「幸せ」を昔は「仕合わせ」と書く人が多かった、と以前に書いた。相手と「し合う」関係を重んじるのは、日本人の美徳のひとつだ。もっとも民主党政権になって、中国、韓国の主張に「合わせすぎる」外交が目立つ。
平成22年版防衛白書の閣議了承を先送りした政府の決定も不可解だ。すでに4年前の白書から、韓国が不法占拠を続ける竹島については、「領土問題が未解決のまま存在」と明記している。韓国側の反発は織り込み済みのはずではないか。
日韓併合100年を迎える8月29日を、ことさら意識する理由がわからない。雑誌『正論』9月号で、小紙ソウル支局長の黒田勝弘記者が書いている「左翼学者たちが画策する『菅談話』を許すな」を読んで、やっと合点がいった。
日本ではほとんど話題にならない「併合100年」を、韓国メディアは年初から盛り上げてきた。お先棒をかついでいるのが、例によって日本の左翼文化人たちだ。日本に新たな謝罪を求めて、5月に日韓で発表された「知識人共同声明」の日本側の署名者には、和田春樹さんらおなじみの名前が並んでいる。
彼らが狙っているのが、戦後50周年の「村山談話」にならったそれ以上の「菅談話」だと、黒田記者はみている。今回の日本政府の「配慮」は、韓国側の期待をさらに高めたに違いない。
菅直人首相は、北方領土の早期解決を訴える元居住者3世の子供たちにも、会おうとしなかった。国家主権や領土に対して冷淡な姿勢が目立つだけに、後々まで厄災を及ぼす談話を発表しないか、心配だ。「合う」「合わせる」には、戦うという意味もある。相手国のいいなりになるだけでは、「仕合わせ」にはならない。
経抄 産経新聞 7/29
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