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健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

おもしろ宇宙実験

2010-03-07 07:30:45 | 宇宙
国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の野口宇宙飛行士が、任務の合間を利用して無重力空間をより理解してもらうために「おもしろ宇宙実験」を行ったそうです。無重力の影響と言っても様々なものがあります。もちろん、身体機能にも大きな影響が現れます。しかし、身体機能への影響は「実験」として映像的にインパクトのあるものが得られにくい傾向があります。まぁそうですね。映像的によく理解できるということは、形が変わるとか動きが変わるとかというものですのです。ヒトの体にこうした変化が急激に起こるというのもあり考えられません。
一方、地球上に比べて宇宙空間だからこそよくわかる現象があります。それは「物理現象」です。物理学で学習した「運動の法則」に代表されるものは宇宙空間で非常に分かりやすくなります。例えば、等速度運動。等速度運動をしている物質に外から力が加わらなければ、その物質は等速度運動を続けるというものがあります。地球上でこの法則を実験的に証明しようとすると少し難しくなります。なぜなら、地球上で実験を行うと、必ず重力の影響を受けてしまうからです。重力も「力」の1つです。したがって、等速度運動を続けるという現象を得ることは極めて困難であるということになります。ところが、国際宇宙ステーションの中では、簡単に証明できます。国際宇宙ステーション内部にも地球上に比べて小さいですが重力は存在します。しかし、ステーションが地球を周回するときに発生する遠心力と重力が釣り合っているために、実質重力が「ゼロ」になっています。ですので、何か物を投げたりすると、どこかにぶつからない限り、同じ方向へ同じ速度で移動し続けるということになります。これは宇宙空間でも似たような現象を得ることができます。仮に、宇宙ステーションの外で船外活動中にステーションから離れるような動きが生じてしまったとすると、命綱がなければその動いた方向に一定の速度で動き続けます。こ動きが地球から離れる方向だとしたら、その飛行士は宇宙のどこかへ行ってしまうということになります。何とか宇宙ステーションに戻ろうとしてもがいたりしても、まったく効果はありません。もちろん、重力の影響がわずかにあります。しかし、その影響はちいさく地球に引き寄せられる可能性はかなり小さいと考えられます。
話を元に戻しますが、こうした実験は物理学を学習しているあるいは学習した人にとって面白く興味深いものだと思いますが、まだ学習する前の人にとってはだた単に「面白い」実験で終わってしまうと思います。もう少し、宇宙実験の大切さを伝えてほしいと思うのは無理なのでしょうか。宇宙実験に携わる者としてなんかもどかしさを覚えます。

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