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浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

「トランプのアメリカ」

2016-12-08 15:44:47 | その他
 トランプのアメリカはどうなるのか、それは是非知りたいことだ。

 昨日『世界』1月号が届いた。特集は「トランプのアメリカ」である。

 いつものように「メディア時評」を最初に読む。いつもながらの鋭い指摘に、相づちを打ちながら読み進めた。メディアのジャーナリズムとして果たすべき役割がいかに損なわれているのかを実感する。

 次は、伊東光晴氏の「問題は英国ではなくEUだ」を読む。伊東氏はかなり高齢のはずであるのに、その筆法は鋭い。文の中にあげられている書物まで読んでいらっしゃるのかと驚く。そしてその内容は、イギリスの現状、EUの抱える問題がきちんとわかりやすく記されている。

 EUの現在は、1930年代のドイツ独占資本がヒトラーを利用して築き上げようとした世界がまさに実現しているという状況であることは、既知のことであるが、EUは遅かれ早かれ改造されなければならないだろう。

 そして古川美佳氏の「直訴の伝統、デモの文化」。たった2ページだが、よい文だ。

 工藤律子氏「マフィア国家という敵」は、メキシコの今を伝える。苦難の日々を耐えながら、闘う人々の姿が描かれる。

 「学校は子どもの命を守れるか」という座談会は、石巻市の大川小学校の「事件」についてである。学校は、子どもの命を守ろうとしているかと問われれば、私はノーという。むかし、校舎からの落下事件を調べたことがあるが、校舎の周囲が植え込みになっていると落下した子どもの命は奪われない、だから校舎の周囲は植え込みにすれば人は死なない。その植え込みも、幅はそんなに必要はない。それを調べて提案したことがあるが、だれも興味関心を抱かなかった。学校というものは、究極のところで、子どもの命を考えていない。

 尾松亮氏の「こどばを探して」は、重要な提起をしている。福島原発事故のようなとてつもないような事故が起きた後は、ことばは質的に変わらなければならない。しかし、日本ではまったく変わらない。チェルノブイリでは、新たなことばがつくられてきている。

 そして西谷修氏へのインタビュー、「アメリカのない世界」。これも考えさせられる内容である。

 今月号は、内容が濃い論攷が並ぶ。どれほど咀嚼できるか。考えながら、次を読もうと思う。さあ、今月号の特集を読み進めよう。




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