《 義母の現在(2024年2月22日)からのつづき 》
しばらく前から調子が悪かったオットーの車。
今日母親のための買物に行こうとしたものの、バッテリーが上がってしまっていてエンジンがかからなかったので、
急遽私の運転で買物に付き合い、一緒に義母宅に買物を届けてきました。
(義母は住み込み介護ヘルパーを入れているので、本来なら買物はヘルパーさんの仕事ですが、
ヘルパーのマリアさんは「顧客さんの現金を扱いたくない」と買物をしてくれないためです。)
今月5日で96歳5ヶ月になった義母。
前回義母の様子を記事にしてから、早くも5ヶ月近く経ってしまいました。
義母は相変わらずベッドに横になったままうとうとして過ごしていますが、信じられないことに、
未だにトイレのためバスルームまで歩けています。
飲食の量には波がありますが、固形物はもう長いこと、まともに摂っていないんですよ。
なのにベッドから立って、歩行補助器を使って、ゆっくり、ゆ~~~っくりではあるものの、
バスルームまで歩いていることがまさに驚異です。
義母は住み込み介護ヘルパーのマリアさん(仮名)には相変わらず塩対応で、無礼な態度を取ったり
怒鳴ったりしていました。
しかしながらマリアさんはものすごく辛抱強くて、12月初旬から7ヶ月もの長期にわたって、
まったくお休みを取らずに住み込みを続けていたんです!
その理由の一部は、マリアさんにはイギリス国内に住居がなくなったからかもしれませんが。
義母のヘルパーに入った当初は、マリアさんはロンドンにフラットを借りていました。
が、住み込みに入れば家賃を払うのがもったいないからでしょう、
(ロンドンの家賃はべらぼうに高いしっ!、)
フラットを引き払ったそうです。
そんなわけで、お休みなしで長期間、住み込みを続けてくれたのでしょうね。
そのマリアさんは、7ヶ月間ぶっ通しの住み込みのあと、今週半ばにお休みを取り、
南米に住む母親に会いに行きました。
マリアさんはイタリア人ですが、ブラジル育ちで、母親もブラジルで暮らしているそうです。
(ということは、父親がブラジル人とかでしょうかね?)
マリアさん自身が50台前半くらいだから、母親は70台半ば以上の高齢と思われます。
そのお母様の具合が悪いため、ブラジルに一時帰国することにしたそうです。
マリアさん、先週末オットーに最後に会ったとき、
「私は○○さん(義母の名)が好きだから、ぜひまた戻って来たいです」と言っていたそう。
ただ自分でもどれくらいブラジルにいることになるのかわからないせいか、いつ戻るかは不明です。
もちろん、「ぜひまた戻って来たい」は単なる社交辞令であって、もう二度と戻る気はない可能性もありますが。
マリアさんはこの7ヶ月間で、税引き前ではありますが、少なくとも21,500ポンド(430万円)ほどは稼いだはず。
ですから、久しぶりに母親に会って戻る気が失せても、不思議はないと思っています。
今日義母宅に行ったら、マリアさんより若い黒人のヘルパーさんがいました。
少し話しただけなので、ヘルパーさんの良し悪しを判断するのは難しいですし、
たとえ気に入らなくても、「誰もいないよりはまし」ですから。
来てくれたヘルパーさんを信じてお任せするしかありません。
どうか義母が、新しいヘルパーさんに礼儀正しく接してくれますように。
私だったら無理ですね、顧客さんに義母のような態度を取られたら、すぐにケア・コーディネーターに連絡し、
引き受けたその一週間が終わるまでは辛抱しても、もう二度とその顧客さんのところには戻りません。
我慢が足りないと我ながら思いますが、それでも、不快な思いを我慢してまで、その顧客さんを
サポートする気にはなれません。
住み込み介護から足を洗い、現在は住み込みヘルパーさんの休憩時間をカバーする仕事をしている私。
久しぶりに4月に、ある顧客さんGさん(女性)への今後の訪問を、お断りしました。
認知症が進んでいる独居の高齢女性Gさんは、春になっても「寒い、寒い」とガンガン暖房を点けていました。
結構暑くなったその日も、暖房はそのままで居間を閉め切り、窓も入口のドアも開放させてはくれません。
おかげで私は、涼むために何度もキッチンに往復するようでした。
私は暑がりなので、4月にあんな調子では、本格的に夏になったらとても耐えられないと思い、
今後の訪問をお断りすることにしたのです。
先週そんなGさんに関する一斉メールが、ケア・コーディネーターから届きました。
何でもGさんは最近、キッチンから包丁を持ってきて、自分が腰掛けている肘掛椅子の内側、
座面のクッションと肘掛内側の間の隙間に隠すということを始めたそうです。それも複数の包丁を。
そのため「包丁はすべてキッチン戸棚の高い部分(Gさんには手が届かない)に収納した」ことを知らせるメールでした。
あと、「今の季節は暖房は切って、Gさんが寒いと言ったら重ね着をさせるように」という指示も。
これはGさんの娘さんからのリクエストだそうです、電気+ガス代が、月400ポンド(8万円)にも上っていたために。
Gさんご自身が義母と同じ96歳なので、娘さんはおそらく70台でしょうね。
娘さんご自身(大柄な方です)も歩行に不自由しているようで、杖をついて歩いていましたっけ。
同居はしていないので、ある日の私の訪問中に、オットーと同様、母親の買物をして届けてくれたのでした。
そんなわけで、Gさんに関する一斉メールが届いたとき、(お断りしておいて良かった~!)と思いました。
イギリスの包丁は多くが日本のより細めとはいえ、やはり包丁ですから危ないですよね。
隠されていた包丁の角度が悪くて、Gさんが腰掛けた瞬間に太腿にでも刺さっていたら?
立腹したGさんが、包丁を使ってヘルパーさんを脅してきたら?
義母同様Gさんも、歩行補助器を使ってゆっくりゆ~っくりしか歩けないし、
動作も緩慢なので包丁で誰かを傷つける可能性は少なそうですが、
それでも包丁のような凶器を手元に隠されているのは怖すぎます。
Gさんへの訪問をお断りしておいて正解でした。
義母に話を戻しますと、ここ数ヶ月は気力も衰えてきたようで、大好きな我が子(オットーや義妹)とも、
会話が乏しくなっているそうです。話しかけられても短い返事のみで、あとは黙ったり、目を閉じてしまったり。
そのためオットーが義母を訪問するのも、買物ついでの、5~6日に一度のペースに減りました。
義妹は毎週水曜日の訪問を続けていますが、その義妹も、伝えることがほぼ無くなったからでしょう、
「今日のお母さんの様子はこうだった」報告を4兄妹間のチャットアプリですることが、ほとんどなくなりました。
今日の義母は意識がはっきりしていて、多少の会話もありましたが、正直私は、
(今年のクリスマスは迎えられないんじゃ・・・?)と、感じました。
今後義母の状態は、どのように変わっていくのでしょうね。
できれば最後まで自宅でとは思いますが、医療的ケアが必要になったら、それは無理でしょう。
誰にでも必ず訪れる終末期。
義母に自分を重ね合わせて、いろいろと考えてしまいます。・・・・・
《 義母の現在(2024年9月9日)につづく 》
私の今は亡き母も認知症で、偶然安倍元首相が亡くなったのと同じ日に、それもほんの30分ほど前に、息を引き取りました。
亡くなる4年前つまりコロナ禍前の2018年に会いに行ったときにはもう私のこともわからなくなっていました。
母の妹つまり私の叔母も認知症を発症してから亡くなったので、私もかかる可能性大です。
自分の老後を考えて、医療措置に関する希望を明らかにしておかなければと考えています。
お断りして大正解でしたよ。
さて、私にも認知症の父がいると以前話をいたしましたが、安倍元首相が亡くなった年の秋に父も天国へ行きました。心を寄せていただいたのに報告が遅れまして失礼しました。私も残った母と自分の老後を天秤にかける決断ができるかどうかが心配ですね。