不向きです。

キャラについて。
ヒロインとして攻略したいのはやはり純夏>冥夜>霞ですが、
別枠で夕呼先生が最も印象に残りました。
台詞の多さで言えば間違いなくナンバーワンであり、彼女との会話シーンは非常に長い。
見様によっては、準主人公とも呼べる存在だと思います。
というか、マブラヴオルタって、武と夕呼先生でオルタネイティヴ4を完遂させる話ですよね。


・グラフィック 80~90点
動きすぎ! どうなってんの!
通常の立ち絵からして、瞬き・口パク有り。しかもあちこち歩き回ります。
キャラデザの古さは『マブラヴ』感想で語った通りですが、
その前作よりも塗りがグレードアップしており、一枚絵が非常に美麗です。

ただ、オルタで登場した新キャラ達が洗練された立ち絵であるのに比べ、
『マブラヴ』無印の立ち絵をそのまま使用している冥夜達メイン組が
ちょっと不憫な出来に思えました。
無印の絵って、おそらく2001年に描かれたものだろうし、描き直しても良かったのでは。
(前作とのイメージに差異が出ては困る、という事情からだと思いますが)


・音声 80~90点
たーちあがーれ!けだーかくまえ!さだーめをうーけーたせーんしよー!!!
『未来への咆哮』のリピート止まりません。古臭いのに何故こんなに心に残るのか。

ボーカル曲を複数用意し、ここぞという時に挟んでくる気概にやられました。
武が再び戦場へ戻る『翼』も大好きです。たぶん、わざと男くさくしているんだと思います。

うーん、サントラほしい。
探してるんだけど、古いせいか見つからないんですよねえ…。


・システム 80~90点
本当なら120点つけたいところなんだ! 
でもCGも音楽もギャラリを置いてくれないのは見逃せない!
でも本当、そこ以外は驚くべき完成度です。

グラフィックの項で触れた通り、ポリゴンかと疑うほどに立ち絵が動きまくります。
5人表示されていれば5人とも、目パチ口パク動き有り。

そして、立ち絵・一枚絵を駆使しての演出が連発。
ラストはアニメ並に動きが止まりません。

なのに、びっくりするくらいサクサク軽い。一度もバグが起きない。
どうなってんの? なんで? と呆然とするくらいの優秀システムで、
こんなもんを2006年に完成させられちゃ、他のブランドは堪ったもんじゃないでしょう…。
Ageってすごいんだなー、と思った次第です。


総評
「バトル」ではなく「覚悟」を描ききった比類なきSFADV。
同じジャンルでこれを超えるのは大変なことです。
『Fate』と同じく、「金字塔」と言い切っていいクラスにあります。
ただ、「主人公がメカに乗って熱く無双するバトルもの」という誤解を受けやすいので、
そこは各所のレビューを読み込んでから臨んだ方がいいかも。

ああ、でもあんまりこの作品の良さを書ききれなかったな…。自分が残念。
進撃の巨人との比較記事でもうちょい頑張りたい。
コメント
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