2011年のアメリカで
患った椎間板ヘルニアの治療費を捻出できずに苦しんでいた男性が、
刑務所に入れば医療が受けられると考えた男が、
銀行から1ドルを奪って逮捕されました。
男は、椎間板ヘルニアを患っていて犯行後は椅子に腰をかけて、
警官がやって来るのを静かに待っていたようです。
アメリカは、入院医療費が世界一高額と言われていて、
民間の医療保険に加入していなければ
膨大な医療費を請求されることになるので
おいそれとは病気になれないようです。
国民皆保険の日本の場合は、膨大な医療費を請求されて
破産したなんて聞いたことがありませんが、
三度の飯が食べられると犯罪を犯した人の話は、
ちらほらと聞いたことがありますが、
ありがたいことに、まだまだ日本の社会は、
貧困で食べることに困り果てて刑務所に入るために
犯罪を犯すと言ったような話は稀です。
しかし、正社員の数が減り派遣社員の数が増え、働き方改革で収入減。
企業は人件費を抑えることに成功し、
内部留保金がバブル以上と言われているのに
終身雇用制度の放棄宣言する多くの企業。
収入は増えないのに消費税アップで可処分所得の低下。
年金支給年齢が遅くなり、かつ年金支給額の低下。
庶民には弱り目に祟り目の吹き荒れる風に耐えることを求め、
その反面、法人税率が引き下げられる?
法人税は、1997年までは50%前後であったものが、
徐々に引き下げられて2016年には、29.97%となり、
20%も引き下げられています。
普通は、法人税を引き下げると税収は減るはずなのですが、
面白いことに税収が上がる「法人税のパラドックス」と
呼ばれる現象が欧州では起きています。
つまり投資が増えたり企業の利益が増えたりするわけです。
なので単純に法人税を引き下げた分を
庶民が苦しむ消費税で補うといったものではないようで、
2018年の日本の税収を見てみると、
法人税のパラドックスの成果か、消費税の成果か分かりませんが、
バブル時期の税収と並ぶまでに回復しているようです。
日本の国の税収が回復したと言っても
庶民の負担が増えているのは間違いなく
さらに追い打ちの消費税10%がそこまで来ています。
税率を引き下げたら税収が増えると言う理屈からすれば、
消費税を引き下げたら税収が増えると思ったりするので、
何故、企業だけが……。謎、謎、謎。
「国破れて山河あり、城春にして草木深し。」ではなく、
民衆貧して国だけが富むような国家に明るい未来が無いことは、
世界の歴史が物語っています。
大多数を占める国民にとって
弱り目に祟り目の厳しい風が吹き荒れて、
医療を受けるために、食べて生きるために犯罪を犯す人が増えるような
未来にならないことをただ願うのみです。
人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり
by 武田信玄