衣裏珠の八葉蓮華 ≪創価学会 仏壇≫

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祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-31 | 産経抄(コラム)
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり・・・産経抄 八葉蓮華

 除夜の鐘はなぜ108突くのか。近所の住職に聞いたところ、諸説あるものの実ははっきりとした定説はないという。はっきりしているのは、日ごろ眠っている日本人の信心深さを鐘の音が呼び覚ましてくれることだ。

 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり」との平家物語の一節は、大不況に突入した今だからこそ心に染みる。株価が1年間に4割以上も暴落し、我が世の春を謳歌(おうか)していたトヨタまでもが赤字に転落。名古屋の街に失業者があふれるとは、誰が予想できただろう。

 政治家は政争と選挙の準備に明け暮れた。世間を震撼させた毒餃子(ギヨーザ)事件も解決せぬまま年を越す。しかし、悪いことばかりではない。消費者が食品の安全性に目覚め、国産の良さを見直した1年でもあった。

 食品だけではない。神前に欠かせない榊(さかき)も国産で、という運動が、熊野本宮大社おひざ元の和歌山県田辺市で始まった。これには恥ずかしながら小欄も関(かか)わりがある。

 昨年、安倍首相が靖国神社に榊を奉納したニュースにひっかけ、榊のほとんどは中国産だ、と書いた。すっかり忘れていたところ、読者の宮本隆二郎さんから「日本の神様には国産品を」と有志を募ってNPO「熊野ワールド」を発足させた、との便りをいただいた。通信販売のほか、1月下旬からは「熊野の榊」のブランドで、大手スーパー・イオン(大阪、奈良など一部店舗)での販売も決まったという。

 宮本さんは「熊野に眠る数々の素材を世に送り出し、若い後継者も育てたい」と意気込む。不況と高齢化で、地方は疲弊しきっているが、宝の山は足元に眠っている。それを掘り出す知恵は農水省ではなく、民間にある。新しい年には、国産の玉串を捧(ささ)げて初詣でと参りましょうか。

産経抄 産経新聞 12/31

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「文明の衝突」どれほどの血が流されなければならないのか・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-30 | 産経抄(コラム)
「文明の衝突」どれほどの血が流されなければならないのか・・・産経抄 八葉蓮華

 2010年、南シナ海の支配権をめぐって、中国がベトナムに侵攻し、ベトナムを支援する米国と開戦する。当初中立を宣言していた日本は、中国側につく。米国・欧州・ロシア・インド対中国・日本・イスラム諸国の世界大戦となり、欧露軍がシベリアから万里の長城を越えて、北京を総攻撃する。

 世界中で物議を醸した『文明の衝突』(集英社)で紹介されているシナリオだ。著者の米国の政治学者、サミュエル・ハンチントンさん(81)の訃報(ふほう)が、このほど伝えられた。“大戦勃発(ぼっぱつ)”を再来年にひかえて、シナリオを書き直す気はないのか、ぜひ聞いてみたかった。

 もっとも、冷戦終結後は、イデオロギーの対立に代わって、宗教や文化による対立が、世界の秩序を揺るがすようになるという持論には、ますます自信を深めていたはずだ。半世紀を超えるパレスチナ紛争は、「文明の衝突」の最たる例といっていい。

 今回のイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの大規模空爆の背景には、来年2月に行われる総選挙があるという。ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスによるロケット弾攻撃に、連立与党がこのまま手をこまねいていれば、強硬派の野党に政権を奪われる可能性が強まるからだ。

 一方、パレスチナ内部でも反イスラエル感情の高まりは、穏健派の弱体化を招くことになる。ハンチントンさんによれば、「文明の衝突」の過程で、穏健派が過激派に勢力を奪われるのは必然だ。ただその状態も長くは続かない。

 「両側で穏健派がまた勢力を盛り返し、暴力の『無意味さ』を指摘して、交渉による解決を目指すことになるだろう」という。そこへ行き着くまでに、どれほどの血が流されなければならないのか。

産経抄 産経新聞 12/30

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「時効制度の限界」被害者家族の苦しみ・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-29 | 産経抄(コラム)
「時効制度の限界」被害者家族の苦しみ・・・産経抄 八葉蓮華

 人気ドラマシリーズ『相棒』のなかでも、平成17年1月に放映された「ありふれた●人」は、最高作のひとつとされている。20年前に人を殺したと、男が警察に自首してきたことから、話は始まる。

 時効の成立を男は知っていた。「男の名前を教えてほしい」。17歳だった一人娘の命を奪われた老夫婦の懇願に、水谷豊さん演じる杉下警部はなすすべもない。今年は、時効について考えさせられる出来事が相次いだ。

 2月に米自治領サイパン島で、元会社社長が逮捕された。容疑は27年前にロサンゼルスで起きた、当時の妻が銃撃された事件での●人だった。日本で無罪が確定している事件が、米国で捜査の対象になっていたこともさることながら、殺人事件には時効が適用されないことが、多くの日本人を驚かせた。

 昭和53(1978)年に起きた東京都足立区の女性教諭●人事件で、時効成立後に自首した男に対して、遺族が起こした損害賠償訴訟の行方も注目されている。被害者の弟は、母親に真実を伝えることができず、母親は昨年、娘の生存を信じながら世を去った。男はそんな遺族への謝罪を拒み続けているという。

 8年前の12月30日、東京都世田谷区の一家4人が惨●された事件では、遺族が時効撤廃を訴えている。時効の存在理由のひとつとして、長い年月がたつと、犯罪の立証が難しくなることが挙げられている。しかし、犯人の指紋とDNAが残されている世田谷の事件の場合は、これにあてはまらない。

 何より一般人の感覚では、被害者家族の苦しみより、犯人の権利を重くみるかのような制度が受け入れられるはずがない。ドラマのなかで、杉下警部もつぶやいていた。「(時効制度は)限界に来たのかもしれない」

産経抄 産経新聞 12/29

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「お互いさま」金は天下の回りもの・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-28 | 産経抄(コラム)
「お互いさま」金は天下の回りもの・・・産経抄 八葉蓮華

 森まゆみさんの『一葉の四季』は作家、樋口一葉の日記や手紙などから、その日常生活を蘇(よみがえ)らせている。例えば、明治25年の暮れには金に窮している。餅をつかせ、醤油(しょうゆ)や酒を注文したものの、支払いのメドなどない。年を越せるかどうかの瀬戸際だった。

 ところが27日になって「稿料を支払う」との郵便が舞い込み、翌日、躍るように11円40銭を受け取る。当時としても大して多い稿料ではなかったというが、餅代も醤油代もセーフだった。しかし年越しの金を得た一葉が行ったのは支払いだけではない。

 母がかつて乳母として仕えた旗本の家の姫で、今は零落した女性に金を届ける。恩義があるとはいえ、一葉も前年には師の半井桃水から金の援助を受けた身だ。困っているときはお互いさま。森さんは「金は天下の回りもの。明治の庶民は案外のんきだった」と書いている。

 明治ならぬ平成の年の瀬は、そうのんきにも構えられない。非正規社員8万5000人が職を失い、正規社員だってボーナスが出たのは良い方という不況の波だ。暖かい家で正月を迎えられるのか悩む人、人さまを援助するなんて無理、という人も多いだろう。

 だが「お互いさま」の精神は必ずしも廃れてはいないようだ。大分では、自治体が解雇された企業への派遣労働者を臨時職員として雇い始めた。民間でも、先日小欄で紹介した進学塾をはじめ居酒屋チェーン、タクシー会社などが相次いで正社員雇用に手を挙げている。

 むろんその人数はまだ少ない。しかしそんな動きが全国に広まれば案外、雇用問題に光が差してくるかもしれない。大企業のリストラや政府の無策に怒りの矛先を向けるのもいいが、その前に周りの誰かを助けられないか考えてみたい。

産経抄 産経新聞 12/28

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「勝てば官軍負ければ賊軍」勝者の歴史観を唯々諾々と受け入れ・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-27 | 産経抄(コラム)
「勝てば官軍負ければ賊軍」勝者の歴史観を唯々諾々と受け入れ・・・産経抄 八葉蓮華

 京都市内を南北に流れる鴨川の東、京都大学のすぐ近くに吉田山という丘がある。京大生たちの遊歩の場ともなっている。その南側のすそ野あたりが黒谷と呼ばれる。そこに浄土宗の大本山、金戒(こんかい)光明寺という寺院が、そびえるようにして建つ。

 その裏手に広い墓所があり、一角にかなり古い300ほどの墓が整然と並んでいる。幕末、京都守護職として金戒光明寺に本陣を構えた松平容保に従い、鳥羽伏見などで薩摩や長州などの軍と戦って斃(たお)れた会津藩士たちがいた。その藩士たちを埋葬した墓なのである。

 何年か前に訪ねたとき、墓所は手入れが行き届いていた。毎年、福島の会津若松の高校生たちが修学旅行の途中で詣でるのだと聞いた。戦の常とはいえ異郷で戦死し、故郷に帰ることなく、眠っている武士(もののふ)たちのことを思うと、胸を突かれるような気がした。

 82歳で亡くなった早乙女貢さんの『会津士魂』は、その会津藩士たちの苦闘の物語である。続編では戦いに敗れた後、薩長を中心とした明治政府から徹底して弾圧された会津の人々の悲劇を描いている。昭和45年以来30年あまりの歳月をかけて書かれた大長編だった。

 曾祖父が会津藩士だった早乙女さんのライフワークとなった。最も訴えたかった会津の人の「心」は恐らく「あとがき」の次の部分だろう。「かれらの怨みは、ひとしく、倒幕派によって、朝敵・賊軍の烙印(らくいん)を捺(お)されたことにある。戦さに敗れた恨みではない」。

 勝者によりその歴史観・価値観を押しつけられることは、敗戦そのものよりつらいのだという。会津藩だけではない。あの戦争後の日本も、勝者の歴史観を唯々諾々と受け入れ、いまだその呪縛(じゅばく)から抜けきれない人が多い。何とも異常である。

産経抄 産経新聞 12/27

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『貧者の一灯』不景気といわれてもピンときません・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-26 | 産経抄(コラム)
『貧者の一灯』不景気といわれてもピンときません・・・産経抄 八葉蓮華

 「『貧者の一灯』にすぎないかもしれないが…」。坂をころがり落ちるような景気の悪化に伴い職を失った人たちの、受け入れを表明した進学塾経営の会社社長の発言だ。「貧者の一灯」とは、苦しい生活のなかからやりくりして、神仏に納めた1本の灯明のこと。

 真心がこもっていれば、金持ちが供える万灯より、尊いとされる。きのうの夕刊フジは、師走の街の風物詩でもある「救世軍社会鍋」に、予想を大幅に上回る募金が集まっていることを伝えていた。北風が吹きすさぶ闇夜のような社会を、小さな灯があちこちで照らし始めている。

 熊本県益城町のNPO法人「ボランティア仲間九州ラーメン党」の濱田龍郎理事長(64)は、3年前に出した半生記の題名を『貧者の一灯』(熊本日日新聞)とした。種子島出身の濱田さんは、脱サラして経営していたスーパーマーケットが倒産、多額の借金を抱えて、家族5人で、ワンボックスカーで放浪生活を送った経験をもつ。

 ひょんなことから任された、ラーメン屋の出前先のひとつが障害者施設だったことが、濱田さんの運命を決めた。禁酒禁煙、新しい洋服も買わないと決める。夕方からは繁華街で、注文に応じて詩を作るアルバイトに励んだ。

 障害者やお年寄りに無料で、ラーメンを振る舞うボランティア活動のためだ。現在は、障害者が自立して生活する「障害者の家」の建設費用を捻出(ねんしゅつ)するために、バザーでラーメンを販売したり、チャリティーコンサートを開いたり、多忙な毎日を送っている。

 「ずっと貧乏だったから、不景気といわれてもピンときません。逆に『貧者の一灯』が見直される、いい機会じゃないですか」。受話器から濱田さんの、元気な声が聞こえてきた。

産経抄 産経新聞 12/26

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海外旅行 マナーを守って・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-25 | 産経抄(コラム)
海外旅行 マナーを守って・・・産経抄 八葉蓮華
 今から約30年前のこと。当時、外国人観光客としてはもっとも多かった、台湾人のツアーを取材したことがある。食事や宿泊費をぎりぎりまで節約して、帰国前日の買い物を何より楽しみにしている人がほとんどだった。 ▼土産品のなかで、人気ベスト3は、薬品、電子炊飯ジャー、そして意外なことに乾燥シイタケだった。もちろんシイタケは、台湾でも栽培されているものの、カサの分厚い日本産が珍重されると聞いて、納得した記憶がある。 ▼あのころに比べて、日本を訪れる外国人観光客の数は飛躍的に増えた。買い物だけでなく、日本ならではの体験をしたいという要望も目立つ。全国の観光案内所に寄せられる、外国人客からの思いもかけない質問を、きのうの社会面が伝えていた。 ▼ほかにこんな例もある。「忍者屋敷に行きたい」「刀鍛冶(かじ)が見たい」「安藤忠雄氏の設計した建築が見たい」「現代舞踏を習いたい」…。昔ながらの「サムライ」のイメージとともに、日本の現代文化への関心が高まっていることがうかがえる。 ▼前回訪日したとき、ホテルが満室で困っていたところ、出入り業者が民宿を一軒一軒探してくれた。感激したので今度は母親を連れてきた、と泣かせる話をしてくれる、20代のオランダ人男性もいたそうだ。世界的な景気の後退と急激な円高のために、一時的に日本への旅行熱が冷めることは仕方がない。 ▼それを押して来てくれる外国人観光客には、日本のマナーを守ってもらった上で、精いっぱいのもてなしをしたいものだ。ところで欧米の観光客にとっては、クリスマスの今日も、あちこちで開かれるはずの忘年会は珍しい行事に違いない。参加したい、なんて声は寄せられていないのだろうか。

産経抄 産経新聞 12/25

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3カ月前の総裁選で麻生氏を圧勝させたのは・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-24 | 産経抄(コラム)
3カ月前の総裁選で麻生氏を圧勝させたのは・・・産経抄 八葉蓮華
 天才だの奇才だのといった手垢(あか)のついた褒め言葉は、使用を極力自粛しているのだが、漫画家のいしいひさいちさんに関しては許されるだろう。夕刊フジに連載中の「スコン!」には、毎回苦い笑いのタネが仕掛けられているが、23日付の麻生太郎首相と秘書官とのやりとりは特に絶品だ。 ▼「支持率を気にせず政策に取り組む。いちいち報告するな」と首相は秘書官に宣言する。しかし、2コマ目では、「そう言われて報告しないのはまた落ちたのか」と心配するという小話だが、官邸内の会話を盗み聞きしていたかのようだ。 ▼きょうで麻生政権は発足3カ月を迎えたが、支持率の下落は過去に例をみないほど急ピッチで進んでいる。小社とFNNの合同世論調査で30%を切ったことが明らかになったのが今月1日。最新の時事通信の調査では10%台に落ちてしまった。 ▼もし麻生首相が中国の首相だったら支持率低下に悩まされることはなかった。そもそも中国では、胡錦濤国家主席や温家宝首相の支持率を調査し、報道するのは「ご法度」になっているからだ。 ▼中国の関係者から以前聞いた話だが、江沢民主席時代に試験的に政権の支持率調査が実施されたが、結果は公表されず、ごく一部の共産党幹部だけに知らされたという。なぜかは言わぬが花だろう。ロシアではプーチン批判の集会を開いただけで内務省の治安部隊が飛んでくる。 ▼政権の支持率が毎週わかり、「漢字が読めない首相では景気も良くならない」とおだを上げても警官に捕まらないニッポンはいい国だ。だからといって、自民党議員まで首相の足を引っ張っていいはずはない。3カ月前の総裁選で麻生氏を圧勝させたのはどこの誰か。製造物責任は最後までとってほしい。

産経抄 産経新聞 12/24

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長寿を祝う75歳の誕生日・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-23 | 産経抄(コラム)
長寿を祝う75歳の誕生日・・・産経抄 八葉蓮華
 天皇陛下が、きょう75歳の誕生日を迎えられた。長寿を祝う言葉としては、まず数え年で61歳の還暦に始まり、70歳の古希、75歳を飛び越えて、喜寿(77歳)、傘寿(さんじゅ)(80歳)と続いていく。最近は、75歳以上を「後期高齢者」とひとくくりにする、無粋が幅をきかすようになった。 ▼月刊誌『WiLL』2月号では、97歳の日野原重明さんが、86歳の小野田寛郎(ひろお)さんとの対談で、「七十五歳以下は『ジュニア』だよ」と快気炎を上げている。日野原さんが主宰する「新老人の会」では、75歳になってようやく「老人(シニア)」と呼ばれるようになる。 ▼といっても、リタイアを勧めているのではない。ボランティアや新たな仕事に挑戦することで、元気な老人のモデルを下の世代に示してほしいとの思いが、込められている。今年の「敬老の日」に、総務省が発表した統計調査によると、75歳以上の人口は、1321万人に達し、総人口の10・3%を占めるようになった。▼今年5月26日には、75歳の三浦雄一郎さんが、持病の不整脈を克服してエベレスト登頂を成し遂げ、大きな話題を呼んだ。ほかの分野でも、現役で活躍している“老人(シニア)”も少なくないはずだ。それでも、陛下の「激務」は突出しているのではないか。 ▼社会面の短信欄を見ているだけで、天皇、皇后両陛下が、公的行事に頻繁にお出ましになっていることがわかる。宮内庁によれば、陛下が国事行為として書類に捺印(なついん)された件数は、1年間で1000を超える。 ▼陛下が執り行われる宮中祭祀(さいし)も数多い。数年前から、公務軽減の必要性が叫ばれていながら、お仕事の量は、今年はむしろ増えたとの指摘もある。陛下のご健康こそ、国民の何よりの願いであることを、あらためて訴えたい。

産経抄 産経新聞 12/23

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言葉でコミュニケーションする楽しさと広がり・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-22 | 産経抄(コラム)
言葉でコミュニケーションする楽しさと広がり・・・産経抄 八葉蓮華
 「工員が歌人に戻る入口か職場出でたる空に夕月」(大阪・忠岡町 田中成幸)。きのうの産経歌壇にあった一首。大勢の「歌人」たちが、新聞で自分の作品を探したことだろう。コピーライターの吉竹純さんもそんな歌人の一人だ。 ▼3年前、小紙主催の「与謝野晶子短歌文学賞」で、文部科学大臣奨励賞を受賞した作品を、コラムで取り上げたことがある。短歌をつくり始めたのは、電通を早期退職してまもなくの平成13年から。現在は新聞6紙の歌壇に投稿している。 ▼その投稿入選歌を集めた歌集『過去未来』(河出書房新社)が、送られてきた。あとがきでは、現代かなづかいでしか載らなかった朝日歌壇が、今年突然、旧かなを認めるようになった背景を探ったり、清音だけ、あるいは濁音だけの歌づくりに挑戦したりしている。 ▼仕事柄、言葉に対する嗅覚(きゅうかく)が鋭いのだろう。「言葉でコミュニケーションする楽しさと広がりを知れば、世の中を騒がす凶悪事件のいくつかは、防げるのではないか」との指摘は、まさにその通りだと思う。 ▼「万葉集」の時代から、歌は日本人にとってなくてはならない存在だった。外国の新聞には、歌壇や俳壇のように、読者から詩歌を募集して、掲載する欄はほとんどないらしい。危機に瀕(ひん)する日本語を支える、最後の砦(とりで)のひとつかもしれない。 ▼きのうの産経歌壇に、吉竹さんの入選歌はなかった。歌集のなかから、今の時節にあう一首を引いておこう。「次の角曲がれば去年のクリスマスあるやうな気がするクリスマス」。歌集に添えられていた短い手紙には、「貴紙を買うのは日曜日だけ」と申し訳なさそうに書いてあった。残念ながら、このコラムが吉竹さんの目に触れることはなさそうだ。

産経抄 産経新聞 12/22

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「冬至」冬が去って春がくる・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-21 | 産経抄(コラム)
「冬至」冬が去って春がくる・・・産経抄 八葉蓮華
 キリストの誕生日、つまりクリスマスが12月25日と決まったのは、西暦350年ごろとされている。それまではさまざまな説があったらしい。この日になったのは、かつてローマ帝国で信仰されていたミトラ教の冬至祭の影響を受けているといわれる。 ▼冬至のころ不滅の太陽神・ミトラの誕生日を祝うことで、弱まってきた太陽のよみがえりを願う。民衆も冬至の前の約1週間、無礼講で酒を飲むなどして楽しむことができた。そんな古代宗教の祭りを取り入れた結果、25日がクリスマスに一本化されたという。 ▼言うまでもなく冬至は昼の時間が最も短い。太陽の力も弱々しく感じられる。だから世界中の農耕社会で、その復活を願う冬至祭が広く行われてきたのだ。日本の火祭りの多くも冬至祭として始まったとされる。「一陽来復」という言葉にもそんな願いがこめられている。 ▼「陰」がきわまって「陽」が戻ってくる。あるいは、冬が去って春がくるといった意味だが、冬至の別称としても使われる。さらに転じて、悪いことばかりが続いていたが、ようやく回復して良い方向に向かってきた、というのも「一陽来復」である。 ▼してみると、今年の冬至ほど「一陽来復」が胸にしみる時はない。米国の金融危機以来、世界の経済はあっという間に真冬の寒さを味わっている。米の金融業界や自動車業界に公的資金が注入されていくが、果たして太陽のようによみがえるのか、まだまだ心もとない。 ▼むろん日本の経済も心配だが、これまでも石油ショックやバブル崩壊など何度か危機を味わった。それでも「底力」で乗り切ってきた。今度も「一陽来復」を信じて耐えていくしかないのだろう。今日がその冬至、4日後がクリスマスである。

産経抄 産経新聞 12/21

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「ありのまま」に発表すること自体、奇妙な話・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-20 | 産経抄(コラム)
「ありのまま」に発表すること自体、奇妙な話・・・産経抄 八葉蓮華
 来年は韓国統監だった伊藤博文が安重根に暗殺されてちょうど100年に当たる。何かの本でそのことに気づいた直後に、ドキッとした。北朝鮮の金正日総書記を狙ったテロ計画が発覚、実行しようとした人物が逮捕されたというニュースである。 ▼北朝鮮の国家安全保衛部スポークスマンの発表だという。「李」なる人物が北朝鮮から不法に出国、「黄」という韓国情報機関員から訓練を受けた。その後再び北に戻り、金総書記の現地指導の道程や時期など探っていた。つまりつけねらっていたということのようだ。 ▼「李」には劇薬や毒薬、追跡装置まで渡されていたといい実にリアルである。だがリアルであればあるほど、眉(まゆ)にいっぱいツバをつけたくなる。未遂とはいえ、国家存亡にかかわるような大事件をこと細かに、しかも一介のスポークスマンが発表するとは思えないからだ。 ▼4年前の4月、新義州近くの駅で貨物列車同士が衝突、大爆発が起きる事故があった。その何時間か前に金総書記が乗った列車が駅を通過しただけに、爆殺未遂事件との見方もあった。しかし北朝鮮は事故そのものは認めたものの「不注意の事故」で押し通した。 ▼そんな国だけにテロ未遂事件を「ありのまま」に発表すること自体、奇妙な話なのだ。それよりも、北と距離を置く韓国の李明博政権にケンカを売るための発表と見た方がよさそうだ。最近、韓国をくり返し批判している「挑発作戦」の一環のようだ。 ▼北朝鮮ウオッチャーによれば、あの手この手で韓国との間にわざと緊張関係をつくり出す。そのことで韓国内の対北融和派の声が大きくなり、現政権を窮地に追い込む、というのが狙いだという。それにしても、何ともお忙しい国のようである。

産経抄 産経新聞 12/20

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歴史を超えた世界のベストセラー『論語』・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-19 | 産経抄(コラム)
歴史を超えた世界のベストセラー『論語』・・・産経抄 八葉蓮華
 毎朝8時20分になると、加地伸行(かじ・のぶゆき)立命館大学教授(72)は、大阪市内の自宅で鈴を鳴らす。テレビ電話の画面では、広島に住む幼稚園児のお孫さんが、「おはようございます」とあいさつしている。 ▼「じいじいのろんごのおべんきょう」の始まりだ。加地さんは、『論語』のなかの短い句にルビを振って作ったプリントを、あらかじめ広島に送っている。お孫さんは、「管仲之器小哉」なら、「管仲(かんちゅう)の器(うつわ)は小(しょう)なるかな」と読み上げる。 ▼加地さんは、あえて意味を教えない。だからはじめお孫さんは、疑問文のように「かな」の語尾を上げていた。ところが、そのうち自然に「かな」を強めの語と理解するそうだ。加地さんは、絶海の孤島に一冊だけ本を持っていくなら、必ず論語を選ぶという。 ▼『論語 全訳注』のほか、中学生になったお孫さんを想定した『論語-ビギナーズ・クラシックス中国の古典』や、中高年向きに大きな文字で書かれた『すらすら読める論語』など、初心者のための本の執筆にも力を注いできた。『新約聖書』とともに、歴史を超えた世界のベストセラーといえる論語の知恵を、多くの人の生活に役立ててほしいと、願っているからだ。 ▼たとえば、「コンプライアンス」なる外来語を、「法令順守」と訳したせいで、法律を守ればなにをやってもいい、といった風潮が広がった。加地さんによれば、孔子はすでに2500年前に、こうした考えの誤りを指摘して、道徳教育の重要性を訴えていた。 ▼中国哲学史の泰斗(たいと)に個人教授を受けているお孫さんがうらやましいが、せめて加地さんの揮(ふる)う「孤剣」の冴(さ)えを、「正論」やコラムで、これからも味わっていきたい。加地先生、「正論大賞」おめでとうございます。

産経抄 産経新聞 12/19

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「日本人の道徳」電車エピソードだけでも・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-18 | 産経抄(コラム)
「日本人の道徳」電車エピソードだけでも・・・産経抄 八葉蓮華
 鉄道関係者にとって、受難の季節がやってきた。忘年会帰りの酔っぱらいが引き起こす、トラブルに追われるからだ。とりわけ、理由もなく駅員のほおをなぐり、傘を振り回して傷を負わせる、酔客への対応は深刻な問題だ。 ▼大手民鉄16社が加盟する日本民営鉄道協会によると、今年度上期(4~9月)に発生した、駅員や乗務員に対する暴力行為の件数は、111件にのぼる。平成12年に調査を始めてから、最悪の数だという。 ▼景気の悪化にともなって、酒で憂さを晴らそうとする、困った人の数はさらに増えているはずだ。暴力をふるった人の年齢はばらばらだが、7割以上が酒に酔っており、週末の夜10時以降に多発していた。 ▼「酒マナー 飲まれて乗るな 電車・バス」。京王電鉄が、車内マナーへの関心を高めるために、公募している「マナー川柳」の優秀作品のひとつ。小欄も、酒席に出る前に呪文(じゅもん)のように、自らに言い聞かせる。「飲まれて乗るな」。この人たちには、「吸うなら乗るな」と強く言っておきたい。 ▼15日夕、東京都港区の地下鉄白金高輪駅で、約1300人が避難することになった、白煙騒ぎを引き起こした運転士たちのことだ。煙は、駅のホームから約150メートルの場所に捨ててあった大量の吸いがらから、上がっていた。一部の運転士が、電車の待機場所を、勝手に“喫煙場所”にしていたらしい。 ▼お年寄りに席を譲らない若者、人目をはばからぬ男女の抱擁、飲食、化粧、ヘッドホンの音漏れ…。電車内のマナーの悪さは、今年6月に扶桑社から出版された小紙の連載記事『溶けゆく日本人』でも、取り上げていた。日本人の道徳の溶解を示すエピソードは、電車からだけでも、まだまだ見つかりそうだ。

産経抄 産経新聞 12/18

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文科省が音頭をとったゆとり教育 ぬるま湯につかったまま・・・産経抄 八葉蓮華

2008-12-17 | 産経抄(コラム)
文科省が音頭をとったゆとり教育 ぬるま湯につかったまま・・・産経抄 八葉蓮華
他人をバカにすれば、いつかわが身に返ってくる。「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」だよ、とよく親や先生から説教されたが、中年を過ぎても謙虚さが身につかない。僭越(せんえつ)ながら大阪府の橋下徹知事も小欄と同類かもしれない。 ▼文部科学省は全国学力テストの市町村や学校別の成績を公表しない方針の堅持を決めた。既に市町村別の正答率公表に踏み切った橋下知事は「文科省は本当にバカ。選挙で選ばれた文科相以外は、全員入れ替わった方がいい」などと「バカ」を連発したそうな。 ▼そう興奮しなくても、とお諫(いさ)めしたいところだが、「文科省はバカ」でない証明ができない。今のままでは、国民の税金を使って全国の先生を動員し、生徒に結果のわからないテストを受けさせるだけ。カネと時間の浪費にすぎないのはテストを受けなくてもわかる。 ▼詳しいデータを公表しないのなら、何のための学力テストか。文科省の秘密主義にお墨付きを与えた専門家検討会議では、「下位の学校にレッテルが張られる」との見方が大勢だったという。そんな意見なら素人だっていえる。 ▼確かに学校別データが公表されれば、「A小学校は平均80点とれたけど、隣のB小学校は50点だった」と親は騒ぐだろう。「過度な競争」につながる可能性大だが、ぬるま湯につかったままよりよほどまし。点数が低ければ学校が一丸となって「なにくそ!」と奮起すればいいだけだ。 ▼今月公表された「国際数学・理科教育動向調査」で日本は、シンガポールや台湾の後塵(こうじん)を拝している。ろくに資源のない日本では、人材こそ宝。学力の低下は国力の低下に直結する。文科省のバカ役人が音頭をとったゆとり教育の害毒を大急ぎで取り除かねばならない。

産経抄 産経新聞 12/17

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