はぶて虫のささやき

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(旧:はぶて日記)

映画評1022 ~ 科捜研の女

2021-09-05 | 映画評
今日は「科捜研の女」を見てきました。

沢口靖子が京都府警科学捜査研究所の法医研究員・榊マリコを演じるドラマ「科捜研の女」の劇場版。世界同時多発不審死事件の真相に、榊たちが最新科学を武器に挑む姿が描かれる。監督の兼崎涼介、土門薫役の内藤剛志、風丘早月役の若村麻由美、宇佐見裕也役の風間トオル、日野和正役の斉藤暁など、シリーズを支えてきたスタッフ・キャストが結集している。

主演:沢口靖子
共演:内藤剛志、佐々木蔵之介、若村麻由美、風間トオル、金田明夫
その他:渡辺いっけい、小野武彦、戸田菜穂、斉藤暁、西田健、田中健、佐津川愛美、野村宏伸、山崎一、山本ひかる、石井一彰、マギー、宮川一朗太など


<ストーリー>
京都、ロンドン、トロントなどで、科学者が高所から次々と飛び降りる連続変死事件が起きる。犯罪であることを裏付ける物的証拠が出てこないために自殺として処理されそうになるが、京都府警科学捜査研究所の榊マリコ(沢口靖子)と捜査一課の土門薫刑事(内藤剛志)、解剖医の風丘早月教授(若村麻由美)らは事件だとにらみ、独自に調べを進めていく。やがて捜査線上に、未知の細菌を発見して国際的注目を浴びた天才科学者・加賀野亘(佐々木蔵之介)が浮上する。だが、彼には確かなアリバイがあった。


人気ドラマ(?)である「科捜研の女」の20周年を記念して作られた劇場版である。

しかも、テレビ版に出ていた人がほぼ何らかの役(場面)で出ているらしい。

とは言え、ドラマ版は一度も見たことがない。

同じような推理劇である「相棒」の劇場版がクソであったのだが、テレビ版はそうでもないらしい。

また「踊る大捜査線」も、第二作目以降がクソであったが、テレビ版は面白かった。

つまり、劇場版とテレビ版とは必ずしも連動しないわけだ。

だから期待していたわけではないが、ネットでの評価が結構高かったし、本来見ようと思っていたマーベルの「シャン・チー」がほぼ満員だったので、こちらを見ることにした。

前置きはこの辺にしておいて・・・

結論から言うと、かなりのクソ映画でした。

いろんな科学捜査の手法を見ることができて・・・というほどじっくりと見せてもらえるわけではなく、所々具体的に見せているが、多くはただ字幕で紹介されるだけだった。

ストーリーは置いておいても、とにかくドラマ仕立てとしての展開が下手くそすぎる。

自分の監査に来た人間が身内だったり、警察内で出世したキャリアが実は元夫だったり、ほしいと思っている情報・データがすぐに集まったり、いくら何でもご都合主義すぎる。

とにかく都合よく話が進みすぎるので、ハラハラ・ドキドキ感はほとんどない。

終盤で、マリコが自らを囮にして犯人をあぶり出すというやり方も、強引とかムチャとかいう以前に、犯人がアホすぎるという証明にしかなっていない。

わざわざマリコの前に現れて、直接有害物質を吹きかけるなどというのは、まだ事件が表に出ていない段階ならともかく、似たような事件が続き、怪しいと思われる人間が特定されたのだから、当然その周りの関係者にも注意が払われる時期なのに、危険を冒してそんな行動に出るなんて、やる意味もない上に、頭が悪いとしか言いようがない。

あれで犯人がわかった!という展開そのものが安易というか、面白くも何ともない。

それにしても、前半で怪しい素振りをする人物が多すぎる。

しかも、皆のいる前でそのような態度を取るものだから、白々しすぎてイヤになる。

だいたい、最近警察小説を読んでいるから違和感がある・・・という以前に、刑事が関係者一同の前でまとめて事情聴取なんかするわけがないだろう。

必ず一人ずつ呼んで話を聞くはず。

尺が足りないからそういう描き方にした、という理由なんか通用しない。

一人ひとりに事情聴取をしたという形にして、そういう場面の一つとして、ある関係者から貴重な情報が入手できた、という描き方にすればいいだけだろうに。

「怪しいと思わせておいて、実は何でもありませんでした」というのは、わざとミスリードしているとしか思えない。

宮川一朗太なんて、何しに出てきたの?

事情聴取時には、怪しげな態度を取りつつ、しかも亡くなった被害者と共同研究していたという事実があり、次の被害者の転落現場にまでついてきて、その後の事情聴取でも胡散臭い受け答えをする。

でも、結局犯人たちとは何の関係もない・・・というより、その後はまったくほったらかしだった。

細田守みたいな「伏線と思わせておいて、実は伏線でも何でもなかった」というのと違って、むしろ悪意を感じる。

さて、そもそものストーリーだけど・・・

ダイエットに劇的な改善をもたらすダイエット菌には、実は有害物質が含まれていた、というのが事件の発端になっているのだけど、新薬なんて、気が遠くなるような試験・実験を行った結果、初めて論文になって世に出るものだろうに、あんなに簡単に毒性が発見されるようなものが公表なんかできるわけがないだろう。

腸内で普通に存在しているので無害(?)というのも強引な理屈だし、それが胃の中だと胃酸によって毒性が失われるというのであれば、では皮膚に直接付着したらどうなる?などと考えるのって、実験の初歩じゃないの?

にもかかわらず、検証のために実験している研究者が怪しいと言い出したからと言って、その人たちを全員殺そうと考える、その思考回路は異常というより、はっきり言ってあり得ない!

とにかくストーリー・展開・構成すべてがムチャクチャすぎて、感情移入できるところはどこにもなかった。

ついでに言うと、主人公であるマリコを演じている沢口靖子は、綺麗だけど、はっきり言って演技は下手だ。

それに、科捜研に務めている若手研究員のセリフがバカっぽすぎて、とても研究者には見えなかった。

それぞれがテレビドラマではお馴染みの面々なんだろうけど、頭が悪そうにしか見えないので、「ホントは、しゃべっているセリフの意味も、あまりよくわかってないんじゃないの」と思えるほどだった。

いろいろと懐かしい顔ぶれ(田中健とか西田健とか・・・)を見られた部分もあるものの、映画としては、まったく楽しめませんでした。

ということで、まだまだネットでの評価も少ないので、年末にもう一度振り返るために、評価は「D」にします。


ネットで「ドラマ版を見ていない人にも世界観の面白さが分かり、ファンにはより楽しめるように脚本が練られている作品」などと書いたヤツ、お前はテレ朝の回し者か‼

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