料亭講演 with 光

料亭で講演するという初の体験でした。

大学の先輩で、もう２５年ほどお世話になっているＦ先輩が主宰する
異業種勉強会・名古屋経営研究会での講師を依頼されました。

その今回の会場っていうのが、Ｆ先輩の経営する料亭つたもなんです。

講師料が頂けるっていうんで、

　「私の話を社員にも聞かせたいんですが、いいですか？

　　ＯＫなら、その講師料で社員にもご馳走食べさせて
　　もらえませんか」

とＦ先輩にお願いして、交渉の結果、

　「６人までならＯＫ」

と快諾もらいました。

そこで社内で６名を推薦してもらい、今日一緒に出掛けました。



美味しい、料亭のご馳走が食べられるってことで、みんな、ニコニコ
です。
そりゃあ、そうでしょう、今までいろんな社員が私の講演を聴きましたが、
過去最高の待遇での講演聴講でしたから。

さらに多くの社員にこういう機会を提供するため、これからは、推薦で
決めるんじゃなくって、「聴きたい」って社員を募るようにしようかと
思いました。


それとは別に、実はもうひとり誘ったメンバーがいました。
息子の光です。

大学も決まり、４月からは東京での生活が始まります。
東京へ行くと、なかなか私の話を聞くチャンスもありません。
東京でひとりで生活する前に、私の話を聞いておくのも悪くはない。

また浪人したこの１年間で大きく変わった光。
今なら、誘っても、それに応じるんじゃないかと思いましたが、
昨夜は中学時代の友だちと夜食事をして、４人の仲間を自宅に連れて
来て、夜遅くまで盛り上がって、そのまま泊まっていきました。

そんな訳で、私が、朝、出勤する時は、当然のことながら、まだ寝て
いて、講演の話をするチャンスがありませんでした。そこで光に以上の
ようなことを書いた手紙を残して、出社しました。

するとお昼前、

　「直接行けばいいの？」

というメールが届き、光も参加することになりました。


開会の３０分前に、みんなと一緒に会場に到着して、早速パソコン、
プロジェクタの準備を始めました。

このためだけに参加したも同然の技術のＭくん。
ところが、プロジェクタで投影すればパソコンのディスプレイには
映らないし、パソコンで見られると思えば、プロジェクタには映らない。
これじゃあ、Ｍくん、何のために参加したのか、分かりません。

ということでＭくんのみ、料亭つたもの高級料理代自己負担となり
ました・・・　なんてことは、世界一社風のいい会社を目指すＩＳＯＷＡ
ではありえません。

結局、パソコンではモニターできないまま、講演はスタート。

その中で、現在労働組合の委員長である名古屋サービスのＡくんが
数年前、副委員長だった頃の、経営協議会でのひとコマも紹介しました。
Ａくんも、この時のことよく憶えていてくれて、

　「あの時、社長が初めて弱みを見せたのがきっかけで、
　　社長との関係性が変わりました」

と後の質疑応答時に答えてくれました。

持ち時間は７０分でしたが、その結果はと言えば、冒頭の写真で手前に
写っている私のiPadのタイマーをご覧あれ。『７０分３４秒』。これは
講演後の記念撮影時のものであって、講演は、６９分５３秒で終了。

今回、一度もリハーサルしなかったけど、お見事でした。
と、自画自賛。


その後、質疑応答に。

楽しかったのは、Ｋ社のＯさん。

　「ＩＳＯＷＡの社員さんに聞きたいんですが、いつも社長は
　　あんな風にですか？」

これに答えたのは、パソコンのミスを少しでも挽回しようとしたのか、
くだんのＭくん。

　「会社の全社朝礼で話す時と同じです」

　「とっても熱くていいんですが、人によっては暑苦しく
　　感じませんか？　どうです？」

　「最初は暑苦しかったですが、もう慣れました。
　　私、結構暑苦しいのが好きなんです」

あ～あ、挽回しようとしたのに、またまた墓穴を掘っちゃった。
料理代の倍返しだな、こりゃ。

その後は食事会。



ここで興味深かったのはＯ社のＫさん。

　「磯輪さん、こんな風で会社経営してて、楽しい？　幸せ？」

　「ものすごく幸せですよ」

　「そうか～　私は磯輪さんとはまったく逆の経営していて、
　　すごく幸せだけど、ＩＳＯＷＡさんは、何だか幸せそうに
　　見えないな～　社長も、社員さんも」

　「社員がどう思っているかは私は分かりませんから、社員に直接
　　聞いて下さい。でも何が幸せかっていうのは、人それぞれですから、
　　ひょっとすると、私がＫさんの経営の話を聞くと『幸せには
　　見えないな～』って言うかもしれませんよね。
　　それが価値観じゃないですか」

私にとっても新鮮でした。


当会の事務局のＮさんが私の隣に座ったんですが、子どもの教育の話で
盛り上がりました。
光が講演を聴きにきたことを、

　「難しい年代の男の子さんなのに、よくお父さんの話を聞きに
　　きますね」

と関心されました。

これも浪人の１年間、以前より光との対話の量が増えたことが原因じゃ
ないでしょうか？


食事中に、いろんな方から名刺交換やら、質問があり、閉会までに
食事があまり食べられず、みなさんが帰られてから、居残りでご馳走に
なりました。


帰宅して、ツノ坊に、

　「光、講演のこと何か言ってた？」

とたずねたら、

　「『面白かったよ』って言ってたよ」


そうか、これで息子の方は一安心。

さて社員のみんなは、どうだったのかな？

講演を聴きに来てくれた人のことを差し置いて、身内のことばかり心配
する私でした。

でもＦ先輩によれば、

　「講師が磯輪君ということで、いつも以上の参加者だった」

ということでしたから、良しとして下さいね、Ｆ先輩。
ありがとうございました。