じつは私、4月末にノッティンガムを、2泊3日で訪れるつもりでした。
2年前にムスメが2ヶ月余り居候させていただいたシーラ(旧友スティーヴの母君、参:旧友からの助け舟)に会いに行くために。
シーラは昨年90歳になり、毎日ヘルパーさんに来てもらってはいたもののとうとう独居が難しくなり、末息子の住居に近いノッティンガムの養護施設に
去年の夏、入居しました。つまりムスメは、シーラが半世紀以上住んだ家で過ごした最後の秋に、居候させていただいたわけです。
そのおかげでムスメはロンドンでの部屋探しに時間をかけられ、通勤に便利ないい部屋を見つけることができ、本当に本当に助かりました。
そんな風にお世話になった恩人なので、ぜひ挨拶に行きたいと思ったのです。
ノッティンガムでの宿泊には、Booking.com 経由で The Strathdon Hotel (ザ・ストラスドン・ホテル?)というところを予約しました。
私は宿泊料金はできるだけ低く抑える主義なので、2泊で90ポンド(12,600円)のここに決め、料金を前払いしました。
新型コロナが深刻化する前の、2月後半のことです。
2泊で90ポンドは前払いの場合の料金で、一度予約したらキャンセルは不可でした。
つまり何らかの理由でノッティンガムに行けなくなった場合は、前払い料金は戻ってきません。
が、私は丈夫なのでめったに体調を崩さないからたぶん大丈夫だろう。
もしシーラの体調が悪いとかの理由で会えなかったら、その場合はノッティンガム観光だけして帰ってくればいいや。
なんて呑気に考えました。ムスメを真似っこして“イングランドで一番古い”インでランチしたり、ノッティンガム城を見に行ったりしてね。
なのでシーラにも、訪問の意図は前もって伝えませんでした。
オンライン・バンキングの収支記録によると、ホテルの宿泊料金が引き落とされたのは2月20日だったんですね。
同じころ予約した列車運賃の32.95ポンドは、その前日2月19日に引き落とされていました。
(ちなみに ID MOBILEというのは私の携帯プランです。社交生活がほとんどないデブ症ヒッキーの私には、月5ポンド=700円で十分すぎ!)
ところが3月23日から、まさかのロックダウンがスタート。4月後半に入り、ホテルから Booking.com 経由で
「ホテルは休業中です、予約は延期しますか、キャンセルしますか?」
と連絡が来たので、キャンセルをお願いしました。すると
「キャンセルを承りました、(前払いされていた宿泊料金の)払い戻しは今日の午後無事遂行されましたが、
お客様の銀行に払い戻し金が到達するには10日ほどかかる場合があるのでご了承ください」
みたいなメッセージが届きました。そのため、払い戻しは無事にされたものと思ったんです。
ところが!3週間以上経ったある日、オンライン・バンキングで払い戻しがされたことを確認しようとしたら、何度見直しても
払い戻しがされていなかったんです。なのでホテルにその旨のメッセージを送りましたが、ホテルからは、
「払い戻しは4月17日に1234で終わる(デビット・)カードに無事されていますから、銀行に問い合わせてください」
みたいな返事が。(注: 私は支払いに、クレジット・カードではなく即銀行口座から引き落としされるデビット・カードを使いました。)
そこでオンライン・バンキングのメッセージ・システムを使って銀行に問い合わせたところ、銀行からは
「払い戻し金は入金されていないようです。ホテル側に再確認してみては?」
みたいな返事。そこで再度ホテルにコンタクトしたところ、ホテルから、私のカードに払い戻しをした際のレシートみたいなもののコピーが添付された、
「4月17日に払い戻しがされた際のレシートを添付しますので、お客様の銀行に再確認ください」
というメッセージが返ってきました。
何だか、たらい回しされてる感プンプン!
ホテル側はホテルの口座をチェックすれば、私の90ポンドが実際に引き落とされたかどうかわかるはず。
サービス業なんだし、それくらいしてくれてもいいんじゃ!?と思いました。
でもここは英国。お客様は神様ではないのです。
払い戻しのレシートです。
とりあえず情報が得られたので、オンライン・バンキングのメッセージ・システムを使って銀行にコンタクトしたところ、銀行からは
「その用件はこの電話番号にかけてください」という指示が。
電話は苦手だけど仕方ないので電話をかけました。ところがこの電話番号はすぐに留守電に繋がり、録音された声が
Something's come up and we are currently unavailable. Please try later.
「事情ができて現在対応できません。のちほどおかけ直しください。」
みたいなメッセージを伝えたあと、自動的に切れました。これが数日続いたので温厚な私もさすがにムカついて、
「もらった電話番号は何度かけても留守電メッセージで役立たずですが?」とメッセージしたところ、下のような返事が来ました。
「貴方の口座を確認しましたが、払い戻し金は入金されておりません。払い戻しを受けるため苦情を申し立てることができますが、
以下の質問にお答えください。
1) 売り手(ホテル)と問題を解決するよう試みましたか?
2) 受け取れていないものは何ですか? (詳細に)
3) 受け取る予定だった日時はいつでしたか?
4) (受け取る予定だった)商品は誤った場所に配達されましたか?
5) 商品を返却しましたか? その場合はどのような方法をとりましたか?
はぁぁ~・・・私が予約したのは品物ではなく、宿泊というサービスだったんですけどね。
私の問い合わせの内容をしっかり把握していないのが明らかです。
カスタマー・サービスには、客からの問い合わせや苦情に対する返事の例文がストックされていて、対応するスタッフは
その中から適当なのを選ぶのでしょう。うんざりしつつ、銀行に返信しました。
1) はい、払い戻しがされていないのに気づいたあとストラスドン・ホテルにメールでコンタクトしました。
2) 私が受け取っていないのは、コロナによるロックダウンのためキャンセルされた(4月末に予約を入れていた)宿泊料金90ポンドの
払い戻し金です。(90ポンドは2020年2月20日にデビット・カードで支払いました。)
3) ホテルは「払い戻しは2020年4月17日15時51分22秒に遂行された」とメールしてきました。
“カード所有者のコピー”が添付されていました。
4) まったく想像もつきませんが、“カード所有者のコピーに記載された”私のデビット・カードの番号は正しいようです。
(“カード所有者のコピー”の内容を記載)
5) 非該当 (N/A = Not applicable)
銀行からは折り返し、「結果が出るまで4~6週間かかるかもしれません」とメッセージが来ました。
やるだけのことはやったのだからと気長に待つことにしましたが、私が上のメッセージを返信した翌日の6月3日にはもう
デビット・カードから、たぶん一時的に、90ポンドが入金されました。
ストラスドン・ホテルからは、7月13日になってようやく、90ポンドの払い戻し金が入金されました。
こっちは本当に、約6週間かかったわぁ!
私の銀行がホテル側の銀行とやりとりした結果、私の申し立てが正当なものと見なされたのでしょうね。
(STROUD DISTRICT CO というのはストラウド・ディストリクト・カウンシルに徴収される住民税的なものです。
年々値上がりして、今はひと月190ポンド=26600円。でも2月と3月は徴収されないので、年間の住民税総額はx10で1900ポンドです。)
無事払い戻し金を受け取れたのでめでたし、めでたし・・・ と言いたいところですが、ちょっぴりオマケが。
デビット・カードが一時的に入金してくれた90ポンドはもう必要ないわけですが、その後回収される様子がありませんでした。
なので先月後半、正直で善良な一市民の私は、銀行に
「ホテルから無事払い戻してもらえたので、デビット・カードからの90ポンドは回収していただいて結構ですよ~」
とメッセージを送ったんです。ところが銀行からは、
「その件はこの電話番号に電話してください。」
その番号にかけたところ、音楽と「オペレーターが空き次第応対いたします」がぐるぐる。
12分待ったあと、あきらめて電話を切りました。もうかけません。
これ以上お人好ししてられないですから。いつかは気づいて、回収することでしょう。
宿泊料金の払い戻しに比べたら、列車運賃の払い戻しは雲泥の差で簡単でした。
メールが来、そのページの中の REFUND (払い戻し) にクリックしただけで、自動的に払い戻されました。
ホテルもそれを見習え~っ!!
そういえば一昨年も、KLM に費用補償を請求したんでしたっけ。
こういうトラブルにはずっと無縁で生きてきましたが、起きるときは起きるものですね。
面倒ではあったけど、人生経験値が上がったからよしとしましょう。