衣裏珠の八葉蓮華 ≪創価学会 仏壇≫

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「掌中の珠・・・」  産経抄 八葉蓮華

2008-07-24 | 産経抄(コラム)
「掌中の珠・・・」  産経抄 八葉蓮華
詩人の中村稔さんによると、「愛」という言葉を使い、「愛」を主題にした詩を書いた、わが国における最初の詩人は、石川啄木だという(『人間に関する断章』)。 ▼たとえば、明治38(1905)年、20歳の啄木が出した処女詩集『あこがれ』に収められた「人に捧(ささ)ぐ」は、こんなふうに結ばれる。「峻(こご)しき生命の坂路も、君が愛の/炬火(たいまつ)心にたよれば、黯(くら)き空に/雲間も星行く如くぞ安らかなる。」。 ▼けわしい人生の坂道を登るときも、あなたの愛を松明(たいまつ)にして、心のたよりにすれば、暗い空の雲の間に星を見るように、心が安らかだ、というのだ。この詩を捧げた、妻の節子との愛の結末が、悲惨なものになるのは周知の通りだ。 ▼それでも「愛」は、小説や詩、流行歌などで盛んに使われるようになり、日本人にとってなくてはならない言葉となっていく。最近では、子供、特に女の子の名前につけられることが多い。東京都八王子市の駅ビルの書店で、アルバイトをしていて、凶刃(きょうじん)に倒れた中央大学文学部4年生の斉木さん(22)の名前も愛だった。 ▼「仕事がうまくいかない」「誰でもよかった」。33歳の容疑者の男の身勝手な言い分には、耳をふさぎたくなる。「社会にも問題がある」式の報道で、通り魔を甘やかしているかぎり、同様の事件は続くのではないか。 ▼斉木さんの名前は、「あい」ではなく、「まな」と読ませる。『大辞林』によれば、かわいい子、いとしい女のこと。娘や弟子など、人を表す名詞につくと、特別にかわいがっているという意味になる。ご両親にとって、掌中(しょうちゅう)の珠(たま)だったのだろう。就職も決まり、これからさまざまな愛に出会うはずだった。その機会を奪われる理由など何ひとつなかったのに。

産経抄 産経新聞 7/24

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