音楽家の坂本龍一さんが亡くなられたとのこと。坂本龍一さんの活躍については、いろいろな報道で知っていたし、社会的な活動をされていたことも知っていた。71歳という早すぎる死が、坂本さんに訪れたということ。
近年、訃報を聞くことが多くなった。近現代の歴史を研究するなかで出会った多くの歴史研究者が、つぎつぎと亡くなられた。私が書いたものを送ると、何らかの感想を送っていただいていた方も亡くなられ、私はもう歴史研究から引退しようと思い定めた。
私にいろいろ教示していただいた方々、私が敬意をもって接していた方々は、すでに一人もいない。彼らは、戦後民主主義を担いながら歴史研究をしてきた。今生きている現実を批判的に見つめながら、現実との緊張関係のなかで歴史研究をされていた。そうした姿勢に教えられることも多く、私自身もそうした姿勢を堅持しながら生きてきた。
いま、ふと、このどうしようもない閉塞感に心悩むとき、〇〇先生ならばどういうことを考えるのだろうかと思う。
今日も私は書庫に入り込み、今まで読んだ本の中から、もういちど読み直すものを選んでいた。先生方の著作を、もういちど学び直そうという気持ちからである。
私の一日をしめるのは、読書と農作業である。時々、思索に耽っている自分自身を発見することがあるが、まだまだ読まなければならない本がある。
今日も一冊、本が届いた。櫻井義秀氏の『統一協会』(中公新書)である。まだまだ頑張らなければ、と自らに言い聞かせる。