将人とともに together with Masato

For the parents in the world, whose children have autism.

相変わらずなもの

2006年12月09日 | 将人

まだ入学半年ちょっとだが、あまり変化がないもの、あるいは悪くなったもの、について書いてみたい。

何にせよ、以前と違い、ほとんど離れて生活している訳なので、細かな変化はわかりにくい。それと、帰省した時には嬉しくて興奮気味で、10日間貯めていたものを一気に吐き出すようなところもあって、パソコン三昧、ラーメン三昧、こだわり三昧のような面もある。なかなか見極めにくいが・・・。

はっきり言って、子供に関して悪くなったものは何もない。

敢えて言えば、今でこそマラソンするにもニコニコしながら5㎞を走りきるが、当初はかなり苦しそうにして、何回か逃げ出した。睡眠不足が大きかったように今では思うが、そういう時、「何も将人自身がサッカー選手になりたいとかオリンピックで活躍したいとか望んで走る訳でもなく、しかも同い年の健常児でもここまではやらないと思うようなトレーニングまでしている・・・。果たしてこれでいいのか。他に何かすべき事があるんじゃないか。」とかなり親の方が悩んだ。いや、今でも悩んでいるが、こういう悩みはこれまで味わった事がなかった「悪い事」かも知れない。親にとって新種の心配事が一つ増えた、という意味で「悪い事」なのだが・・・。

幼稚園、小学校時代を通じて様々な療育施設、教育機関にお世話になったが、どこも「平均的な、可もなく不可もなく、所詮は親次第です、思い出を作りましょう」という感じの、マシュマロタッチだったので、「もっと叱ってやって欲しい」、「しっかり教育して欲しい」といつも内心やきもきしていた。もちろん、年相応に優しくして頂いていたのは本当に有り難い事だが、親としてはついスパルタ式を望んでしまう・・・。

だから、光の村の強力な指導方針でそのやきもきは全く吹っ切れたのだが、逆に吹っ切れ過ぎて、心配になっている面がある・・・。これまでと正反対の悩みだ。これは言ってもしょうがないし、決めた以上は進むしかない。人生、すべからくこういうものだ。事故だけは注意して頂きたいが・・・。


変わらないものは、いっぱいある。少なくとも家に帰って来ている時は、相変わらずこだわりが強い。

どこに行っても時計をさすりたがるし、ジーと見ている事が多い。辛子明太子を湯水のように食べるし、インスタントラーメンも一日に何個も食べてしまう。気に入ったテレビのコマーシャルをパソコンで何度も何度も延々と繰り返し見ている。 お茶やポカリスウェットを水筒で何本もがぶ飲みしてしまう。

ただ、いずれも学校にいる時には全くできないはずで、それでも学校でパニックになる事もないようだし、以前と比較すると程度が軽くなっている。

カップヌードルを日に5個食べた事もあったが、最近はよく食べても2個程度でとどまっている。辛子明太子も業務用を月に3㎏買っていたが、最近は家にいる時間が少ない事をさっ引いても、相対的に少量ですんでいる。パソコンも他の用事があれば、あっさりやめられる。 お茶も大型ポットから500ccの小型水筒に代えたがパニックを起こす事もない。

また、今思い起こしていて気づいたが、消えたこだわりも少なからずある。家々のインターホンを触って歩く事だ、しかも数分間さわさわしているので、以前は何回となく道行く人が怪訝そうな顔をした。それが入学以来、ほとんど消えた。

こだわりの形は同じだが、薄まってきている感じだ。

もし可能なら、伸ばしうるこだわり、たとえば読書、絵、音楽などの創造的なこだわりに転化させたい・・・。

また、できうるなら、もう少し細かなやりとりのできる会話ができないか、自分で修正しながらある程度の作業がこなせないか、など1年前までは思っても見なかった事も考えるようになってきた。

ここまで変わったのだから、後もう一歩とばかりに欲が出てきたという事か。

先は長いけれど、また短くもある。

ある方が言ったが、砂浜に押し寄せる波と同じで、いい時もあるし、悪い時もある。それでも、だんだん満潮の波打ち際が干潮時のそれになって行けばいい。至言だと思う。

 

 

 


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