これまで政府と電力会社は、「原発の積極推進のために」、もんじゅナトリウム火災事故(1995年)、JOC東海村臨界事故(1999年)、中越地震火災事故(2007年、柏崎、刈羽村)、など数々の原発大事故、トラブルなどの都合の悪いデータを隠し続けてきました。
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そして国民の莫大な税金を、ウソで塗り込めた「安全神話」や過疎立地地域へ「原発交付金」など原発推進金としてバラ撒いてきました。原発利益共同体(下記)の莫大な儲けのために、国民の夥しい電気料金とエネルギー予算が犠牲にされてきました。
腐蝕の連鎖は結局、福島原発事故を招き、国民にさらなる膨大な犠牲を強いることになりました。
「福島原発、放射能による事故」は福島県民にとっては大変深刻です。農業、漁業関係のみならずあらゆる産業にも被害を与えています。またこれから子供たちへの白血病の懸念は数十年と続くことになります。放射能の除染作業はどこまで進むのか見当もつきません。予想される被害金額だけでも30~50兆には上るでしょう。この本当の責任は一体どこにあるのでしょうか?
しかし政府は東電の大株主(大手金融機関)や、原発で儲けてきた原発利益共同体の「財界、原発を推進してきた政党、政治家、官僚、学者達」には責任を一切問っていません。
原発による人災事故のツケは、原発でボロ儲けをしてきて、十二分に負担能力のある財界や大金持ちには求めず、ほとんどを国民が負う(国民負担の)方針です。政府の対策は加害者(東電、大株主、原発推進者)を助け、被害者(国民)に責任を転嫁させる逆さまの対策のようです。
今後は社会保障費、消費税を含む復興予算のために国民大増税の大ラッシュです。まさに「強きを助け、弱きを弾く」大悪政です。今後さらに失業者や、自殺者、生活保護者など社会からはみ出された人達が増えてくるのではないでしょうか?国民生活への影響が大変懸念されます。
原発人災事故の本当の責任は癒着のトライアングル(3角形)ならぬ腐食のペンタゴン(5角形)にあります。
危険だと承知の上で(悪意的に)原発を推進してきた「政府、電力会社、そして原発でボロ儲けをしてきた財界(スーパー金融機関、スーパーゼネコン、メーカーなど)、利権に群がる政党、政治家、官僚、御用学者」にこそあります。
電力会社の広告資金収入のために原発政策に協力してきたマスコミにも責任はあります。
これまで幾度となく、国会でも、福島県議会でも、住民(市民)の中からも、「原発事故の危険」を叫ばれてきたにもかかわらず、「原発共同利権」のために、「ウソと力づくで推進してきた政府と政党」の責任は重大です。
「人災事故の原因と責任」を隠し続ける政府には、さらに大きな問題があります。
騙されている国民にも責任はあります。国民には大きな抗議の声が必要です。
(未曾有の人災-福島原発事故)を受けて、今や世界中で「原発撤退」が広がっています。 甚大な被害を受けた福島県もここにきて初めて、「脱原発」を掲げました。しかし福島県民の危険を顧みることなしに、東電のトラブルやプルサーマルを認めてきた民主党佐藤雄平県知事の責任には重いものがあると思います。
当の日本国はといえば、相も変わらず「原発利益共同体」のために危険な原発を稼動しています。風前の灯の菅首相は個人的には原発依存を下げていくと言っています。しかし民主党政府は、(原発を基幹エネルギーとした)政策を転換した訳でも、反省した訳でも、何らの責任を取っている訳でもありません。
それどころか、政府内での派閥や閣僚の発言もバラバラで、国民の前で(反省なし、責任なし、政策なし)の露骨な権力争いをしています。原発を推進してきた自民党に至っては、党としての反省どころか、今なお原発の稼動、推進を強く主張しています。
電力は火力、水力発電だけでも十二分に間に合っています。その事は既に、この夏にも十分証明されています。「原発を稼動させないと電力不足になる」などと言うウソはもはや通用しません。今こそ「原発0の日本」へ向かう時ではないでしょうか?
現在日本の自然エネルギーによる発電は皆無の状態です。
日本の国は、政府内と電力会社に癒着、存在する「原発利益共同体」のために、原発に対しては、火力、水力発電とは比較にならない膨大なコストを投入され続けてきました。(原資は国民の電気料金とエネルギー予算です)
そしてこの「原発利益共同体」が日本の自然(再生可能)エネルギーの研究、開発、実施を大きく拒んでいます。民主党政府のエネルギー予算にも「自然エネルギーのための予算」は極めて微々たるもので、ないに等しいものです。
また日本の電力会社は「独占民間会社」として法律で守られています。そのため(電力会社の原発利益にならない自然エネルギー)には研究、開発すらしようとしません。
日本はヨーロッパ(特に北欧)に比べ自然エネルギーによる発電は大きく遅れています。と言うより、皆無の状態が現実です。「自然エネルギー本格導入への道のりは「原発利益共同体」の壁を乗り越えていく道のり」になりそうです。
(写真はドイツの自然エネルギー)
日本の国は別にして、今世界中では、再生可能エネルギー類の利用が飛躍的に増大しています。特に風力は過去15年に渡って、年率20%、30%といった成長を続けています。既に世界では、再生可能エネルギーの依存度が原発の依存を超えています。
特にドイツは再生可能エネルギー普及を先進的に進めてきました。 ドイツでは、既にシュレーダー政権時代の2000年には、2021年頃には原発を廃棄する方針を決定し、平行して再生可能エネルギーの導入を積極的に進めてきました。発電設備所有者からの「電力買取保障制度」も導入し、政府をあげて、きめ細かく設定しています。
日本では、福島原発事故を受けて、全国の地方議会で自然エネルギーを導入を求める声が急激に増えています。(下右7/15日)
しかしいかんせん、日本の場合は国家予算を握っている中央政府が国民の声を聞いてくれないため(財界の方にだけしか向かない)自然エネルギーの国家予算がほとんど取れないのが現状です。今のところ需要を見込んだ民間の会社や、地方自冶体に頑張ってもらうしかなさそうです。
(下図は月間経済7月号-新日本出版から)