静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

終業式、そして父母会

2016年07月22日 13時30分43秒 | 学園紹介

昨日の大掃除で、学園内もきれいになったところで終業式です。
終業式は私の話だけで簡単に終了。

続いて父母会。
保護者の皆さんに1学期のことや、2学期は航海と機関に分かれることや乗船実習のことなどを説明しました。
最後に、家が遠い順に個別面談を行い通知表を渡します。
諸事情で父母会に参加できなかった生徒は、園長が面談をして通知表を渡しました。

これで8月28日まで夏休みです。
また、元気に学園に戻ってくるのを待ちたいと思います。

このブログも生徒の様子をしばらくご紹介できません。
ブログも夏休み!
としたいところですが、いままで紹介できなかったことや、漁師をめざす皆さんに参考になることをアップしたいと思っています。

【夏休みの過ごし方】
1ヶ月以上ある夏休み。どう過ごすかは重要です。
 クルマの運転免許を取りたい
 日本一周をしたい
 海技士試験の勉強を集中的にやる
など、いろいろ考えがあるようです。なかにボランティアをすると言うのも。

2学期になると、10月には海技士試験があります。
受験するのは希望者のみですが、今年はほとんどの生徒が受験すると思います。
と言うのも、より上級の資格を取得したいという意欲のある人が多いからです。
海技士試験に役立つ宿題が出されますが、それ以上に自ら取り組んで欲しいところです。

しかし、就職してしまえば長期休暇は簡単に取れないのも現実。
有効に使って欲しいと思います。

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大掃除

2016年07月21日 14時59分01秒 | 学園紹介

明日の終業式を前に、今日は大掃除です。
午前中は寮のある宿泊棟、午後は外回りの作業です。
もう暑いので、今日に限っては水着での作業OKです。
食堂のビニール製の床シートを外して洗ったり、渡り廊下もタワシでゴシゴシ。
もちろん窓も外と中からきれいにしました。

差し入れのアイスを食べてしばし休憩。

そして、午後は門の側溝、車庫など。

芝刈りも。

2学期から航海、機関に分かれて使う2階の教室やトイレもお掃除です。

丸一日掛かってしまいましたが、きれいにして終業式と土日の学園説明会を迎えます。

【通知表】
学園にも通知表があります。
今日は全生徒分の通知表に目を通し、印を押しました。
通知表の様式は、中学や高校のものと同様と思います。
この中に、特記事項という欄があります。
「前向きな姿勢で頑張っている」
「しっかりやって欲しい」
など、学園から生徒一人一人へのメッセージが書かれています。
ここで良く評価されていると言うことは、就業しても回りの先輩などから同じような評価を受けて可愛がられることと思います。
「しっかりやっていない」と書かれていれば、就職後にも同じ評価になるでしょう。
このメッセージをしっかりと受け止めて、自分を成長させて欲しいと願っています。

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定置網漁業の見学

2016年07月20日 13時08分55秒 | 研修・見学

今朝は早朝2時起きで定置網漁業の見学に行きました。
地元の漁業会社が快くご協力くださいました。
今学期最後の見学です。
学園のある焼津漁港小川地区から2組に分かれて船に乗せてもらいます。
まだ真っ暗な海を出発です。

ほどなく漁場(定置網の場所のこと)に到着です。

定置網はネズミ取りのような構造で、魚が一方通行で箱網と呼ばれるスペースに導かれます。
近年の定置網は、この一方通行の箱網が2重、3重になっていて、「2段箱網」とか「3段箱網」などと呼ばれます。
定置網は巨大で、沿岸漁業では最大級です。
一つの箱網が何十メートルもあるので、昔の定置網は漁村の数百人の漁師が携わり、人力で揚網しました。
今では機械の威力で、定置網の漁師は1カ所10~20人と言ったところです。
今はこんな機械で網を巻き取っていきます。

揚網が進むと、魚が見えてきます。
生徒もお手伝いをさせていただきました。

捕れた魚は、すぐに市場に運び水揚げです。
ようやく、空が明るくなってきました。
漁場が近いので、鮮度抜群です。
この時期は、入網が少ないのですが、それでも多くの魚が捕れました。
定置網では200種くらいの魚が捕れるので、手作業で魚種別、大きさ別に仕分けです。


マイワシ、ブリ(イナダ)、タチウオ、スルメイカなどが本日の主役でした。

さて、定置網は漁場が近いので船に乗っている時間は短い方です。
その点で、船上の漁師の作業は少ないと言えるかもしれません。
その代わり、大きな漁具の手入れをしなくてはいけません。
大きな網なので、部分的に入れ替えてメンテナンスをしますが、修繕やら網の汚れを取るなどが大きな作業になります。
ほとんど周年、水揚げができるのも特徴です。
そういう点で、独特な漁業です。

定置網のみなさん、お世話になりました!


【魚を捕りに行かない定置網漁業】
普通の漁業は、魚の集まる漁場まで漁師が行きますが、定置網の場合は魚の通り道に網を仕掛けます。
積極的に魚を捕り行かないので、資源が減れば漁獲も下がります。
例えば、最近マアジ資源が減っているので、定置網でもマアジの漁獲は減少です。
特に伊豆の定置網では、マアジが主要魚種で、この減少は打撃です。
一方で、この性格から定置網は自然や資源に優しい漁業とも言われます。

動力がなかった頃は、定置網には数百人の漁師が網を引き上げていました。
漁村を支える産業だった訳です。

また定置網にも漁労長(船頭)はいて、ちょっとした場所の違い、向きで漁獲が大きく変動します。
定置網と言えど、優秀な漁師が漁労長をしているところは、水揚げが多くなりますよ。

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夏休みに向けて

2016年07月19日 13時32分18秒 | 学園紹介

今週で1学期が終了です。土曜日から夏休み突入です。
当学園の修学は1年なので、1ヶ月の夏休みはもったいない気がします。
とは言え、4月からの寮生活を送ってきた生徒がゆっくり家庭に戻るのも必要でしょう。
そして、本人がその気になれば勉強する時間もたくさんあります。
先週は私から、10月の海技士試験の必勝法を伝授しました。
何の勉強もしなくて合格するような魔法はありません。
生徒たちのがんばりが全てです。


と言う訳で、今週は夏休みに入る準備作業がいくつかあります。
今日は午前中に、機関実習棟の主機関(大型ジーゼルエンジン)の冷却水の水槽を洗いました。
左にあるのが主機関です。

水槽は実習棟の地下(床下)です。
まずポンプで中の水を排出です。


そして、中に降りてゴシゴシ洗いました。

さて、生徒の皆さんは夏休みですが、私はいろいろ仕事があります。
まず、今週末は学園説明会があります。
23日の土曜日と、24日の日曜日ですが、なぜか事前申し込みは23日に集中です。
まだ申し込んでない方は、早くご連絡くださいね。

【漁師のロープワーク流儀】
午後は1学期最後のロープワーク実習がありました。

学園での1年間にたくさんのロープワークを身につけます。
しかし就職すると、その船、その船員によって流儀があります。
同じ船でも、先輩の船員が違う結び方を指示することもあるので、新船員は逆らうことなく柔軟に対処する必要があります。
そんな、就職してからの対処法も学園の実習中に教えています。

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水泳訓練終了

2016年07月15日 13時28分19秒 | 実習

今回は写真多数ですよ。

昨日、猛暑の中で遠泳を行い47期生の水泳訓練が無事終了しました。
場所は、潜水実習をやった場所に近い、沼津市は戸田港です。
近くの海水浴場では、監視用のボートが使えないのでやむを得ず遠征です。
峠の展望台から見た戸田の様子。どうです、この絶景。

さて、戸田の港に着くと、さっそく準備体操して海に入ります。
水泳が得意でない黄色帽子が先行スタートです。
20分後に、水泳が得意な白帽子組が追いかけます。動画もご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=t86D0w5ATTY

1時間以上かけて、港内を往復。途中で、アジの群れがいたようで興奮してました。

https://www.youtube.com/watch?v=4Zvno1mVCcI

学園の生徒は魚が好きです。
猛暑でしたが、海水は冷たかったようで「冷たいのに耐えて泳いだ」そうです。
白帽子組は泳ぐより、冷たい方が辛かったみたいですね。
ゴール寸前で白帽子組が追いつき、ほとんど同時に全員が無事に明るくフィニッシュでした。

黄色組には、25mしか泳げなかった生徒もいましたが、短い訓練期間に遠泳をこなせるまでになりました。
これは、本人が一番喜んでいました。
頑張ったことは、自分に帰ってきます。

さて、砂浜に上がると熱烈歓迎がありました。
戸田出身の生徒のご家族です。
味噌汁、お汁粉、スイカなどでおもてなしをいただきました!

これはサプライズだったので、生徒も大喜び。(職員はびっくり)
海の家も使わせてもらいました。
結果、食べ過ぎになったのが数名...

せっかく戸田まで来たので、戸田造船郷土資料博物館に行きました。

ここには深海魚生物館もあり、続けてみることが出来ます。
沼津港の深海魚水族館は生きた深海魚を展示していますが、ここは剥製なのがちょっと残念。
しかし、戸田は世界一大きい甲殻類であるタカアシガニの産地なので、大きなタカアシガニの標本がありますよ。

 

【戸田の造船業】
漁業が盛んで、港も深かった戸田では、木造船の造船業が盛んでした。
ロシアから来たディアナ号が下田に停泊中に津波で破損。

戸田で修理をしようとしましたが、天候不良で戸田に入れず、駿河湾に沈没しました。
船員は漁船に助けられましたが、船がなくロシアに帰ることが出来ません。
そこで、戸田に船大工が集めれ、3ヶ月で100トンの帆船を作ったそうです。
これと同じ船がさらに6隻建造され、佐渡や函館に配備されました。
さらに、この船大工が各地に散り、各地の造船業に寄与したそうです。

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