衣裏珠の八葉蓮華 ≪創価学会 仏壇≫

衣裏珠の譬え 産経抄 産経新聞 創価学会 地球市民 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge

せっかく一緒になったのだから子供じみたことを・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-31 | 産経抄(コラム)

 最近は小欄もメールなるものをやりとりするようになったが、年のせいか手紙やはがきの方が心に響く。ことに読者のみなさんからの叱咤(しった)激励は、何よりの良薬だ。この場を借りて感謝申し上げるが、まれに次のような「人生相談」もどきの手紙もくる。  

 前略 パートナーのことで相談したく筆を執りました。彼は優しく、言葉遣いも丁寧で、金のネクタイがよく似合います。母親はお金持ちでしかも東大卒。おつきあいは短く、「家風が違いすぎる」と心配する人もいましたが、8カ月前に一緒になりました。  

 最初は毎日が楽しくて仕方がなかったんですが、ある日、彼の言っていることが、くるくる変わって言い訳ばかりなのに気づいたんです。最近では金髪女性に褒められていい気になっているようで、約束違反をなじっても「後で話すから」ととりあってくれません。  

 親戚(しんせき)のおじさんからは「せっかく一緒になったのだから子供じみたことを言うな」とたしなめられました。確かに今出て行っても未来に展望がひらけるわけではありません。実家も昔は人もうらやむ立派な建物でしたが、今では雨漏りがして、人も少なくなって屋上でミツバチを飼っているほどです。  

 でもこのまま居座れば、カネと権力に目がくらんだ信念のない女だ、と後ろ指をさされたまま生きていかねばなりません。私はいったいどうすればいいのでしょうか。 草々。  

 さっそく「あんさん、別れなはれ」と返事を書こうとしたところで、目が覚めた。確か差出人は「みずほ」としたためられていたようだが、おぼろな夢のため判然としない。ついでながら、口先だけ優しくて、決断できない男について行ってもこの先いいことは何一つありませんよ、福島さん。

産経抄 産経新聞 5/26

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「最低でも県外」だったはずを、「できる限り県外」に言い換えて・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-30 | 産経抄(コラム)

 先月亡くなった井上ひさしさんの小説のいくつかは、テレビドラマとしても楽しんだ。そのひとつ『青葉繁れる』の主題歌は、今でもときどき耳に蘇(よみがえ)る。♪できない生徒がさ できる学校にさ 入った悲劇はさ…。  

 日曜日に沖縄県を訪問した鳩山由紀夫首相と仲井真弘多知事の会談の様子をテレビで見ていたときも、そうだった。ただし替え歌で、だ。♪できない首相がさ できない約束をさ しちゃった悲劇はさ…。  

 主人公の稔は、東北一の名門高校に通いながらも、ビリに近い落ちこぼれ。それでも街で頭のよさそうな女子高生に出会うと、こんな夢想をしてしまう。東大生になった稔が、女子高生と再会する。彼女は、稔のワイシャツの胸に輝く銀杏(いちょう)バッジを見つけて…。  

 稔があこがれる東大出身の鳩山首相にも、夢想癖があるようだ。米軍普天間飛行場の移設先など、「友愛」の印籠(いんろう)を振りかざせば、簡単に解決できると思っていたのかもしれない。政権発足8カ月で、ようやく夢から覚めたとみえる。自民党政権下の計画とほぼ同じ、「辺野古」への移設を表明したのは、ご同慶の至りだ。  

 米軍の「抑止力」の重要性についても、学習していただけたようだ。ただ自分の以前の発言を、平気で修正する悪い癖は直っていない。仲井真知事に対する発言のなかでも、「最低でも県外」だったはずの公約を、「できる限り県外」に言い換えていた。  

 何より、具体的な建設場所や工法の決定を、秋まで先送りするとは、開いた口がふさがらない。稔たちのようなできない生徒の悲劇と違い、「できない首相」の悲劇は、国民すべてに降りかかってくる。首相の言葉を借りて、「断腸の思い」で申し上げる。もう、お辞めなさい。

産経抄 産経新聞 5/25

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古筆学「満身これ学究」1枚1枚もとの大樹に戻してやる・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-29 | 産経抄(コラム)

 もとは見事な大樹であっても、やがて枝が折れ葉が散ってしまう。その葉を拾い集め、1枚1枚もとの大樹に戻してやる。21日、85歳で亡くなった小松茂美さんは、自ら提唱する「古筆学」について聞かれるたびに、こんな説明をしていた。 

 『源氏物語』や『古今和歌集』など、日本の主な古典文学の原本はすでに失われ、写本が残っているだけだ。その写本の多くも切り刻まれて散逸している。それら古人の筆跡を集めて分析、系統づけ、原本に迫るものだ。 

 35歳のとき、『後撰和歌集』の研究で学界にデビューした。それから半世紀、全30巻に及ぶ『古筆学大成』を含めて、著作の合計は、原稿用紙で7万枚を超えるという。業績の大きさとともに常に話題になったのが、小松さんの経歴だ。中学を出て、旧国鉄広島管理部に勤めていたときに、被爆した。 

 病床で目にとまった新聞記事は、厳島神社に伝わる秘宝「平家納経」を、広島に疎開していた文化人の一行が参観したことを伝えていた。「なんとしても見たい」。占領軍司令部にまで駆け込み、対面を果たしてから、独学人生が始まった。父親に勘当され、上京して東京国立博物館に勤めながら、研究に没頭する。 

 80歳を過ぎるまで、睡眠時間が4時間を超えることはなかったという。そのエネルギーとなったのは、学歴のない人間を蔑(さげす)む学界への対抗心だった。一方で、小松さんに密着取材した『満身これ学究』(吉村克己著)によれば、政財界、芸能界の大物たちによる応援団もついていた。 

 本の題名も、作家の井上靖が小松さんを評した言葉だ。書斎に閉じこもるタイプではなく、大酒飲みでもあった。「閉塞(へいそく)感」や「格差社会」を突き破った、生き方を見習いたい。

産経抄 産経新聞 5/24

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働かずして多額のカネがもらえる「宝くじ」が気に入らず・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-28 | 産経抄(コラム)

 この国にカジノがないのが不思議なくらい日本人は賭け事が好きである。どんな田舎に行っても派手なパチンコ屋があり、平日の昼間からにぎわっている。競馬場には毎週何万人もの善男善女が訪れ、来週の日本ダービーでは何百億円もの馬券が売れる。  

 自転車、ボート、オートバイとギャンブルの種は尽きないが、歴史と伝統で江戸時代の富籤(くじ)を祖先に持つ宝くじの右に出るものはない。ビン乏人にとっては、わずかな元手で一獲千金の夢が見られ、興行元にとってはぬれ手で粟(あわ)のごとくカネが転がり込むとあって関西から瞬く間に江戸に流行が広がり、寛永年間には禁令が出ている。  

 8代将軍吉宗の時代になると、寺社の修復資金調達に限って公認され、湯島天神、目黒不動、谷中の感応寺が「江戸の三富」と呼ばれた。その後も庶民の娯楽として大いにはやったが、天保年間に老中・水野忠邦が全面禁止してしまう。  

 まじめな彼にしてみれば、働かずして多額のカネがもらえる富籤が気に入らず、しかも幕府財政にもよくないと考えたのだろう。現代の仕分け人たちも水野忠邦を見習ってか、宝くじの収益金の流れが不透明だとして当面、販売を中止するよう総務大臣に要求した。  

 確かに1兆円にものぼる宝くじの売上金の流れに不透明な部分はある。総務省OBの天下り役員に2千万円前後の給与が払われているのも問題だ。だからといって「販売停止」とは大人げない。  

 問題なのは、仕分け人の国会議員が「弱い結論を出せば、傍聴者の反発は強かっただろう」とついもらしたことだ。観客受けだけをねらって結論を出されては、宝くじ売り場のおばちゃんたちも黙っていないだろう。夏の参院選では民主党が仕分けされる番である。

産経抄 産経新聞 5/23

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海外情報があふれている現代の政治家たちの外遊は何とも能天気・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-27 | 産経抄(コラム)

 日本の政治家の「外遊」で最も有名なのは、岩倉使節団だろう。岩倉具視をはじめ、大久保利通、木戸孝允ら明治新政府の中心メンバーが、明治4年から1年10カ月かけ欧米12カ国を回った。当時の先進国の現状を視察するのが目的であった。  

 むろん、その後の国づくりにとっては大きな意味を持っていた。しかし一方、長期の海外滞在により、政府の留守を預かっていた西郷隆盛らとの間に溝が生まれる。西南戦争など後の内乱を招いたともいえる。日本にとっても使節団にとっても、命がけの「外遊」だった。  

 それにくらべ現代の政治家たちの外遊は何とも能天気に見える。今年の大型連休には何と11人の閣僚が海外に出かけた。この中には外相や防衛相、国家公安委員長も含まれていた。もし連休中、日本でもテロ事件が起きたらどうするのか、誰も心配しなかったらしい。  

 目的はさまざまに言われている。だが明治時代と違い海外情報があふれているとき、大臣の視察が必要なのか。自民党政権時代からそうした批判はあった。それなのに政権交代で民主党中心になってもこの風習だけは引きついだ。よっぽど楽しいのかと思ってしまう。  

 案の定、赤松広隆農水相が外遊中、宮崎の口蹄(こうてい)疫被害は爆発的に広まった。拡大を知りながら、旅行を続けていた農水相は「きちんとやってきた」と強弁している。だが「政治主導」をかかげる鳩山内閣だ。担当大臣がいないと対策が遅れることは誰にでもわかる。  

 百歩譲って、外遊中も支障は生じなかったというのであれば、大臣などいらないということで、政治主導が泣く。非は非として認めたうえで万全の対応をはかるべきである。そうしないと、とても地元の被害農家は納得などできまい。

産経抄 産経新聞 5/22

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日本の安全保障「ありえへん」北東アジアで、緊迫の度合いが強まれば・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-26 | 産経抄(コラム)

 冬の季語でもある「かまいたち」は、「体を物にぶつけても触れてもいないのに、鎌(かま)で切ったような切り傷ができる現象」(大辞林)をいう。かつて、イタチのような魔獣の仕業とされたから、「鎌鼬(かまいたち)」と書かれることもある。  

 このほど小紙で発表された「創作漢字コンテスト」の入選作となった「●(かまいたち)」には、脱帽した。確かにこちらの方が切れ味がよさそうだ。今年3月、黄海で韓国海軍の哨戒艦「天安」を真っ二つに切り裂き、乗員46人の命を奪った「●」は、やはり北から吹いていた。  

 韓国政府はきのう、現場で収集されたスクリューの破片などから、北朝鮮の潜水艦が発射した魚雷によるもの、との調査結果を発表した。北朝鮮が「でっちあげ」と言い立てるのには驚かない。なにしろ、1987年の大韓航空機爆破への関与をいまだに否定しているのだから。  

 分からないのが、今回の暴挙の意図である。ますます国際的な孤立を招くばかりか、後ろ盾となっている中国の立場も苦しくなる。コンテストで選外となったが、「白」の右に「烏(からす)」を置いて、「ありえへん」と関西弁で読ませるユニークな作品もあった。北朝鮮には、逆に「なんでもあり」とルビを振って、警戒を強めるしかない。  

 なにより米国、韓国との連携が重要だ。コンテストの最優秀賞に輝いたのは、「★」(わきまえる)だった。鳩山由紀夫首相にこそささげたい漢字だ。米軍普天間飛行場の移設問題での迷走は、日本の安全保障について、何の定見もないことをさらけ出した。  

 北東アジアで、今後ますます緊迫の度合いが強まれば、首相の浮ついた言動が、日本の国益を決定的に損なう可能性がある。せめてそのことは、わきまえてほしい。

産経抄 産経新聞 5/21

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小さな命を奪った疑い「不同意堕胎容疑」医師の知識と立場を利用して・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-25 | 産経抄(コラム)

 江戸のマズしい人々を無料で診察する小石川養生所は、「赤ひげ」と呼ばれる強面(こわもて)の医師が取り仕切っていた。新米医師の保本は、部屋に忍び込んできた狂女の患者の色香に迷い、すきを見せたところを襲われる。黒澤明監督の名作『赤ひげ』の、冒頭近くにある場面だ。  

 三船敏郎演じる「赤ひげ」が、間一髪で保本を救い、治療しながらこう諭す。「男は、きれいな女には弱い。恥じるには及ばないが、懲りるだけは懲りろ」。医師の行為として、「恥じる」「恥じるに及ばない」の境界線はどこに引かれるのだろう。  

 保本を演じた若き日の加山雄三さんには及びもつかないが、なかなかの「イケメン」ではないか。警視庁捜査1課に逮捕された大学病院の内科医(36)に、このところワイドショーの関心が集中している。  

 内科医は交際していた女性の妊娠を知り、「母体にいいから」と、子宮収縮剤の錠剤を飲ませたり点滴を施したりして、女性の同意を得ずに堕胎させたという。つまり自らの保身のために、医師の知識と立場を利用して、小さな命を奪った疑いがかかっている。  

 内科医は、女性が自宅で流産した際に立ち会ったばかりか、その後も自分が結婚していることを隠したまま、交際を続けていた。もし女性が、与えられた錠剤や点滴のパックを処分していたら、「完全犯罪」の可能性もあった。「不同意堕胎容疑」のような生ぬるい言葉では、その悪質さが伝わらない。  

 黒澤は三船に、「『赤ひげ』は、立派だっただけじゃない、人生の裏も苦労も知っているということを忘れないように」と話していたそうだ。もし、内科医にかかった容疑が事実なら、「赤ひげ」はその「恥じる」べき行為を、けっして許さないだろう。

産経抄 産経新聞 5/20

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へそまがりの虫が騒ぎ、鳩山政権のいいところ、世間も見る目がない・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-23 | 産経抄(コラム)

 世の中にはうたぐり深い人がいるもので、報道各社が実施している世論調査を「たった1000人ほどに聞いただけで何が世論だ」「本当に電話しているのか」とケチをつける人が結構多い。「新聞社やテレビ局が談合して数字を決めているのでは」というはがきをいただいたこともある。  

 オペレーターはちゃんと電話しているし、小社とA社が談合するほど仲がいいわけはないのだが、確かに内閣支持率は申し合わせたように各社とも20%前後でそろった。そうなると小欄のへそまがりの虫が騒ぎ、鳩山政権のいいところを探し出してほめちぎってみたくなった。  

 まずは首相の正直さと勉強熱心さをほめたい。首相は就任前、お友達に吹き込まれて沖縄に米海兵隊は不要だと信じていた。それを正直に告白し、半年間勉強した結果、「抑止力」という概念を学んだ。  

 部下もつわものぞろいである。農水相は、宮崎県で口蹄(こうてい)疫がみつかってもメキシコやキューバ、コロンビアをキャンセルせずに訪問した。所管の緊急時より中南米との信義を大切にするとはよほど腹が据わったご仁とみた。  

 事業仕分けも表だけでなく、裏でも順調に進んでいる。「仕分け人」の中心人物である参院議員は、特殊会社の西日本高速道路に何事かあるとかぎつけたようだ。役員会議にまで同席し熱血指導したそうな。  

 最もほめたいのは、小沢一郎幹事長である。検察に3度も事情聴取され、側近が3人逮捕されても、まったく動じていない。議員辞職すれば、民主党の支持率は上がるはずだが、姑息(こそく)な手段はとりたくないのだろう。首相も「がんばって」と励ましている。こんな立派な人々が担っている政権なのに、支持率が20%とは世間も見る目がない。

産経抄 産経新聞 5/19

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万機公論に決すべし「国民投票法」憲法改正を論議する場の整備が進まない・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-22 | 産経抄(コラム)

 「いまでも日本の首都は京都です」と、生粋の京都人である文化人類学者の梅棹忠夫さんは言う。明治維新になって、天皇が「ちょっといってくる。すぐかえるからね」といった風情で江戸へ行幸されたまま、かえってこられなかっただけだと。  

 確かに、明治政府は遷都の公式発表を行わなかった。1868(明治元)年、明治天皇が行幸に先立ち最初に出した詔書も、あくまで「東京奠都(てんと)の詔(みことのり)」である。天皇が政務に当たることを宣言し、江戸を西の京(京都)にたいする東の都(東京)と定めた。  

 政府は、遷都反対論者や京都人の反発を恐れながらも、この詔書をきっかけに、「首都東京」誕生への動きを加速させる。そんな重要な文書の作成過程を示す史料が、広島県内の美術館で見つかった。  

 公家や藩主だけでなく、藩士クラスの者にまで、意見を求める文書が回覧されていた。旧弊を打破して、新しい政治を行うために、政府内で侃々諤々(かんかんがくがく)の議論が、身分の差を超えて行われていたようだ。  

 きょう施行される国民投票法は、憲法改正の手続きを定めたものだ。明治維新における東京遷都に匹敵するほどの大きなテーマだというのに、参院では、憲法改正原案を審議する憲法審査会の規程さえできていない。衆院は規程はあるものの、委員が選ばれていない。国民投票法が、18歳以上に投票権を認めたのにあわせて、20歳を成年とする民法を改正するめども立っていない。  

 憲法改正を論議する場の整備が進まないのは、民主党にまったくやる気がないからだ。鳩山由紀夫首相は、所信表明演説で政権交代を明治維新になぞらえた。五箇条の御誓文にある「万機公論に決すべし」の精神を忘れた民主党に、そんな資格があるのか。

産経抄 産経新聞 5/18

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CO2・25%削減「地球温暖化対策基本法案」“逃げ道”作りはお家芸・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-21 | 産経抄(コラム)

 「目標427店!」と薬局チェーンの社長が、店舗数を叫ぶ。そんなCMが、話題を呼んだことがある。目標は高いほどよろしい。来月に迫ったワールドカップで、日本代表チームを率いる岡田武史監督が掲げる目標は、ずばり「ベスト4進出」だ。日本の世界ランキングや最近の対外試合の戦績などを勘案すると、かなり難しそうだが。  

 鳩山政権が打ち出している、温室効果ガス排出量についての目標は、高いというより世界で「突出」している。2020年までに1990年比25%削減するという。それを盛り込んだ「地球温暖化対策基本法案」が、先週末、民主、社民両党の賛成多数で可決された。  

 もっとも5月半ばまで肌寒い日が続くと、地球の温暖化といわれてもピンとこない。温暖化の科学的な根拠を支えてきた学者たちに、捏造(ねつぞう)疑惑が持ち上がっていると聞けば、なおさらのことだ。  

 中部大学教授の武田邦彦さんによると、「『CO2・25%削減』で日本人の年収は半減する」そうだ。そのままをタイトルにした著書(産経新聞出版)の刺激的な内容には、異論もあるだろう。ただ政府が、目標達成のために国民にどれほどの負担を強いるのか、ほとんど説明していないのも事実だ。  

 鳩山由紀夫首相は政府に都合の悪い意見が出てくると、「(批判しているのは)ある業界に近い方だとうかがっている」と、はねつけるばかり。それでいて「ほかの主要国が意欲的な目標に合意すること」との前提条件を付けることは忘れない。  

 さすが米軍普天間飛行場の移設問題で、平然と「5月末決着」の公約を先送りしようとする政権だ。“逃げ道”作りはお家芸とみえる。もっともそんな姑息(こそく)な手段が、国際社会で通用するわけがない。

産経抄 産経新聞 5/17

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政治の世界の厳しさ、責任感「素人感覚」誰にも政治家となる権利はある・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-20 | 産経抄(コラム)

 鈴木俊一氏が東京都知事になったのは昭和54年、68歳のときのことである。知事選への立候補は初めてだったが、実はその12年も前から、自民党陣営の「本命」にあがっていた。自治事務次官や官房副長官をつとめ、行政のエースと目されていたからだ。  

 特に46年の選挙に当たっては、自民党がくどきにくどいた。鈴木氏は前年に開かれた大阪万博で、万博協会の事務総長をつとめていた。鈴木氏を立てれば、知名度や万博人気によって美濃部亮吉知事の革新都政を倒せる。自民党としては、そう読んだのだろう。  

 万博開催中の45年6月には、田中角栄幹事長が視察と称して現れた。会場近くのゴルフ場を予約し鈴木氏を誘う。都知事選への出馬要請だと感じて最初は逃げた鈴木氏も結局、ゴルフにはつきあう。しかし、知事選の話は最後まで拒みつづけたのだという。  

 断ったのは「今の仕事を途中で放り出せない」という理由だった。確かにこの時点で鈴木氏が抜ければ、寄り合い所帯の協会はガタガタになる。万博の成功もおぼつかなかった。それに、かつて副知事をつとめ、都知事の仕事の重さを知っていたこともあったに違いない。  

 99歳で亡くなった鈴木氏のそんな逸話を知るにつけ、今の政治家志望者たちの「軽さ」が気になる。特に今回の参院選にはプロ野球などのスポーツ界や芸能界から多くの「著名人」が名乗りを上げている。それもはた目には、いとも簡単に出馬要請を受けているように見える。  

 むろん、誰にも政治家となる権利はある。政治に「素人感覚」も必要なのかもしれない。だがや、現在の仕事に対する責任感から、その前で立ち止まった人も何人かいる。そのことも少しばかり考えてほしい。

産経抄 産経新聞 5/16

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「米軍普天間移設問題での混迷」安全保障について考えるのを怠り・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-19 | 産経抄(コラム)

 16メートル48という数字は、今も鮮明に覚えている。先日亡くなった小掛照二さんが昭和31年に出した三段跳びの世界新記録(当時)である。10月7日、仙台で開かれた日本陸上選手権でのことだ。メルボルン五輪開幕を1カ月半先に控えての大記録だった。  

 三段跳びは戦前、オリンピックで3大会連続金メダルという日本のお家芸だった。小掛さんはメルボルンでは結局、8位に終わるが、久しぶりの「世界一」に、ちょっとした三段跳びブームが訪れた。子供たちも学校の庭で、その独特の跳び方をまねたものである。  

 ホップ・ステップ・ジャンプという三段跳びの名称もしだいに流行語化していく。何しろ昭和31年は、経済白書が「もはや戦後ではない」と宣言した年である。終戦直後の経済危機を完全に脱した。それだけではなく「神武景気」という好況が始まった年でもあった。  

 国民所得は2ケタの伸びを記録、家庭では急速に電化が進んだ。やがて世界の経済大国への道を進んでいく。当時の日本人の目には、そんな高度経済成長の姿が「ホップ・ステップ・ジャンプ」のように、躍動的に見えた。心地よく映ったのだろう。  

 だが、まるで三段跳びのような経済の躍進のカゲで、大事なことが忘れられてしまった。国のあり方とかその守りといったことについて考えるのを怠り、先送りしていったのである。特に要となる憲法の改正問題については、腫れもののように触れるのを避けてきた。  

 その一つの結果が、米軍普天間飛行場の移設問題での鳩山政権の混迷だろう。責任者たる鳩山首相が、国の安全保障に何の定見も持たないことがわかった。政治の分野の日本はホップ・ステップ・ジャンプどころか、停滞と後退の繰り返しだった。

産経抄 産経新聞 5/15

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子育てしながら平日は国会に通い、オリンピックで金メダル・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-17 | 産経抄(コラム)

 昇る朝日もいつかは沈む。平家物語を学校で習わなくても盛者は必衰すると、大方の日本人は肌で感じている。ただし、ずば抜けた才能を持ち、努力を怠らず長くトップの座を維持している人ほど自分は例外と信じたがるようだ。  

 もう34歳になった「ヤワラちゃん」こと、女子柔道の谷亮子選手の参院選への立候補表明は、漫画そのものだった。子育てしながら平日は国会に通い、オリンピックで金メダルをとろうなんて常人では考えもつかない。  

 先例はある。当選翌年、アトランタ五輪に自転車競技で出場した橋本聖子参院議員は、「国会は仕事をしなくていいところなのか」と袋だたきにあった。「二足のわらじは両方の力になると信じていたのに、どちらの世界も傷つけた」と反省した橋本氏は、選手生活にピリオドを打ち、議員活動と子育てを見事に両立させている。  

 家族は言いづらいだろうから小欄が代わりに言ってさしあげるが、ヤワラちゃん、国会を目指すならロンドン五輪はあきらめなさい。そもそも柔道選手としてのピークはとっくに過ぎている。  

 2年前の4月、全日本柔道連盟が、北京五輪代表を決めると銘打った大会の決勝で、彼女は山岸絵美選手に完敗した。にもかかわらず、全柔連は谷選手を代表に指名した。実より名を取ったわけだが、案の定、本番では銅メダルが関の山だった。  

 何より情けないのは、「百万千万の味方を得た」と谷選手の横で破顔していた民主党の小沢一郎幹事長をはじめとする政党人の面々だ。参院選では自民党など野党も元野球選手や歌手らを大量に立候補させる予定だが、有権者をなめきっているのではないか。参議院は落ち目のタレントや元スポーツ選手を再雇用する場ではないはずだ。

産経抄 産経新聞 5/12

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日本代表メンバー23人「人をばつかわず、わざをつかうぞ」・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-15 | 産経抄(コラム)

 〈「あの課長、人の使い方を知らんな」/「部長昇進はむりだという話だよ」/日本中、会社ばかりだから、/飲み屋の話も人事のことばかり〉。詩人の中桐雅夫が、昭和54(1979)年に発表した『会社の人事』の一節だ。  

 会社に入る前は、理想があったはずなのに、今では会社の愚痴ばかりと、嘆いている。25年間、新聞社に勤務した中桐が、サラリーマンの悲哀を描いた作品として、広く知られている。30年以上たった日本では、リストラの嵐が吹き荒れ、就職氷河期が続いている。会社員になって、愚痴をこぼすのも難しい世の中に成りはてた。  

 もっともきのうの夜ばかりは、あちこちの飲み屋で、「人事のこと」で盛り上がったことだろう。来月11日に開幕するワールドカップ(W杯)南アフリカ大会に出場する日本代表メンバー23人が、岡田武史監督から、発表されたからだ。  

 1998年は、三浦知良選手、2002年は中村俊輔選手といったエース級の選手が落選して話題になった。今回はそうしたサプライズ人事はなかったものの、ひいきの選手が選にもれ、思わず酒のピッチがはやくなった人もいたかもしれない。  

 記者会見での「選考の基準は?」との質問に、岡田監督は「力のある選手を上から23人選んだわけではない」と答えていた。「人をばつかわず、わざをつかうぞ」。人材登用にたけていた戦国大名の武田信玄が残した教訓に通じるところがある。  

 才能や実績以上に、自分の立てた作戦で、役割をこなせる人材を優先したということか。ともかく、顔ぶれは決まった。『会社の人事』には、〈子供のころには見る夢があったのに〉ともある。夢をかなえた23人の戦士たちの活躍を、今は祈るのみである。

産経抄 産経新聞 5/11

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「およげ!たいやきくん」男なら頭からガブリ、女ならつつましくシッポから・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-05-14 | 産経抄(コラム)

 昭和50(1975)年の暮れに発売された「およげ!たいやきくん」は、翌年大ヒットを飛ばす。当時は石油ショック後の不況が続き、田中角栄元首相の逮捕で政界も揺れていた。「まいにち まいにち」と歌う子門真人さんの迫力のある声が、沈みがちな世の中を励ましていた。  

 売り上げはついに450万枚を超えた。全国にたい焼きブームが起きたことは言うまでもない。歌のモデルになった、「浪花家総本店」(東京・麻布十番)会長の神戸守一さん(86)が、5日に亡くなった。歌のブームの後も、たい焼きが廃れなかったのは、その存在が大きかったのではないか。  

 たい焼きといえば、今やあんの代わりに、ハムが入っていたり、色が白かったり四角だったりと、バラエティーに富んでいる。鉄板の上で一度にたくさん焼くのも、一般的となった。しかし「浪花家」などの老舗は、今も昔ながらの「一本焼き」にこだわっている。前者を「養殖物」、後者を「天然物」と呼ぶそうだ。  

 実は、たい焼きのルーツはよくわかっていない。「ビン乏人でもタイが食べられる」形を考案したのは、初代だと、神戸さんは主張する。15歳から仕込まれた3代目の神戸さんは、晩年、おなじみのコック帽姿で、客に気さくに話しかけていた。  

 創業100年を迎えた昨年は、メディアに引っ張りだこだった。「しっぽまであんが入っているべきか」「食べるのは頭からか」などの“論争”が生まれたのも、たい焼きの特徴だ。  

 しっぽまであんが詰まったのを「男なら頭からガブリ、女ならつつましくシッポから」と、神戸さんの見解は明快だった。伝統を守る一方で、たい焼きに「物語」という付加価値を付ける。マーケティングの達人でもあった。

産経抄 産経新聞 5/10

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