永田町では、商品券やスーツ仕立券などが飛びまわっている。それだけ政党や国会議員にはカネが集まるのだ。
石破首相が自民党議員に10万円の商品券を配ったことが問題となっている。しかし、そういうことは、ずっと前から行われている。自民党政権は、今まで多額のカネをばらまいてきた。それはどこから支出されているかわからないが、たぶん官房秘密費からだろうと推測する。
カネは、自民党議員や公明党議員だけではなく、共産党を除く野党にも渡されていた。
わたしは、すでに亡くなっている社会党議員から、そういう話を聞いている。スーツ仕立券、靴などをもらったということを。
当時、小選挙区制の問題が国会で議論されていた。社会党はそれに賛成した。社会党を支持していたわたしは、それに愕然とした記憶がある。社会党は、小選挙区制の成立後には当選する議員が激減することは確実であったのに、それに賛成した。ひょっとして、カネが動いていた?
今や社会党=社会民主党は、極小政党となっている。党首の福島瑞穂さんは、何とか政党としての要件を確保しようとしているが、わたしはしらけている。自業自得であるからだ。そうなることが予想されていたにもかかわらず、小選挙区制に賛成した。
社会民主党が、小選挙区制導入時の政治姿勢について、みずから点検し自己批判したということを聞かない。ちなみに、どの政党も、反省し自己批判することをしない。
社会民主党には、その後に参加した大椿さんもいるが、党本部にはずっと党員であり続けているひとがいるはずだ。彼らは、小選挙区制導入に関してどう考えているのだろうか。現在の社会民主党の苦労を強いているのが、小選挙区制導入ではないのか。
社会党=社会民主党の担い手の多くは、労働組合の幹部であった人たちだ。その人たちは、社会党=社会民主党に帰属しているという意識よりも、出身の労働組合の幹部であったということの意識の方が強い。だから、それまで労働運動、政治運動その他に熱心に関わっていても、社会党=社会民主党として活動してきたという意識より、労働組合幹部として活動してきたという意識が強い。だから、簡単に、たとえば立憲民主党に移ることができる。
人は、カネに弱い。カネはある種の麻薬である。理由なくカネをもらえば、それは負い目となってしまう。だから理由のないカネは受けとらないことだ。負い目を持つということは、自由を失うということでもある。