『魔法少女消耗戦線DeadΩAegis』 metalogiq
2021年3月発売。新ブランドmetalogiqの処女作でした。
固定人気があるジャンル、「魔法少女凌辱もの」として発売されたものの、
市場が縮小していることもあって知名度はさほど伸びず。
…が、プレイしたオタクの多くがかなり熱い感想をぶち上げていたため、
少しずつ、口コミで人気がでてきたタイトルです。
・シナリオ 80~90点
「人類はきみたち(魔法少女)を消費する―」
この恐ろしい文句に惹かれました。
魔法少女ものは、結局のところ彼女らの自己犠牲・消耗の上に成り立っている、
というのは、虚淵脚本のあのアニメにより、すっかり浸透しきった概念だと思います。
それを可能な限りえげつなくしてエイリアンと戦わせたのがこの作品。
抜きゲーだと思ってプレイしたら逆に面食らうでしょう。
どらちかというとマブラヴに近いシリアスシナリオゲーです。
マブラヴと異なる点として、
主人公たちをより傷つけるのは、敵のエイリアンではなく人間の男である
というのが非常に大きい。
つまり、戦死者は出しつつも人間同士で結束し合って敵を打ち倒す…という熱さ、
いわば爽快感がなく、胸糞の悪いシーンが続くということです。
前線で戦えるのは女性だけ、という設定がある分、
安全圏から決して出ない男性士官が何故こんなに横暴なのか…と呆然とするほど。
こういう背景があるため、
魔法少女姿で触手にヌルヌルされる~みたいな平和な(とあえて言う)Hはありません。
基本的に、軍服or全裸で人間に性的虐待を受けるというシチュがほとんど。
ここもなんというか、シナリオ重視過ぎて美味しいエロが少なめというか…。
筆力が高すぎてユーザーが馬鹿でいることを許してくれないため、
エロをエロとして享受するには鈍感力のオンオフが必要かと。
某批評空間でも、発売当初は「サブキャラのエロが足りない」等のコメントがあったものの
どんどん「可哀そうでエロ使えない」という論調に変わっていったのが印象的。
口コミでシナリオ重視ユーザーが寄ってきたというのもあるでしょうが。
バッドエンド等を除くとルートは二つあり、
どちらがTrueエンドかということは公式から言及されていない様子。
基地残留ルート・地球送還ルート、後者の方がまだマイルドなので後者をあとにすべき…
と多くのレビューで書かれていますが、逆に…プレイしちゃったよ…。
ほんと、基地残留ルートを先にやった方がいいと思います…。
あとは地球送還ルートだけプレイして基地残留ルートをやらないとか…。
本当にドロドロドロドロと救いのない地獄が延々続く作品ですが、
主人公の正しさ心優しさ、そして親友たちとの友情には本当に何度も泣かされました。
折られては立ち上がり折られては立ち上がり折られては立ち上がる主人公、みのり。
光臣がみのりを仰ぎ見て言う
「うつくしいものは、僅かしかないからうつくしいんだよ」
がこのゲームの象徴的な台詞だと思います。
・グラフィック 80~90点
さすがはベテランの風格、素晴らしいの一言。
みな個性があり魅力的なデザイン。
画力も十分で不安になる箇所がありません。
魔法少女コスのエロCGはもっと欲しかったところですが、
シナリオにそういうシーンがないんだからしょうがない。
変な言い方ですが、一応抜きゲーなのにヒロインの私服が良い。
デザインに不自然なところがないし、かつ適度にオシャレ。
抜きゲーって変な服着せられてること多いからさ…。
・システム 40~50点
バックログからジャンプ・音声保存等がありません。
いったんコンフィグに入らないとスキップできないのも面倒。
ぶっちゃけ、ローコストの抜きゲーだったらこれで充分なんですよ。
ただこの作品は内容が素晴らしすぎるので、これじゃ困ります。
途中からできるだけ気が付いた時にセーブするようにしたけども、
どんどん先をと読み進めてしまうので、バックログからジャンプさせてほしい。
話がこう進んできたということは、さっきのキニスンの台詞はどういう表情で…とか、
見返したくなってしまうんですよ。
ミニゲームを6本も用意してくださったのは有難いのですが、プレイしてないです…。
・音声 50~60点
電気式華憐音楽集団、いわゆるデンカレによるOPが…
この作品には合っていないように感じました。
ぶっちゃけBLACK Cycっぽさを出そうとしたのでしょうが、
何度も言うようにこれマブラヴ系統というか、仮想戦記SFだからなあ…。
このためPVも誤解を招く仕上がりになっており、とにかくもったいない。
作品そのものが良かったので非常に(勝手に)歯がゆい。
CVは…やっぱり抜きゲー声優さんだなあという。
主人公・みのりは非常にキャラクターに合った声かつ技量も素晴らしかった。
ふだん優しいのに友達のためにキレると強い、主人公らしい迫力があって良き。
さんざん言われてるように、キルケのCVがあまりにも演技力不足。
複雑なキャラなのでもう少しなんとか…。
イリューシャももう一歩踏み込んだ演技が欲しかったところ。
平時の喋りは問題ないのですが、非常に良いシーンが多いため、
もったいなく感じてしまう。
BGMが格好良くて素晴らしい。
何度聴いても緊張感があって世界観に浸らせてくれます。
総評
今時珍しいくらいのガッツリ壮大バトルシナリオゲー。
令和になってもまだこんなエロゲ出るんですね。
実はこのあとに発売されたFDもクリア済で、それ込みで素晴らしかったのです。
いやあ…良かった。
エロゲ斜陽のこのご時世、こんな傑作を生み出してくださって有難いです。
FD感想も近いうちに書きに参ります。
2021年3月発売。新ブランドmetalogiqの処女作でした。
固定人気があるジャンル、「魔法少女凌辱もの」として発売されたものの、
市場が縮小していることもあって知名度はさほど伸びず。
…が、プレイしたオタクの多くがかなり熱い感想をぶち上げていたため、
少しずつ、口コミで人気がでてきたタイトルです。
・シナリオ 80~90点
「人類はきみたち(魔法少女)を消費する―」
この恐ろしい文句に惹かれました。
魔法少女ものは、結局のところ彼女らの自己犠牲・消耗の上に成り立っている、
というのは、虚淵脚本のあのアニメにより、すっかり浸透しきった概念だと思います。
それを可能な限りえげつなくしてエイリアンと戦わせたのがこの作品。
抜きゲーだと思ってプレイしたら逆に面食らうでしょう。
どらちかというとマブラヴに近いシリアスシナリオゲーです。
マブラヴと異なる点として、
主人公たちをより傷つけるのは、敵のエイリアンではなく人間の男である
というのが非常に大きい。
つまり、戦死者は出しつつも人間同士で結束し合って敵を打ち倒す…という熱さ、
いわば爽快感がなく、胸糞の悪いシーンが続くということです。
前線で戦えるのは女性だけ、という設定がある分、
安全圏から決して出ない男性士官が何故こんなに横暴なのか…と呆然とするほど。
こういう背景があるため、
魔法少女姿で触手にヌルヌルされる~みたいな平和な(とあえて言う)Hはありません。
基本的に、軍服or全裸で人間に性的虐待を受けるというシチュがほとんど。
ここもなんというか、シナリオ重視過ぎて美味しいエロが少なめというか…。
筆力が高すぎてユーザーが馬鹿でいることを許してくれないため、
エロをエロとして享受するには鈍感力のオンオフが必要かと。
某批評空間でも、発売当初は「サブキャラのエロが足りない」等のコメントがあったものの
どんどん「可哀そうでエロ使えない」という論調に変わっていったのが印象的。
口コミでシナリオ重視ユーザーが寄ってきたというのもあるでしょうが。
バッドエンド等を除くとルートは二つあり、
どちらがTrueエンドかということは公式から言及されていない様子。
基地残留ルート・地球送還ルート、後者の方がまだマイルドなので後者をあとにすべき…
と多くのレビューで書かれていますが、逆に…プレイしちゃったよ…。
ほんと、基地残留ルートを先にやった方がいいと思います…。
あとは地球送還ルートだけプレイして基地残留ルートをやらないとか…。
本当にドロドロドロドロと救いのない地獄が延々続く作品ですが、
主人公の正しさ心優しさ、そして親友たちとの友情には本当に何度も泣かされました。
折られては立ち上がり折られては立ち上がり折られては立ち上がる主人公、みのり。
光臣がみのりを仰ぎ見て言う
「うつくしいものは、僅かしかないからうつくしいんだよ」
がこのゲームの象徴的な台詞だと思います。
・グラフィック 80~90点
さすがはベテランの風格、素晴らしいの一言。
みな個性があり魅力的なデザイン。
画力も十分で不安になる箇所がありません。
魔法少女コスのエロCGはもっと欲しかったところですが、
シナリオにそういうシーンがないんだからしょうがない。
変な言い方ですが、一応抜きゲーなのにヒロインの私服が良い。
デザインに不自然なところがないし、かつ適度にオシャレ。
抜きゲーって変な服着せられてること多いからさ…。
・システム 40~50点
バックログからジャンプ・音声保存等がありません。
いったんコンフィグに入らないとスキップできないのも面倒。
ぶっちゃけ、ローコストの抜きゲーだったらこれで充分なんですよ。
ただこの作品は内容が素晴らしすぎるので、これじゃ困ります。
途中からできるだけ気が付いた時にセーブするようにしたけども、
どんどん先をと読み進めてしまうので、バックログからジャンプさせてほしい。
話がこう進んできたということは、さっきのキニスンの台詞はどういう表情で…とか、
見返したくなってしまうんですよ。
ミニゲームを6本も用意してくださったのは有難いのですが、プレイしてないです…。
・音声 50~60点
電気式華憐音楽集団、いわゆるデンカレによるOPが…
この作品には合っていないように感じました。
ぶっちゃけBLACK Cycっぽさを出そうとしたのでしょうが、
何度も言うようにこれマブラヴ系統というか、仮想戦記SFだからなあ…。
このためPVも誤解を招く仕上がりになっており、とにかくもったいない。
作品そのものが良かったので非常に(勝手に)歯がゆい。
CVは…やっぱり抜きゲー声優さんだなあという。
主人公・みのりは非常にキャラクターに合った声かつ技量も素晴らしかった。
ふだん優しいのに友達のためにキレると強い、主人公らしい迫力があって良き。
さんざん言われてるように、キルケのCVがあまりにも演技力不足。
複雑なキャラなのでもう少しなんとか…。
イリューシャももう一歩踏み込んだ演技が欲しかったところ。
平時の喋りは問題ないのですが、非常に良いシーンが多いため、
もったいなく感じてしまう。
BGMが格好良くて素晴らしい。
何度聴いても緊張感があって世界観に浸らせてくれます。
総評
今時珍しいくらいのガッツリ壮大バトルシナリオゲー。
令和になってもまだこんなエロゲ出るんですね。
実はこのあとに発売されたFDもクリア済で、それ込みで素晴らしかったのです。
いやあ…良かった。
エロゲ斜陽のこのご時世、こんな傑作を生み出してくださって有難いです。
FD感想も近いうちに書きに参ります。
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