歴史とドラマをめぐる冒険

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青天を衝け・第1回・「栄一、目覚める」・感想・子役が女の子かと思ったことなど

2021-02-14 | 青天を衝け
積極的にネタバレさせるつもりはありませんが「これからの史実がネタバレする」ことはあります。

といっても渋沢栄一については「ウィキベテア程度の知識」しかありません。しかもあまりに多くのことをやっているために、「結局何やった人」という部分が少しあいまいになってしまいます。

さて第一回の感想です。
子役の男の子が「女の子」に見えます。声も女の子の声のように感じます。でもクレジットを調べると確かに男です。つまり「かわいい」ということです。うまい演技してました。

前半は「渋沢栄一と徳川慶喜の二人主役」でしょう。明治になってからは渋沢一人だと思います。徳川慶喜の子役はイケメン風の子供です。慶喜の屈折を多少感じさせました。
屈折というのは「誰もかれも俺に期待しやがって。そんなに期待されても困る」という屈折です。12代将軍、家慶というより吉幾三さんも、大層気に入った様子です。
この子は今回は見事「飛ぶ鳥を射落とし」ます。「鳥を殺してはだめでしょ」と「超現代人的な感想」が心に浮かびました。

渋沢栄一はまだ子供です。歴史的人物としては高島秋帆が出てきます。玉木宏さんです。正直「名前を知っている程度」の人物です。調べてみると確かに、栄一たちの岡部藩に罪人として預けられたようです。罪は「ずざんな組合経営」みたいです。どうやら冤罪ぽいので、作中では冤罪とされるでしょう。砲術師範です。

武田耕雲斎が出てきたので「ああ、あれを描くのかな。でも暗いぞ」と思ったり「水戸斉昭はまあこんな感じかな。言葉が多いのだよ。悪く言うと言葉だけだ」と思ったりしています。
そもそも「幕末大河」を最近ほとんど見ていなかったので「幕末大河の見方がよくわからない」と思ったりしています。

徳川慶喜については、渋沢栄一の主君ということで、「よく描かれる」ことは間違いないでしょう。少なくとも「江戸のヒー様」とかいうことにはならないと思います。写実的だと、そう期待しています。会津にやったことはそりゃ酷い仕打ちで、悪い点も多くある人物ですが、いい点も沢山あります。「維新最大の功労者の一人」という評価すらあるのです。とにかく幕末から昭和を描くとなると「そんなに史実からはずれてしまっては」困ります。戦国ならいいけど、近代はだめだというのが個人的見解です。

ここからは作品から完全に離れます。

明治維新、幕末、、、しばらく考えたことなかったなと思います。最後にはまった大河が「翔ぶが如く」で、それ以降はみんな「うーん」という感じです。「龍馬伝」「八重の桜」「花燃ゆ」「西郷どん」、、、たぶん「八重の桜」は良い作品なんでしょう。でも「なんとなく見た」程度です。その他も「なんとなく」です。

司馬さんのファンなのに、坂本龍馬にそれほど魅力を感じない。新選組は血に染まりすぎている。体育会系の土方歳三も苦手。

じゃあ誰が好きかというと長州系で桂小五郎とか村田蔵六です。大河、小説「花神」の影響でしょうね。

明治維新は三段階からなると司馬さんは言っていました。まず「思想家」が現れる、吉田松陰です。それから「革命家」が現れる、高杉晋作、坂本龍馬、西郷隆盛です。そして「技術者」が現れて「仕上げ」を行う。村田蔵六です。もちろん独特の見方であって、歴史学者でこんなことをいう人はいないでしょう。

思想家→革命家→技術者、、、「坂本龍馬が維新の仕掛け人とするならば、仕上げ人は大村益次郎(村田蔵六)」ということになります。

すると「徳川慶喜」「渋沢栄一」はどうなるのか。徳川慶喜は「徳川側の維新の仕上げ人」でしょう。彼が将軍でなければ内戦はもっとずっと長く続いたはずです。そして渋沢栄一は「完成させた人」となるかと思います。明治維新は、徳川を倒す運動ではなく、近代国家を建設する運動でした。しかしそれを担った人はそう考えていなかった。考えていても一部の人であった。村田蔵六はその一部の人の一人です。徳川慶喜にもそれが見えていたと思います。西郷は、、、どうもよく分かりません。

「完成させた人」は多くいます。資本主義の発展(労働者の生成)という面からみると渋沢栄一らでしょう。軍隊となるとたとえば西郷従道(山縣有朋)、政治制度となると伊藤博文ら。そして近代日本語の完成となると夏目漱石らということになります。

でも自信はありません。どうもあまりに「幕末、明治を考えない時間」が長すぎました。