健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

骨折を早く治す

2010-06-10 07:57:15 | 研究
骨折を早く治すためにFGF-2というタンパク質を患部に注入するとよいということが臨床研究で確認されたそうです。FGF-2は塩基性線維芽細胞増殖因子(Fibroblast growth factor 2)で、FGF-bあるいはbasic FGF(fibroblast growth factor basic)とも呼ばれることがあります。一般に、FGF-2は増殖因子の1つで、細胞増殖、血管新生、神経栄養など多くの機能を持っており、間葉系細胞、神経外胚葉細胞、内皮細胞を含む様々な種類の細胞の増殖を刺激して、四肢の発生、血管新生、組織修復、腫瘍形成に関与しています。つまり、実験室レベルでは、組織損傷の治癒促進に有効であることは確認できていたわけです。ただ、上述のように様々な細胞やタンパク質を増殖させてしまうので、腫瘍化を抑制する手法の確立が必要であったと思われます。骨折の治癒を促進させる方法としては、他にも電気刺激法などはすでに臨床応用されています。この電気刺激法の1つにマイクロカレント法があります。このマイクロカレントには損傷した骨格筋の治癒促進効果もあることを我々の研究室では確認しています。治癒を促進に関与する特定の細胞の増殖あるいはタンパク質の合成や働きを高めることができる刺激であれば、効果が期待できるのではないかと考えています。
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