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Cockloft

趣味の道具や昔のノートなんかが散らばってる。
そんな「屋根裏部屋」。

テレビでは中国ヤバイと言われてはおりますが

2012-09-19 | China
実際は案外普通です。

自分なんぞにいろいろ生存確認頂いてありがとうございます。
元気に生きてます。

今日は反日ピークと言われた9/18だったけど
自分の実感ではデモはかえって落ち着いてきてるような気がする。

それはきっと政府が本腰入れてデモの警備を強化したせい。
自分が見に行った15日が暴動が起きたり一番カオスだったのかも。
むしろ、ちょっとデモにも緩い空気が出てきたらしく
デモの中に「獅子舞がいた」とか「宇宙人がいた」とかいう噂も。。

デモの起きている地域に近づかない、外で日本語で騒がない、
という事に気をつければ普段と変わりなく生活ができています。


そしてなんとなく、自分の勝手な観察ではあるけど、
中国で何が起こってるかがわかってきた。
いろんな論があるみたいですが、
自分で中国で感じたことを主体に勝手に書いてみます。



 
まず第一に、
反日デモは別に「中国国民の総意」ではない

どんな人がデモに参加しているか。
それは前にも書いたけど、政府や体制のしわ寄せをくらい
経済的強者にこき使われてきた中国の最下級層の労働者達。
どんなに中国が発展しても、一向に生活は良くならない。
そして住宅バブルのしわ寄せも全部彼ら一番下の層にシワが寄って吸収され、さらに貧しくなる。
かたや、隣では成金の中国人がベンツやアウディに乗って走ってる。
そりゃ工場抜け出して鬱憤晴らしたくなりますわ。

そもそも現状に不満を持つ国民は、本来「国」にデモをするべきだ。
そこが、共産党のうまいところで「体制批判→国家の礎への愛国心→反日」
という絶妙な流れで横に流している。

だから彼らは相手が日本でも、アメリカでも、フランスでも、いっそ中国でも関係ない。
でも政府はそれをさせない。むしろ勢いを利用して今度は共産党のアピール手段の一つとして利用する。

政策によって鬱憤が溜まった人民を、中国の指導者層は誰も手を汚さずに、
自分らが作り上げた一番過激な層を表に出して「国民の総意」としてのアピール。

そしてその脅しにかかっている対象は、日本だ。



今回の中国政府の目的は2つ有ると思っていて、
・尖閣諸島を棚上げ状態まで戻すこと
・習近平の華々しいデビュー
かなと。

冷静に考えると中国の2万人デモは、日本の人口で言う2000人くらい。
しかし下層に行くにつれて一気に偏るボリュームゾーンを考えると。
20倍と考えても多くない。ならせいぜい1000人規模。
「中国では200万人くらい集まらないと多いとは言えない」らしいw

日本の不幸なところは、このごく表面のチャプチャプしたさざ波を、
もろに食らってしまうことになるわけだ。
そして中国の対日外交の一番の強みは、
「反日デモが行き過ぎちゃってる状態」
を演出できること。それにより日本経済に揺さぶりをかけることができる。

たぶん領土問題に関しては日本が譲歩の姿勢を見せるまで、
日本経済をゴリゴリいじめる。
同時に世界に向けて中国の同情票を集めるべく猛アピールする。
これは、いつでも中国主導で手打ちができるようにする根回しだ。

そして、領土に関し、中国の利が見えてきたところで、
まだ公に出てきてない次期主席 習近平が現れ、
双方の面子を保つ妥協案を披露。

ウルトラC難度の技をデビュー戦で決めるのごとく、
この場をさっそうと治める。

日本も世界の世論が中国にも向いている分渋々飲む。

よって、共産党は尖閣諸島の権利の保持と
スムーズかつ最高の政権交代ができる。

というのが自分が勝手に考えた中国の理想のシナリオ。
勝手な予想なんで間違ってても知りません。。
でも日本の対抗策がもたもたしていたら、
本当にこの通りになってしまうかもしれない。



ちなみに少し視点を変え
指導者層、デモ参加者とは違う、
他の一般の人達は何をしてるかというと、
実はあまり反日とか興味が無い。

自分たちで、世界の各方面から情報を集め、
状況を冷静に俯瞰している。せっせと仕事を続けている。

ここで、もう一つ恩恵を受ける人達がいる。中国企業だ。
日本企業が、デモだ、襲撃だ、自宅待機だ、広告停止だ
としている間に空いた市場をかっさらうでしょう。

これを期に中国のイメージが更に悪くなり
中国への積極投資がしぼんでしまう方が心配です。



思ったことは、日本での報道も充分フィルターがかかってるということ。
TV1「中国ヤバイです」TV2「中国ヤバイです」TV3「中国ヤバイです」
TV4「今日の中国は意外と普通でした」
じゃなんかKYになってしまう。
中国のテレビじゃないんだからもっといろんな意見があってもいいのに。。



とにかく、思ってるより平和に過ごせていて
外で日本語喋らなければ日常は大丈夫です。
勉強しようw

せっかくなのでもうちょっといろいろ
自分の目で見てみようと思います。

北京の反日デモを見に行ってみた

2012-09-16 | China
今の中国の状況は日本ではどのように報道されているんだろう?

とりあえず今の身の回りの状況としては、
自分の住む住宅地エリアは、とっても普通。

テレビを付けても尖閣の話はちらっとはやっているけれども
政府の報道規制を敷いている関係で、
北京やアチラコチラで何万人が反日デモを起こしているなんてニュースはやっていない。

事実、日本人同士で情報交換をしていたのだが
騒動の中心地である日本大使館周辺では、
政府によって意図的に携帯電話の電波が繋がらず、
要は騒動の様子が「WEBへ投稿」されないようになっている。

だから、道端で果物売ってるおばちゃんとか、
天気のいい日曜日に散歩する西洋人なんかは
3~4キロ離れたところで2万人規模のデモが起こってることすら知らないのかもしれない。

デモの様子や背景などなどは新聞にいくらでも書いているので、
自分で感じたこと、見たことのみ書いてみる。




【デモを実際見てみた】

いままで日本という割とまとまった一つの国家で生きてきて、
その民族闘争というか、国家レベルで自分の国がディスられている現場というのは見たことがない。

こんな時代の節目にうねりがすぐ近くで起きているのに

「コレを見に行かない手はないでしょう」

という浅はかな考えで
過去最大の反日デモを見に行ってみた。

場所は日本大使館。そこから片側4車線の大通りが封鎖され、
2万人規模のデモが起きているらしいとの情報を得る。

現場から1キロちょいの最寄り駅の地下鉄から暴動になってるんじゃないかと思い、
ビクビクしながら行ったものの、駅周りは普段と変わらず。

しかし、そこから現場に歩いて行くと、
道の両側に多くの中国人がたむろしたり座り込んでいる。
中国の国旗をかたどった赤いシャツや、国旗シールを体に張っている若者。
うでに「治安維持協力志願者」とかの腕章をはめている、フツーのおじさん、おばさん。
その人らに混ざり別に取り締まっている様子もなく立って様子を見てる警察。

普段は、家族連れの日本人親子が談笑しながら歩き
「ここは日本か?」と思うくらいの日本人率の高い地区なのに、
日本人と見られる人は皆無。

いても自分と同じようにひっそりと混じっているんだろう。
ここで「日本人だ!」と囲まれたらどうなるかわからない。

なんか話かけられても日本語は絶対話さず、
最悪「中国系アメリカ人」だと言い張って切り抜けようと思っていた。

そのくらい、デモ周辺の日本人に対する感情は最悪だ。


日本大使館に近づくに連れて大通りに埋め尽くす人。
傍らには、「さっきまでデモ参加してました」と言わんばかりの、
例の赤い横断幕をもって休んでいる人、
車の横やボンネットに日本国旗をかたどったディスりアートを書き込んだ
「ディスりカー」なる車。
そしてそれらをケータイカメラで撮る若者。

微妙に感じる目線を横に
自分は帽子を深くかぶって空気に溶けながらさっさと歩いて行く。


そして到着した日本大使館周辺。

自分が行った夕方にはある程度落ち着いており、
一番激しかった昼過ぎ当たりの暴動騒ぎから、武装警察が投入され、
通りを武装した警官が50人くらいの一列に横断する形で整列。大通りを塞ぐ。

そこから先はデモのコース整備がされているらしく。
日本大使館前を中心として、
流れるプールのごとく道路を2回Uターンした0の字型で
デモ隊が巡回できるようになっている。

そこで、ざっと見て1000人くらいの人が
「釣魚島は中国のものだ」
「出ていけクソ日本人」
「日本の製品や金は要らない」
「毛沢東バンザイ」
などのプラカードを掲げ練り歩き、
コールアンドレスポンスで口々に合唱している。

そして大使館前に差し掛かると
柵の上めがけて何やら物を放り投げる。
生卵とかペットボトルの類らしい。

そしてデモの様子をとりまき、
様子を眺め写真や動画を取る人々。



始めに書いたように、
記事や、誰かのフィルターを通したニュースの伝聞ではなく、
自分で足を運び、自分の目で見てどう思うのかを知りたくて見に行った。

そして間近に人々のうねりが起こる
「反日の現場」とやらを見てみて思った事


気持ち悪い


何が原因でそう思ったかわからんが、
怒りとか反感とかではなく、どうも気持ちが悪い。

そりゃ今まで「日本」と「日本の人、物」を
あからさまに否定し、虐げられる現場というものを見たことはなく、
それを見たショックもあったかもしれない。

妙な熱気にあてられたからなのか、
それとも、反日のデモという行為が
何かもっと他の流れや意図の結果として発生した、
要は反日がダシに使われているような物を感じての気持ち悪さなのか。

自分と変わらない若者や、おっさんが、
無邪気に「釣魚島は中国のものだ、クソ日本人め!」
とあおり、それを笑顔で見てる聴衆。

何か自分が見ても、どうも煮え切らないものがあった。
そんな色々な違和感とあわせての気持ち悪さ。

たぶん一回見れば充分だろう。




自分が行った15日の夕方は既に一段落した当たりで、
大使館から近い、自分も割りと行っている日本食レストランも襲撃されたらしい。
ついでに見てきたが、日本の要素の少しでもある店は(なんちゃって日本風含め)
看板が凹んでいたり、表に中国国旗が掲げられ「心は中国人」「釣魚島は中国のもの」
という張り紙や垂れ幕が書かれてひっそり静まる。


日本人社会の中でも、5年前の一番日中関係が悪かった時と比べても
「今回は様子が違う」とか「一線を超えてる気がする」という意見が多い。

なんというか、いつもは反日デモと言いつつ
たらたら付き合いで歩いている人々が
言わば「デモに身が入っている」らしい。

実際に被害や嫌がらせも起こっていると聞くし
企業や家族連れの駐在員もかなりピリピリしている。
この土日と、満州事変の発端の記念日である9/18がピークと言われ、
今後にどう影響してくるか。



【反日デモについて思ったこと】

まず実際デモを見に行って思ったこと。
デモの参加者には恐らくハイソな知識階級の人はいない。

日本の感覚ではちょっとわかりづらいが、
中国では教育レベルが非常にバラバラで、
ちゃんと大学、高校に行った人もまちまち。
文化大革命の時期にかかった人達は、
まともな学校教育を一度も受けたことのないって人もいる。

そういう、おそらく大多数の国民を扇動する方法は
ある意味とってもわかりやすい「反日」という行動になるのはある意味納得できる。
そもそも、共産党の成り立ちが日中戦争だから、
「愛国」=「反日」という構図がある。


中国のデモは全て政府の統制下で起こっている。

ガス抜きというよりは外交上の面子を保つための国民へのアピールなのかなと思う。
むしろガスを抜きすぎると、その市民の鬱憤は即、反政府に向いていく。
それはマズイってことで、反日デモも行き過ぎないように政府が抑えていく。

その様子はここ最近の新聞やテレビでも明らかで、
国有化からこの土日に向けては国民を煽りけしかけ、
当日盛り上がると、騒ぎを抑えるため徹底した情報規制をひく。


そもそもの領土問題に対しては、お互いの国で自分の国が正しいロジックを組んでいて、
どっちも「向こうが悪い」と思っているから議論にならない。

ここを鞘に収めるには、利害関係のない第三国が仲裁に入るしか無いのかなーと。


あと一つ。今回の過去最大の反日デモが起き、
一番喜んでいるのは誰だろう。

中国経済にしても、現状日本との経済交流が途絶えることにメリットは無い。
だとすると最小限に抑える方向に動くのは当然だが、
そのある程度のリスクを取ってまで反日デモで国民を煽動する必要性。

恐らく共産党の政権維持に関わることでしょう。
見えてくるのは10月にある共産党の政権交代。
なんらかの政治的な意図があってのことは間違いないでしょう。
こっから先は自分にはまだちょっとよく分かりません。


今尖閣の問題を引っ張りだしてきて、
日本のしそうな対応もある程度は予想できただろうし
このタイミングももしかすると中国の計算なのでしょうか?

裏で国家レベルのいろんな意図が動いているようで
そのダシに利用されている感と、タイミング的な胡散臭さと
ゴテゴテに回って実際踊らされてしまっている日本の外交とで
気持ち悪さを感じているのです。




すでに、日本と中国は切っても切れない状況にあるので
まずは議論の土台に乗せ、平和的な解決を願います。

自分のできることとしては
時代の流れとニーズに敏感になり、
その中でどうやって価値を作り出すかを考えること。

そして、こういったある意味恵まれた状況の中で、
自分の知見を深め、発信をして伝えていくことですかね。