上写真は8月10日(水)、NHKが報道したニュースです。「玄海原発の再稼動」をめぐり、九州電力のやらせメール事件で佐賀県古川知事が関与の疑いがあるとして、九電が設置した検証第3者委員会が調査していました。第3者委員会の郷原信郎委員長が九電に対して内部資料の提出を求めていました。
九電の真部社長は国会で、先月やらせメール事件を九州電力ぐるみでやっていたことを認め、謝罪していました。しかし舌の根が渇かない8月5日には、今度は九電の佐賀支社が持っていた証拠資料のファイル15冊を、証拠隠滅のため廃棄処分を指示して、提出しなかったということです。
九電は自民党政権時代から、自民党に対して組織ぐるみの政治献金を行っていた疑いが濃厚で、佐賀県議会や鹿児島県議会までにも働きかけていた疑いが持たれています。九電の悪質なやり方は全く反省の余地なしで、ヤクザにも劣る行為です。他の電力会社でもトラブル、事故隠し、データ隠蔽は横行してましたが、九電のこの期に及んでも続けるのは驚きです。
こうした悪質な犯罪行為は厳罰に処し、ウミは徹底して吐き出すべきです。
そもそもの発端は経済産業省が「危険な玄海原発を」強引に再稼動しようとしたことにあります。
福島原発事故の収束も収まらない6月26日、経産省は玄海原発再稼動の「住民説明」番組で失敗した後、今度は地元の佐賀県の古川康知事が県民説明会を開き、再稼動に動き始めます。
さらに岸本玄海町長も玄海原発の再稼動を一旦了承します。これらの動きは国と九電、そして古川佐賀県知事、岸本玄海町長が呼吸を合わせたかのように動きました。 しかし、、、
しかし、、、「玄海原発」は大変危険なものでした。「玄海3号機」は非常に毒性の強い、プルトニウム、MOX燃料を燃やす「プルサーマル運転」を日本で初めて行った原発です。安全の担保は何もありませんでした。
さらに「玄海2号機」は運転開始から30年の老朽原発です。また現在稼動している「玄海1号機」はさらに運転36年と古いものです。原子炉圧力容器の脆さの指標が日本一と指摘される老朽機です。人間の寿命でいうところの、とうに100歳を超えた老朽機です。安全の担保、保障は全く何もありません。
一体何故?古川佐賀県知事はやらせメールにまで関与し、再稼動を強行しようとしたのでしょうか?
また九州電力は、強引に玄海原発を再稼動しようとしたのでしょうか?
答えは、経産省の要請を受けて、九電が「なりふりかまわず収益を上げようとしたため」です。
それにしても九州電力、古川佐賀県知事、岸本玄海町長などに何か「原発利益共同体」のようなものを感じるのは私だけでしょうか?