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『極限痴漢特異点』 感想

2022-03-21 12:50:33 | エロゲ感想@えむあい
昨年9月に終えたエロゲの感想をようやく今…
腰が重くなっているのをド強く感じております。

『極限痴漢特異点』 アストロノーツ・シリウス
2020年8月発売。
2010年にアトリエかぐやより発売された『最終痴漢電車3』のスタッフが多く参加している本作。
あの作品の大ファンなので、この無印と続編の『極限痴漢特異点2』を同時に購入してしまいました。
『2』公式HPのキャラ紹介のページに今作(無印)の大きなネタバレがあるので、そこだけは注意。


・シナリオ 70~80点
今回も当然、硬派で顔のいい一流の痴漢が主人公。これは『最終痴漢電車3』と同じですね。
大きく変わったのは主人公・喜壱を取り巻く環境で、
痴漢や痴漢を鑑賞したい者たちが集まる闇の組織「蛮痴漢(ばちかん)」が物語を動かします。
痴漢と痴漢を撮影するカメラ担当がタッグを組んで「蛮痴漢」に所属し、
痴漢映像を「蛮痴漢」サイトで配信。それによっておひねり的な収入を得るわけです。
この「蛮痴漢」の上位会員たちの社会的地位がやたらめったら高いらしく、
とんでもない金額が振舞われたり、気に入った痴漢対象の女性が保護されたりする。
このへんはラストの伏線にもなっています。

いやいや最悪だろこの設定…と思うでしょうが、
逆にこのアホらしい設定が「シリアスな笑い」を大量生産することに成功しており、
数分やってると一回はスクショしたくなるようなパワーワードを連発。
喜壱が「痴漢願望」といういわゆるオーラを識別する"眼"を持ち、
痴漢されたい女性だけを狙っているというのもあって、
ほかの痴漢たちはともかく、主人公に不快感はあまり感じずに進められます。

 モブ「それでぇ…どんな看護師を痴漢するんだ?
     若い子か? 熟女か?」
 喜壱「どちらでもいい。痴漢に必要なのはそこじゃない。
    女が痴漢されたいかどうかだ」

 喜壱(蛮痴漢に会報なんてあるのか……)
 机の上に置かれた封筒を開けると分厚い会報誌が出てくる。
 中身はベテラン痴漢のインタビューや
 最新痴漢器具の特集記事が組まれている。
 パラパラとページをめくると
 注目の若手痴漢、と書かれた記事を見つける。
 確かに俺の事が書いてあるようだ。

 ふむふむ……都心の有名店が蔵部市内に支店を出すのか。
 痴漢の次にラーメンが好きな俺としてはこれは見逃せない。
 未知のラーメンとの新たな出会いに思いを馳せ、自然と頬が緩む。
 (フフフ……こいつは開店日が楽しみだ)
 忘れないよう、スマホのスケジュールにメモしておく。
 この日はオフ(痴漢休養日)にするか。

駄目だ…好きなシーンが多くて書ききれない。
伊澄との初体験、痴漢として当然(?)らしい手先の手入れ
相棒であるカメオに「何その必殺技」って聞かれた時のやり取り、
ここぞという大痴漢にはこれを着る」とのたまって家紋のついた着物を持ち出すシーン、
どれも是非リンク先で見てほしい。

とにかく楽しくてエロくて駆け抜けるようにプレイしましたが、気になる点もいくつか。

最終3にはあった、ヒロインごとのルート&エンディング。今回は一切なし。

最終痴漢電車に相当する「箱舟送り」というのがありますが、これがちょっとしっくりこない。
最終痴漢電車というのはざっくりいえば「一夜限りの乱交パーティを電車内で」というもので、
主人公がヒロインを立派な痴女に育て、
その成果を見る(その代わり純愛√へは行けなくなる)という目的がありましたが、
喜壱は箱舟送りの後を見届けることができないし、もう二度と彼女たちとは会えなくなる。
メリットというと金銭だけ。
散々「金が目的じゃない、痴漢したいからするだけ」と繰り返す喜壱だけに、
こっちを選択する意味がわかりません。

まあ、続編の『2』で無印ヒロインともセフレ関係が続いているような描写があるので、
全員箱舟送りにしないのが正史なんでしょうかね。

また、最終3と同様に
「全員箱舟に送らない」「全員箱舟に送る」でエンディングが変わるのかな?と
二周やってみたのですが、こちらも一切変化はなし。


・グラフィック 85~95点
わかっていたけど素晴らしい。
エロくて可愛くて美麗です。
ベテランのM&M氏だけに、つくづくわかっているなぁというキャラデザ。

今回は特に伊澄白亜が好みでした。
エロ強めのエロゲ(変な日本語)というと謎にダサい服を着せられていることも多いのですが、
この作品はさすがにハイセンス。
こういうヒロインならこういうの着てるだろうな、という私服と下着。
でも裸になるとしっかりエロいボディライン。
理想的なエロゲのCGです。まじで最高。

そして実は、男性キャラもきちんと描き分けられています。
すごく性格のいい痴漢・大堂と、ナビゲーター的役割のアキラ
CVなしでも個性を主張していて、いずれも好きです。


・音声 65~75点
男性はCVなし。最終3と異なり、主題歌もなし。

ヒロインのCVは概ね問題ないのですが、
強キャラとして存在感を放ち、『2』でも登場する蒼織の声が微妙。
声質も演技もちょっと…。

BGMがめちゃくちゃかっこいいのは相変わらず。
『2』を購入するとサントラがついてきます。ありがたい。


・システム 30~40点
もったいないほどに、この部門がだいぶ良くない。

「一人のターゲットに割ける期間は一か月」というルールがあるので、
30日以内にそのヒロインのイベントをすべて終わらせないとゲームオーバー。
ただ、俗に言う「レベル上げ」をまめに行っていかないと後半が苦しくなってくるので、
このへんの匙加減が難しい。
ヒロインとのイベントを進めつつ、レベル上げのモブ痴漢も行う。
カウントダウン等も行われないため、気が付いたら詰んでいるということになりかねない。
ゲームオーバーになっても「〇日前に戻る」などの救済措置はなし。
エロゲオタならいくつか分けてセーブしてるだろ、ということなのでしょうが…。

ここに関してはかなり苦情が寄せられたらしく、『2』で改善されています。


総評
スタイリッシュ痴漢異能バトル再び!
エロゲ業界の体力そのものが弱りつつあるので、
『最終3』に比べるとボリュームの面では物足りない。
しかしテキストや設定などが洗練され、キャラもエロも笑いも大満足の出来。
フルプライスゲーというのはこれからも本数が減っていくでしょうが、
また是非こういう作品を送り出していってほしいものです。
『2』も近いうちに感想を書きに参ります。
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