風に吹かれて

人生、ちょっと一服。日々の見たこと聞いたこと。

芸術の秋 1

2008-09-27 13:59:09 | Weblog

9月中旬の お茶。水引草が二輪床の間にさりげなく生けられ、時の自然を演出していた。「四靜道」といって「竹の清きを切り、水の清きを盛り、花の清きを入れ、心の清きを楽しむ」という言葉どうり、このひと時を楽しんでいます。わずかな時の流れの中に、生命のうつろいの美しさをたたえている・・・というのが茶花、何も珍花でなくとも亭主の心を映したお花がいいとされています。

お茶の先生は、自然友の会で知り合った同年のMさん。 生徒も同じ会の人が多く、お茶の合間に始まる花談義はつきることがありません。その日の話題は今 横浜美術館でやっている「源氏物語展」(私はまだ行っていなかったので、その後すぐに出かけました)ところどころのお話しか知らないのですが、昨年は石山寺にも出かけたことですし、今一度読み返すのもいいかな?というきっかけにもなりました。

美術館では源氏物語の場面、場面の絵や書が室町、鎌倉、江戸時代から今に至るまでその時代の名だたる絵師や画家、書家の手によって描かれて、その流れや対比が面白く、興味深かったです。

そして話題は「夕顔」や「箒木」となり物語からグーンと飛び離れて皆で競って育てた花に移っていきました。またまた止まるところがありません。  どちらも友人から種を頂き育て、その時は多分物語を意識して思い出しながら育てたものです。

「夕顔」は丁度9月の終わり頃、黄昏時に白い大きな花が開き、日が昇るにつれて淡雪が解けるように萎んでしまうはかなさを感じる花でした。この実が大きくなって干瓢になるというのを知ったのは数年前。そしてそんな大きな実になるのを見届けていなかったのか、途中で整理してしまったのか定かではありませんが、もしかして朝鮮朝顔(これは なす科 実は猛毒とあった)を植えていたのかも??と思い始めています。同じウリ科で瓢箪なんかともよく似ていますしね。

「箒木」 ほうきくさとも言ってこれは形もいいし秋にあちらこちらの庭でも真赤に大きく育っているのは見事です。古く中国から草箒用として渡来していたようです。秋田ではこの実をトンブリといって食用にしています。物語では、ははきぎ を情があるらしく見せて実のない人にたとえていますが・・・。

 1000年も昔に書かれたという古典、秋の夜長に現代訳で楽しく今一度その世界に浸るのもいいと思うのですが、54帖もの長編 読破出来る自信がないな~。

   ムラサキシキブ(クマツヅラ科)    王朝の才女にあやかり有名になりました 高貴な色紫は、草木染では果実ではなく葉が用いられるそうです。

  

追記  源氏物語五十四帖の巻の中で植物の名前がついた巻は

    「箒木」 「夕顔」 [末摘花」 [葵」 「朝顔」 「藤袴」 「紅梅」 「早蕨」など

     


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