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「血塗られた金剛山・・・」  産経抄 八葉蓮華

2008-07-13 | 産経抄(コラム)
大阪府と奈良県にまたがる金剛山は南北朝時代の武将、楠木正成とゆかりが深い。後醍醐天皇に呼応してこの山麓(さんろく)で挙兵、千早城などにこもり鎌倉幕府の軍をさんざん苦しめた。日本人の間でいまだに根強い「楠公神話」の聖地といってもいい。 ▼こちら北朝鮮南東部の金剛山(クムガンサン)は朝鮮仏教の聖地である。山から海岸につながる景勝地としても知られ、北朝鮮最大の観光地だ。10年ほど前からは南北共同で観光事業が始まり、韓国から大勢の人が訪れている。朝鮮半島の融和を願う人たちの聖地のようにもなっていた。 ▼その南北融和の象徴といえる地が血塗られてしまった。観光にきていた韓国の53歳の女性が早朝、柵を越え観光区域の外の海水浴場付近に出たところで、北朝鮮の兵士に撃たれて死亡した。兵士は女性に停止を求めたが、逃げたので撃ったと言っているらしい。 ▼なぜ女性が柵を越えて危険な所へ行ったのかなど、事件には謎も多い。だが一度停止を求めただけで、いとも簡単に射殺した。しかも場所が海岸とあれば日本人なら誰もが、有無を言わせず拉致を実行した北朝鮮の工作員を思い浮かべたはずだ。ぞっとする非情さである。 ▼むろん韓国の人たちはそれ以上に衝撃を受けたに違いない。ちょうど李明博大統領が国会で、これまでの対北強硬路線を軟化させ「対話再開」を呼びかける演説を行った、その直前に事件は起きた。韓国内の融和ムードそのものが水をさされた思いだろう。 ▼困ったことに、こんな北朝鮮の非道ぶりが明らかになっても、ほとぼりが冷めるとすぐ太陽政策や融和論が頭をもたげてしまう。この国をめぐる歴史はそのくり返しだった。6カ国協議の代表たちにも、そのことを胸にきざんでほしい気がする。

産経抄 産経新聞 7/13

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