衣裏珠の八葉蓮華 ≪創価学会 仏壇≫

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移設反対派が勝利「解決への道」地元も納得した最善の選択・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-31 | 産経抄(コラム)

 登山の途中で道に迷うと、同じ所をぐるぐる回るといわれてきたが、本当なのか。半年ほど前、ドイツの研究グループが実験で確認したと、ニュースで知った。実験は、目隠しした状態の15人の被験者に、約50分間歩いてもらって、コースを記録するというものだ。  

 15人のうち一定の方向に歩くことができたのは、わずか3人だった。残りの12人は何回もぐるぐる回っていたという。普通の人が、目隠しの状態でまっすぐ歩ける距離は、せいぜい20メートル程度だということもわかった。  

 米軍普天間飛行場の移設問題をめぐっての、鳩山由紀夫首相の迷走ぶりは、あたかも目隠しのまま道を歩くがごときである。本人の資質の問題なのか、それとも政権交代を成し遂げた自信から転じたおごりが、現実を直視すべき目に曇りを生じさせているのか。  

 いずれにせよ、事業仕分けのような「20メートル程度の距離」の政策ならば、目隠しのままでも成果は挙げられる。日本の安全保障にかかわる、重要課題ではそうはいかない。名護市辺野古への移設は、日米両政府が何年もかけて協議し、地元も納得した最善の選択だった。それを白紙に戻して県外移設を模索しても、解決への道からはずれて同じ所をぐるぐる回るばかりだ。  

 名護市長選で、移設反対派が勝利するに至って、米メディアは「日米関係に大きな衝撃」と報じた。「ゼロベースで国が責任を持って5月末までに結論を出す」などと、首相がのんびりしたことを言っている場合ではない。  

 今すぐ目隠しを外し、沖縄の人々に、これまでの無責任な発言を真摯(しんし)に謝った上で、現行案受け入れの説得を始めてほしい。これは実験ではない。首相の迷走が続けば、日本全体が遭難してしまう。

産経抄 産経新聞 1/26

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「天下御免」自己責任を伴った自由の概念・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-30 | 産経抄(コラム)

 英語のリバティー、フリーダムの訳語として、「自由」という言葉を広めたのが、福沢諭吉だったことはよく知られている。ただ、最後まで「天下御免」も候補に残っていたとは、数日前の西川りゅうじんさんのコラムで教わった。  

 確かに『西洋事情二編』に、「自由」の訳語は「原語の意義を尽くすに足らず」、また「御免の字に当たる」ともある。実は自由は古くからある言葉で、中世には、道理を無視した身勝手の意味で使われていた。福沢の迷いは、そのせいかもしれない。  

 福沢が開いた慶応大学出身だからというわけでもなかろうが、小沢一郎民主党幹事長は、「自由」という言葉がお好きなようだ。以前に作って壊した政党の名前に、付けていた。最初の著作の『日本改造計画』でも、自己責任を伴った自由の概念を打ち出している。  

 しかし、東京地検特捜部の事情聴取を受けたあと、小沢氏が行った会見に、果たして道理はあったのだろうか。捜査の焦点となっている4億円の原資の説明は、以前のものとは食い違い、実務は秘書任せと、責任逃れに終始した。もっともより深刻なのは、小沢氏以外の民主党議員にとっての、「自由」の問題かもしれない。  

 テレビ局の検察報道にかみついた原口一博総務相は、「報道の自由を守るため」とのたもうた。余計なお世話だ。小沢氏の責任を問う声がほとんどあがらない、言論の自由がないかのごとくの、党の現状を心配した方がいい。  

 ところで英語の「フリー」は、「~から免れる」という意味でも使われる。たとえば「チャイナ・フリー」なら、安全面で不安のある中国産品は含まれていません、といっている。民主党もそろそろ、「オザワ・フリー」をめざしたらいかが。

産経抄 産経新聞 1/25

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「朝三暮四」まるで出たとこ勝負のような発言ばかり・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-29 | 産経抄(コラム)

 テレビ中継を見ていて、鳩山由紀夫首相に一瞬、自信が戻ったように感じた。一昨日の衆院予算委で自民党の茂木敏充氏から「朝三暮四」の意味を問われたときだ。「よく知っています。朝決めたことと夜決めたこととがすぐ変わるという意味で」。  

 むろんこれは間違いで「朝令暮改」の意味である。「朝三暮四」は猿に木の実を与えるときの話だ。朝3つ、晩4つずつやろうとすると、猿たちが「少ない」と怒る。「じゃあ朝4つ、晩3つでどうだ」と言うと納得した。つまり言葉で人をごまかすことである。  

 鳩山政権は麻生政権時代に成立した平成21年度補正予算の執行を停止したうえ、第2次補正に凍結した事業を取り込んだ。茂木氏としては「それは朝三暮四じゃないか」と追及しようとしたらしい。ところが首相が間違ったため、ズッコケてしまった格好だ。  

 「朝三暮四」と「朝令暮改」は語呂が似ているため、時々取り違えられる。だが今回の首相の間違いはもう少し意味深長なようだ。就任以来言われている発言のブレをまた、批判されるのかと思った。だからとっさに「朝令暮改」の方が頭に浮かんだ気がするのだ。  

 それほど「ブレ」癖は直っていない。特に小沢一郎氏の資金管理団体の事件をめぐってはひどい。逮捕された石川知裕議員が「起訴されないことを望む」と述べ、一夜にして撤回する。小沢氏を「同志」と持ち上げておきながらも「一蓮托生(いちれんたくしょう)という話ではない」と逃げをうつ。  

 まるで出たとこ勝負のような発言ばかりである。論語には、似たような語呂で「朝聞夕シ(ちょうぶんせきし)」という言葉もあるそうだ。朝、道の教えを受ければ晩にシんでもいい。一国の首相に失礼だが、そのくらいの気持ちで政治の道を学んでほしい。

産経抄 産経新聞 1/24

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「風の方向」身の潔白への自信や強がりもあったかもしれない・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-28 | 産経抄(コラム)

 芦田均は外交官出身で戦後、再軍備の必要を訴え続けた硬骨の政治家である。昭和23年に日本民主党など3党の連立政権をつくり、首相となる。だがいわゆる「昭電疑獄」により内閣は半年余りで崩壊、芦田自身も事件に関与した疑いで逮捕される。  

 昭電疑獄は当時日本を実質支配するGHQの内部抗争がからむなど、きわめて政治的な事件だったといわれる。このため芦田をはじめ大多数の被告は後に無罪となった。逮捕は芦田にとってきわめて心外だっただろう。だが興味深いのはその時の芦田の対応である。  

 国会で逮捕許諾請求が僅差(きんさ)で承認されたのは23年の12月6日だった。だが芦田の日記を読むと、とっくにその覚悟を決めている。4日には留置されている間にどの本を読むか考え、留置所は寒いからと夫人が準備した厚手の下着を試着、家族みんなで笑い合っている。  

 その前日には一部の新聞が「芦田逮捕は行き過ぎ」と書いたことを紹介、「然(しか)し風の方向は推測するに足る」と記す。身の潔白への自信や強がりもあったかもしれない。だがそれより、身辺に捜査の手が伸びても少しもジタバタしない潔さが感じられてならない。  

 こちら民主党の小沢一郎幹事長はようやく検察の事情聴取を受けるらしい。むろんいきなり逮捕の芦田とは事情が異なる。とはいえその潔さは全く感じられない。潔白ならさっさと聴取に応じればいいものを、20日近くも延ばしてきた。その理由をまず聞きたいものだ。  

 小沢氏の「同志」だという鳩山由紀夫首相は検察に圧力をかけるかのような発言を繰り返す。民主党も、事件よりも捜査やマスコミの報道が問題だとばかりの合唱である。かの明治生まれの政治家の爪(つめ)のあかでも煎(せん)じてじて飲んでほしい。

産経抄 産経新聞 1/23

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まぶしいほど輝いていた時代の、アメリカ文化・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-27 | 産経抄(コラム)

 「愛とは決して後悔しないことです」。米作家エリック・シーガル氏(72)の訃報(ふほう)を聞いて、『ある愛の詩』(原題『ラブ・ストーリー』角川文庫)の名せりふを思いだすのは、1970年代に青春を送った人に違いない。映画化されると、涙をふくのに「ティッシュペーパー5箱」が必要といわれた。  

 ハーバード大学の優秀な学生だったオリバーは、苦学生のジェニファーと恋に落ちる。だが大富豪のオリバーの父親は、結婚を許さない。教師になったジェニファーの援助でオリバーが無事卒業し、一流弁護士事務所に就職したとき、ジェニファーは不治の病に侵されていた…。  

 今となれば、甘ったるさが目立つ。それでも当時は、セツクスとマリフアナに明け暮れていると思い込んでいた、アメリカの大学生にも、「純愛」へのあこがれがあることに驚いたものだ。  

 シーガル氏に続いて、米作家のロバート・B・パーカー氏(77)のシ去も伝えられた。73年発表の『ゴッドウルフの行方』に始まる、私立探偵スペンサーを主人公とするシリーズだけで37冊もある。日本でもファンが多かった。  

 オリバーが、草食系の若者なら、元プロボクサーで、車とファッション、セツクス、料理と何でもござれのスペンサーは肉食系といえる。30年以上の歳月とともに、成熟していくスペンサーと、彼を取り巻く恋人スーザンや相棒ホークらとのかかわりの変化も魅力のひとつだ。  

 「スペンサーが愛飲する銘柄のビールを探すなど、ライフスタイルへのあこがれもあったのでは」とすべての翻訳権をもつ早川書房の編集者はいう。オリバーとスペンサー、タイプは正反対ながら、どちらもまぶしいほど輝いていた時代の、アメリカ文化を体現していた。

産経抄 産経新聞 1/22

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「信じる」という言葉が大層、お好きらしい・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-26 | 産経抄(コラム)

 NHKの報道番組『クローズアップ現代』は先週12日、日米両国で苦境に立つ、新聞の現状をリポートしていた。小紙の社長も出演していたから、ご記憶の読者も多いかもしれない。  

 その番組を見た読者の一人が、応援の手紙とともに1万円を、小紙あてに送ってくださった。涙が出るほどうれしいが、“臨時収入”にするわけにもいかない。「明美ちゃん基金」に寄付することで、ご本人に了解いただいた。  

 連日、コラムで「小沢疑惑」を取り上げている。きょうこそは別の話題をと思ったが、民主党の一部議員が、検察からマスコミに捜査情報が漏れている、と言いがかりをつけるのを、黙って見逃すわけにはいかない。まして「情報源を明かせ」とは、この政権の正体みたり、の感がある。  

 司法を担当する記者たちが、どれほどの時間と手間をかけて、事件の「関係者」を探しだし、取材を重ねて、1本の記事を書き上げるのか。少しでも取材の実態を知っていれば、検察のリークなどと、軽々しく口にできないはずだ。  

 小紙は、小沢一郎幹事長と違って、検察と「戦っている」つもりはない。それでも、捜査方法に疑問があれば、厳しく批判してきた。検察であれ、特定の政党であれ、なれ合いの関係になったとたんに、新聞は、冒頭に紹介したような熱心な読者の信頼を失うだろう。そのとき、新聞は本当の危機を迎える。  

 きのう指摘したように、鳩山由紀夫首相は、「信じる」という言葉が大層、お好きらしい。小沢氏をかばって検察・メディア批判を繰り広げる議員たちも、小沢氏から信頼を勝ち得たかもしれない。しかし、それは同時に、国民の信頼を失うことにつながらないのか。胸に手を当てて、よく考えた方がいい。

産経抄 産経新聞 1/21

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吉田松陰「どうぞ戦ってください」眼前の閉塞状態を打開するために・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-24 | 産経抄(コラム)

 山口県萩市に多く残る幕末維新の史跡を見て回るには、バスを利用するのが便利だ。東回り、西回りのバスには「松陰先生」「晋作くん」の愛称がついている。数多い志士のなかでも、吉田松陰と高杉晋作の人気が高いようだ。  

 松陰は今でも松下村塾の先生として尊敬の対象であり、暴れん坊の弟子だった晋作が、くんづけで親しまれているのが、おかしい。松陰没後150年の昨年、山口県教育委員会が、松陰の生き方について、公立小中学校の授業などで取り上げるよう推奨したところ、教職員組合などでつくる団体からクレームがついたそうだ。  

 「幕府要人の暗サツ計画を立てた人を道徳教育の対象にするのは間違っている」という主張には、ふき出してしまう。もちろん、松陰だって完璧(かんぺき)な人間ではないと、松陰研究家でもある教育学者の海原徹さんはいう。  

 実像は、ごく普通の若者であり、人並みに羨(うらや)んだり嫉妬(しっと)もしたらしい(『吉田松陰に学ぶ』ミネルヴァ書房)。そんな松陰のファンを公言する政治家が、多いのはなぜか。松陰がもっとも政治家らしくない人物だからだ。  

 眼前の閉塞(へいそく)状態を打開するために、自らが進んでシ地に赴く。その生き方は、今の政治家にとって、手の届かない世界のあこがれだ。海原さんは、権力の中枢にいながら、松陰を気取る政治家に違和感を覚えるという。自ら主宰する政治塾を、松下村塾になぞらえる民主党の小沢一郎幹事長にも、あてはまるかもしれない。  

 「どうぞ戦ってください」と、鳩山由紀夫首相のお墨付きまで得て、検察との対決姿勢を強める姿は、松陰の理想とかけ離れている。世論調査の結果を見ると、国民の多くも、小沢氏の「戦い」に違和感を覚え始めているようだ。

産経抄 産経新聞 1/19

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地球は生きた星「天災は忘れたころにやってくる」・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-22 | 産経抄(コラム)

 文春新書『地名の世界地図』によればハイチとは現地の言葉で「山がちな国」という意味である。カリブ海のイスパニョーラ島の西側3分の1ほどを占めるが、その名の通り平地は少ない。産業はコーヒーや砂糖の栽培に依存しているのだという。  

 そのため、中南米で最初の独立国という栄誉を担いながら、世界の最ヒン国の一つに数えられている。カリブ海にある13の国々の中で、1人当たり国民総所得ワースト1から抜け出せない。そんなマズしい国を非情にも、M7・0という大地震が襲ったのである。  

 仏語で「王子の港」という優雅な名の首都ポルトープランスでは、家という家が壊れた。シ者は5万人とも10万人とも言われる。米メディアによれば、対策の先頭に立つはずの大統領は空港などを渡り歩いているという。大統領府も自宅も崩壊してしまったからだ。  

 実はこのイスパニョーラ島には、地震を誘発する断層がいくつも走っているそうだ。ところが250年もの間、断層はひたすらエネルギーをためこむだけで動きを見せなかった。その結果、ハイチの政府にとっても国民にとっても「寝耳に水」の地震となったようだ。  

 それだけに、マズしく政情も不安定なこの国の危機管理体制の不十分さを非難することは酷にも思える。それより今は、最も近い米国をはじめ世界の国々が一致して、被災者救済や今後の復興に協力すべきだろう。むろん日本も遠いからと埒外(らちがい)に立つことは許されない。  

 ただ明日、発生から15年となる阪神大震災も危険な断層が走りながら、長い間大地震と無縁だった地を襲った。「天災は忘れたころにやってくる」という警句を世界に発することも日本の重要な仕事かもしれない。地球は生きた星なのである。

産経抄 産経新聞 1/16

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謎に包まれたまま「剛腕」の2文字が常につきまとってきた・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-20 | 産経抄(コラム)

 〈「ぼく」は主語です 「つよい」は述語です ぼくは つよい ぼくは すばらしい そうじゃないからつらい〉。民主党の小沢一郎幹事長の今の心中を察すると、この詩が浮かんでくる。『サッちゃん』で知られる阪田寛夫の『練習問題』という作品だ。  

 自身の資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる疑惑について、小沢氏はこれまで、説明を一切してこなかった。なかでも秘書に渡したとされる4億円の出どころは、謎に包まれたままだ。12日の記者会見でも、木で鼻をくくったような発言に終始した。  

 井山裕太名人と碁を打ったり、秘書と居酒屋へ繰り出す時間はあっても、多忙を理由に、東京地検特捜部の事情聴取にも応じなかった。業を煮やしたのか、特捜部はついに強制捜査に踏み切った。平然とした態度の裏で、捜査の行方に神経をとがらせているとの指摘もある。  

 小沢氏が一人になったとき、「オレは強い」と自分に言い聞かせる姿を想像する。「剛腕」の2文字が常につきまとってきた政治家の内面は、意外にデリケートなのかもしれない。そのギャップを抱えたまま生きていくのは、さぞ「つらい」ことだろう。思い切って真相をぶちまけたら、楽になるだろうに。  

 実は詩のテーマは初恋だ。〈ぼくは だれそれが 好き ぼくは だれそれを 好き どの言い方でもかまいません でもそのひとの名は 言えない〉。初恋の人の名前を、自分の胸にしまい込む姿はいじらしい。  

 しかし、小沢氏の威光を恐れて、その名を口に出すのもはばかる、民主党議員の姿を見るのは、「つらい」。「オレは強い」と呪文でも唱えながら、まなじりを決して小沢氏の政治責任を問う。そんな気骨のある政治家はいないのか。

産経抄 産経新聞 1/15

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不思議な国「地方参政権法案」外国人の力を借りて、日本をよくする・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-19 | 産経抄(コラム)

 ソフトバンクの王貞治球団会長は現役時代、国政選挙の日に担当記者から「選挙行ったんですか」と聞かれたことがある。「オレには選挙権、ないよ」と笑った王さんは、台湾籍である。  

 通算ホームラン世界新記録を達成した昭和52年に、第1回の国民栄誉賞を受賞した。当時多くの人は、日本籍だと疑わなかった。中国浙江省出身の父親と日本人の母との間に生まれた王さんは、なぜ帰化しなかったのか。  

 現役時代が、国際社会で中華人民共和国と台湾が、激しくせりあう時期と、重なったことともかかわりがある。当時の事情にくわしい作家の鈴木洋史さんによれば、王さんの「自負、自尊心が、自分の生活が有利になることを考えて籍を変えることを潔しとしないからだ」(『百年目の帰郷』小学館)。  

 王さん以外にも、さまざまな理由であえて帰化しなかった永住外国人は少なくない。その決意は尊重した上で、「参政権を得たい人は帰化すれば済む。帰化しやすくすることを考えればいい」。国民新党の亀井静香代表の発言こそ、道理というものだ。  

 政府・民主党が、永住外国人に対する地方参政権法案をごり押しするというのなら、「保守」を掲げて再生を図る野党自民党にとっては、絶好の機会ではないか。それなのに、「反対」の旗幟(きし)を鮮明にできないとは情けない。外国人の力を借りて、日本をよくするためにやるべきことはほかにある。  

 学校で習う漢字を減らされ続けてきたどれほどの日本人が、「褥瘡(じょくそう)」「痂皮(かひ)」といった専門用語を読めるだろう。インドネシアなどから、介護の仕事に意欲を燃やして来日した若者を、国家試験にこんな漢字を出してふるい落とそうとする。不思議な国としかいいようがない。

産経抄 産経新聞 1/14

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「ターニングポイント」もっと早くから再建に取り組んでいれば・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-17 | 産経抄(コラム)

 大阪に用事ができたので、いつもの新幹線ではなく、連日紙面をにぎわせている日航に乗ることにした。モノレールで朝、羽田に着いて驚いた。空港駅の改札で機長や客室アテンダント、整備士、それにOBとおぼしき初老の紳士らがずらりと並んで飛行機のフォトカードを配っている。  

 作業着姿の男性からもらったカードの裏には、手書きでこう書かれていた。「お客さまの信頼を取り戻せるよう社員一同努めてまいります。ご利用お待ちしております 技術部門スタッフ」。  

 前夜の酒が残っていたせいか目頭が熱くなった。もっと早くから労使一体で再建に取り組んでいれば、事実上の「倒産」という事態に至らなかっただろうに、といまさら嘆いても始まらないのは彼らも分かっているのだろう。「がんばってください」と小声で励ますしかなかった。  

 JALの失敗の責任を歴代の経営者と従業員だけに帰するのはフェアではない。JAL乗り入れを前提に不採算確実な空港をあちこちにつくり、無定見な航空行政を続けてきた国土交通省や政治家たちも同罪である。  

 人間はとことん失敗しないと気がつかない動物ではあるが、JALにも引き返し可能なターニングポイント(分岐点)があったはず。それに経営者も政治家も気付かなかったがために今日の事態を招いたわけだが、外国人への参政権付与も大失政へのターニングポイントになりかねない。  

 鳩山首相は「日韓併合100年というタイミング」を理由にあげたが、そんな軽い気持ちで違憲の疑いのある法律を出していいのか。それとも成立に熱心な小沢幹事長の一喝が怖いのだろうか。マニフェストにも載っていないものを強行するのは、日本国民への裏切り行為である。

産経抄 産経新聞 1/13

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各地で火災が相次いでいる。火事は人の命を奪うだけではない・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-16 | 産経抄(コラム)

 「父を助けに子供火中へ」。きのうの朝起き抜けに開いた新聞の社会面から、寝ぼけまなこに飛び込んできた見出しだ。最初は「子供を助けに父親火中へ」の間違いではないか、と思った。記事を読み終えて、改めて驚いた。  

 10日未明に、青森市内の住宅で発生した火災で、焼け跡から会社員(33)と、その長男(7)、次男(5)とみられる遺体が発見された。会社員の妻(31)は軽傷だった。妻によると、いっしょに逃げた息子が、「お父さんのところに行く」と炎上する住宅に戻ったという。  

 全国各地で火災が相次いでいる。火事は人の命を奪うだけではない。生き残った人に、家族を失う悲しみと、助け出せなかったことへの自責の念を植え付ける。「どうして、自分はここにいるの」。悲痛な叫びを上げる2人の息子の母親にかける、慰めの言葉を持たない。  

 昭和20年5月25日の大空襲で、東京は火の海になった。詩人の宗左近は、母親の手を引いて墓地に逃げ込んだ。母親はそこで、炎に取り巻かれて絶命する。「ワタシハハハヲオキザリニシタ ワタシハハハヲミゴロシニシタ」。22年後に発表した長編叙事詩集『炎(も)える母』で、宗は自分を責め続けた。  

 「おとうちゃんは カッコイイなぁ ぼく おとうちゃんに にてるよね」。宗が編んだ詞華集『あなたにあいたくて生まれてきた詩』に、収録された「おとうちゃん大好き」という作品だ。作者の小学1年の男の子は、詩をこう結ぶ。「ぼくも とうちゃんみたいに はげるといいなぁ」。  

 青森市の一家の近所では、休みの日に父子3人でソリ遊びをする姿が、よく見られたという。炎の中に飛び込んだ男の子も、かっこいいお父さんが、大好きだったんだね。

産経抄 産経新聞 1/12

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「私が変える日本の将来」故郷の良さが再認識できたらもっといい・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-15 | 産経抄(コラム)

 日本の未来は「暗い」が、自分の未来は「明るい」。新成人を対象にした意識調査の結果には、首をひねってしまう。もっとも、こんな自分勝手(?)な若者ばかりではない。先週末に行われた「土光杯全日本青年弁論大会」のテーマは、「私が変える日本の将来」だった。  

 「いかなる困難にも立ち向かえ」「がんばるだけじゃない」と、正反対の主張がぶつかる場面もあった。大熱戦を制して「土光杯」に輝いたのが、天皇陛下への深い敬愛を語った三荻祥(みつおぎ・さき)さん(25)だ。自分の生まれ育った土地を見つめ直したい。賞とは関係なく、そんな主張にも頼もしさを感じた。  

 最近、美しくも厳かな松江市とその周辺の風物をとらえた写真の数々に感銘を受けたせいかもしれない。東京・銀座での写真展をプロデュースしたのは、島根県出身の高橋一清さん(65)だ。  

 文芸春秋の編集者だった高橋さんは、「芥川賞、直木賞作家をもっとも多く育てた男」として知られる。現在は松江観光協会での通常勤務のほか、有名作家を招いて地元で文学学校を開き、『松江観光事典』など関連書籍を編集するなど、多忙を極めている。  

 「松江には、和の心、日本の美が残っている。おいしい料理、温泉だけではない、文化で人を引きつけたかった」。定年後文学館の館長などの誘いを断り、故郷に帰る道を選んだ理由を語る。「もっと旅をして見聞を広めてほしい。そこで故郷の良さが再認識できたらもっといい」。演説を聴きながら高橋さんの若者への注文を思い出していた。  

 仙台市郊外で、補助金に頼らないプロ農家になるという赤間一真(かずまさ)さん、一度捨てた故郷の岩手県で地方記者をめざす大久保貴裕さん、それぞれの土地で日本を変えてほしい。

産経抄 産経新聞 1/11

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鏡の破片「桜井茶臼山古墳」邪馬台国論争をまたぞろ盛り上げていきそう・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-13 | 産経抄(コラム)

 天照大神が高天原から孫のニニギノミコトを高千穂に降し、国々を治めようとした。言うまでもなく天孫降臨の話である。記紀神話の中でも最も重要な部分であるだけに「日本書紀」には、降臨にまつわるさまざまなエピソードが書かれている。  

 こんな話もある。初めはニニギノミコトの父であるオシホミミノミコトを降す予定だった。そのとき天照大神は宝の鏡を与えたうえでこう命じた。「此の宝鏡を視(み)まさむこと、当(まさ)に吾を視るがごとくすべし」。鏡を私と思い大切にしなさいと言っているのである。  

 この神話ひとつからでも、古代の日本人が鏡をいかに神聖なものと思っていたかがわかる。自らの姿を映すことに神秘な思いがしたのだろうか。今でも多くの神社のご神体は鏡である。正月に鏡餅を飾るのは、鏡の形に似せた餅に「年の神」が宿るとされているからだ。  

 考古学者の小林行雄氏が古墳の副葬品の鏡の研究を始めたのも、そんな権威の象徴たる鏡の重要性からだ。小林氏は多くの墓から三角縁(ぶち)神獣鏡と言われる同じ鋳型の鏡が見つかることに注目した。そこから鏡の授受によりヤマト政権が勢力を広げていったとみたのだ。  

 その小林氏の論文から半世紀以上たち、奈良の桜井茶臼山古墳から何十枚もの鏡の破片が見つかった。三角縁神獣鏡も多いという。この鏡は卑弥呼が中国の皇帝からもらったものだという説も根強いだけに、邪馬台国論争をまたぞろ盛り上げていきそうだ。  

 ただ、ちょっと気になるというか残念なのは、発見された鏡が粉々に割れ破片となっていたことだ。初めから割られていたとの見方もなくはないが、石室に入った盗掘者が踏みつぶしたらしい。そこまでの歳月が鏡の神秘性を失わせたのだろうか。

産経抄 産経新聞 1/9

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「砂上の楼閣」世界の投資マネーを吸い上げて急成長してきたドバイ・・・ 産経抄 八葉蓮華

2010-01-12 | 産経抄(コラム)

 ニューヨーク5番街にそびえる「セントシア・タワー」は、100階建ての超高層ビルだ。高級ホテルと分譲マンションを兼ねていて、世界でも指折りの富豪たちが、暮らしている。もちろん、こんなビルは実在しない。  

 1981年に発表された米国のサスペンス小説『スレット(脅迫)』(邦題『摩天楼の身代金』平尾圭吾訳)の重要な舞台だ。作者のリチャード・ジェサップ氏も、夢にも思わなかっただろう。約30年後にニューヨークから遠く離れたアラブ首長国連邦(UAE)ドバイの地で、小説より奇なる、超高層ビルが建設されるとは。  

 これまで世界一だった台湾の超高層ビル「台北101」(508メートル)の記録を塗り替える高さ828メートル、160階以上の高さを誇るという。もっとも、総工費約15億ドル(約1400億円)をかけて完成にこぎつけたものの、祝賀ムード一色というわけにはいかないようだ。  

 世界の投資マネーを吸い上げて急成長してきたドバイだが、昨年11月に政府系企業が巨額の債務支払い猶予要請を行い、国際市場に「ドバイ・ショック」を与えたばかり。UAE内のアブダビから、250億ドルもの支援を受けたが、不安は残る。  

 ビルの名前が「ブルジュ・ドバイ(ドバイの塔)」から、アブダビの首長の名を冠した「ブルジュ・ハリファ」に変わったのも、感謝の意味らしい。「砂上の楼閣」あるいは、旧約聖書にある「バベルの塔」にたとえて揶揄(やゆ)する向きもある。  

 『スレット』では、ベトナム帰りの大学生が、ビルを“人質”にする手口で、400万ドルを奪う。ドバイのビルも“人質”といえるかもしれない。犯人は、新たなショックの引き金を引きかねない、グローバル金融そのものである。

産経抄 産経新聞 1/7

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