健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

宇宙生活で染色体に異変

2019-05-03 08:30:34 | 研究
宇宙で暮らしたら人体に何が起きるのかについて研究した結果が、Scienceに掲載されたそうです(ナショナルジオグラフィック)。医学の分野では双子の研究が行われています。身体的にも遺伝的にもほぼ完全に一致しており、環境の変化に人がどう反応するか比較対照する理想的な条件が備わっているからです。今回、米国の宇宙飛行士スコット・ケリー氏が、一卵性双生児の兄弟であるマーク氏と共に、宇宙飛行の影響を調べる実験の被験者に。スコット氏が国際宇宙ステーション(ISS)へ行き、1年間、微小重力の条件下で宇宙飛行士として働き、生活。一方、地球ではマーク氏が、自由で典型的な民間人として働き、生活。 この実験は、2015年3月27日から2016年3月2日まで実施。その結果、まずISSにいる間、スコット氏の全般的な健康状態はずっと良好だったそうです。一方で、宇宙滞在により染色体の末端を保護するテロメアが長くなったそうです。さらに、染色体の一部で逆位や転座が起こったり、DNAが損傷しているといった異常や遺伝子発現の変化も確認されたそうです。遺伝子への影響以外にも、網膜と頸動脈の厚さの変化も確認。さらに、腸の微生物叢(マイクロバイオーム)も、地球にいるマーク氏とは違うものに。しかし、地球帰還後に、遺伝子の90%以上が正常な発現レベルに戻ったそうです。長くなったテロメアの大部分は帰還して間もなく通常の長さに戻ったそうですが、一部は出発前よりもかなり短くなったそうです。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/041200226/
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