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社労士受験支援塾(三好塾)

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(労働基準法の判例集(要旨)第11条)定義[賃金]ーその5

2008-01-31 01:39:34 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)第11条)定義[賃金]ーその5


労働基準法第11条(定義[賃金])
この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

賃金
3.退職金
(1)意義・性格
最高裁第四小法廷昭和43.03.12判決
国家公務員等退職手当に基づき支給される一般の退職手当は、同法所定の国家公務員または公社の職員が退職した場合に、その勤続を報償する趣旨で支給されるものであって、必ずしもその経済的性格が給与の後払の趣旨のみを有するものではないと解されるが、退職者に対してこれを支給するかどうか、また、その支給額その他の支給条件はすべて法定されていて国または公社に裁量の余地なく法定の基準に従って一律に支給しなければならない性質のものであるから、労基法上の賃金

東京高裁昭和40.02.25判決
国家公務員等退職手当法に定める退職金は、過去の勤労に対する報酬たる性格を有し、一種の後払い賃金たる性格を有するものである。

東京地裁平成09.03.24判決
生命保険を利用した退職金準備金としての積立金は、生命保険の保険料であって、賃金でも、会社の預り金でもない

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(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)第11条)定義[賃金]ーその4

2008-01-29 07:23:08 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)第11条)定義[賃金]ーその4


労働基準法第11条(定義[賃金])
この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

賃金
2.社宅の無償供与
熊本地裁玉名支部昭和39.05.19判決
社宅の無償供与は入居者に対する賃金の一部とは認められない

3.退職金
(1)意義・性格
最高裁第三小法廷昭和43.05.28判決
民間企業の退職金も、権利として確定しているものについては、本条にいう労働の対象としての賃金に該当し、その支払については、性質の許すかぎり、直接払の原則が適用される。

名古屋高裁昭和36.04.27判決
労働協約に基づいて支給される退職金は労基法所定の賃金

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(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)第11条)定義[賃金]ーその3

2008-01-28 02:32:16 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)第11条)定義[賃金]ーその3


労働基準法第11条(定義[賃金])
この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

賃金
1.賞与
最高裁第一小法廷平成15.12.04判決
賞与の支給条件としての出勤率を賞与対象期間の90パーセント以上とし、産前産後休業日数及び育児のための勤務時間短縮措置により短縮した勤務時間数を欠勤日数に加えることは、出産及び育児の場合の勤務継続を抑制するおそれがあるから無効であり、産前産後の休業日数及び育児のための勤務時間短縮時間数は、賞与の額の計算上欠勤として減額の対象に止めるべきである

東京地裁平成15.04.28判決
年間賞与協定締結後、労働組合から脱退し、別労働組合を組織した者は、脱退時から年間賞与協定の適用から外れ、具体的賞与請求権が発生しないため、会社が別組合の経営改善非協力を理由として賞与の額に格差を設けたことは会社の不法行為ではない

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(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)第11条)定義[賃金]ーその2

2008-01-27 02:58:07 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)第11条)定義[賃金]ーその2


労働基準法第11条(定義[賃金])
この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

賃金
1.賞与
東京高裁昭和59.08.28判決
本来6月期に支給すべき賞与の支給日が2カ月以上も遅延して定められ、かつ、遅延について宥怨すべ特段の事情のない場合についてまで、支払日在籍者をもって支給対象者とすべき合理的な理由もなく、また、このような協定が労働組合との間に締結されても、既退職者にはその効力は及ばないから、6月末以降の退職者は賞与の受給権を有する

東京高裁昭和59.09.27判決
「定期賞与及び臨時給与は、支給の都度、細部を定めて支給する」との定め以外には就業規則に定めがなく、支給の都度組合と金額、算出基準、支給者の範囲等支給についての具体的な協定がなされてない限り、賞与等の具体的請求権は発生せず、その協定に懲戒解雇者に対する支給について定められていない場合には、懲戒解雇者に賞与等を支給しなくてもよい

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(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)第11条)定義[賃金]ーその1

2008-01-26 03:07:16 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)第11条)定義[賃金]ーその1


労働基準法第11条(定義[賃金])
この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

賃金
1.賞与
名古屋高裁昭和27.03.25判決
共同経営と称して与える賞与又は小遣いは、その実質は、使用従属の関係のもとで行なう労働に対してその報酬として支払ったものであるから法第11条の賃金、

東京高裁昭和49.08.27判決
従業員に対する年2回の賞与は使用者に支払を義務づけられた賃金の一部。

札幌高裁昭和58.03.29判決、名古屋地裁昭和55.10.08判決
賞与の支給日在籍を条件とする賞与規定は有効。

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(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)第10条)定義[使用者]ーその6

2008-01-25 01:44:25 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)第10条)定義[使用者]ーその6


労働基準法第10条(定義[使用者])
この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為するすべての者をいう。

使用者
3.法人格否認の法理
大阪高裁平成15.01.30判決
雇用関係の存在を法人格の法理を適用し背後の法人との間で認める場合には、「支配の要件」が強固でなければならず、元請会社と下請会社との間に、株式の保有、人事交流等の支配関係がなく、経理の独立が保たれ、労務管理や指揮命令関係への介入がない場合には、元請会社は、下請会社の従業員を雇用する義務はない

大阪高裁平成15.06.26判決
証券取引所と仲立証券会社との間には法人格否認の法理は成立する余地がない

大阪地裁岸和田支部平成15.09.10判決
タクシー業を総括する親会社が赤字の子会社を解散させ、同一営業区域に新子会社を設立したことは、法人格の濫用であり、親会社、解散会社及び新子会社は、連帯して、解散会社を解雇された労働者に賃金を支払わなければならない

神戸地裁平成15.03.26判決
会社が労働組合を排除する目的・意図で解散決議をしても、法令違反でなければ解散は有効であり、会社が労働組合に対して解雇の必要性及び解散の条件について真摯に説明しているので解雇権の濫用は認められず、解散会社の親会社に法人格否認の法理は適用されない

この条終りです

(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)第10条)定義[使用者]ーその5

2008-01-24 02:49:05 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)第10条)定義[使用者]ーその5


労働基準法第10条(定義[使用者])
この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為するすべての者をいう。

使用者
3.法人格否認の法理
大阪高裁昭和59.03.30判決
親会社が子会社にさせた団交拒否、協約・慣行の前面廃棄等の組合に対する一連の行為は不当な目的でなされたもので、濫用法人格否認の場合に該当し、親会社は、子会社の未払賃金の支払につき連帯責任はあるが、子会社の解散により解雇された従業員の雇用を継続する義務はない

盛岡地裁昭和60.07.26判決
従業員の組合活動を排除するため解散した販売店舗の法人格が形骸化しており、その実質上の経営者である農業協同組合に労働契約上の義務がある

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(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)第10条)定義[使用者]ーその4

2008-01-23 02:59:32 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)第10条)定義[使用者]ーその4


労働基準法第10条(定義[使用者])
この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為するすべての者をいう。

使用者
3.法人格否認の法理
神戸地裁昭和54.09.21判決
営業継続が困難な事情もなく、子会社の組合分会壊滅の目的で親会社が子会社と相謀り子会社を解散せしめ、従業員の雇用契約上の地位を失わしめることは法人格の濫用に該当するものというべく、子会社の従業員に対し直接親会社が法人格否認の法理により使用者としての責任を負う。

法人格否認の法理について司法書士さんのURLを参考にご紹介しておきます。
http://www2.bbweb-arena.com/sekikawa/houzinnkakuhinin.html

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(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)第10条)定義[使用者]ーその3

2008-01-22 00:56:38 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)第10条)定義[使用者]ーその3


労働基準法第10条(定義[使用者])
この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為するすべての者をいう。

使用者
2.使用者の範囲(下請労働者に対する使用者)
京都地裁昭和51.05.10判決
事業所としての実体を有しない下請企業の労働者が、親会社の職制等の指揮監督のもとに労務をしているならば親会社と使用従属関係あり

青森地裁昭和53.02.14判決
テレビ放送会社にフィルム編集作業のため下請会社から派遣された労働者と当該テレビ会社との間に雇用関係あり

否定例
福岡高裁昭和58.06.07判決、反対佐賀地裁昭和55.09.05判決
テレビ会社と同社に派遣されている下請労働者の間に、使用従属関係はあるが、労働契約関係はない

東京地裁昭和54.11.29判決
航空機整備会社とそこに派遣された下請会社の整備員との間には、労働契約関係はない

更に続きます。

(担当:社労士久)

(労働基準法の判例集(要旨)第10条)定義[使用者]ーその2

2008-01-21 00:42:53 | 判例集
(労働基準法の判例集(要旨)第10条)定義[使用者]ーその2


労働基準法第10条(定義[使用者])
この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為するすべての者をいう。

使用者
2.使用者の範囲(下請労働者に対する使用者)
最高裁第一小法廷昭和51.05.06判決
本工と同様に指揮監督を受け、同一の作業に従事する社外工は当該会社との間に雇用関係あり

最高裁第二小法廷昭和48.03.09判決
下請建築業者の施工したコンクリート型枠支保工の仮設工事が旧労働基準法第42条に基づく労働安全衛生規則に定める基準に合致していなかったために、コンクリート打設の際支保工が倒壊し、打設工事を行なっていた下請人の労働者多数が死傷したことにつき、元請負人の現場主任技術者が、直接雇用関係にない下請の労働者に対する関係においても、当該労働者の保護と安全を確保すべき施設の施工および利用に関し、当該労働者に対して実質的な指揮監督の権限を有する者である以上、労基法第10条および第42条<旧法>にいう「使用者」にあたる。

次回に続きます。

(担当:社労士久)