慢性ストレスが心臓発作や脳卒中を引き起こす仕組みに関する論文が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。この論文によれば、ストレスが引き金となり、白血球が体に害を及ぼす恐れがあるほど過剰に生成されることがそのきっかけとなるということのようです。過剰な細胞は動脈の内壁の上に凝集して、血液の流れを抑制し、血栓の形成を促します。そしてこの血栓は、血行を妨げたり、内壁からはがれて体の他の部位にまで流れて塞栓や梗塞を引き起こします。今回の研究は、集中治療室(ICU)で働いている専門医学実習生29人を対象に調査した結果だそうです。被験者の職場環境は、生死に関わる決断に対して重い責任を負わされることを考えると、慢性ストレスにさらされている状態のモデルとみなすことができるそうです。勤務時間中と非番時に採取した血液サンプルと、ストレスの認識に関するアンケートの結果を比較調査して、ストレスと免疫系との間の関連性を見出すことに成功したというのです。そして、ストレスが骨髄系幹細胞を活性化し、これによって白血球の過剰生成が誘発されることが確認されたようです。次に、すし詰め状態にしたり、かごを傾けたりなどの方法で、マウスにとってのストレスに相当する状況にマウスを置く実験を行ったそうです。この実験では、アテローム性動脈硬化症を発症しやすいマウスを選んで用いたそうです。その結果、ストレスが原因で生成された過剰な白血球が動脈の内側に蓄積して、プラークの成長を促すことが分かったというのです。なるほど。
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