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「青空の社会学」

小選挙区制はトリックの選挙制度です。
比例代表制が民意を鏡のように反映させます。

★サルでもわかる選挙制度!(4) 最悪の「重複立候補制」と「復活当選」方式!(衆議院)

2013年04月24日 | 政治
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サルでもわかる選挙制度!(4)

小選挙区制が、最悪の「重複立候補制」      ⇒「復活当選」を生み出している!


1、最悪の「重複立候補制」⇒「復活当選」方式!
(衆議院選)
有権者が落選させたのに、政党幹部が当選させている方式!

「重複立候補制」とは現在の日本の選挙システム(「小選挙区比例代表並立制」)のもとで、衆議院でのみ「小選挙区」と「比例代表制」の両方に立候補できるシステムです。
「小選挙区制」の補完の意味でつくられたのがこの「重複立候補制」→「復活当選」方式です。(衆議院のみ)

 もともと「小選挙区」では1人しか当選できないために、当選者は金と権力のある大政党所属議員しか当選することができません。
「小選挙区制」のもとでは、中小政党が当選する(議席を得る)ことは皆無に近く、大政党だけが議席を得ることができます。

さらに「重複立候補制」や「復活当選」方式が追い打ちをかけて、大政党(幹部)に権力が集中するように作られています。

「重複立候補制」は1人しか当選できない「小選挙区制」の補完として作られました。
しかし
「復活当選」は政党幹部が作成した名簿上位者だけが当選することができるシステムです。
つまり「小選挙区制」で中小政党を追い出した後、今度は大政党幹部の権限で傘下の議員達をコントロールしているのです。

 しかしこの「重複立候補制」⇒「復活当選」はあまりにも国民(有権者)を愚弄したものです。
選挙には当選させる機能と落選させる機能の2つがあり、
有権者が候補者を落選させたのに、今度は同一人物を政党(幹部)の権限で「復活当選」させてしまうからです。
こうした制度は明らかに有権者の意思に反した「憲法違反」の制度といえるでしょう。


2、政党幹部(執行部)が当選名簿順位を決める!
(一部の大政党幹部だけに権力が集中し、政治執行権を強める制度)

各政党の比例候補者のうち誰が比例当選者となるかは、あらかじめ各政党(幹部)がその「名簿」によって届け出た当選人となるべき順位に従って決定されます。これを「拘束名簿方式」といいます。
(なお、参議院議員通常選挙では「非拘束名簿方式」の比例代表制が採用されており、衆議院議員総選挙とは方式が異なります。)

衆議院では、政党(幹部)が順位を決めます。主な基準は当選回数、閣僚経験、党への献金量、集めた党員数などです。

現状制度に於いては、当該政党にて、党の意向で候補者に名簿順位を策定して事前に届けており
(1)あらかじめ届け出の候補者の
名簿の順位に基づき、比例区での獲得議席数の配分により、順次、名簿上位者が当選します。
(2)その当選者が小選挙区との重複立候補者であって、選挙区で当選している場合は次順位の候補者が繰り上げ当選者となる。
(3)さらに、名簿順位が同じ場合は、選挙区での惜敗率(当選者との獲得票の差が少ないほど惜敗率は高い)で高位の候補者が当選する。

◆「国民の民意」が国会に反映しない原因!

こうした方式は大政党幹部だけに過剰な権力を与えることになり、政治の執行権を大政党幹部に委ねることになります。
その結果、国民の過半数が反対している政策でも、あるいは大政党傘下の多くの議員が反対している政策であっても、一部の大政党の幹部(執行部)の権限(意向)で執行されることになります。

その典型的な例が、最近の「脱原発問題」、「消費税の値上げ」、「TPP問題」などです。いづれも過半数の国民が反対し、大政党傘下の多くの議員が反対しても、一部の政府執行部や大政党の幹部により、(国民の意向を無視した)財界優先で強行されてしまいました。
つまり「国民の民意」が国会(政治)に反映しない(届かない)原因になっているのです。

◆問題だらけの制度!
小選挙区で落選した候補者が比例代表での復活当選、
任期中に辞職した比例選出議員の小選挙区への鞍替え立候補、政党名で当選した議員の他党への離党など問題だらけの制度です。


3、世界選挙史上、最悪の奇形欠陥選挙制度!
(世界でも例がない!)「重複立候補制」⇒「惜敗率当選」方式!


日本の選挙制度は「日本型小選挙区比例代表(重複)並立制」とも呼ばれます。
小選挙区制に多数当選式、比例代表制に拘束名簿式という最も不合理な投票方式を合わせて採用したものです。

 何故このような奇形制度が生まれたのか?といいますと当時の(1994年)政治情勢を反映しており、権力の政権争奪、大政党の党利党略が生んだものといえます。
別の言葉でいいますと支配者がこのような奇形欠陥選挙でない限り、国民を政治支配する(騙す)ことができなくなってきているとも言えます。

日本の現行選挙制度は複雑怪奇に作られ、その内容を理解することは大変です。大半の国民が内容を知らずに選挙制度を強要されているのが実態です。
「憲法」と同様「選挙制度」は「民主主義の根幹」を為すものです。
このような「奇形欠陥選挙制度」であるかぎり、日本の政治は「最悪の政治」でありつづけます。(失われた20年は続きます。)

「重複立候補制」⇒「惜敗率当選」方式は大政党の都合で、一選挙区から3人もの議員も出しているところもあります。世界でも日本にしか存在しない制度です。
「惜敗率当選」方式はまた大政党幹部に大変都合がよく作られています。
詳しくは読者の皆さんが独自に調べて頂きたいと思います。

〈参考〉「同一順位」と「惜敗率当選」方式
「惜敗率当選」方式とは?
「惜敗率」


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