衣裏珠の八葉蓮華 ≪創価学会 仏壇≫

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がんとの闘い「きれいな女医さん」であり続けた・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-30 | 産経抄(コラム)

 お目にかかったことはないけれど、耳鼻咽喉(いんこう)科医、小倉恒子(つねこ)さん(57)の訃報(ふほう)には、ショックを受けた。先週の小紙に掲載されていた「医薬最前線」の記事のなかで、元気に患者の治療にあたる姿を写真で拝見したばかりだからだ。  

 最初に乳がんが見つかり、手術で左乳房を切除したのは、34歳のときだった。幼い2人の子供に添い寝していて、しこりに気づいた。そのとき、小倉さんが医師になるのを誰よりも望んでいた祖母を思いだす。添い寝していた祖母の胸にゴリゴリを見つけたのが、4歳の小倉さんだった。  

 手術から5年後に離婚、47歳で乳がん再発、52歳で乳がん再々発、54歳のとき、乳がんが全身に転移した。年表風に記すだけで、がんとの闘いの壮絶さが伝わるだろう。ただそれに気づいた小倉さんの患者は、ほとんどいなかった。  

 抗がん剤を長く服用していると、どうしても顔色がくすみ、脱毛し、まゆが薄くなる。小倉さんは、メークとかつらを使って、「きれいな女医さん」であり続けた。子育てと診療に加えて、がん患者を励ます電話相談、そしてダンスにも情熱を傾けた。  

 涙なしで暮らせなかった日々もあったはずだ。しかし小倉さんの著書には、もし健康に恵まれた幸せな家庭の奥さんだったら、こんなにたくさんの人との出会いはなかった、とある。今月はじめにインタビューした蕎麦谷里志記者によれば、小倉さんは、キューバ革命の英雄、チェ・ゲバラのファンだった。  

 医師が本職のゲバラは、生涯戦いのなかにあった。小倉さんも、海外で使われている薬品が日本で使えない「ドラッグ・ラグ」に苦しみながらも、新しい抗がん剤を武器にしていた。がんに対する戦意は、いささかも失われていなかったのに。

産経抄 産経新聞 3/23

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「彼岸過迄」日本人の季節感覚に、春秋のお彼岸は欠かせない・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-28 | 産経抄(コラム)

 夏目漱石の『彼岸過迄』は明治45年1月から朝日新聞に連載された。いくつかの短編を合わせて長編とした珍しい小説だが、このタイトルと中身とは関係がない。漱石が最初に書いている通り「彼岸過迄(すぎまで)書く予定だからそうなづけたまで」にすぎなかった。  

 漱石にとってその1年半前、瀕シ(ひんし)の大病を患った後の本格的執筆だった。いつまで書けるか不安もあったに違いない。そのため春分の日前後の春のお彼岸はちょうどいいメルクマールだったのだろう。実際はお彼岸を大分越えて4月29日まで書き続けている。  

 漱石だけでなく日本人の季節感覚に、春秋のお彼岸は欠かせないものだ。暑さ、寒さもそうだが、かつての農村では、稲の種まきや収穫にあたる時期の目安でもあった。落語ファンにとっては秋のお彼岸の最中に亡くなった名人、古今亭志ん生も忘れられないだろう。  

 15年前の地下鉄サリン事件は、その春のお彼岸の3月20日に起きた。前日の19日は日曜日で翌日は「中日」にあたる春分の日だ。やっと春が来たというホッとした日をねらったような凶行だった。被害者の中には翌日、墓参りを予定していた人もいたかもしれない。  

 実行犯の一人だった元オウム真理教幹部は犯行後、教団の施設に帰り、麻原彰晃教祖からねぎらいの「おはぎ」をもらったという。春だから「ぼたもち」なのかもしれないが、日本人の大切なお彼岸をも踏みにじったようなものだ。今さらながら怒りがこみ上げてくる。  

 だが15年たった今もオウムの教理を残す団体が存在する。事件の記憶がほとんどない10代の若者が、教団の予備軍としてねらわれているという。彼らを救うためにも日本人はあの「お彼岸のテロ」を決して忘れてはならないだろう。

産経抄 産経新聞 3/21

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ドキュメンタリー「ザ・コーヴ」日本各地に残る豊かな魚食文化・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-26 | 産経抄(コラム)

 「昔は乱獲しておきながら、今になってかわいそうだなんて、アメリカはよくいいますね…何代も続いてきた、捕鯨の伝統に終止符が打たれるとしたら、継いでいくはずだった私たちは、何をすればいいのでしょう」。  

 「鯨の町」、和歌山県太地(たいじ)町に住む中学2年の少女の作文だ。少女の父親は、鯨にモリを打ち込む砲手を務めている。しかし、南極海でミンク鯨を追う仕事は、米国の圧力によってまもなくなくなってしまう。  

 昭和61年から翌年にかけて、南極海での最後の商業捕鯨が行われた。その様子と留守家族の姿を記録した、テレビ番組を見る機会があった。たまたま録画していた読者が、送ってくれたものだ。番組は、少女の父親が商業捕鯨の再開に向けて、後継者の育成を決意する場面で終わる。  

 残念ながら20年以上たっても、見通しはたたない。それどころか、シー・シェパードと名乗る無法グループが、南極海で調査捕鯨を続ける日本の船団に、破壊活動を続けている。メンバーの一人は、船に勝手に乗り込んで、日本にまでやって来た。  

 伝統的なイルカ漁を隠し撮りした、米国のドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』(入り江)が、アカデミー賞を受賞し、国内での上映が決まったことは、太地の人たちの気持ちをさらに傷つけた。法律に従って行われている漁法の残酷さを強調し、あろうことか、漁協幹部を「ジャパニーズ・マフィア」とののしっているそうだ。  

 兵庫県明石市に住む知人から、待望のくぎ煮が送られてきた。イカナゴの稚魚を、砂糖、しょうゆ、しょうがで炊きあげた名物の佃煮(つくだに)だ。春の便りの味をかみしめながら、日本各地に残る豊かな魚食文化に感謝する。それを野蛮と決めつける、傲慢(ごうまん)を憎む。

産経抄 産経新聞 3/19

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「平成の龍馬はおれだ」と名乗りを上げる若手政治家は・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-24 | 産経抄(コラム)

 兄弟というのは不思議なもので、性格が多少違おうが、世間で不仲と噂(うわさ)されようが、いざというときには兄や弟を救おうとする本能がとっさに働くらしい。母から年間億単位の「子ども手当」をもらっていた鳩山兄弟もしかり。青息吐息で政権発足半年を迎えた兄を援護するかのように、弟が自民党に三下り半をつきつけた。  

 産経新聞の読者には自明のことだったと思うが、兄の由紀夫首相はこの半年、やることなすこと失敗ばかり。支持率は急降下し、「政治とカネ」にまつわる疑惑をろくに説明しようとしない部下の小沢一郎幹事長に注意のひとつもできない。  

 八方ふさがりの中で弟の邦夫元総務相による「ひとり決起」は、世間の耳目を「期待を裏切った鳩山政権」から「だらしない自民党」に向けさせた。しばらく兄は弟に足を向けて寝られまい。  

 弟は、幕末の動乱期を駆け抜け、薩長同盟に奔走した坂本龍馬に心酔し、大まじめに新党結成による政界再編を目指している。自民党内にも人格者だが、迫力に欠ける谷垣禎一総裁に飽き足らない同憂の士は数多い。  

 ただし、現実は甘くない。新党にはリーダーとカネ以上に理念と政策が必要だが、どちらもはっきりしない。与党の同調者は見込めず、龍馬ファンの前原誠司国土交通相からも「はあ?という感じですね」と馬鹿にされている。  

 龍馬は31歳で暗サツされたが、「団塊世代の龍馬」は昭和23年生まれの61歳。新党の鍵を握る舛添要一前厚労相も同い年。還暦をとっくに過ぎているが、政界では暑苦しいまでのパワーを発散させている。それにひきかえ、「小沢チルドレン」ら若手議員はおとなし過ぎる。「平成の龍馬はおれだ」と名乗りを上げる肉食系政治家はいないのか。

産経抄 産経新聞 3/17

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誰が黒幕にしろ、ハッピーエンドにはなりそうにない・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-21 | 産経抄(コラム)

 1941年12月7日の朝、オーソン・ウェルズが全米向けラジオ番組で、詩を朗読していた。突然、番組が中断されて伝えられたのが、真珠湾攻撃だ。歴史的ニュースにもかかわらず、ほとんどの聴取者は信用しなかった。  

 理由はいうまでもない。3年前、ウェルズが手がけたラジオドラマ『宇宙戦争』によって、全米がパニックに陥ったことを、知らぬ者がなかったからだ。もっとも番組の冒頭では、ドラマだとことわっていた。  

 たまたま、他局の人気番組のゲストが、人気のない歌手だったために、数百万人もの聴取者が、ウェルズの番組に途中からダイヤルを合わせた。ドラマだと知らない多くの人が、火星人襲来を伝える“臨時ニュース”に、腰を抜かしたというわけだ。  

 ウェルズが、それを予期していたのかどうかは、わからない。13日夜、グルジアの政府系テレビ局「イメディ」の流した偽のニュースは、もっと悪質だった。ロシア軍が首都トビリシに侵攻し、サーカシビリ大統領を殺害した、との内容を30分間にわたって放映した。  

 「仮想シナリオ」だと釈明したのは番組の後だったという。2年前の8月に起こった、ロシアとの軍事衝突の記憶が生々しく残る市民が、パニックに陥ったのは当然だ。救急車の出動要請が相次ぎ、兵士の母親がショックシしたとの情報もある。野党側は、シナリオを書いたのは大統領、と批判するが、真相はわからない。  

 ウェルズは、一時は騒動の責任を問われたものの、才能を買われてハリウッド入りを果たす。『市民ケーン』で、製作、監督、脚本、主演の4役をこなし、世間を再びアッと言わせた。グルジアの偽ニュース事件の方は、誰が黒幕にしろ、ハッピーエンドにはなりそうにない。

産経抄 産経新聞 3/16

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歴史的大事件を思い起こす「語り部」伝説の木・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-18 | 産経抄(コラム)

 文芸評論家、小林秀雄の喜代美夫人には生涯忘れえぬ一本の木があった。信州育ちの夫人は子供のころ、人通りもまれな1里余りの道を歩いて小学校に通っていた。その中途に栗の大木があり、そこまで来るといつも「あと半分」と思ったのだそうだ。  

 小林と結婚した後もずっと、もう一度その木を見たいと思っていた。ある時、意を決して「再会」に出かけ、数日後に「ちゃんと生えていた」と上機嫌で帰ってきた。小林がエッセー『栗の樹』に書いている話で「さて、私の栗の樹は何処にあるのか」と結んでいる。  

 人にはそれぞれ昔の記憶を甦(よみがえ)らせてくれる一本の木があるはずだ。小林夫人もその栗の木を見て、子供の足にはとてつもなく長い道を歩いた時代を思い起こした。そして「あと半分」の人生に勇気をもらったことだろう。人にとって木とはそんな存在でもある。  

 鎌倉の鶴岡八幡宮の大銀杏(いちょう)は樹齢800年とも1000年ともいわれる。1219年、鎌倉3代将軍、源実朝を八幡宮で暗サツした甥(おい)の公暁(くぎょう)が身を隠していたという伝説の木だ。この事件後、後鳥羽上皇による「承久の乱」が起き、幕府の実権は完全に北条家に移る。  

 むろん、身を隠したというのは伝説にすぎないかもしれない。だが鎌倉を訪れる現代人は、この木の下に立つことで、歴史的大事件を思い起こすことができた。日本人みんなの記憶を生々しい形で甦らせてくれる。その意味で貴重な巨木だったのは間違いない。  

 その大銀杏が先日の強風で倒れた。推定樹齢からして大往生ともいえる。それでも八幡宮や神奈川県は「ひこばえ」や挿し木などによって再生をはかる考えだという。歴史の「語り部」として「2世」でもいいから命をつないでほしいと思う。

産経抄 産経新聞 3/13

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「金持ちほどケチ」世の中のために散財する、金持ちが少ない・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-17 | 産経抄(コラム)

 「長者番付 ながめつつ わが名のなきは 嘆かねど かれらの名をば いただける 病院ひとつ なきぞ うたてし」。近藤東(あずま)のよく知られた時事風刺詩のひとつ。自分が金持ちになれないことより、世の中のために散財する、金持ちが少ないことが、悲しいというのだ。  

 平成18年に、長者番付が廃止されてからは、ますます金持ちの正体が見えなくなった。その意味で、鳩山由紀夫首相の存在はありがたい。「金持ちほどケチ」との格言が正しいことを教えてくれた。もちろん、こんな人ばかりではないはずだが…。  

 鳩山首相と幸夫人が、昨年10月に首相公邸に入居する際、和室の改修や洗濯乾燥機の購入などで、計474万円を使ったことが話題になった。ところが、実際は約700万円にのぼっていた。平野博文官房長官によれば、公邸内のクリーニング代を除外していたという。  

 歴代首相の費用として、発表されたなかには含まれていたから、まさに「過少申告」だ。そもそも首相は、実母からもらっていた毎月1500万円もの「小遣い」に、気づかなかったほどの富豪である。鳩山御殿と同じ快適さを求めるなら、税金で賄うことなく、自腹を切ればいい。  

 金と欲にまみれた政治のニュースを聞くにつけ、赤茶けたサビだらけのトタン板を思いだす。「総理の座を蹴(け)飛ばした男」として知られる、伊東正義元外相の、古い木造住宅の屋根にのっていた。伊東の清廉な人柄の象徴といわれたものだ。  

 それどころか、選挙区の自宅兼事務所には、風呂さえなかった。大平内閣で官房長官を務めたとき、1人暮らしの公邸を取材で訪れた記者は、カビのにおいに閉口したという。官房機密費に、ほとんど手をつけなかった人でもある。

産経抄 産経新聞 3/12

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9・11テロへの疑念「個人的見解」ほとんどの新聞が無視・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-16 | 産経抄(コラム)

 歴史に残る重大な出来事の裏には、別の真実がある。いわゆる「陰謀論」の材料には事欠かない。たとえば、アポロ11号による月面着陸のでっちあげ論だ。1997年にパリで、ダイアナ元英皇太子妃が事故シしたときも、英王室の陰謀がささやかれた。  

 2001年の米中枢同時テロ(9・11)でも、公表されたテロリストの犯行ではない、との主張がある。戦争を正当化したい政府の仕業、被害に遭った航空会社の株が不正に取引された可能性など、諸説紛々だ。  

 参院議員で、民主党国際局長の藤田幸久氏を非難した、8日付米紙ワシントン・ポストの社説には驚いた。あろうことか、世界第2位の経済大国、日本の政府要人が、そんな奇怪な説に同調するとは、というのだ。  

 藤田氏は、平成20年1月10日の参院外交防衛委員会で、世界貿易センターの写真パネルなどを使って、9・11テロへの疑念を持ちだしている。小紙のコラムで、宮崎哲弥さんが「低レヴェルの質問」と切って捨てたほかは、ほとんどの新聞が無視した。  

 久々に脚光を浴びた藤田氏は、ポスト紙には「陰謀論とは一言もいっていない」と反論している。しかし、藤田氏編著の『9・11テロ疑惑・国会追及』には、「9・11は内部犯行」と大書したTシャツで米国を歩く活動家の文章も収められている。陰謀論にくみしていると思われても仕方がない。  

 確かに社説は、藤田氏の肩書を参院外交防衛委員長と間違えるなど、氏の役割を“過大評価”している。それでも、民主党や鳩山政権の底流には「嫌米傾向」がある、との指摘は重い。普天間飛行場移設問題には、直接触れていないものの、米国側のいらだちがひしひしと感じられる。「個人的見解」で済む話ではない。

産経抄 産経新聞 3/11

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「密約」非核三原則が虚構にすぎないことが明白になった・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-15 | 産経抄(コラム)

 空想の戦争は現実の戦争に勝てなかったということか。米アカデミー賞の作品賞は、最新の3D映像技術を駆使したSF大作「アバター」ではなく、イラクで爆発物処理に当たる米兵を描いた「ハート・ロッカー」に軍配があがった。  

 ヒトよりイルカやクジラが大事だと思っているようなハリウッドの住人が選ぶ賞なので、大騒ぎする必要はないが、「ハート・ロッカー」は戦場映画として群を抜いている。映像は飛び出さなくてもバグダッドにいるような息苦しさを感じた。  

 日本でも戦前は、田坂具隆監督の「土と兵隊」など戦場映画の傑作が生まれた。戦後、戦争を題材にした映画は数多くつくられたが、リアルな戦場映画は皆無に近い。幸いなことにベトナムでも湾岸でも自衛隊が実戦を経験しないで済んだからだ。  

 65年前のきょう、東京は米軍の無差別爆撃によって焼け野原となった。米軍の恐ろしさを思い知らされた日本人が戦後、日米同盟を基礎に平和と繁栄を享受したのは僥倖(ぎょうこう)だったが、副作用として平和ボケ症が蔓延(まんえん)した。残念ながら岡田克也外相も重篤な患者の一人である。  

 外務省の有識者委員会は、核搭載艦船寄港を日米の事前協議の対象としない密約があったとする報告書を公表したが、びっくりするような話ではない。関係者が既に証言しており、自民党政権に密約を認める勇気がなかっただけである。  

 核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずとの非核三原則は、沖縄返還交渉中の政治状況下で佐藤栄作首相が決断した。報告書によって三原則が虚構にすぎないことが明白になった以上、責任ある政治家なら見直すのが筋だ。「非核三原則堅持」「命を守りたい」と呪文(じゅもん)を唱えているだけでは、守れる命だって守れない。

産経抄 産経新聞 3/10

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浮かぶ島国「丸腰」財政悪化が止まらない日本・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-14 | 産経抄(コラム)

 北大西洋に浮かぶ島国、アイスランドでは、北海道と四国を合わせたほどの国土に、約30万人が暮らす。火山が多いから、温泉も豊富だ。漁業が盛んで、伝統的な捕鯨文化も残る。日本からは地理的には遠いものの、なんとなく親しみが持てる国でもある。  

 首都レイキャビクの名が世界に知れ渡ったのは、1986年、当時のレーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長が、首脳会談を行ったときだ。2人は、戦略防衛構想(SDI)問題で決裂、冷戦の最後の火花を散らした。  

 80年代から始まった、政府の規制緩和政策のもとで、銀行は高利息で国内外から資金を集め、業務を急速に拡大していく。かつて、欧州最ヒン国といわれていた国が、いつのまにか、1人当たり国内総生産(GDP)が世界トップクラスとなっていた。  

 そのアイスランドが、2年前の10月、再び世界の注目を集めることになる。米国発の金融危機の直撃を受け、バブルが破裂し、自国通貨は暴落した。やむを得ず国有化した大手銀行の預金保護をめぐって、英国、オランダと対立が続いている。  

 言い忘れていたが、この国には、日本の一部学者が絶賛するもうひとつの特徴がある。もともと軍隊を持たない。4年前には駐留米軍が撤退した。木村正人ロンドン特派員によると、経済が破綻(はたん)した上に、欧州で孤立を深める「丸腰」の国に、中国が急接近しているという。  

 経済破綻のリスクは、財政悪化が止まらない日本だって常に抱えている。普天間飛行場移設問題で決断を迫られている鳩山首相のもともとの持論は、「常時駐留なき安保」論、つまり将来の米軍撤退を見据えるものだ。国の規模が違うとはいえ、アイスランドの危機は、人ごととは思えない。

産経抄 産経新聞 3/9

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太平洋の「ロビンソン漂流記」ロビンソン・クルーソー島が津波の被害・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-12 | 産経抄(コラム)

 先日のチリ巨大地震で、太平洋のロビンソン・クルーソー島が津波の被害にあったという。この島に漂着した船長の孤島生活などをモデルに英国作家、デフォーが18世紀初めに『ロビンソン漂流記』を書いた。それにちなんだ島の名前である。  

 地図で見ると、震源地のチリ中部から西へ数百キロにあるファン・フェルナンデス諸島のひとつだ。津波では当初、5人がシ亡、11人が行方不明になったと報じられた。チリ政府も救助船2隻を出すなど対応に追われたようだ。それにしても久しぶりに聞く島名だった。  

 実はもうひとつチリの島を舞台とした漂流物語がある。仏の作家、ヴェルヌが1888年に書いた『十五少年漂流記』だ。少年ばかり15人を乗せた船が太平洋に流され、たどりついた無人島で力を合わせ、たくましく生きていく。こちらは全くの創作だそうだ。  

 その島を少年たちは太平洋の孤島と思いこんでいた。しかし実はチリ本土にほど近いハノーバー島だった、と種明かしされる。これも地図を見ると、南緯50度あたりに名前が見える。そのことで新潮文庫版の訳者、波多野完治氏が「あとがき」でこんなことを書いている。  

 南緯50度と言えばかなり寒そうだが、ヴェルヌは「もっとあたたかい場所」と考えていたようだという。なるほど本文を読み返してみても「南洋」を思わせる個所が多い。当時の欧州から見て、南米の太平洋側は空想するには格好でも、正確に知られた地ではなかったようだ。  

 いや現代の日本人もあまり自慢はできない。子供のころあれほど胸を躍らせた物語の故郷なのに、チリやその周辺の地理や歴史を詳しく知る人は少ない。津波がきたからというのではないが、もっと関心を寄せてもいい気がする。

産経抄 産経新聞 3/7

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国民からの説教に耳を傾ける、企業・団体献金禁止に乗り出す・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-11 | 産経抄(コラム)

 昭和の初めごろ、東京に「説教強盗」が出没したそうである。主に山の手の富豪宅に押し入る。刃物などで家人を脅し、「この家は庭が暗すぎます」「犬を飼いなさい」などと「教訓」をたれる。そのうえで金を奪い、悠々と立ち去ったという。  

 犯人の妻木松吉はこの手で捕まるまで60件近い強盗を重ねた。説教するのは「それで相手が落ち着いて、騒がれずにすむから」と語っていたらしい。だが金を奪われ、説教までされた被害者はたまらない。「悪いのはオマエじゃないか」と叫びたくもなったことだろう。  

 鳩山由紀夫首相と小沢一郎幹事長との会談で、民主党が企業・団体献金禁止に乗り出すことになった。その論法は失礼ながら説教強盗のそれに似ている気がする。「政治とカネ」を再燃させた張本人が「家の用心が悪いから押し入った」と言っているように聞こえるのだ。  

 元秘書らが逮捕・起訴された小沢氏はいまだ国会の場での説明に応じていない。北教組から違法な選挙資金をもらったとされる小林千代美衆院議員もそうだ。鳩山首相のカネの問題にも国民の多くは納得していない。その状態で制度いじりとは話がアベコベだ。  

 企業・団体献金についての問題はあるとしても、それを正すためにこそ、違反者側のきちんとした説明が不可欠だ。それなくして禁止では、法を守って献金を受けてきた議員はたまらない。疑惑の目を他に向けさせるための民主党の弥縫(びほう)策だと言われても仕方ない。  

 とはいえ自民党の谷川秀善参院幹事長によると、今の民主党には「蛙(かえる)の面に小便」だそうだ。本当は「水」だろうが「小便」にもこたえないということらしい。強盗のご託は困るが、国民からの説教に耳を傾けるべきは政権与党である。

産経抄 産経新聞 3/6

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とりあえず謝れば物事がうまく運ぶ「おわび」謝罪すれば、償う義務を負う・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-10 | 産経抄(コラム)

 父親が大事にしていた桜の木を切ったことを、少年時代のワシントンが正直に打ち明け、かえって父親からほめられた。実は創作といわれる教訓話は、いかにもアメリカらしい。つまり告白したワシントンは、謝罪をしていない。  

 作家の村上龍さんの指摘である。謝罪すれば、償う義務を負う。そんな訴訟社会のアメリカに比べて、日本では、とりあえず謝れば物事がうまく運ぶことが多い。それでも先日、チリの巨大地震に伴って発生した津波の予報について、気象庁の担当者が記者会見で口にした「おわび」には、違和感を覚えた。  

 確かに津波の高さは、当初の予測「最高3メートル」を大幅に下回り、1・2メートルにすぎなかった。いくら予測精度の向上に努めても限界がある。「警報はおおげさ」「注意報の解除が遅すぎる」といった批判は、酷というものだ。津波予報がなかったために、多くの住民が命を失ったチリの惨状をみれば、被害が出なかっただけで十分ではないか。  

 もちろん、謝罪すべきときもある。その場合は、何より潔さが肝要だ。3日の参院予算委員会に、前原誠司国土交通相、仙谷由人国家戦略担当相、原口一博総務相が遅刻したのは、前代未聞の珍事だった。  

 3閣僚は神妙に頭を下げていたが、果たして本気で謝罪するつもりがあったのか疑わしい。開会予定時間を過ぎても、ミニブログのツイッターに書き込みをしていた原口氏は、夕方ツイッターに、「大臣室と総務課の確認ミス」と、言い訳を記した。  

 鳩山由紀夫首相にいたっては、「役人の中で緊張感が足りないのがいる」と、官僚批判にすり替えた。政治資金の不正は秘書に、遅刻は官僚に責任を押しつける。それが、民主党の政治主導の正体なのか。

産経抄 産経新聞 3/5

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立体映像「3Dテレビ」新しいものがいろいろできて・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-09 | 産経抄(コラム)

 まもなく発表される米アカデミー賞の話題をさらっているのが、3D映画『アバター』だ。すでに興行収入の新記録を打ち立て、作品賞など9部門でノミネートされている。映画の「立体映像」ブームを受けて、3Dテレビの発売も相次ぎそうだ。  

 『アバター』制作に協力したパナソニックやライバルのソニーなどが、早くもつばぜり合いを演じている。先日遅ればせながら映画館に足を運び、専用眼鏡ごしの3D映像に圧倒された。同時にソニー創業者、井深大(いぶか・まさる)のことを思い浮かべていた。  

 先輩の経済記者、島谷泰彦さんから送られてきた『人間井深大』(講談社文庫)で、井深と映画の意外なかかわりを知ったからだ。戦前の一時期、東宝映画東京撮影所の前身、PCL(フォト・ケミカル・ラボラトリー)で、技師を務めていた。  

 当時も弁士つきの活動写真から音付きのトーキーへと、映画の変革期に当たっていた。すでに「天才発明家」として有名だった井深は、すぐに最高技術会議のメンバーになった。  

 ソニーが新事業を立ち上げる際、社内外を問わず人材を求めたのは、PCLで映画のプロデューサーシステムを学んだからだという。また、PCLの映画に出ていた歌手の藤山一郎は、生涯の友となった。二十数年後に井深の頼みで藤山が、地方の中学を卒業したばかりの女子従業員に、歌を教えて励ましたこともある。  

 井深は、ソニーが開発したトリニトロンが、テレビの新しい文化をつくったと自負していた。一方で「新しいものがいろいろできて、人間は本当に幸福になったでしょうか」と、NHKの番組で母校の小学校の後輩たちに語りかけている。3Dテレビは、人を幸せにする新しい文化といえるのか、聞いてみたい。

産経抄 産経新聞 3/4

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サイバー攻撃、ネットの匿名掲示板、受け狙いのあまり過激に走りやすい・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-03-08 | 産経抄(コラム)

 ネットの巨大掲示板「2ちゃんねる」のサーバーがダウンし、日韓のネットユーザーたちを熱くさせている。韓国から大規模なサイバー攻撃を受けたためらしく、きのう午後もアクセスしようとしたがだめだった。  

 原因は、バンクーバー五輪で金メダルを獲得した金妍児選手を批判する意見が、掲示板上に多数寄せられたためだとか。小欄も2ちゃんねるの掲示板には、しょっちゅう悪口を書かれているので、助っ人する義理はないのだが、由々しき事態である。  

 ネットの匿名掲示板は、好き勝手な意見を書けるのが売りだが、受け狙いのあまり過激に走りやすい。それを真に受けて、サイバー攻撃を仕掛けるとは韓国のネットユーザーも大人げない。  

 大人げないどころか謀略のにおいさえする。サイバー攻撃が始まった1日は、日本統治時代に独立を求めて起きた「3・1独立運動」記念日。毎年、大統領が演説することになっているが、李明博大統領は就任以来、未来志向の日韓関係を訴え続けている。日韓併合100年の今年も「過去にとらわれない」と強調した。  

 2ちゃんねる風に書けば、「3・1」に対日批判を繰り返していた盧武鉉前大統領の支持者は、これが気にくわない。今回の事件は、ささいな理由で韓国のネットユーザーをあおり、日本の「嫌韓」派に火をつけることによって両国の離反を狙ったテロ行為そのものだ。  

 2ちゃんねるは政治も大好きだ。民主党の小沢一郎幹事長の一挙手一投足をあげつらったコメントは天文学的数字にのぼる。いつもなら民主党議員側に違法献金したとして北海道教職員組合幹部が逮捕された事件も格好のネタになっていたはずだ。実は民主党もサーバーダウンを喜んでいたりして。

産経抄 産経新聞 3/3

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