一周忌

父の一周忌の会を、お別れの会と同じウェスティン・ナゴヤ・キャッスル・
ホテルで開きました。

せっかくなら、集まってくれる親類と、少しでも楽しい時間を共有できないか、
少しでも親類の絆を強めることはできないかと、今までの形にとらわれず、
あれこれアイデアをめぐらせました。

会場は？　席順は？　料理は？　という一般的なことから、遺品を整理して
いる中で発見した数々の懐かしい写真、アルバムを、会場へ持参して、
みんなに見てもらい、昔話に花を咲かせてもらう。　引き出物に母方の
親戚で、今日も参加してもらっている、名古屋市内で造り酒屋をしている
『金虎』さんのお酒を選ぼう。

そして、９月末に９０歳の誕生日を迎えた金虎のおじさんのお祝いを
サプライズで行おうということも、ツノ坊と相談して決めました。

法事の席で、それも一周忌なのに、お祝い事はおかしいという考え方も
あるでしょうが、もし父がいたら、きっと、

　「日頃、お世話になっている金虎さんだから」

と言ってくれるだろうと考えました。

　　　　　　

みんなで ハッピー・バースデイ を歌って、金虎のおじさんに９本の
ろうそくを消してもらい、お祝いしました。


法事も、昔は「面倒だな～」と思うばかりでしたが、今回準備を進めていく
内に、

　「亡くなった父が、我々が親類のみんなに挨拶する機会を
　　与えてくれたんじゃないか」

と思うようになり、今回は週末だけではありますが、光も東京から帰らせ、
参加させることにしました。

家を守る、家を継ぐって、大変なことではあるけど、長男じゃなければ経験
することができない、とてもありがたい役割を与えてもらっているんだ。
ツノ坊と二人、そんな風に感じられるようになりました。


会場の大きな窓からは、緑の木々の向こうに名古屋城の天守閣が輝いて
見えました。