歴史とドラマをめぐる冒険

大河ドラマ・歴史小説・歴史の本などを中心に、色々書きます。
ただの歴史ファンです。

「光秀のスマホ」「麒麟がくる」外伝・「どうせなら全員生かしてしまおうホトトギス」の巻

2020-10-31 | 麒麟がくる
ある程度歴史の事実に合わせて、光秀と信長を両方とも「長生きさせる」方法はあるかを考えてみました。無論「トンデモ設定」が必要です。可哀想ですが、ある程度の人々には史実通りに死んでいただかないといけません。このぐらいトンデモにしないと無理なようです。柴田勝家・織田三七信孝には悪者になってもらいます。ただしタイムスリップは使いません。それが使えるなら、現代にタイムスリップさせて、助けてしまえば簡単です。

帰蝶・信長・十兵衛・煕子・信忠が「現代で繰り広げるドタバタコメデイ」は、もう誰かが小説にしているかも知れませんし、それはそれで面白そうです。「俺って人気者なんだな。でも人気が出るとディスるやつも多いから、考えもんだね、帰蝶」「最近はどうも私の方が人気があるぞ。アンチ帰蝶はほぼ0だぞ。私の勝ちー」とか信長と帰蝶に言わせてみたいものです。しかし今回はタイムスリップは封印します。私は「女信長」の情報を知りませんが、もしかすると似ているかも知れません。

天正10年、1582年5月、本能寺の変の年、十兵衛は信長に呼び出され、本能寺に向かいます。そこには帰蝶と織田家嫡男、織田信忠がいました。

信長「十兵衛、これを見ろ。この手紙を」
十兵衛「なんと、3男織田信孝殿、ご謀反!」
丹羽長秀「それだけではない、津田信澄殿も加担しておる。十兵衛殿の縁者であろう。」
信長「信澄ごときはいい。わしにとっても甥ぞ。問題は次の手紙だ」
十兵衛「信孝殿擁立には、柴田殿、滝川殿も加担!まさか」
信長「滝川も信孝も柴田に踊らされているらしい。首謀者は権六だ。しかしここまで裏切られれば、もう笑うしかなかろう」
十兵衛「手紙は、羽柴秀吉殿からですな」
信長「あやつは、中国にいながら、これだけの情報を送ってきよった。神か天狗じゃな。もう呼び寄せたがな。」
十兵衛「しかし本当でしょうか」
丹羽長秀「わしが証人じゃ。柴田勝家からはわしにも誘いがあった。3日前までわしは信孝様といた。四国遠征軍じゃ。」
帰蝶「十兵衛、そちは近畿管領であろう。この情報つかめなかったのか」
十兵衛「申し訳ありません」
信長「申し訳ないでは済むまい。帰蝶と話しあってな。この際、明智家は取り潰しとすることにした」
十兵衛「仕方、、、ありません。御意のままに」
帰蝶「それとな、十兵衛、この際、織田家も取り潰すことにした」
十兵衛「はあ」
帰蝶「十兵衛、織田家は私と十兵衛と信長様で作った。けれど大きくなり過ぎた。無理をし過ぎた。人を殺し過ぎた。そして人々の信を失ってしまった。織田家が天下人である限り、麒麟はこない。」
信長「だから織田は一代で店じまいじゃ。信忠もわかってくれている。わしにもまとめられぬ織田を、信忠に任せるのは酷であろう」
十兵衛「いやいや、変でしょ」
信長「変ではないわ!わしがいなくなれば、滝川についている関東の国衆は離れていく。滝川も生きては戻れまい。信孝の四国遠征軍も所詮は寄せ集めじゃ。この信長が死んだと聞けば、雲散霧消するであろう。残るは柴田のみだ」
十兵衛「死ぬなどと。切腹などもってのほか」
信長「おいおい、誰が本当に死ぬと言った。死んだことにすればいいだけだ。」
帰蝶「十兵衛、十兵衛には天下人織田信長を作った責任がある。その責を負ってもらう。汚名を着てもらいます。許してほしい。」
十兵衛「わたしが、、、、信長様を殺せばいいのですな(やだなー)」
信長「さすが、話が早いな」
十兵衛「しかし次の天下人は誰に、、、、あっ、、、羽柴殿ですな」
帰蝶「秀吉の知謀は底しれぬところがある。人々に支持される天下人。あの男しかできぬであろう」
十兵衛「しかし秀吉殿にはお子がおりませぬ。秀吉殿の天下、続きましょうか」
帰蝶「だからもう一人、生きてもらわないといけない人間がいます」
十兵衛「それは、、もう誰でもわかるけど、、、家康殿で、、、ございますな」
信長「家康は慎重すぎるところがある。秀吉ほど機敏でもないし、芝居もできぬ。が、ねばり強く信念を持っておる。藤吉郎が暴走しないためにも、家康を対抗馬として残しておくことにする」
十兵衛「で、信長様は」
帰蝶「京にいますよ。信忠は堺に行きます。信忠は商人になって、世界を相手に貿易をしたいと申しています。堺の今井宗久も、協力してくれることになっています。納屋の家に入るのでしょ。名前はもう決めたの、信忠」
信忠「はい、母上。助左衛門に決めました。納屋助左衛門。ルソンと貿易をするつもりですから、ルソン助左衛門を名乗ります」
十兵衛「で、柴田殿は。信孝様は」
信長「それは藤吉郎が考えよう。だが信孝は生かしてはおかぬ。秀吉が殺せないというなら、2男の信雄に殺させるまでだ」
ここで藤吉郎登場。
藤吉郎「殿、殿、勘弁してくだされ、十兵衛殿、十兵衛殿からも言ってくだされ。そんなトンデモないことしなくても、ただ柴田・滝川殿、信孝様を討てばいいだけの話ではありませんか」
帰蝶「トウキチ、織田家が天下人である限り、人々は織田を恐れ、謀反の種は尽きない。そちは世間では人を殺さぬ男と思われておる。下ってきたものは殺さず活かす」
藤吉郎「と言って、こんなトンデモない芝居をうたなくても。それに三七信孝殿は殺しはしませんぞ。信忠様、ルソンに落ち延びさせてくだされ」
信忠「心配するな。あやつは乗せられただけだ。きつく叱っておく。任せておけ」
十兵衛「藤吉郎殿、わしはそなたがさほど好きではないが、それでもこの世でこんなずる賢い、いや真に賢い男はいないと思っておった。しかも発想が人とは違う。たとえば検地、楽市楽座、そちが領内で行った政治をみて、わしは舌を巻いた。近頃は人を殺すことにも迷いを覚えるようになった。それが本来のそちなのだ。そちならできる。荘園をなくせ。世を救え。新しい世の扉は、羽柴秀吉が開くのだ!麒麟を呼ぶのだ!」
藤吉郎「そういわれると悪い気はしませんな。でも上様が堺の商人とは。」
信長「馬鹿か。誰が商人になどなるか。それは信忠じゃ。わしは朝廷に入る。近衛か二条に入り込んで、大納言にでもなり、お前を監視する。あとは蹴鞠でもして帰蝶と遊んでくらすわ」
藤吉郎「わしが征夷大将軍になるのでございますか」
帰蝶「将軍より上の位が良かろう。わたしたちが朝廷に入って工作します。関白にしてあげようぞ」
藤吉郎「関白、、、ははー、承ってございまする」
信長「十兵衛すまぬ。汚名を着てもらう。その代わり、そちには徳川に入って、トウキチを監視してもらうぞ」
十兵衛「はあ」
帰蝶「すぐにでも出家するのです。法名は天海です。顔は駒が、南蛮の魔術で、十兵衛とはわからぬほどには、変えてくれます。煕子殿や十兵衛のお子らは私たちが保護します。そちの重臣たちも、、一度は死んだことにしますが、藤吉郎が取りてるから大丈夫です」
藤吉郎「しかし信長様ならで、誰が天下をかくも鮮やかにまとめ上げることができたでしょう。この先、わしがいくら偉うなろうとも、織田信長の名こそ長くこの国の歴史に刻まれましょうぞ」
信長「トウキチ、もう一人の名を忘れておる。明智の名よ。しばらくは明智の名は汚名として語られるであろう。しかしある時、人はふと気がつくのじゃ。この信長という鬼を止めたのは誰であるかと。明智十兵衛という男が、一体何者で、何を望んでいたのだろうかと。わしの名が消えぬなら、明智十兵衛の名もこの国の歴史から消えることはない。」
十兵衛「信長様!」

ときは移って、1616年。京都。信長の邸宅。

信長「大阪の陣も終わり、世は太平になった。帰蝶、わしはいったいいくつになったのだ」
帰蝶「ボケたふりを。殿は82歳、私は81歳、十兵衛は87歳、煕子殿は83歳です」
十兵衛「この天海、まだまだ死ぬ気がいたしませぬ、駒殿の不思議な薬のおかげですな」
駒「そして私も81歳になりました。菊丸さんは90歳。東庵先生はとうに100を超えています。妖怪ですね。」
信長「秀吉が死んだ時は、どうなることかと思ったがの、大御所、よくぞやってくだされた、百万の死者の上に築いた平和じゃ、守っていかねばな」
家康「これも全て、十兵衛殿のおかげです。麒麟を呼べ麒麟を呼べと十兵衛殿にはうるさく言われましたわ」
十兵衛「信長様、お市様は?」
信長「また遊びに出かけおった。とうに70を超えて、元気なもんじゃ」
帰蝶「十兵衛殿、ガラシャ殿は」
十兵衛「関ヶ原のおり、大御所に助けていただいて、今は長崎で、祈りの毎日だと手紙を寄越しました」
家康「ガラシャ殿のお子たちも、孫たちも、時々長崎に出向くそうですぞ。しかし十兵衛殿、麒麟がくる道は遠かったのう。義昭様が生きておられたら。」
駒「でも義昭様。最後は藤吉郎さんと大坂に住んで、人々の尊敬も集め、見事な大往生でした」
十兵衛「大御所、まだ麒麟は首を見せただけですぞ。麒麟が本当にくる世は、まだまだ先ですぞ」
家康「わしはことし74になるがの。体が持ちませぬわ。もうここらで本当に隠居いたします。あとは十兵衛殿、秀忠を頼みます」
信長「それが良い。もう楽をいたせ」
家康「右府様、酔った勢いで文句を言わせてもらいますぞ。どれだけ辛い選択をしてきたか。太閤殿とわたしに足を向けて眠っては駄目ですぞ」
信長「で、あるか。しかし秀頼と淀殿はルソンで元気らしいぞ。信忠が、いや天下の豪商、ルソン助左衛門がついておるからな」
十兵衛「義輝様、義昭様、道三様、義龍、今川殿、浅井朝倉殿、秀吉殿、柴田殿、摂津晴門殿、本願寺門徒、叡山の僧たち、武田勝頼、死んでいった者たちの為にも、もうひと頑張りですな」
帰蝶「いったい十兵衛は何歳まで生きるつもりじゃ」
十兵衛「百歳超えてもまだまだ生きますぞ」
一同「アハハハハ」

めでたし。めでたし

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