浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

時事問題ばかりだと・・・

2022-09-15 13:53:22 | 日記

 リストの「愛の夢」を聴きながら、書いている。

 時事問題ばかり追っていて、そして夕方になると畑で農作業を行う。農作業は、自然との交感だから、そして自然は豊穣だから精神も豊穣である。

 だが時事問題だけでは、精神は豊穣さを失いかねない。時事問題は、要するに悪事しかないからだ。その悪事とは支配層が国民から巻き上げた税をみんなで分捕っているということだ。そういう悪事ばかりみていると、精神も貧相になる。

 『夕暮れに夜明けの歌を』を読んでいると、ロシア文学、著者の友人や教授陣などの描写から、自然に精神が落ちつき、精神がゆとりを持ち始めていることに気づく。

 交遊があったひとりひとりの人間が持つ豊穣さ、ロシア文学の豊穣さ・・・

 この本は、そうしたものが人間にとってとても必要なものなのだということを気付かせてくれる。

 人間は、豊穣さのなかで、ゆったりと生きていくべきなのかもしれない。

 ことばのちから、そしてことばのリズム。それは音楽にも通じる。

 人間も、ちからとリズムが必要だ。

 

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時間ができた・・・

2022-09-15 13:53:22 | 日記

 いくつかの仕事を完成して送った。しばらく自由な時間がある。忙しいと日常が乱される。昨日から、ゆるりとした日々だ。

 ボクはチャイコフスキーの曲が好きだ。しかし、ロシアのウクライナ侵攻から、どうも聴く気になれなかった。

 今日から、奈倉有里の『夕暮れに夜明けの歌を』(イースト・プレス)を読みはじめた。すでに買ってあった本で、次に読む本としていつも机の上にあった。しかし、次々と定期購読している雑誌が届き、それを読むのでなかなか読む順番が来なかった。

 奈倉さんはロシア文学者といえばよいのか。この本には、彼女がロシア留学した頃のことが書かれている。

 よい本だと感じる。行間がひろくゆったりしている。字を追っていくという読み方ではなく、文章を味わいながら読み進むという本。おそらくその背後には、ロシア文学の世界があるのだろう。ドストエフスキーは、ボクがもっとも影響を受けた作家だ。ロシア文学の世界は、ひろく深く、そして複雑だ。一筋縄では理解できない人生が書き込まれている。人間ひとりひとりの生だって、一筋縄ではいかないし、複雑で、単純で、難解だ。

 54頁に、ロシアのロック歌手の歌詞があった。

 幾百年の世紀をまたぎ 悪がはびころうとも

 空がふたたび 煙で覆われようとも

 それでもこの世界の生は 死より少しだけ多い

 そしてこの世界の光は 闇より少しだけ多い・・・

 ボクは、この詞にいたく感動した。

 

 最近、政治や社会に絶望的になっているが、光が闇より少しだけ多い、ということばに、なぜか希望を感じた。

 ことばは、ちからを持っているんだ。

 

 

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