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浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

矢野久美子『ハンナ・アーレント』(中公新書)

2014-05-01 08:58:08 | 読書
 ハンナ・アーレントの本は、ボクの書棚に並んでいる。「過去と未来の間」という、今ではほとんど書いていないブログの名は、アーレントの『過去と未来の間』という本から借りたものだ。

 彼女については、先頃映画化されたから、知っている人も多いだろう。彼女はきわめて知的であると同時に刺激的な主張をしてきた。とくに『エルサレムのアイヒマン』は有名である。先日も記したが、ボクはこの本を買ってもいなかったので、あの映画を見たあと購入して、机の上に置いてある。

 『・・・アイヒマン』よりも先に、ボクはこの本を買って読んだ。アーレントの思想を俯瞰できる内容で、とてもよかった。ボクは本を読むときは赤線を引き、塗り(最近は赤の色鉛筆を多用している)、付箋を貼るが、この本、付箋だらけになってしまった。

 政治哲学者というのか、とにかくアーレントの思想のエッセンスが書かれた本だ。アーレントの本は段組で、これは読めるかなと怖じ気づくような長い長いものが多い。アーレントの本を読むのはどうも、と思う人は、この中公新書を読むのがよい。アーレントの著作の翻訳者であるから、内容は確かだ。

 ハンナ・アーレントは、すこしでも教養のある人で知らない人はいないと思う。でも読んでいる人は少ない。

 アウシュヴィッツを体験した人類は、みずからの思想のなかに、この事実を包含しなければならないが、それに真摯に立ち向かったのがアーレントである。アーレントはユダヤ人であったからでもあるが、しかしユダヤ人であることに囚われずに、みずからの政治哲学を打ち立てた。

 内容の紹介は、あとで。



 




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