昔観たドラマです、タイトルも忘れてしまいましたがとても印象深い内容でした。
ある女性の旦那さんが失踪してしまうんですね。彼女は夫を探す為に探偵事務所へ依頼に行くんですがなんだかだあって、自分自身が探偵をしながら夫を探すことになります。
そしてある依頼をきっかけにして知り合った娘の義理の父親が自分の探していた夫だったと知ります。
彼女は夫に逢いに行きます。
夫は20代の1人娘をもつ民宿を営む未亡人の内縁の夫に納まっていました。
彼女は何故消えたのか。今の暮らしの何がいいのかと問います。
夫は答えます。
『この方が私には気楽なんだよ』
ここからが、その当時とても理解しにくい内容でした。
本当の妻はとてもしっかりした女性だった。妻として完璧だった。その夫でいることに息が詰まった。だから逃げたくなった。
今の暮らしは気楽だ。内縁で籍が入ってる訳じゃない。娘の父親の役目はしているが実の子じゃないと思えば、何処で何があろうと楽だ。責任がないからだ。
私にはそういうのがあってるんだ。
夫を演じていらした役者さんが口先だけでこの心情を吐露していくんですが、いかにも中身がない軽薄な男を上手く演じていらっしゃいました。
内容自体はどこか判るけど、どこか判らないそんな感じでした。
判らないからその後繰り返し、考えました。
正式な妻と実の子供と暮らす方がいいに決まっている。けれど血が繋がっている。籍が入っている。それは責任の伴うことです。
それと比べると夫のしていることはフラッと来てフラッと去って行けるそんな気楽さがあります。
そういう気楽さがいいという人もいるんだな・・・。
大人になるにつけ判るような気がします。
血の繋がり紙の上での繋がりそれで安心できることもあれば鎖のように重く感じてしまうことがある。
その鎖を安定ととり大事にしたいと思うか、重いから捨て去りたいと思うか、その違いでしょう。
人生観の差、なんでしょうね。
ある時、知り合いの2人の男が話ていました。
1人は結婚して間もない新婚の夫です。
もう1人は籍を抜いて気楽になった×1の男です。
2人の中で共通なのは『紙1枚が重い』その言葉でした。
愛し合う2人が一緒にいるだけなのに『紙が重い』ある意味教訓ともなる2人の会話でした。
その重みの中に家族を築いていく大概の方はその道を選んでいるんでしょう。
それが正しいことだと信じているから。責任の取り方だと信じているから。
けれど違う本音を持ち違う生き方を選択する、そんなこともあるんでしょうね。
私が観たのはドラマの話ですが、現実でもまたそんなことはあるのかもしれません。