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「最長片道切符の旅・・・」  産経抄 八葉蓮華

2008-07-21 | 産経抄(コラム)
「最長片道切符の旅・・・」  産経抄 八葉蓮華
『時刻表2万キロ』などの鉄道エッセーで知られた宮脇俊三さんの業績を回顧する展覧会が、東京都世田谷区の世田谷文学館で開かれている。51歳で作家生活に入るまでは、中央公論社の名編集者だった。 ▼「マブゼ共和国」を自宅に“建国”した北杜夫さんから贈られた「コロンブス賞」の賞状が目にとまる。宮脇さんに勧められて北さんは、隣に引っ越してきた。つまり“国土”を発見した栄誉をたたえている。 ▼宮脇さんが毎年、手作りしてきた年賀状にも、ほおがゆるむ。2人の娘さんがまだ小さいころ、誰からも年賀状が来ないのはかわいそうだ、と別に専用のはがきを作っていた。そんなひとつひとつの展示品に人柄があらわれている。もちろん圧巻は、鉄道関係の資料だ。 ▼宮脇さんは会社を退職してまもなく、北海道・広尾駅から鹿児島県・枕崎駅までの『最長片道切符の旅』に出かけた。その手描きのルート図や、途中下車印がびっしり捺(お)された切符、車内での会話、風景を細かく記した取材ノートなど、鉄道ファンにはたまらないだろう。 ▼今年の夏休みの行楽は、原油価格の高騰の影響で、海外よりも国内、移動手段も車より鉄道を選ぶ傾向が強まっている。「やがて、シベリアの大森林を擁するソ連や、密林の東南アジア諸国から酸素の供給料を請求されるかもしれない」。地方の自然破壊を嘆いて、宮脇さんが二十数年前に書いたエッセー「登山鉄道をつくろう」の一節だ。 ▼環境問題が深刻化すれば、鉄道は復権する。そのことを見通していたばかりか、二酸化炭素の「排出量取引」まで、予言している。没後5年たって、復刊が相次いでいるのも、ユーモアあふれる筆致からにじみ出る、深い洞察力ゆえのことだろう。

産経抄 産経新聞 7/21

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