「青空の社会学」

小選挙区制はトリックの選挙制度です。
比例代表制が民意を鏡のように反映させます。

★橋下「維新の会」の正体!(9) 新自由主義(ネオリベラリズム)の最先兵!

2013年02月25日 | 政治
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橋下「維新の会」の正体!(9)

「露骨な新自由主義」!新自由主義の最先兵!

1、新自由主義政治(ネオリベラリズム)とは何か!
9条の会

現代の新自由主義(ネオリベラリズム、日本版=構造改革)は英のサッチャー首相、米のレーガン大統領に始まります。(1980年頃から)
イギリスではその後労働党政権に代わり政治的修正を余儀なくされましたが、アメリカでは「レーガノミクス」がブッシュパパ、民主党クリントン、ブッシュJr、民主党オバマへと引き継がれます。
特にブッシュJrの時代には極端な帝国主義性格になり、イラク、アフガニスタンへの先制戦争を仕掛けました。アメリカの新自由主義はこれらの大統領の時代に花を咲かせます。
         
新自由主義はそれまでのケインズ主義経済が行き詰まり、代わりに台頭してきた多国籍企業、ITマネーのための世界的市場化(グローバル経済)を進める政治です。国内生産性を重視しないために、「実態のない経済」とも呼ばれます。
新自由主義はまた19世紀の古き帝国思想でネオリベラリズムと呼ばれます。1980年の頃からケインズ主義の代わりに登場したのが、19世紀(一昔前の)古き帝国思想=ネオリベラリズムというわけです。
代表的な学者がマネタリストといわれるミルトン、フリードマンです。(ケインズ経済時代には異端とされた)
   <参考リンク 新自由主義>

現代の新自由主義は多国籍企業、ITマネーの活動(グローバル経済)のために、今までの国家体制を丸ごと再編、強化する政治です。
地球的な規模での国際市場競争に勝ち抜くために、市場原理主義を掲げ、国内的には蓄えてきた国民や労働者の富を多国籍企業やITマネーのために移動させます。

世界中を駆け巡る多国籍企業とITマネーはもはや「大きな政府」を必要としません。世界中の市場競争に都合の良い、超効率的な「小さな政府」で十分です。。そのため統治機構の再編を図り、国家、基礎自冶体では公務員を、民間でも大幅な人員削減を情け容赦なく強行します。

又これまで作り上げてきた社会福祉や社会システム(国家制度や選挙制度、教育制度など)でさえ、丸ごと壊し、多国籍企業とITマネーの都合の良いように統治機構を再編成し直します。
私たちが住む「地球環境」でさえ全く眼中にありません。
関心があるのはただ一つ「利潤(マネー)」のみです。

国民生活は容赦なく犠牲にします。多国籍企業とITマネーの都合よさ(利潤)にとって国民生活の豊かさとか社会福祉は必要がなく、邪魔なだけだからです。
そのため「剥き出しの資本主義」と呼ばれます。

現在こうした新自由主義政治の世界で一番進んでいる国が、アメリカと盲目的に従う日本です。


2、日本の新自由主義者たち(「失われた20年」を作った主人公たち)

(レーガノミクスの日本版実行者=「日本の支配エリート」たち)

日本でアメリカの新自由主義を取り入れたのは、レーガン政権後10年後ぐらい(1990年頃)からです。
当時の日本は佐川急便事件、金丸信の収賄事件と政治汚職が後を絶ちませんでした。これまで続いてきた自民党一党体制が崩れ始め、連立政権が出現し始めていました。日米の支配層は危機を感じ始めていました。

 (小沢一郎) 「略奪の政治」の基礎、政治改革四法の可決!
この支配層の危機を救ったのが、時の自民党幹事長、新生党、新進党と一連の政党転がしで蓄財した小沢一郎です。小沢の主導で
「政治改革四案」が細川連立時代に可決されます。(1994年)
この「政治改革四法」は 1、
小選挙区制の導入 2、政党助成(金)法の導入 3、政治資金規正法の改正(改悪)公職選挙法改正(改悪)など、戦後日本史上最悪の法律ばかりです。大政党の政治腐敗を合法的に免罪し、国民の民意を歪め、支配層を維持するための政治システムです。

小沢一郎はまたアメリカ型のどちらを選択しても、財界政党だけにしか選択することができない、
「2大政党」づくりを進めました。
小沢一郎が日本の新自由主義、「略奪の政治」の基礎を築いたといえます。
現在「生活」の党の代表として活動していますが、果たして過去の事を真摯に反省しているのでしょうか?

 (橋本龍太郎内閣) 新自由主義「構造改革」の展開!
1996年橋本内閣は内閣として初めて本格的な新自由主義政治を推し進めました。グローバリズム化した多国籍企業とITマネー(金融資本)のための日本版「構造改革」です。
構造改革は「行政改革」、「財政構造改革」、「経済構造改革」、「金融システム改革」、「社会保障構造改革」、「教育改革」の6大改革で日本社会の統治機構の根元から骨組みを変える包括的なものです。

 (小泉内閣、2001~2006年) 新自由主義「構造改革」の加速開花!

橋本内閣の「構造改革」を受け継いだ小泉内閣は、日本に新自由主義を一気に開花させます。多国籍企業のために規制をどんどん取り払い、金融資本のためにどんどん民営化を進めます。
国民の財産である
郵政は民営化(株式化)され、株は野ざらしになり今や、「ITマネー」(国内外の金融資本)にハイエナの様に狙われています。
多国籍企業のための規制緩和により国内経済は空洞化し、雇用破壊が一気に進みました。

竹中平蔵は金融大臣として入閣し、アメリカで取付かれたマネタリスト、フリードマンの
市場原理主義に基づいた金融緩和政策を進めます。
小泉総理の懐刀として
規制緩和、民営化を容赦なく進めました。

(
民主党、菅、野田内閣と新自由主義政治家たち) 「構造改革」を強力推進!
菅政権は鳩山政権の退陣を受けて発足しました。取り組んだ政策は
「税と社会保障の一体改革」です。(国民の税金を上げて、社会保障を改悪する)。
国民生活の負担は凄まじいものになりました。年金改革と称して年金支給年齢も60歳から65歳にまで引き上げられました。
逆に多国籍企業のため連結納税制度など優遇税制が進められ、大企業の法人税が切り下げられました。

さらに国民生活に追い打ちをかけたのが野田政権です。野田政権は多くの国民や議員が反対しているにもかかわらず、これでも足りないとして
「消費税」を10%迄に値上げ強行しました。
財界の要求には際限がなく、国際競争力に勝ち抜くために(法人税をどんどんを切り下げて)、消費税をさらに10%台半ばまで上げろと言っています。「財界の横暴に阻む者なし!」支配エリート達はただ媚びるだけの忠実な下僕です。

 
(自民党第二次安倍内閣、2012年12月~) 新保守主義、新自由主義政治、「TPP」に前のめり!
祖父はご存じ、極東裁判でA級戦犯になり、何故か拘置所から出て、しかも総理大臣になった岸信介。叔父も70年の安保改定で倒閣した佐藤栄作総理。
自民党の
国土強靭化計画では10年間で200兆円の予算を計上。2014年度の補正予算では13兆の予算を組んだ。ここに来て初めて緊縮財政からの脱出か?
しかし
公共事業は旧来の自民党の十八番、土建型の党利利権によるバラ撒き色を否めない。
国内経済の立て直しのためには、国内製造業と一次産業、地場産業の本格的な支援が必要なのだが、、無理だろう。

アメリカの狙いどおり
「TPP」に前のめりだ。
「TPP」は米日財界の利潤のために、日本の全ての市場をアメリカに差し出すことになる。日本の農業はおろか、産業、経済の一層の空洞化は免れない。
医療や公的保険まで全てにわたって規制緩和され、民営化される。日本は崩壊の一途を辿ることになる。
アメリカに媚びへつらう「日本の支配エリート」が日本を崩壊に導く。
参議院選挙のために今のところ頬被りしているが、名うてのタカ派政治家だ。
憲法改正を叫び始めるのは時間の問題だ。

9条の会
3、露骨な新自由主義!「維新の会」は「新自由主義」の最先兵!
(政府の露払い、新自由主義の先兵の役割!)

 
(橋下徹、日本「維新の会」代表代行)  新自由主義の超強力展開者。右翼ポピュリスト。
日本「維新の会」の政策(「維新八策」)は
レーガノミクスの「小さな政府」で溢れています。露骨に公務員、社会保障、年金、教育など公共を総攻撃し、民営化、市場化を叫んでいます。

さらに日本「維新の会」がこれまでの新自由主義政治と違う点は、政府が言いたくても国民世論の手前言えないことをズバズバと臆面もなく言っていることです。
具体的には、
「決められる政治」と称した「専権集中的な政治づくり」と、不満を持つ国民を見張るための「国民総背番号制」づくりです。
「決められる政治」とは国民の不満、反対を無視して、トップレベルで強引に新自由主義改革を決める政治です。言ってみれば独断、専制的な政治です。

そのために首相の権限強化、二院制の廃止(参院の廃止)まで謳っています。国民の様々な民意を汲み取り、民意を調節して進める民主主義のプロセスに真っ向から反するものです。

日本「維新の会」はまた多国籍企業とITマネーのための、政府の「道州制」を先取りし、国家、地方分権の再編を謳っています。
また
平和憲法を敵視し、アメリカの要請に応じ、地球上どこでも戦争できる軍隊づくり(集団的自衛権の行使)を公然と主張しています。安倍政権が世論の手前言いたくても言えない事を臆面もなく言い放ち、政府の露払い、水先案内の先兵の役割を演じているのです。

     
<参考リンク> 日本維新の会「維新八策」
9条の会
<失われた20年を作った主人公(米日財界に媚びる支配エリート)たち>
     



<参考文献>
悪夢のサイクル(内橋克人)、新自由主義からの脱出(二宮厚美)、新自由主義(ディヴィッド、ハーブェイ)、「痛み」はもう沢山だ(山家悠紀夫)、始まっている未来(内橋克人、宇沢弘文)、新自由主義の犯罪(大門美紀史)、グローバル恐慌の真相(中野剛士、柴山桂太)以上。






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