健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

迷走神経を刺激して減量支援する装置

2015-02-16 08:30:55 | 研究
米国食品医薬品局(US Food and Drug Administration、FDA)は先日、減量を助けることを目的に脳から胃へ走る神経を電気的に刺激するペースメーカーに似た最新式機器を承認したそうです(AFPBB NEWS)。承認されたのは、米国Minnesota州に本拠を置く米医療機器会社が開発した「マエストロ・リチャージャブルシステム(Maestro Rechargeable System)」で、FDAが減量用機器を承認するのは8年ぶりだそうです。この機器では、肥満患者の腹部に外科手術で埋め込まれた電極に、外部から電気パルス発生機器を操作して腹部の迷走神経に信号が送られ、腹部の迷走神経は胃の伸縮による信号で空腹および満腹を脳に伝える働きをするというもの。FDAによると、電気刺激は脳と胃の間の神経活動を阻害するが、機器の使用に起因する特定の体重減少メカニズムは不明ということです。安全性と有効性に関する試験では、この機器を用いて減量させたグループの過剰体重減少率は、機器装着も非作動の対照グループに比べて8.5%高かったそうです。しかし、当初の目標は10%だったとも。この臨床試験には、体格指数(BMI)35以上の肥満患者233人が参加。マエストロを作動させた患者グループの約半数は、過剰体重20%以上の減量に成功したそうです。重い副作用としては、吐き気、神経調節因子部位の痛み、嘔吐、外科合併症などがこれまで確認されているそうです。また一部の使用者からは、痛み、胸焼け、嚥下障害、げっぷ、軽度の吐き気、胸痛なども。
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