統合失調症は、自分の悪口が聞こえるなどの幻聴や妄想、考えがまとまらなくなる思考障害など多様な症状が出る病気で、対人関係がつらくなったり、順序立てて考えることが困難になると、日常生活に苦痛を伴うようになるものです。主に思春期に約100人に1人が発症するとされていいますが、発症メカニズムは分かっていません。今回、統合失調症の患者の脳に神経などの異常があることがMRIの画像解析で明らかになったそうです(京都新聞)。研究では、統合失調症の患者37人と健康な人36人の脳をMRIで画像を撮り、さまざまな部位の状態を調べたそうです。その結果、脳内のさまざまな情報を統合する「視床」から、大脳で思考や意欲をつかさどる「前頭葉」に伸びている「神経線維」を観察すると、患者の神経線維は細く、神経が結合する部分の大脳皮質が薄くなっていたそうです。したがって、視床から前頭葉への情報伝達がうまくいかず、その結果として情報を受け取る皮質の厚みも薄くなった可能性があるということです。統合失調症の発症メカニズムの解明や治療法の開発につながる成果だそうです。
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