将人とともに together with Masato

For the parents in the world, whose children have autism.

文化祭中心の家庭学校

2007年01月02日 | 言葉・感情
明けましておめでとうございます。

もとはと言えば、新規に光の村入学・転入を検討していらっしゃる御家族のための情報にと書き始めたこのブログだが、予想外に多方面の多くの方に読んで頂いているようで、いささかびっくりしている。あまり大所高所から見た、高等な事は書けないが、等身大の日常を書きつづっていきたいと思っている。

冬休みの家庭学校が始まって、早10日たった。後1週間いれば、また学校が始まる。いればいたで、うるさく思う時もあるが、いなくなったらなったで、また寂しくなる・・・。最近は、障害児だからこそいとおしく思うことがたびたびある。

家庭学校真っ最中で、今とても忙しい。2学期末のマラソン大会が終わり、1年間の大きな山場は超えたという事で、3学期は3月3日の文化祭に向けて集中するようだ。冬休み家庭学校の課題は毎日の5㎞のランニングもさることながら、様々な「文化的な事」が課題として出た。

まず歌。4曲歌うのだが、将人はリズムはすぐ覚えるものの、メロディーががたがただ。一緒に何度も大声を出す。

次が、劇の台詞だ。感情を出して読む事はだんだんできるようになったが、ト書きの部分と台詞の部分の区別がなかなかわからない。そのまま全部読もうとしてしまう! 昔、言葉を教えようと花を指さし「これは何?」と聞いたら、「これは何」とそのまま復唱した事を思い出した。今は、さすがにそれはなくなっているが、こと台本の台詞はまた別物のようだ。

それから、ハーモニカ。幼稚園、小学校の時は鍵盤ハーモニカを練習していたが、教えようとしてもなかなかそれを受け入れないのに、耳から聞いた音楽を参考に、後になって自分一人で音を探し出して弾く事はあった。今度のはいわゆる口で直接吹くハーモニカで、初めての楽器だ。吹き方を教えてやると、ちゃんとそれを試そうとするではないか。

また、今のように一緒に机に座ってさあ練習と、親子で「音楽の時間」が作れるのは生まれて初めての事だ。2~3時間も次から次にやっても全然ぐずらないで、何とかやろうとする。これが「粘り」というものだろうか。

障害児がマラソンして何になるという意見も少なからず巷にはあるだろうが、まさにこれが直近の効果だと実感する。

今まではこれができなかった。一緒に机に座って何時間も何かを勉強するなんて、考えられなかった。やったとしても、せいぜい30分か1時間弱だった。しかも、何かでつまずくとそこでパニックになって終わり・・・。今は困難にぶつかっても、小パニックですみ、気を取り直して続行できる!!本当に、頑張りがきくようになってきたと思う。

台本や歌の台詞をみんな覚えきるのはもっと時間がかかるとしても、もともと物覚え自体はそんなに悪くないので、おそらくこの冬休み中にハーモニカ、歌、台本に関しては「できる」見通しがつくように思う。後は、学校でちらちらとあんちょこを眺めながら、みんなと練習していけば何とかこなせるのではないか。

ただ、将人の最大の問題は、むしろその「みんなと一緒に何かをする」という事の方にあるのだが・・・。そして、まさにそれこそ先生方のご指導に頼らざるを得ない。

まだ2ヶ月あるが、文化祭でマラソン大会以上の感動があるかどうか・・・。昨年、見学に行った時には、会場に入る事さえせず、駐車場でみんなが乗ってきた自動車の中に文化祭の間中一人で閉じこもっていた・・・!!

少なくとも、1年前の小学校の卒業式で将人がしでかした、厳粛な式の最中に一人で大声を上げて「わーわーわーわー」と叫ぶような事だけは金輪際ごめんである。とても見ておられず、現場では顔が真っ赤になって、本当に心底恥じ入った。親自ら、将人を体育館の外に引きずり出したかった。

そんな将人を意に介さず、その騒音にもめげず、しずしずと式を進行して頂いた先生方、同級生とご父兄一同には本当に頭が下がったが、だからといって、親としてありがたいとは全然思わなかった。

騒ぐ将人を叱って、外に引きずり出すような古典的な対応も寂しいが、願わくは、そうならないような「教育」を事前にしておいて頂きたかったというのが切なる思いであった。

それが光の村ではわずか1年弱でできるかどうか? これまでの将人の変化を見れば、99%できると確信している。








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