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海や山、そして川・・・  産経抄 八葉蓮華

2008-07-30 | 産経抄(コラム)
海や山、そして川・・・  産経抄 八葉蓮華
「灘も、六甲も、大石川も、皆水、水、水。…わたしの旦那さん、ぺータア、ローゼマリー、皆どうしましたか」。谷崎潤一郎は「細雪」で、70年前の7月に神戸を襲った阪神大水害を詳しく描いた。この台詞(せりふ)は、主人公一家の隣人であるシュトルツ夫人が夫や子供が水害に巻き込まれたのでは、と心配する場面だ。 ▼大石川とは、川遊びをしていた子供らが鉄砲水に流された都賀(とが)川の俗称である。シュトルツ夫人の家族は、ほどなく家にたどりついたが、子が戻らなかった親と、手を握っていた友を濁流に流された少女の心痛はいかばかりだろう。慰めの言葉も見当たらない。 ▼六甲山系を水源とする全長たった1・8キロの都賀川は、戦中から戦後にかけベストセラーとなった純愛小説「天の夕顔」(中河与一著)の舞台にもなった都会では珍しい清流だ。だが、高度成長期は今と違う顔をみせていた。 ▼小欄が知る昭和40年代後半の都賀川は、ゴミやヘドロが川底にたまり、夏ともなると悪臭が漂うドブ川だった。それを再生させたのは、「川遊びができる川に」を合言葉に、清掃活動やアユの稚魚を放流するなど30年以上も地道な努力を続けてきた地元住民の力だ。だからこそより痛ましい。 ▼子供たちにとって夏休みは、海や山、そして川でのびのびと遊ぶ絶好の機会だ。外に出ると危ないからといってクーラーの効いた部屋で携帯やゲーム漬けにしていいはずがない。では、どうすればいいのか。 ▼ここは親はもちろん、政治の出番でもある。昔のように子供たちが近所で安心して遊べる環境づくりなどやるべきことはいくらでもある。にわかに雲行きの怪しくなった福田政権だが、政局の濁流にのまれたくなかったら政策の実行あるのみだ。

産経抄 産経新聞 7/30

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