衣裏珠の八葉蓮華 ≪創価学会 仏壇≫

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土用の丑の日「茂吉日記」創作を支えたウナギの蒲焼き・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-31 | 産経抄(コラム)

 きょうは、土用の丑(うし)の日。今年は特に熱中症対策を兼ねて、ウナギの蒲(かば)焼きに手をのばす人も多いだろう。古来、世界各地で食べられてきたウナギだが、日本での消費量が突出している。そのなかでも、歌人の斎藤茂吉ほど偏愛した人も珍しい。  

 『斎藤茂吉全集』36巻のうち、4巻を占める『茂吉日記』にも、ウナギに関する記述が目立つ。「午前中カカリテ漸(やうや)ク二三枚シカ書ケナカツタガうなぎヲ食ヒ、午后ニナツテカライクラカ進ミ夕食ニ又うなぎヲ食ヒ…」。ウナギなら一日何回でも、何日続いても平気だった。  

 エッセイストの里見真三さんが、日記でウナギを食べた回数を数えると、なんと876回もあった(『賢者の食欲』文芸春秋)。記録漏れもあるから、茂吉が平らげたウナギは千匹を優に超えるはずだ。  

 創作を支えたウナギの蒲焼きがなかったら、「文化勲章を受章する機会は巡って来なかったかも知れない」とまでいう。回数の多さはもちろん、それを数えた情熱にも脱帽する。茂吉も草葉の陰で苦笑するしかあるまい。  

 著名人の本当の姿を知りたいという気持ちは、誰にでもある。小欄も気に入った作家について書かれた本には、すぐ飛びついてしまう。著名人の遺族が故人の思い出を綴(つづ)り、次々に出版されるのも、それだけ需要があるからだろう。ただ書かれた本人は望んでいたのか、とも思う。  

 「こんなみっともないことは決してするな!」。『週刊文春』によると、先日亡くなった作家のつかこうへいさんは、著名人の遺族の手記が掲載された雑誌を床にたたきつけて、家族に強く言い聞かせていたそうだ。後に遺(のこ)すのは、作品と育てた人間だけ。そんな作家のシがあってもいい。

産経抄 産経新聞 7/26

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自己PR「目立ってナンボ」拉致問題への関心を再び・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-30 | 産経抄(コラム)

 連日の猛暑に耐えかねたように、エンジュが花を散らし始めた。毎年のことだが、朝、通勤途上の歩道がその小さくて淡黄色の花びらでジュウタンのようになっている。思わず踏み迷ってしまうほどで、ひとときでも暑さを忘れさせてくれる。  

 エンジュは豆科の落葉高木で夏、濃い緑の葉を茂らせる。だから日本でも最近、街路樹としてよく植えられる。しかし花はといえば実に小さく、葉の間に隠れるようにして咲くので、よほど近づかないとわからない。散り始めて初めて存在に気づかせてくれるのである。  

 この花にひかれる理由は、人間の社会がヒマワリやダリアのように、自己顕示の強い人ばかりになってしまったような気がするからだ。「目立ってナンボ」の政治の世界など特にそうだろう。そして一昨日韓国に帰った金賢姫元工作員の招請劇にもそれを感じた。  

 むろん金元工作員自身のことではない。彼女は田口八重子さんらのことを証言し、拉致問題を前進させてくれた。その来日は、このところ国民の目から遠ざかりつつあった拉致問題への関心を再び高めたことだろう。被ガイ者の家族を勇気づけたことも間違いない。  

 それだけに、高額の費用や過剰に見える警備に目くじらを立てる気はない。ただあまりの仰々しさを見ると、拉致問題に冷たいという声もある民主党政権が「そうではない」と必死に自己PRしているようにも思えた。鳩山由紀夫前首相の別荘が使われたと聞くとなおさらだ。  

 実は招請の裏で解決に向けた密かな努力が実り、重大進展があったのではとかすかな期待を抱いていた。エンジュの花が顕(あらわ)れるように。だがそれもむなしかった。「いや陰でもちゃんとやってるんだ」と反発してくれるといいのだが。

産経抄 産経新聞 7/25

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何でもありの状態、1人ぐらい筋を通す人がいても・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-29 | 産経抄(コラム)

 シャンソン歌手、石井好子さんが亡くなったとの記事に、父親の石井光次郎氏の名前はほとんど出てこなかった。かつての自民党の実力者、といっても活躍したのは昭和30年代だ。仕方ないとはいえ当時の政治に興味を持つ者としてはちょっと寂しかった。  

 好子さんはエッセーで、父親を「背が高くて、格好良かった」などと「自慢」していた。事実、容姿だけでなく政治姿勢も格好良かった。派閥領袖として2回総裁選に出馬、2回とも負けたが、いずれも引き際の良さが印象に残っているからである。  

 最初は石橋湛山、岸信介両氏と争った昭和31年の総裁選である。石橋陣営との間で有名な「2、3位」連合を結んだ。その結果、1回目トップだった岸氏を決選投票で破り石橋政権を実現させる。このとき、石井氏が副総理として入閣する約束ができていたそうだ。  

 ところが直後「党一本化のため岸を副総理格で入閣させるべきだ」との声が強まると「その通りだ」と、あっさり降りてしまった。その石橋首相は病気のため2カ月で退陣、岸政権が実現した。周囲は「あの時ごり押ししてでも副総理になっておけば」と悔しがった。  

 2度目は35年、「党人派」代表として「官僚派」の池田勇人氏と争い、敗れたときだ。党人派の中核だった河野一郎氏は「石井さんを担ぎ新党を作ろう」と息巻いた。だが石井氏は「私は保守合同を推進したのに、自民党を割るのでは筋が通らない」と断ったという。  

 石井氏の姿勢を政治家の理想だなどと言う気はサラサラない。ただ今の民主党政権を見ると、落選した法相が居座ったり、政界引退を表明したはずの前首相が何やら画策したりで、何でもありの状態だ。1人ぐらい筋を通す人がいてもと思う。

産経抄 産経新聞 7/24

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「ひまわり署名プロジェクト」児童ギャク待事件の厳罰化を求めて・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-28 | 八葉蓮華

 「初恋の人の名前を次女につけ」。出所は忘れたが、気に入っている川柳だ。かわいい娘に、妻の知らない初恋の人の名前を付けたい。誰にはばかることはないけれど、長女では何となく気がとがめる、というのだ。  

 児童ギャク待事件の記事を読みながら、犠牲になった子供たちの名前を胸に刻んでいく。萌音(もね)ちゃん、海渡(かいと)くん、智樹(ともき)ちゃん…、かわいらしい名前であればあるほど、あわれを誘う。  

 昨年4月、母親とその内縁の夫にギャク待され、衰弱シした当時9歳の女の子の名前は、「聖香」だった。シドニー五輪が開催された平成12年に生まれ、五輪選手のように、夢のある人生を過ごしてほしいとの願いが、込められていたという。  

 保護責任者遺棄致シなどの罪に問われたその母親に対して、大阪地裁は21日、懲役8年6月の判決を言い渡した。量刑への評価はひとまず置く。「銃で撃たれるサツ人よりも、被害者の痛みや被告の罪は重いのでは」。裁判員の一人の発言に共感した。  

 子供をゴミ箱や洗濯機に閉じこめるなど、児童ギャク待事件の残ギャクの度合いを増すばかりというのに、なかなかサツ人罪が適用されない。甲南大学法科大学院教授の園田寿(ひさし)さんに聞くと、「食事を与えなかったといっても、スナック菓子は食べさせているなど、サツ意を認定するのが難しいケースが多い」という。「そもそも刑罰だけでギャク待事件は解決できない」。その理屈はわかるのだが…。  

 ベランダに遺棄された聖香ちゃんは、「ヒマワリを探しているの」と言い残して息を引き取った。この事件を契機に生まれた「ひまわり署名プロジェクト」が、児童ギャク待事件の厳罰化を求めて活動している。目標の20万めざして、現在約5万5千の署名が集まっているという。

産経抄 産経新聞 7/23

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「クール ジャパン」高温多湿の国では体を触れあうこと自体が暑苦しい・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-27 | 産経抄(コラム)

 猛暑が続き、全国各地で熱中症の被ガイが相次いでいる。思えば日本人は昔から、夏の暑さと懸命に闘ってきた。兼好法師も『徒然草』第五十五段でいっている。「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。暑き比(ころ)わろき住居(すまひ)は、堪へ難き事なり」。  

 冬の間はどんな家にでも住めるが、夏向きに作られていない住居は堪えられない。家は夏のことを考えて建てるべきだ、と。日本の着物も「夏をむね」としている。寒さや砂ぼこりから守るために作られた大陸の衣装に比べて、ゆったりとしていて、湿気がこもらない工夫が目立つ。  

 俳人の長谷川櫂(かい)さんによると、挨拶(あいさつ)の仕方にも日本人らしさがあらわれる。外国人のようにお互い抱き合ったり、キスをしたりする習慣がないのは、「高温多湿の国では体を触れあうこと自体が暑苦しいから」だ(『和の思想』中公新書)。  

 ゆでたパスタを氷水でしめ、冷たいソースをからめる冷製パスタは、夏のイタリア料理の定番だ。日本人シェフが“発明”したことを、テレビの料理番組で知った。なるほど盛りそばやそうめん、冷や麦に親しんできた日本人ならではのアイデアといえる。  

 最近では本場イタリアの高級レストランのメニューにも、採用されているそうだ。欧州でも、猛暑が珍しくなくなったからだろうか。今年はロシアが記録的な暑さに見舞われ、全土の3割近くに非常事態宣言が出ている。  

 「クール(かっこいい)ジャパン」という言葉がある。日本のアニメやゲームが、海外でもてはやされている現象を説明するときに使われる。クールの本来の意味は、「涼しい」だ。それを演出するのに長(た)けた日本文化を今こそ、世界に発信する時ではないか。

産経抄 産経新聞 7/22

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乗員乗客115人の命「金賢姫」再び脚光を浴びている・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-25 | 産経抄(コラム)

 米連邦捜査局(FBI)が、ロシアのスパイ11人を訴追した事件は、欧米のスパイとしてロシアで服役していた4人との、「スパイ交換」という結末となった。なかでも、「美貌(びぼう)の女スパイ」といわれたアンナ・チャップマン元被告(28)への注目度は高かった。  

 米メディアはこぞって、セクシーな写真を載せ、私生活を暴き立てた。興味本位な報道が目立ったのは、彼女らの活動が、国家の安全保障を脅かすほどではなかったからかもしれない。  

 「美貌のスパイ」は、時にとんでもない任務を帯びる。1987年11月、北朝鮮の男女工作員2人が、大韓航空機に爆薬を仕掛けて、乗員乗客115人の命を奪った。バーレーンで拘束された2人は、日本人を装っていた。男はその場で自サツしたが、美貌のスパイ「金賢姫(キム・ヒョンヒ)」は生き残る。  

 金賢姫元工作員の自供がなかったら、日本人テロリストの犯行とされ、日本は国際社会から孤立する恐れすらあった。韓国でシ刑を免除された彼女はいま、日本人拉致被害者を直接知る人物として、再び脚光を浴びている。  

 金元工作員は、日本語教育を受けた田口八重子さんについては、すでにくわしく語っている。最近になって、金元工作員の同僚だった金淑姫(キム・スクヒ)工作員に日本語を教えていた、横田めぐみさんとも会っていたことがわかった。きょう来日する金元工作員は、めぐみさんの両親に、知っていることすべてを話すという。  

 「金淑姫」の消息も気になる。何より金元工作員が拉致被害者救出を訴えることに、大きな意味がある。北朝鮮は、大韓航空機爆破事件に続いて韓国哨戒艦撃沈事件も恫喝(どうかつ)外交でしらを切るつもりらしい。金元工作員は、そんな祖国の体制維持を、脅かす存在になりつつある。

産経抄 産経新聞 7/20

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生命力あふれる、命のにおいに「みどり」の色を あてた君はすてき・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-24 | 産経抄(コラム)

 梅雨が明けて、猛暑が襲ってきた。群青色の空の下で、緑の木陰のありがたさが身にしみる。青と緑といえば、日本語を学ぶ外国人が不思議でならないのが、信号の色の呼び方らしい。確かに青信号というけれど、実際は緑色である。  

 古代日本では、色を表す言葉は、赤、黒、白、青の4つしかなかったそうだ。ミドリはもともと色の名ではなく、新芽や若枝を意味していた。生命力あふれるイメージから、3歳くらいまでの幼児を指す「嬰児(みどりご)」という言葉が生まれ、みずみずしい若い女性の髪を「みどりの黒髪」と呼ぶようになった。  

 このように説明されると、なるほどと思う。詩人の大岡信さんによると、江戸時代、最高の地位にのぼった遊女は松の太夫と呼ばれた。それに対して太夫に仕える少女の呼称が、ミドリだ。  

 「ちつと見ぬ内に緑が松と成り」という古川柳も、そこから生まれている。樋口一葉の名作短編『たけくらべ』で、吉原の廓(くるわ)で暮らす主人公の少女が、美登利(みどり)と名付けられているのも、彼女の行く末を暗示しているのだという(『日本語つむぎ』世界文化社)。  

 先週13日の「朝の詩」欄に載った詩の題名も、『みどり』だった。青葉の香りに満ちた通学路で、中学生男子が「みどりくさいよー」と大声を上げた情景から着想している。作者の宮本乙女さんは、「この命のにおいに 『みどり』の色を あてた君はすてきだ」と詩を結んだ。  

 若い友人から、ロックバンド「ミドリ」の存在を教わった。感極まった女性ボーカリストが、観客の中に飛び込んでいく過激なステージが、若者の間で大変な人気を呼んでいるらしい。CDを聴いても、音痴の小欄には理解不能の曲が多いけれど、バンド名の由来が気になる。

産経抄 産経新聞 7/19

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ちょっとした変化を大変なことと感じて騒いでしまう・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-22 | 産経抄(コラム)

 「あんたなあ、世間があんたのことどう言ってるか知ってるんか」。昭和58年の5月ごろ、上野動物園の病院長だった増井光子さんはパンダのメス、ホアンホアンに関西弁でこう話しかけた。人工授精で日本初の2世を誕生させようとしていたころだ。  

 授精装置はできたものの、ホアンホアンがなかなか発情しない。豪快な人柄で知られた増井さんもさすがに焦った。「子供でも産んでみい。世間の評価は変わるよ」と「説教」までしてみた。産経新聞の『戦後史開封』が伝えるパンダ誕生の「秘話」である。  

 何年か後、こんどは本紙「話の肖像画」の取材で増井さんに話をうかがった。脳軟化症でシんだゾウのインディラや、胃がんだったのにあまり苦しまなかったオランウータンなど、シ因を調べただけで1万を超える。そんな動物たちの逸話は示唆に富むものばかりだった。  

 中でもおもしろかったのは、治療を受ける動物の対応だ。同じチンパンジーでも注射のとき自分の方から手を出してガマンする者もおれば、騒ぎまくるのもいる。利口なゾウは爪(つめ)を削ってやるのに自分から足を上げるが、そうでないと麻酔が必要になるという具合だ。  

 総じて野生からきた動物ほど、のみ込みが早いという。生存競争など「人生経験」が豊かで、周りとうまくやっていく術(すべ)を知っているからだ。これに対し動物園育ちは、ちょっとした変化を大変なことと感じて騒いでしまう。何とも考えさせられる話である。  

 このインタビューで最後にお聞きしたのは、動物が逆に人を助ける「介在療法」である。特に乗馬は障ガイを克服するのに役立つという話だった。乗馬が趣味だとはそのとき知ったが、まさか落馬事故で亡くなられるとは夢にも思わなかった。

産経抄 産経新聞 7/17

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最近、より残酷な事件が目立つ「児童ギャク待」・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-21 | 産経抄(コラム)

 今年4月に亡くなった井上ひさしさんが書いた、美空ひばりへの追悼文によると、昭和24年3月封切りの『のど自慢狂時代』を見てたちまちファンになった。映画初出演のひばりは、井上さんより3つ下の11歳だ。この年、ひばりはたちまちスターダムにのし上がるが、悪評も多かった。  

 井上さんによると、夜のプラットホームでマネジャーの背中で眠っている写真を掲載して、「児童ギャク待」をほのめかす雑誌もあった。当時児童養護施設にいた井上さんは憤慨する。「何故この女の子だけを大人たちが寄ってたかって、児童福祉をふりかざして批判するのか」。  

 福岡県久留米市で6月、長女(5)を絞サツした疑いで、逮捕された母親(34)が、警察の調べに対して、「長女を洗濯機に入れて、何度か回した」と供述しているという。長女の口を粘着テープでふさぎ、両手、両足を縛った。出てこられないようにふたもテープで留めていた。  

 どれほど恐ろしかったろう。どれほど冷たかったろう。ひばりの子役時代はまだ、洗濯機は一般に普及していなかった。いや、普及していたとしても、わが子を洗濯機に閉じこめて平気な親がいたとは思えない。  

 2歳の男の子をゴミ箱に入れて窒息シさせる、あるいは2歳の女の子をエアガンで撃った事件もあった。児童ギャク待そのものは昔からあった。最近、より残酷な事件が目立つようだ。  

 ひばりの持ち役のひとつだった越後獅子は、親方のもとで子供たちが重ねる厳しい修業が児童ギャク待だと非難され、すたれていった。しかし近年では、子供たちには芸の進歩に対する喜びと一人前の軽業師になる希望があったと主張する研究者もいる。洗濯機のなかの女の子には、一片の希望さえ与えられなかった。

産経抄 産経新聞 7/16

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与党過半数割れ、44議席、誰も敗北の責任をとろうとしない・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-19 | 産経抄(コラム)

 サッカーのワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で世界的な人気をさらったのは、金髪の本田でもアルゼンチンのメッシでもなく、タコのパウル君だった。かつて製鉄業で栄えたドイツのオーバーハウゼンという地方都市の水族館で飼われているタコが、占った8戦すべての勝敗を当ててしまったのだからすごい。  

 タコは寿命が3年で、物の形や色を識別する高い能力を持ち合わせていることを小欄が知ったのもパウル君のおかげである。日ごろ融通の利かないNHKまで「決勝戦でタコの予想が的中」と大まじめにニュースでとりあげたのには笑った。  

 パウル君に比べれば、人間の予知能力はゼロに等しい。W杯前、日本の1次リーグ突破とスペインの優勝をともに予測した記者や評論家はいただろうか。スポーツだけでなく、参院選の結果予測もしかり。  

 小紙は、6日付朝刊でいちはやく「与党過半数割れ濃厚」と報じたが、民主党の獲得予想議席を51と甘く見積もってしまった。莫大(ばくだい)な手間とカネがかかる出口調査を基にしたテレビ各局による投票終了直後の予想でも44議席をずばり当てた局はなかった。  

 おわびついでに言い訳をすれば、民主党への支持は日を追うごとに予想を超えるペースで減っていった。ことに投票日は午後8時の締め切りが近づくにつれ野党への投票が増えた形跡がある。  

 それほどまでに有権者は、民主党政権に怒っている。にもかかわらず、誰も敗北の責任をとろうとしないのはどうしたことか。ことに落選のレッドカードを突きつけられた千葉景子法相までが留任するとは開いた口がふさがらない。有権者の怒りを放置したままなら、菅政権は9月に崩壊するだろう、という予測ならパウル君でなくともできる。

産経抄 産経新聞 7/14

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「日本の美学」恥の方向性がわからなくなってきている・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-18 | 八葉蓮華

 「こんな時に、女とチャラチャラしてて、恥ずかしくないのか」。全共闘華やかなりしころ、キャンパスの片隅で、芝居の稽古(けいこ)をしていると、ヘルメット姿の学生から罵声(ばせい)を浴びた。  

 肺がんのために10日、62歳の若さで亡くなった劇作家のつかこうへいさんは、「あのころの引け目は今も引きずっている」といつか語っていた。慶応大学在学中、下級生の作る劇団のために戯曲を書いたのが、この世界に入るきっかけだった。  

 初期の傑作『熱海サツ人事件』は、警視庁の木村伝兵衛部長刑事が、新任の熊田留吉刑事や婦人警官のハナ子とともに、熱海で女子行員をコロした大山金太郎のありふれた事件を、一級の事件に仕立てるというストーリーだった。  

 当時は集団就職で出てきた男女が、東京の豊かさに道を間違えて罪を犯した、と聞いても納得がいった。しかし、日本という国から、そんなマズしさが次第になくなっていく。『熱海殺人事件』もまた、部長刑事が女になったり、原発、あるいは北朝鮮がテーマになったりと、変容を重ねた。  

 本名は金峰雄、在日韓国人だ。ペンネームをすべて平仮名にしたのは、日本語のわからない母親への配慮だったという。日本人でなくても、いや日本人でないからこそ、どの作品にも、「日本の美学」への強い思い入れが感じられた。  

 ファストフードが広がり、歩きながら物を食べる姿が普通になった。わが子に食べ物を与えず、餓シさせる親まで現れた。「文化とは『恥の方向性』。日本人はそれがわからなくなってきている」と嘆いた。つかさんに罵声を浴びせた活動家たちの多くは、その後何事もなかったかのように社会に出て、成功を収める。民主党の著名議員の名前も、確かその口から聞いた。

産経抄 産経新聞 7/13

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過半数割れ「政治の安定」夢も時間も混乱は避けられない・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-17 | 産経抄(コラム)

 「夢は時間を裏切らない。時間も夢を決して裏切らない」。歌手の槇原敬之(まきはら・のりゆき)さんが作詞作曲した、「約束の場所」にある歌詞だ。漫画家の松本零士さんが、自作の『銀河鉄道999』からの無断使用だと指摘する騒ぎがあり、昨年、「盗作の事実なし」で決着した。  

 槇原さんによると、仏教の「因果応報」の教えに基づき、「あきらめずに時間をかければ、夢はきっとかなう」というメッセージを込めた歌詞だという。昨年8月の総選挙で民主党は、政権交代という長年の夢をかなえた。  

 菅直人首相は今回の参院選で、「政治の安定」を訴えた。しかし改選議席に届くどころか過半数割れという、民主党にとっては、悪夢のような結果に終わった。首相はまだ、夢の中にいるようだが、多くの有権者はとっくに覚めていたということか。  

 敗因ははっきりしている。民主党の約10カ月を総括すれば、期待はずれの一言に尽きるからだ。鳩山政権の迷走ぶりは目に余った。小沢一郎前幹事長を道連れにした辞任の効果も、長くは続かない。菅首相は消費税で発言がふらつき、たちまち馬脚を現した。  

 大正10(1921)年7月、『東洋経済新報』の「小評論」欄に、「憲政擁護運動の夢」と題する一文が載った。大正の初めのような憲政擁護運動の盛り上がりの再現を夢見る野党政治家たちを、いさめたものだ。あのころ国民は、政党に大きな信頼を置いていた。今日では政党は、「政権を私する為めの朋党」で、「国利民福を念とする団結でないこと」が歴然としている、と。  

 原敬首相が暗サツされたのは、それから3カ月半後だ。参院選後の政治の混乱は避けられないにしても、政権への愛想尽かしを、政治への絶望につなげてはならない。

産経抄 産経新聞 7/12

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世界中の国々が因縁で結ばれている・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-16 | 産経抄(コラム)

 最後は水族館のタコによる勝敗予想で盛り上がったサッカーのW杯もいよいよ大詰めだ。明日未明にはオランダ対スペインの決勝戦が行われる。日本ではちょうど、参院選の開票が終わる時間で、テレビで「ハシゴ」という人も多いことだろう。  

 この1カ月、世界が「たかがサッカー」で熱くなった。勝手な想像だが、その理由の一つに、出場国がさまざまな歴史的因縁で結ばれていることもある気がする。直接言葉に出さなくとも、選手や国民が「アチラだけには負けたくない」と思っている国があるはずだからだ。   

 例えば決勝トーナメント1回戦で「世紀の誤審」を招いたドイツとイングランド(英国)は2度、世界大戦を戦っている。欧州で最大のライバルと言ってもいい。中南米やアフリカの国と西欧の国とは、かつての植民地と宗主国という関係にあるところが多い。  

 実は決勝を戦うオランダとスペインとの間にも浅からぬ縁がある。かつてオランダがスペインの支配を受けていたからだ。しかし16世紀末に独立を宣言し、長い戦いを経てようやくその支配から脱した。オランダはその勢いでアフリカやアジアに進出していく。  

 今回のW杯開催国の南アフリカに上陸、ケープタウンを建設したのはオランダ人だった。台湾を一時期植民地化し、徳川幕府の日本と西欧で唯一、交易の窓口を持ったのも、この国だった。そう考えると、まるで世界中の国々が因縁で結ばれているようでもある。  

 問題はそれとどう向き合うかだ。過去の因縁を水戸黄門の印籠(いんろう)のように振りかざし、外交に利用するアジアの大国もあれば、日本のようにすぐその前にひれ伏す国もある。その点、サッカーで「カタ」をつけられるのならまことに健全な方法だ。

産経抄 産経新聞 7/11

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「歳歳年年人同じからず」人の世はのべつまくなく変化する・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-15 | 産経抄(コラム)

 出勤途上の線路脇で、ネムノキが薄紅の花を咲かせている。芽吹きが遅い樹木だから、毎年やきもきさせる。だが梅雨も後半のこの季節になると、キチンと花と緑を楽しませてくれる。「年年歳歳花相似たり」という言葉を実感させる花でもある。  

 しかし、中国・唐の劉廷芝の詩が原典のこの言い回しには続きがある。「歳歳年年人同じからず」だ。つまり花や木などの自然は毎年変わらないが、人の世はのべつまくなく変化するという。いや参院選目前の今の日本を考えると、こちらはもっとぴったりくる。  

 何しろ去年の今ごろはまだ自民党政権で、国民の最大の関心事は皆既日食だった。それが8月末の総選挙で民主党が圧勝し「政権交代」が実現した。鳩山由紀夫政権への期待は弥(いや)が上にも高まり、内閣支持率は70%前後に達した。民主党にとって「我が世の春」だった。  

 ところがその後、鳩山首相と民主党の小沢一郎幹事長のダブル「政治とカネ」で支持率は急降下する。鳩山氏の沖縄米軍飛行場移設問題をめぐる迷走は、日米関係に決定的と言えるひび割れをもたらした。さまざまな「バラマキ」で、財政赤字はふくれる一方だ。  

 あれやこれやで鳩山政権は崩壊、小沢氏も幹事長を辞めた。菅直人首相に代わったとたん、支持率が回復した中で参院選に突入したが、首相が消費税率アップを持ち出した後、民主党の苦戦が伝えられる。いちいち書くのも面倒になるほどの目まぐるしさだった。  

 もっとも消費税は最初から首相の作戦だった気もする。それによって日米関係や財政の悪化といったほんとの「失政」が隠されてしまいそうだからだ。今度の選挙は10カ月の民主党政権への総括がテーマだ。あと1日、しっかりと見据えたい。

産経抄 産経新聞 7/10

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文化人類学者の梅棹忠夫さん「日本はむしろ西欧とそっくり」・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-07-14 | 産経抄(コラム)

衣裏珠の八葉蓮華 ≪創価学会 仏壇≫産経抄 産経新聞 7/9

  今月3日、90歳で亡くなった文化人類学者の梅棹忠夫さんによれば、「梅棹の家はみんな大酒のみ」だった。若いときはたしなむ程度だった梅棹さんも、40代から酒量が増える。アフリカ・タンザニアで牧畜民の生活を調査していたとき、安く手に入ったスコッチウイスキーに親しんだのがきっかけだった。  

 戦時中のモンゴル調査を含めて、世界各地を飛び回ってきた。現地で見聞し、思いついたことはすべて手帳に記録する。たとえばさまざまな異民族、異文化を抱えるインドを歩いていて、「日本とまったく違うインドが、同じアジアとはどういうことか」と書き付ける。  

 ともに旅したドイツ系アメリカ人の歴史家と議論して、「日本はむしろ西欧とそっくり」とのアイデアを得る。帰国して昭和32年に発表したのが、『文明の生態史観序説』だ。梅棹さんはこのなかで、日本の文明は、中国、インド、ロシアなどとはまったく違う道筋で発展し、むしろ西欧文明ときわめて近い、と言い切る。  

 当時米欧との経済力の差を思い知らされていた人々の驚きは大きかった。日本の高度成長を予言したともいえる。翻訳はしない。すべてこの目で見て、自分の頭で考える。梅棹さんは何より学問の独創性を重んじた。  

 65歳のとき視力を失うものの、仕事のペースはいささかも落ちなかった。国立民族学博物館の館長を続けながら、3年間毎月本を出した。退官後も博物館に通う日常は変わらない。  

 昼食はレストランでビール1本、夕食にも晩酌2合を楽しみ、深夜目覚めて、ウイスキーの水割りを飲みながら、妄想にふけるのが、「至福のひとときである」と自伝を結ぶ。若き日の冒険の数々を思い出すだけで、退屈することはなかっただろう。

産経抄 産経新聞 7/9

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