最近、テレビ番組や雑誌でも「がんに効く~」という特集が増えたような気がする。
自分がガンになったから、関心が高まって目に付くだけなのかな?
最近読んだ本は『医者が患者に教えない病気の真実』。
著者の江田証(えだ あかし)氏は、胃がん発生のメカニズムを研究し、
ピロリ菌感染によって起こる「胃の腸化」が胃がんの発生に重要で、
腸化にはCDX2遺伝子が重要な働きをしていることを世界で初めて英文論文で発表した医学博士だ。
江田氏もまた大病院の第一線でがん研究と臨床に取り組んでいたが、
無医村だった生まれ故郷に帰って開業、今や毎日200人の患者が全国から来るという。
この本で目に付いた“大腸がんにいい効果をもたらす成分”。
1つは「クルクミン」。カレーの黄色成分だ。
クルクミンのがん予防効果を示す科学的データはたくさんあるそうだ。
大腸がんの場合、まず異常腺窩巣(ACF)ができる→大腸ポリープが作られる→大腸がん
という過程で、ACFは大腸内で最も早期に発見される前がん病変の一つだそうだけど、
マウス実験では0.2%あるいは2%の用量のクルクミンがACFの生成を低下させたとのこと。
もう一つ、大腸がんに良いのは「レスベラトロール」。ブドウの皮に含まれるポリフェノールの一種。
レスベラトロールとがんの関係についてのデータは、
(1)レスベラトロールのがん組織の増殖抑制効果
→大腸がん患者にレスベラトロールを1日当たり0.5gあるいは1.0g×29日投与で
がん組織の細胞増殖が明らかに低下
(2)レスベラトロールの大腸がんの増殖抑制効果
→大腸がん患者にブドウの皮を2週間投与したら大腸がんを進行させるWntシグナルが低下
(3)レスベラトロールのがん予防効果
→健常人にレスベラトロールを1日当たり2.5g×29日投与したら、血中IGF-1(発がんに関連)が低下
これ以外にもレスベラトロールの効果として、血圧低下、肝機能改善、コレステロールや中性脂肪の低下、
ミトコンドリア機能向上、炎症マーカーの低下などがみられたという。
これらの報告にある成分は「トランスレスベラトロール」なので、
サプリメントを選ぶ際には、「トランスレスベラトロール~mg」と書いてあるものを選ぶこと、だそうだ。
あと、注目すべき記載に、胃カメラの名医を探すポイントとして
「大腸内視鏡検査がうまいと評判のクリニックを選ぶ」とあった。
苦痛のない内視鏡を達成するには、胃カメラより大腸カメラの方が数倍難しく、
大腸カメラの方が高度な内視鏡テクニックが必要とされるので、
大腸カメラが上手な医師は胃カメラも苦痛なく正確だというのである。
でも、大きな病院だと胃カメラと大腸カメラの担当医が異なることが多いよね。
この本には役に立つ多くの情報が書いてあるけど、私が一番感動したのは「あとがき」かもしれない。
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