高齢者の歯と記憶の関係に関する論文が発表されたそうです(QLife Pro)。高齢者の咀嚼と脳の認知機能に因果関係があると考え、特に自分の歯で咀嚼することは長期的なエピソード記憶(個人的な体験や出来事の記憶)に重要であるとの仮説を立て、年齢55歳以上の健康な高齢者273人を対象に口の中の健康状態と認知機能の調査を行ったものです。調査の結果、自分の歯が残っている数が多いほどエピソード記憶が優れている事がわかったそうです。これは自分の歯で噛むということが脳の長期的な記憶に重要な役割を持つことを示しているということです。また、脳のワーキングメモリー(瞬時に行われる一時的な記憶)や視空間能力、処理速度の性能には影響は見られなかったとも。あらゆる年代において、自分の歯で咀嚼することは健康面で重要であることがわかっていますが、この研究では新たに高齢者にとっては記憶の面でも重要な意味を持つことが示したものです。自分の歯を健康に保つことは健康維持だけでなく認知症予防にもなるということですね。
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